糖尿病の原因・症状とは?
糖尿病(トウニョウビョウ)の原因
糖尿病とは、慢性的に高血糖(血糖値=血中に含まれるブドウ糖が高い状態)が続く病態を言う。糖尿病は大きく2つのタイプに分類される。食生活などの環境因子と体質(遺伝)の組み合わせによって起こるものを2型糖尿病と呼び、10人中9人はこのタイプである。これに対し、免疫の働きの異常によって血糖値を降下させる作用のあるインスリンを産生する膵臓の細胞が破壊されることによって起こるものが1型糖尿病である。1型糖尿病の発症のメカニズムは現在も解明されていない。
糖尿病(トウニョウビョウ)の症状
口渇(こうかつ)や多飲、多尿、体重減少、倦怠感などがあるが、自覚症状に乏しいことがほとんど。高血糖状態が続くと血管を傷つけることが明らかになっており、その結果として糖尿病網膜症、腎不全、末梢神経障害などの合併症を引き起こすことが知られている。
糖尿病(トウニョウビョウ)の治療
2型糖尿病の場合、食生活や運動習慣を改善することが第一となる。生活の改善を行ってもその効果が十分でない場合、飲み薬や注射薬(GLP-1受容体作動薬)による薬物療法が並行して行われる。2型糖尿病で薬物療法による効果が十分ではない場合や、膵臓がインスリンをほとんど産生できない1型糖尿病、あるいは妊娠糖尿病の場合、インスリンを補うインスリン治療が行われる。
【受診科目】
- 糖尿病内科
※10人の医師がこの病気について述べています
医師に聞いた
糖尿病の原因・症状・治療方法
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どのタイプの糖尿病であっても早期に適切に治療を行うことが合併症予防に大切
血糖が正常より上昇してしまう糖尿病は適切に治療を行わない場合には、血管が固く、狭くなり、長期的には腎臓病、心臓病、脳卒中など全身の病気に進展してしまいます。このような合併症を防ぐために早期の発見、治療開始が重要になります。
糖尿病は大きく分類して1型と2型があります。一般的に多くみられる糖尿病は2型糖尿病となります。2型糖尿病は過食や運動不足といった生活習慣によって血糖が上昇して発症することが多いですが、実は発症しやすい体質も大きくかかわっています。生活習慣を改善させようと努力されていてもなかなか改善しない場合には、こうした患者さん個人の体質にも配慮した治療が必要であると考えています。幸いにも現在までに多くの種類の糖尿病治療薬が使用できるようになりましたので、患者さんの生活習慣や体質に寄り添った治療がしやすくなっています。
1型糖尿病は自己免疫といって、自身の体の中で自身の膵臓がダメージを受けて、膵臓から分泌されるインスリンという血糖を下げるホルモンが少なくなって発症します。患者さんの数は2型糖尿病の患者さんに比べてかなり少ないです。現時点でインスリンは飲み薬として体内に補完できませんので、1日に数回インスリンを注射することが必要となります。ただ注射の仕方は進歩しており、インスリンポンプという小型機器を用いてインスリンを持続的に皮下に注入する方法や、さらに近年では血糖値をリアルタイムでモニターしながら投与するインスリン量を調整できるインスリンポンプも登場しています。
繰り返しになりますが、どのタイプの糖尿病であっても早期に適切に治療を行うことが合併症予防に大切です。血糖値が気になる方は、はやめに医療機関に受診されることをお勧めします。
永島メディカルクリニック
永島 秀一 院長
- さいたま市見沼区/南中野/大宮駅
- 内科 ●糖尿病内科 ●内分泌内科
肥満は糖尿病にとっても大敵
尿が近くなる、喉が渇く。このような症状は高血糖の状態である可能性があります。さらに注意しなければならないのは、手足のしびれ、目のかすみなどで、これらは糖尿病の合併症が疑えます。糖尿病と自覚されていない方がすでに合併症を併発していることは珍しいことではありませんので、そのためにも、1年に1回の健康診断を受けていただくことが大切です。
