糖尿病(2型糖尿病)の原因・症状とは?

糖尿病(2型糖尿病)(トウニョウビョウ)の原因

体内に摂取した糖分をエネルギーに変える糖代謝システムが正常に働かなくなり、糖分を使わないため血液中の当分がたまってきて高血糖になる状態。糖尿病は大きく2つに分類される。ひとつは、食事から摂取したブドウ糖を細胞に取り込み、エネルギー源に変える作用を促進するインスリンが、膵臓のβ細胞が破壊されることによって分泌されなくなる1型糖尿病。もうひとつが、よくない生活習慣が引き金となり、インスリンの働きが低下して高血糖状態が続く2型糖尿病である。

糖尿病(2型糖尿病)(トウニョウビョウ)の症状

のどの渇きや倦怠感、多尿、体重減少などの症状がみられるが、初期はほとんど症状がない。進行すると、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害などの合併症をともなう。

糖尿病(2型糖尿病)(トウニョウビョウ)の治療

通常の社会生活を送ることができるよう、カロリーを抑える食事療法と運動療法が治療の基本となる。まず食事療法があり、次に運動療法、そして薬物療法となり、種類や症状によって、この3つを組み合わせて治療を進めていく。

【受診科目】

  • 内科
  • 糖尿病内科
  • 代謝内科
  • 内分泌内科

7人の医師がこの病気について述べています

医師に聞いた
糖尿病(2型糖尿病)の原因・症状・治療方法

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食後の高血糖に要注意。見つけにくい「隠れ肥満の糖尿病」とは

一般的に糖尿病というと「Ⅱ型糖尿病」がイメージされると思います。
Ⅱ型糖尿病の原因は遺伝が半分、環境によるものが半分くらいです。

日本人は隠れ肥満が多いんですが、若い頃痩せていた人でも実は糖尿病になるというケースもあります。異所性脂肪が増えることで明らかな高血糖じゃないのに動脈硬化が早く進んでしまうんですね。こういったわかりにくい症例の場合は早く見つけてあげる必要があるんですけど、なかなか診断がつきにくいんです。

隠れ肥満の人の糖尿病の場合、空腹時血糖だけでは見つけられないので食後の血糖値を調べるんですが、血糖変動の大きい人はインスリンの分泌が過剰になって高血糖と低血糖を繰り返すことになります。するとやがて肥満と動脈硬化になっていくという。

つまり体型に関わらず異所性脂肪や内臓脂肪、脂肪肝や心臓脂肪がある人は動脈硬化などのリスクも高く、心筋梗塞を起こす恐れがあるということです。心筋梗塞も初期の頃は自覚症状がないので、症状がない段階でそのリスクに早く気づいて治療を始めるのが重要なんですね。

早く診断するためには健診がいいのかも知れないけども、糖尿病の治療を長いことやっていると患者さんの家族歴とか生活歴、過去の体重や現在の脂肪の状況で、ある程度の予測ができるんです。

あくまでも経験や統計的な予測ではありますが、予測の段階で生活習慣の改善や薬や治療についてのアドバイスはできるし、早い段階で治療や予防につなげられていますね。なので、いかにも糖尿病という体型じゃない人や全く自覚症状のない人の糖尿病に、できるだけ早く気づいて早めに対応するのが大切だと思います。

