うつ病の原因・症状とは?
うつ病(ウツビョウ)の原因
うつ病は、抑うつ障害や単極性障害ともよばれる。気分障害の75%はうつ症状のみのうつ病とされる。遺伝的な要因や性格的な要因が関係していると考えられているものの、はっきりとした原因はわかっていない。
うつ病(ウツビョウ)の症状
意欲の低下、イライラ、不安や焦りなど、ひどい気分の落ち込みがみられ、全身の疲労感、頭痛、便秘、睡眠障害などの身体症状をともなうことがある。
うつ病(ウツビョウ)の治療
抗うつ薬によってうつ状態の期間を短くする治療が中心となる。薬物療法でなかなか快方に向かわないときは、電気けいれん療法がおこなわれることもある。
【受診科目】
- 精神科
※9人の医師がこの病気について述べています
医師に聞いた
うつ病の原因・症状・治療方法
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ライフイベントにおけるストレスや環境の変化で起こるうつ病
うつ病の特徴には、普段の体調と異なって気分が憂鬱で疲れやすい、やる気が出ない、物事をマイナス面にしか捉えられないといった気分の変調が現れます。そして、気分転換ができず、症状が持続する状態となります。うつ病が発症する年齢は幅広いですが、30〜60代が多くみられることも特徴的です。その背景として、仕事や結婚、退職などのライフイベントの変わり目において、大きなストレスと環境の変化が影響していると考えられています。うつ病の治療は、約90%が薬物療法です。患者さんの中には、薬物療法で過敏に副作用が現れる方もいます。その場合は、心理療法がメインとなることでしょう。
うつ病を予防することは容易ではありません。基本的には、自分を中心として取り巻く環境が変わった時に、うつ病は発症しやすくなります。その時点で、すぐにうつ病を発症するのか、あるいは時間が経ってから起きるのかは個人差があります。共通するのは、何らかのタイミングで心理的負荷がかかり、不眠や体調不良が起こります。その変化が起きた時に、しっかりと心身の休養ができることが大切です。
航空公園クリニック
石井 正宏 院長
- 所沢市/喜多町/航空公園駅
- 心療内科 ●精神科 ●脳神経内科
自分なりのリフレッシュ法を見つけてストレスをため込まないことが大切
うつ病は、気分が落ち込んだり憂うつになったりするなどの精神症状と「眠れない」「だるい」などの身体症状が現れる病気です。発症の原因はさまざまで、職場や家庭などでのストレスだけでなく、昇進や結婚など一見するとプラスのイメージのある環境の変化によっても引き起こされることがあり、中にはこれといった特定の原因がないケースもあります。
うつ病の治療でポイントになるのは、まずはしっかりと休養をとることです。お仕事をしている方では一定期間休職し、療養に専念するケースも少なくありません。またいったん症状が軽快しても、再発しやすいのがうつ病の特徴です。再発を防ぐためには日々のストレス発散や適度な運動、考え方の癖を見直すなどが重要になります。基本的なことになりますが、栄養バランスのよい食事と安定した睡眠など、生活リズムを整えることもとても大切です。
美山医院
美山 仁 院長
- 本庄市/日の出/本庄駅
- 精神科 ●心療内科
『うつ病』は誰でもなる可能性のある心の病気
現代の『うつ病』は、職場、家庭、介護、地域などによるストレス、人間関係や業務に関連しています。みなさん口をそろえて「自分がうつ病になるとは思わなかった」「原因も思い当たらない」と言います。それくらい、誰でも心の病気になる可能性のある時代です。いつもより仕事量が多かったり難しかったり、一人でがんばり過ぎたりしていないかうかがうと、そうかもしれないと言われ、内心病気になったことをとても悔しがられます。そういった方々の悔しい気持ちも汲み取りつつ、お薬を飲んで休養すれば良くなりますよ、と伝えています。また、職場や家庭にも状況を説明する必要があります。必ず職場へ戻ることができるとお話して、本人が休むことで減給したり失職したりすることがないようお話します。部署移動が必要な場合は会社の対応に委ねます。患者さんには薬が効いて楽になると説得して、2〜3週間で回復が可能になります。大体は1年かけて治療すればお薬が不要になる段階まで回復し、あるいは2~3年かかって休職や病休を繰り返して病気が長引いた方でも、じっくり話を聞いてお薬を調整していけば、限定的ではありますが、職場復帰する方もおられます。復帰も困難なのではないか、と思うような患者さんがみるみる変わって回復されていく様子に、家庭や職場の見る目も変わっていき、私もやり甲斐を感じています。初回エピソードであれば、うつ病は1年くらいかけて向き合っていけば再発することもないので、あきらめないで治療していただければと思います。