糖尿病は、年齢を経れば経るほどなりやすい疾患と言えます。と言いますのも、若いうちは膵臓が頑張ってインスリンを作れるからです。糖尿病を大別すると、2つの病態に分かれます。1つがインスリン分泌不全で、頑張ってきた膵臓が踏ん張りきれなくなり、発症するもの。もう1つが、インスリン抵抗性という病態です。内臓脂肪から供給される遊離脂肪酸があると、インスリン抵抗性が増すと言われています。つまり、糖尿病にとっても肥満は大敵で、できることなら解消に努めていただきたいと思います。
新緑糖尿病内科クリニック
佐藤 雄紀 院長
- 川口市/栄町/川口駅
- 糖尿病内科 ●内分泌内科 ●内科
深刻な合併症を防ぐためには、定期的にクリニックを受診し、血糖や血圧、コレステロールを良いレベルに保つことが大切
糖尿病はインスリン(膵臓から出ている血糖値を下げるホルモン)作用の不足に基づく慢性の高血糖の病気です。自覚症状のない方が多く、血糖がかなり高い時は、のどの渇き、頻尿、体重減少といった症状が現れます。治療としては、食事療法、運動療法、薬物療法があります。食事については、バランスの良い適切な量の食事をするのが大事です。薬物療法は、内服と⾃⼰注射があります。自己注射の薬には、インスリン製剤とインスリン分泌促進と食欲抑制作用効果を両方持つ薬があります。インスリンの⾃⼰注射は、全ての患者さんが⼀度始めると⼀⽣続けなければならないというわけではなく、体からインスリン分泌が十分に出ている方は、血糖コントロールが良好になってから徐々にイン スリンを減量し、内服薬に切り替えることも可能です。
糖尿病合併症は多様で、放置すると腎不全から透析になったり、視力低下や失明したり、下肢の切断に至る場合もあります。ただ、良好な血糖コントロールすれば、合併症なく糖尿病ではない人と同じような生活が出来ます。糖尿病合併症を予防するのは、自己中断しないで、定期的に受診、血糖、血圧、コレステロールを良いレベルにするのが大切です。
わらび内科・糖尿病クリニック
張 宇 院長
- 川口市/芝新町/蕨駅
- 内科 ●糖尿病内科
三大合併症に加えて、急性合併症にも要注意
糖尿病の中でも患者数の多い2型糖尿病は、食べすぎやデスクワークによる運動不足などの生活習慣に起因して発症することが多いです。いったん発症すると治癒を期待するのは難しいため、病気と上手に付き合っていく必要があります。治療では食事療法や運動療法によって生活習慣を整え、必要があれば内服薬による治療が行われることが一般的です。
糖尿病は神経・目・腎臓に生じる三大合併症をいかに予防するかが大事です。また、お薬や生活習慣の変化によって急性の合併症が生じる可能性があるため注意が必要です。たとえば夏の暑い時期にスポーツドリンクを多量に摂取すると血糖値の上昇を招き、倦怠感や体重減少につながる恐れがあります。なお、自己判断でインスリン注射を中止することは非常に危険ですから、必ず医師の指示にしたがうようにしましょう。
三倉医院
三倉 健太朗 医師
- 川崎市宮前区/宮前平/宮前平駅
- 糖尿病内科 ●内分泌内科 ●内科
糖尿病予防には生活習慣を整えることが一番
糖尿病とは、インスリンのはたらきが低下して血液中の糖が増えてしまう病気です。初期は無症状ですが、病気が進行するにつれて尿の量が多くなったり、だるさを感じたり、体重減少がみられるようになります。また合併症として、目が見えなくなったり(糖尿病網膜症)、人工透析が必要になったり(糖尿病性腎症)、手足のしびれ(神経障害)などが生じる恐れもあります。
糖尿病の治療では、食生活や運動などの生活習慣を見直すことを基本に、お薬による治療が選択されることもあります。最近はテレワークの普及によって運動不足になり、若い世代の方でも糖尿病を発症するケースが増えている印象があります。糖尿病は遺伝性によるものもありますが、多くは運動不足や過食、ストレスなどの生活習慣が原因で発症します。日頃からバランスのよい食事や良質な睡眠をとることを心がけ、適度に息抜きをするなど生活習慣を整えることが予防につながります。