岩﨑良二

岩﨑内科診療所

岩﨑良二

  • さいたま市浦和区/岸町/浦和駅
  • 内科 ●糖尿病内科 ●代謝内科 ●内分泌内科

日本人の6人にひとりが罹患。治療も予防も生活習慣が肝心

糖尿病とは、膵臓から出るホルモンであるインスリンの働きが弱くなり、血糖が増えてしまう病気です。1型と2型に分別され、1型は膵臓の細胞の破壊によるもの、2型は遺伝による体質や生活習慣によって起こるもので、日本人の糖尿病罹患者の90%が2型です。もともと日本人は欧米人に比べてインスリン分泌能力が低く、糖尿病に罹患しやすいと言われており、日本では成人の6人にひとりが糖尿病です。糖尿病になると手足の痺れや疲労感が出るほか、感染症にかかりやすくなったり、様々な合併症を引き起こしたりします。糖尿病の治療は血糖値をコントロールすることですが、その方法としては食事療法、運動療法などが挙げられます。薬物療法もありますが、前述のふたつで生活習慣を改善していくことが前提となります。糖尿病の予防策としては、日頃から規則正しい食生活や適度な運動を心がけることです。高齢の方の病気というイメージが定着していますが、若い方でも潜在的な罹患者は少なくありません。喉が渇きやすい、尿が多いなどのほか、だるさや手足の痺れなどが見られる際は糖尿病の可能性が高いので、すぐに医療機関を受診したほうがいいですよ。

青木 厚 院長

あおき内科 さいたま糖尿病クリニック(旧:青木内科・リハビリテーション科)

青木 厚 院長

  • さいたま市見沼区/東大宮/東大宮駅
  • 糖尿病内科 ●内科 ●内分泌内科 ●代謝内科 ●漢方内科

早めの治療で血糖値を下げてからダイエットがもっとも大切

糖尿病の患者様は世界中で増加傾向にあり、血糖値が悪化することで心筋梗塞、脳梗塞、腎障害(透析)などの重症疾患の要因となります。糖尿病の中でも「2型糖尿病の主な原因は肥満」です。他にも遺伝、ステロイドなどの薬剤も要因として挙げられます。そして、肥満による脂肪の蓄積は「膵臓から出ている血糖値を下げるインスリン分泌を阻害する状態」が継続します。脂肪が増加してくると、膵臓は脂肪に打ち勝つためにインスリンを大量に分泌させて血糖値を正常に保ちます。しかし、「脂肪の蓄積が更に悪化することで、血糖値を下げようと膵臓がアクセル全開にしてもインスリンが分泌できない状態」になってしまいます。膵臓がオーバーヒートし、この段階で「2型糖尿病」を発症します。
 2型糖尿病の予防は「肥満」に注意することが一番重要です。食事や運動習慣を見直し、少しでも血糖値に異常がみられた場合はすぐに医療機関を受診してください。一人ひとりに合った治療法で血糖値を早めに下げて、「しっかりと膵臓を休ませることが重要」です。その間に食生活の見直しやダイエットに取り組み、適正体重を維持しましょう。膵臓がある程度元気になってくれば、内服薬やインスリンを中止することも可能です。糖尿病は怖いと思われがちですが、早く受診することで、もっと怖い事態にはなりません。仮に腎臓が悪くなり始めていても、透析を阻止することも状態によっては可能です。まずは、早めの糖尿病クリニックへの受診です。お気軽にご相談下さい。

松谷 大輔 院長

新宿内科 糖尿病・生活習慣病クリニック

松谷 大輔 院長

  • 新宿区/西新宿/新宿駅
  • 内科 ●糖尿病内科 ●代謝内科 ●内分泌内科

常に向上心を持ち、新たな治療を求めていく姿勢が大切

糖尿病は、1人ひとり発症のメカニズムが違うものですから、当然、その方に合うお薬も様々です。様々なお薬を試した上で、何がその方に合っているかを見つけていく必要があります。「クリニカルイナーシャ」という言葉があります。日本語に訳せば、「臨床的惰性」となるでしょうか。この人はこの薬で十分、この人はインスリンをする人。医療者の側が決めつけてしまえば、それ以上良くなることはありません。医療は日進月歩で進化しており、糖尿病のお薬も新しいものが次々と開発されていきますから、最善の治療はなんだろうかと、常に自問自答しながら向上心を持っておひとりおひとりと向き合っていく必要があるのです。現に、1日4回インスリンを射っていた方が、お薬を見直した結果、インスリンが必要なくなるケースも過去にありました。患者さんにできるだけ負担をかけず、満足のいく治療法に持っていくのが私たちの役割であり、自分自身のアイデンティティなのです。