多摩やすらぎクリニック
渡邉 良弘 院長
- 多摩市/落合/多摩センター駅
- 精神科 ●心療内科
ストレスに対するセルフケアが病気の予防につながる
うつ病の原因ははっきりと分かっていないものの、生まれ持った性質・環境・ストレスなどが重なり合って発症すると考えられます。主な症状としては、気分の落ち込み、興味・関心の低下、睡眠障害、食欲低下/増進、イライラ・不安などが挙げられ、これらの症状が2週間以上続いた場合に「うつ病」との診断がつきます。
うつ病と似た症状が現れる病気として適応障害があります。適応障害はストレスから遠ざかっている間は症状が現れないのに対し、うつ病は適切な治療を受けないかぎり症状の改善がみられないことが特徴です。
うつ病の薬物療法では、抗うつ薬が使用されます(根本療法)。また、うつ病に伴うさまざまな症状に対しては、抗うつ薬の効果が発現するまでに最低でも1から2週間の時間を要するため、その間は、抗不安薬や睡眠薬の使用が検討されます(対症療法)。うつ病は急に発症するわけではなく、心身の不調が積み重なって生じるものです。身体(頭痛や下痢など)、情緒(気分の落ち込みなど)、行動(酒量増大など)に何らかのストレスサインがみられたら、ストレスを上手に発散することが大事です。
ラベンダーメンタルクリニック 浜松町
中野 和歌子 院長
- 港区/浜松町/浜松町駅
- 精神科 ●心療内科
環境を整え、ストレスをため込まないことが大事
うつ病は環境の変化やストレスなどにより、さまざまな精神症状が現れる病気です。気分が落ち込んだり、気だるい感じがしたり、ぼーっとしてしまったり、自殺願望が芽生えたり、食べものの味がよく分からなくなったりして、日常生活に支障をきたすようになります。患者さんの多くは真面目な性格で完璧主義なところがあり、他人のせいにできないために自らを追い込んでしまうケースが少なくありません。
うつ病の治療薬は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン―ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)などさまざまなタイプがありますが、問題を根本的に解決するためには周囲との関係性を含めた「環境を整える」ことが大事です。完璧主義者の方の場合は、「間違ってもいい」「失敗してもいい」と思考を転換することも必要になるでしょう。意識的に太陽を浴びたり、好きなことを楽しんだり、周囲と積極的にコミュニケーションを取りながらストレスをためないことを心がけていただきたいと思います。
AQUA RISE CLINIC (アクアライズクリニック)
安部井 彰人 院長
- 渋谷区/渋谷/渋谷駅
- 精神科 ●心療内科 ●美容皮膚科 ●内科
がんばり過ぎず、自分のための「ご褒美タイム」を確保しよう
うつ病は「気分障害」の一種で、落ち込んだり、元気がなくなったりする状態のことを言います。原因はさまざまなものが考えられ、何の前触れもなくある日突然、気分の落ち込みに襲われるケースも珍しくありません。その様子を「心の中に大雨が降ってきた……」と記した文豪もいたほどです。
うつ病の治療では薬物療法が選択されることが一般的です。最近は抗うつ薬にもいろいろなタイプが出てきているため、「眠れない」「イライラするなど」の症状に適した治療薬が処方されます。一方で、うつ病は真面目でがんばり過ぎる人が発症しやすいとされていますから、心身共に穏やかに過ごせるような環境を整えることも大事です。1日のうちに自分のためだけのリラックスタイムをつくるなど、ゆとりある生活を送ることがうつ病予防につながります。
楽仙堂病院
栗原 弘明 院長
- 深谷市/東方/深谷駅
- 精神科 ●心療内科 ●内科 ●人工透析内科
働きすぎの現代人は要注意。「うつ病」の症状とは?
