高血圧症の原因・症状とは?

高血圧症(コウケツアツショウ)の原因

原因を特定できない本態性高血圧症と、身体のどこかに原因となる病気がある二次性高血圧症の2つがあり、頻度としては圧倒的に本態性高血圧症が多くなる。遺伝や塩分過多、肥満や老化など、さまざまな誘因があるとされる。

高血圧症(コウケツアツショウ)の症状

頭重感や肩こり、めまいやだるさ、動悸・息切れ、不眠などを感じることがある。症状が現われるのは血圧がかなり上昇してから。

高血圧症(コウケツアツショウ)の治療

降圧剤等の薬物による対症療法がおこなわれるが、もっとも大切なのは生活習慣の見直しで、食生活の改善、適度な運動の習慣、禁酒と禁煙がその根幹となる。二次性高血圧症の場合、原因となっている病気の治療をすることにより、高血圧症も改善する。

【受診科目】

  • 内科
  • 循環器内科

9人の医師がこの病気について述べています

医師に聞いた
高血圧症の原因・症状・治療方法

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日々の体調チェックが重大な病気を防げる

日本の高血圧の患者さんの数はおよそ4300万人程度と言われており、これを読んでおられるご自身もしくはそのご家族が血圧を下げる薬(降圧薬)を飲んでいるという方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。しかし高血圧という状態の危険性を真剣に受け止めて日々の生活を改善したり薬の内服を“意識的に“している方はかなり少ないと思われます。健康診断で降圧薬を内服している方には必ず薬の名前を尋ねるようにしています。即答できる方は大体100人に聞いて2人程度、うる覚えの方が10人いるかといった感じです。処方する側の医師の説明不足も大きな一因と考えられますが、高血圧症の危うさの理解不足が表れているように思えます。これは高血圧それだけでは基本的にはすぐに症状が出ないことが原因でしょう。しかし長い時間が経過すると血管に負担がかかり続けることで大動脈解離や心筋梗塞、脳出血・脳梗塞といった致死的な病気を発症してしまう可能性があります。腎臓の血管も硬くなり透析導入の原因となることがあります。つまり症状が出た時には命に関わる病気となってしまっているのが高血圧症です。そうならないためには日々のメンテナンスが重要です。高血圧と言われたことがある方や降圧薬を内服している方は血圧を記録しましょう。



①ご自宅で血圧を1日2回測定し記録。座って2分程度落ち着いてから測定。

朝測定:起きたらトイレに行ってその後すぐに測定。

夕測定:寝る前に測定。測定前にタバコ・飲酒・カフェイン摂取はダメ。

②1週間の平均値が135/85 mmHg を超えていたら、その記録を持ってクリニックへ。

注:面倒だなと思った方はまだ高血圧の怖さが分かっていないと思われます。



誰でもすぐにできるメンテナンスとしては禁煙・減塩(1日6g)・運動(1日30分か週180分)・節酒(1日量の目安:ビールなら500ml、焼酎なら1杯、ワインなら3杯程度)などがあります。症状がなくても今始めないと結果は重大です。できることからすぐに始めましょう。

堀澤 伸 院長

ファミリークリニック草加

堀澤 伸 院長

  • 草加市/高砂/草加駅

普段から自分の血圧を把握しておくことが大切

当院でも、血圧が高いことが理由で通院されている方はかなりの数にのぼります。ですが、その中で普段からご自宅で血圧をチェックされている方はわずかです。皆さん、病院の血圧計と違い、お家の血圧計は精度が低いから当てにならないと思われているようです。ですが、病院という場所では、白衣高血圧症といい、普段の血圧より上昇してしまうことがあります。つまり、家で測る血圧こそが標準的な指標となるんですね。
糖尿病や脂質異常症、高尿酸血症などの疾患を抱えている方はもちろんのこと、平常時の血圧を自分で把握しておくことが大切です。それがわかっていれば、実際に調子が悪くなり医療機関にかかった時、診察がスムーズになります。高血圧が様々な疾患のリスクとなることはよくご存知かと思います。早めに対応することで様々な疾患を予防することが可能になりますので、そのためにも普段から血圧をチェックしておくことが肝心です。