佐藤 信行 院長

サトウ内科クリニック

佐藤 信行 院長

  • 大田区/大森西/大森町駅
  • 内科 ●糖尿病内科

ダイエット目的で処方される新薬も

2型糖尿病の治療では、ここ数年、新たなお薬が次々と出ていることがトピックと言えるでしょう。そのうちの1つに「GLP-1受容体作動薬」というものがあります。血糖値を効果的に下げる作用のあるこのお薬には、胃や腸の働きを抑制し、食欲を抑える作用もあります。それから、「マンジャロ」。こちらは世界初の「GIP/GLP-1受容体作動薬」で、当院でも処方していますが、血糖改善と体重減量に確かな効果を発揮するお薬です。
「GLP-1受容体作動薬」については、ダイエット領域で処方されることもあります。このお薬は血糖値が高いとインスリンの分泌を促してくれるのですが、血糖値が正常の場合、分泌を促すことを中断してくれる作用を持っています。昔からあった糖尿病のお薬の中には低血糖を起こしやすいものもあるのですが、「GLP-1受容体作動薬」はその特性上、低血糖に陥るリスクが非常に低く、ゆえにダイエット領域で盛んに使用されていると思われます。問題なのは、保険適応外のダイエット目的で処方されることが多く、本来必要な糖尿病の患者さんに十分に行き渡ってないことです。供給が需要に追いついてないとも言えるのですが、大きな枠での調整が必要と言えるかもしれません。

清水 宣博 院長

西新宿パークサイドクリニック

清水 宣博 院長

  • 新宿区/西新宿/西新宿五丁目駅
  • 内科 ●糖尿病内科 ●代謝内科 ●内分泌内科

症状が出る前に、日頃からできることをやっていくことが大切

糖尿病は、初期にはほとんどが無症状で、静かに進行していきます。逆に言えば、喉の渇きや、手がしびれるといった症状が出てしまっている状態は、危険ということなんですね。
糖尿病の治療ではお薬も大切ですが、食事や運動に目を向けることが大切です。血中に糖分が多くなるのは(甘い血液)、摂取しているからに他なりません。故に、ご飯や麺類などのデンプン、あるいはデンプンで作られたアルコール類を飲むと血液が甘くなりますので、注意が必要です。
食事をすると血糖値が上がるわけですが、上がらないよう、そのカーブを緩やかにするためには運動が重要です。それも、食事の前ではなく、食後におこなっていきましょう。食後1時間より前を目安に適度な運動をすることで、血糖値が上昇するのを予防することが可能になります。
今からでもできることがあります。お昼にお弁当を食べるとしましょう。もったないですが、ご飯を4分の1だけ残してください。それなら、今からでも始められますよね。

伊藤 実喜 院長

東京上野マイホームクリニック

伊藤 実喜 院長

  • 台東区/東上野/仲御徒町駅
  • 内科 ●アレルギー科 ●泌尿器科 ●消化器内科 ●糖尿病内科

血糖値・血圧・脂質・体重を上手にコントロールすることが大切

2型糖尿病は遺伝的素因もありますが、多くは不規則な食生活や運動不足など生活習慣の乱れが継続することによって発症します。主な症状としては喉の渇き、多飲・多尿、体重減少などがあります。

治療は食事療法と運動療法を基本にしつつ、薬剤を使う場合もあります。血糖値・血圧・脂質の適切なコントロールと、肥満の方であれば体重を落とすことも大切です。

2型糖尿病は生活習慣病の1つであり、患者さんの生活習慣によって治療法が異なります。患者さんが抱えている問題を抽出し、病気の原因を把握したうえで打開策を提案することは糖尿病専門医としての責務です。ご心配なことがありましたら、糖尿病専門医にご相談下さい。

吉田 直史 院長

東中野糖尿病内科クリニック

吉田 直史 院長

  • 中野区/東中野/東中野駅
  • 糖尿病内科 ●内科
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