内科小久保医院
小久保 透 院長 & 小久保 麻子 副院長
- 世田谷区/世田谷/松陰神社前駅
- 循環器内科 ●糖尿病内科 ●腎臓内科
バランスのよい食事と適度な運動習慣を心がけてほしい
糖尿病は血液中の「糖」が増えてしまう病気です。原因は病気の種類によって異なり、血糖値を下げるホルモン(インスリン)のはたらきが十分でなかったり、生活習慣の乱れに起因して発症したりするほか、遺伝によって糖尿病になる場合もあります。
糖尿病は初期には自覚症状がないものの、重症化すると喉の渇きや倦怠感を覚えるようになります。早い段階で病気を見つけることができればお薬を使用せず、適切な食事や運動を心がけていただくことで改善が期待できます。一方で、病気が進んでいる場合はインスリン注射などの治療が選択されることもあります。
糖尿病の多くは食事や運動などの生活習慣が原因で発症するため、日頃からバランスのよい食事を心がけ、適度な運動習慣を身につけて適性体重を保つことが予防になります。
所沢駅前クリニック(糖尿病内科)
佐藤 潤 院長
- 所沢市/東住吉/所沢駅
- 糖尿病内科 ●呼吸器内科 ●内科
「治らない病気」から「寛解できる可能性のある病気」へ
糖尿病はほぼ無症状で進行する病気
糖尿病は多くの場合、初期段階ではほとんど症状が現れません。巷でよく耳にする「口渇(のどの渇き)」や「多尿」といった症状は、実は病気がある程度進行した段階で見られるサインです。このため、知らないうちに病状が進行してしまい、発見が遅れるケースも少なくありません。そのため、定期的な健康診断で血糖値をチェックし、早期発見と対策を行うことが重要です。
治療の進化と血糖コントロールの向上
近年では、糖尿病治療薬の種類が格段に増え、より効果的に血糖値をコントロールできるようになっています。インスリン注射や経口薬に加え、GLP-1受容体作動薬などの新しい薬剤も登場し、個々の患者に適したアプローチが可能です。また、血糖値が上がりやすい原因についての研究も進み、食事や生活習慣の改善によって薬に頼らず血糖値を安定させる方も増えてきています。
生活習慣改善による血糖コントロール
糖尿病は食生活や運動習慣、ストレス管理などの生活習慣が密接に関係しています。例えば、食後高血糖を防ぐために低GI食品を選んだり、食物繊維を多く含む食事を心がけたりすることが効果的です。また、定期的な運動はインスリンの感受性を高め、血糖コントロールに役立ちます。こうした生活パターンをひとつずつ見直していくことで、必要最小限の薬で管理できるケースも少なくありません。
「寛解」という新しい概念
かつては「一度発症したら一生治らない病気」というイメージが強かった糖尿病ですが、最近では特に海外を中心に「寛解(かんかい)」という考え方が注目されています。糖尿病の寛解とは、薬を使わずに血糖値やHbA1cなどの指標が安定し、糖尿病の診断基準を満たさない状態が一定期間続くことを指します。糖尿病は「治らない病気」から「寛解できる可能性のある病気」へと認識が変わりつつあります。
やのメディカルクリニック勝どき
矢野 宏行 院長
- 中央区/勝どき/勝どき駅
- 内科 ●糖尿病内科 ●内分泌内科
治療の効果を患者さんに実感してもらうことも大切
【平岡 純 院長】
糖尿病は、血糖値が高い状態が続く病気で、放置すると腎臓病や心臓病、脳卒中などにつながる恐れがあります。そのため早期発見と治療開始が重要です。最も多いのは2型糖尿病で、生活改善を心がけても十分に効果が得られない場合もあり、その際には体質に応じた薬の選択が必要となります。