上野 克仁 院長

うえの内科外科医院

上野 克仁 院長

  • 大田区/仲池上/西馬込駅
  • 内科 ●外科 ●循環器内科

本態性・二次性の確実な診断で

高血圧は慢性的に血圧が高い状態で、血管に負担がかかることから動脈硬化を引き起こす恐れがあります。一般的に降圧薬を服用される方の高血圧は、「本態性高血圧」といって、遺伝的要素や生活習慣の影響が考えられているものの、原因が特定できない高血圧です。高血圧の中には、本態性高血圧の他に、ホルモンバランスの異常や血管の病気などが原因となる「二次性高血圧」というタイプも存在します。まずは高血圧に原因があるかどうか、きちんと診断をすることが肝要で、原因があればそれに対する治療をすることが優先となります。ただ血圧を下げる薬を服用すればいいというものではありません。また、本態性高血圧であってもすぐに薬を開始すればよいというものではなく、塩分を控えた食生活や禁煙、定期的な運動など、生活習慣の是正を複合的に取り組んでいただき、その上でお薬による治療を検討していきます。ご高齢の方は飲む薬の種類を減らしてあげたほうがよい場合もありますし、患者さんの合併する病気によって使うべき薬も変わってくるため、お一人お一人に合わせた治療を考えていくことが重要です。医療用アプリを活用し、生活習慣を改善することで、薬を減らせる例もあります。当院ではこうした新しい方法も取り入れながら、高血圧治療に力を入れています。

阿部 裕之 院長

阿部いきいきクリニック東中野

阿部 裕之 院長

  • 中野区/東中野/東中野駅
  • 内科 ●循環器内科 ●外科

病気のサインを見逃さず早めの受診を心がけてほしい

高血圧症には本態性高血圧症と二次性高血圧症の2つがありますが、一般に「高血圧症」と言う場合は前者のことを指します。
本態性高血圧症は、加齢など原因がはっきり特定できない高血圧症です。治療としては食事療法と運動療法を基本に、必要があればお薬を使った治療によって血圧をコントロールします。最近では「高血圧治療補助アプリ」が保険適用になるなど、治療の選択肢が増えてきています。
二次性高血圧症は何らかの病気が原因で血圧が高くなっている状態をいい、治療法は高血圧の背景にある病気の種類によって異なります。たとえば腎臓の血管が細くなっているのなら血管を広げるような治療を行い、腫瘍が原因になっているならば切除手術を行います。
いずれの場合も適切な診断のもとに治療を行うことが大事になりますので、健康診断などで血圧の高さを指摘された場合は、専門的な知識を持った循環器内科専門医を受診していただくと良いでしょう。

土屋 勇輔 院長

ゆうハートクリニック大泉学園

土屋 勇輔 院長

  • 練馬区/東大泉/大泉学園駅
  • 内科 ●循環器内科 ●呼吸器内科 ●アレルギー科

患者さんの便利を追求することで、重大な結果になることを防いでいく

日本には4,300万人の患者さんがいると言われ、およそ2人に1人が高血圧の患者さんと見ることもできます。一方、血圧が高すぎると症状が出ることもありますが、ほとんどの方は症状がないため、自分ごとになりにくい疾患と言えるでしょう。高血圧は進行すると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを上昇させます。最終的な病名とはなりませんが、原因となった疾患という意味で、死因の中で最たるものと言われています。
高血圧の原因は多岐に渡ります。生活習慣が主な原因であれば、それを改善することで治癒は期待できます。しかし、年齢であったり、遺伝的な体質も関係すると見られていますので、完全な治癒は難しいというのが実際のところです。しかし、完全な治癒は難しいものの、出来るだけ良い状態をキープすることは十分に可能です。お薬に抵抗のある方もおられますし、医療側も妥協する姿勢も見られますが、しっかりと治療すれば治療目標に近づけることは十分に可能な疾患なのです。昨今、オンライン診療が普及し始め、また治療アプリ等の開発も進んでいます。高血圧の治療は、患者さんの便利が進むことで、次のステージに向かうのではないかと期待しています。