うつ病は生まれ持った性質によるものもありますが、多くは家庭や職場などの環境的要因が複合的に絡み合って発症すると考えられています。気分の落ち込みが続いたり、活動的な人が引きこもりがちになったり、食事がとれない、眠れない、お腹が痛い、吐き気がする……などの多様な症状が現れることがうつ病の特徴です。
うつ病の治療は家庭や職場などの環境を見直すことからスタートし、症状の程度に応じて向精神薬などの使用が検討されます。また薬物療法や精神療法を続けても改善がみられない場合には、第3の選択肢としてrTMS(反復経頭蓋磁気刺激)療法などもあります。
うつ病も他の病気と同様に、生活環境を整えることで一定の予防効果があるとされます。適度な運動、バランスのよい食事、良質な睡眠をとることを心がけるほか、ストレスをためずに上手にリフレッシュすることが大切です。
こころの港クリニック京橋・東京駅前
山﨑 龍一 院長
- 中央区/京橋/京橋駅
- 精神科 ●心療内科
気が滅入る、頭痛がする……。もしかして「うつ病」かも?
うつ病の症状には、精神症状と身体症状の2つがあります。精神症状としては、気が滅入る、食欲がない、夜眠れないなどがあり、身体症状には、肩こり、頭痛、下痢などがあります。遺伝的な要因もありますが、学校・職場・家庭などの環境要因が大きいと考えられています。
治療は病状の程度によって異なります。軽症であれば睡眠薬などを服用しながら十分に体を休めるよう指導します。一方、重症例では、うつ病になった原因を取り除くことが第一選択となり、休職・休学のうえで自宅療養を行います。
病状が回復してきたら、家の中で体を動かしたり、散歩に出かけたりしながら少しずつ社会復帰を目指すと同時に、再発を防ぐための取り組みも大事になります。
向山クリニック
岡本 直 院長
- 渋谷区/恵比寿南/代官山駅
- 心療内科 ●精神科
あらゆる世代にリスクがある「うつ病」を解説
うつ病は、子どもから高齢者まで誰にでも起こり得る病気です。家庭内や職場での人間関係、高齢者であれば身体的な不調などがきっかけになり、気分が落ち込む、頭が回らない、体がだるい、喜びを感じられないなど、さまざまな症状が現れます。
うつ病の治療は原因や症状によってアプローチが異なりますが、適切な治療によって社会復帰できるケースがほとんどです。治療を進めるなかで不安がやわらぎ、十分な睡眠が取れるようになると、心身の休養が整って少しずつ気持ちが前向きになっていきます。身の回りのことができるようになり、集中力が回復してくれば、職場への復帰も期待できるようになります。
このように、うつ病の症状は劇的によくなるというより、階段を1段ずつ上がるようなイメージで回復していきます。「消耗するエネルギー」が「回復するエネルギー」を上回る状態が続いていると、うつ病を発症しやすくなるかもしれません。そのため、日頃から十分な睡眠や栄養をとるとともに、周囲に気を遣い過ぎないこと、ストレスを上手に発散することも大切です。
くすの木クリニック
柳澤 雄太 院長
- 千葉市中央区/新田町/千葉中央駅
- 心療内科 ●精神科