昨今、治療薬の1つとして、GLP-1受容体作動薬というものが登場しました。GLP-1は減量効果も期待でき、患者さんが「成果を実感できる治療」として広がっています。糖尿病は「制限ばかりの病気」と思われがちですが、早く治療を始めれば健康な人とほとんど変わらない生活が可能です。血糖値が気になる方は、早めの受診をお勧めします。
ひらおか内科クリニック
平岡 純 院長 & 平岡 晃 副院長
- 千葉市花見川区/南花園/新検見川駅
- 内科 ●消化器内科 ●呼吸器内科
糖尿病について
糖尿病は、血液中の糖(血糖)が慢性的に高くなる病気です。食事で摂った糖をエネルギーに変えるためには「インスリン」というホルモンが必要ですが、この働きが不足したり、効きにくくなることで血糖値が上がります。糖尿病は大きく分けて、インスリンがほとんど出ない1型糖尿病と、生活習慣や遺伝が関係する2型糖尿病があります。日本では圧倒的に2型糖尿病が多く、食生活の乱れや運動不足、肥満、ストレスなどが主な原因です。
初期には自覚症状がほとんどありませんが、進行すると「のどが渇く」「尿の回数が増える」「体重が減る」「疲れやすい」「手先や足先がしびれる」といった症状が現れます。放置すると、動脈硬化が進み、心臓病や脳梗塞、腎臓病、失明、足の壊疽(えそ)など、全身に重大な合併症を引き起こすことがあります。そのため、早期発見・早期治療が何よりも大切です。
診断には、血糖値やHbA1c(過去1~2か月の平均血糖)検査が必要であり、当院では当日中に結果が出ます。また、腎臓や膵臓、動脈硬化の影響を調べるために尿検査や血液検査、腹部エコー検査、頸動脈エコー検査を併せて行うこともあります。当院では、結果をもとに患者様の生活背景を丁寧に伺い、最適な治療方針を一緒に考えていきます。
治療の基本は「食事療法」「運動療法」「薬物療法」です。食事はバランスを整え、糖質の摂りすぎを防ぐことが重要です。運動は無理のない範囲で継続し、インスリンの働きを改善させます。これでも血糖が下がらない場合には、内服薬やインスリン注射を組み合わせてコントロールします。最近では、体重管理にも役立つ新しい薬も登場しています。
糖尿病は「うまく付き合えば、健康を維持できる病気」です。継続的な治療と生活改善によって、合併症を防ぎ、元気に過ごすことが可能です。
『葛西内科皮膚科クリニック』では、血糖コントロールだけでなく、食事・運動・生活習慣まで含めた全人的なサポートを行っています。管理栄養士も在籍しており、身体の基本となる食事から変えて、血糖を良好に保つことが出来るように力を入れております。気になる症状がある方、健診で指摘を受けた方は、どうぞ早めにご相談ください。
葛西内科皮膚科クリニック
小林 俊一 理事長
- 江戸川区/中葛西/葛西駅
- 内科 ●糖尿病内科 ●皮膚科 ●呼吸器内科 ●消化器内科 ●小児科 ●小児皮膚科 ●アレルギー科 ●美容皮膚科
糖尿病の注射薬をダイエット目的に使用するリスクとは……?
糖尿病は、血糖を下げるはたらきのあるインスリンが十分に作用せず、血糖値が慢性的に高くなる病気です。初期には自覚症状がほとんどありませんが、進行すると神経障害・網膜症・腎症などの合併症を引き起こします。
治療では、患者さんご自身に注射薬(マンジャロ)を使っていただく方法が主流になりつつあります。この注射薬は血糖コントロールと体重減少に高い効果が期待できますが、副作用がまったくないわけではありません。用法・用量を守らずに使用すると、嘔吐などの副作用が現れることがあるため、注意が必要です。
マンジャロはあくまでも糖尿病患者さん向けに開発された薬であり、糖尿病を専門にする医師のもとで使用することが大切です。治療中に体調不良がみられた場合は、専門医に相談することをおすすめします。
かけい内科 糖と甲状腺のクリニック【2026年2月開院予定】
加計 剛 院長
- さいたま市緑区/東浦和/東浦和駅
- 内科 ●糖尿病内科 ●内分泌内科