石田 和也 院長

八丁堀3丁目クリニック

石田 和也 院長

  • 中央区/八丁堀/宝町駅
  • 内科 ●小児科

高血圧治療用アプリの活用が生活習慣改善の大きな助けに

高血圧症とは、主に加齢と生活習慣の偏りから発生する身体の状態です。高血圧自体というより、その状態から派生する血管障害が大きな問題で、それを防ぐには血圧を低めに保っておく必要があります。
治療にはお薬等もありますが、最近はスマートフォンを活用した高血圧治療用アプリが登場しました。簡略して説明しますと、入力した血圧をもとに、塩分の摂り過ぎを改善するためにどのような食事をしたらいいか、あるいは、適度な運動とは何をすればいいか、といったことを教えてくれるものです。実際に血圧が改善していく様子がデータとして手元で見れますので、生活習慣を改善する意欲をかきたててくれるものになっています。

十川 康弘 院長

時計台メディカルクリニック

十川 康弘 院長

  • 武蔵野市/吉祥寺本町/吉祥寺駅
  • 内科 ●消化器外科 ●外科

食事や運動面を見直していただくことが第一

40歳をすぎると約半分の方は血圧が高めと言われます。その中には他の病気により二次的に高い方と生まれつきに高くなる傾向にある方といらっしやいます。
まずはそれをスクリーニングし、そして生活習慣病と言われるように食事や運動などの面を改善し、それでも高い場合は薬を使います。

薬の種類も
1.カルシウム拮抗剤
2.ARB拮抗剤
3.ACE阻害役
4.利尿剤
5.βブロッカー
6. αブロッカー
その他にもいくつかあります。
年齢や基礎疾患、その他の要因で薬の組み合わせが変わります。季節により薬が変わる場合もあります。
人により副作用も出方が違いますので、その方にあうのを見つけて使います。

梶原 由美子 院長 & 梶原 庸司 医師

梶原内科クリニック

梶原 由美子 院長 & 梶原 庸司 医師

  • 世田谷区/代田/世田谷代田駅
  • 内科 ●循環器内科

高血圧治療は心血管病の発症や死亡を減少させることにつながる

高血圧は、わが国において最も有病率の高い生活習慣病の1つです。高血圧治療の目的は、高血圧の持続によってもたらされる心血管病の発症や死亡を減少させることになります。今回のガイドラインでは、実際に血圧を下げる行動につながる内容を提示しています。降圧目標が、年齢や患者背景に関わらず一律に診察室血圧130/80mmHg未満(家庭血圧125/75mmHg未満)と明確に示されました。

提示された治療の基本として
血圧値や降圧薬投与の有無によらず、すべての高血圧患者に生活習慣の改善を行う
降圧治療の原則は、1日1回投与の薬剤を中心に行うが、降圧効果を高めるために適切な併用療法を行う(20/10mmHg以上の降圧を目指す場合には初期から併用療法を行うことも明記)
降圧治療の継続には、十分なコミュニケーションを継続して共同意思決定(SDM)に基づいた医療を行い、QOLを高めることが重要

生活習慣の改善項目には
ナトリウム制限:食塩6g/日未満
カリウム・カルシウム・マグネシウム。食物繊維・不飽和脂肪酸の積極的摂取
適正体重の維持:BMI 25未満
運動療法
節酒
禁煙
その他(室内・屋外での寒冷暴露の回避・適切な睡眠時間の確保・便秘の回避・ストレスの管理)
を明文化した。

治療のための共同意思決定(SDM)の構成要素として
高血圧による脳心血管疾患発症のリスクと治療の有益性について説明し、降圧目標値を共有し、治療の選択肢を提示することで、患者の理解を深め関心を高めていくこと。
患者の価値観と希望を尊重し、患者の嗜好や生活に合った治療方針を選択すること
家庭血圧に自己測定・記録を勧め、その評価をフィードバックすること
処方を単純化し、服薬回数、服薬錠数を減らすこと
コミュニケーションを継続し、治療状況や患者のニーズ嗜好の変化に対応すること
服薬忘れや治療が中断した場合には、費用や副作用などその理由について話し合い、必要であれば薬剤の変更を考慮する
等といった患者・家族に寄り添った医療を目指すことを示していることが大きな特徴である。

前田 国見 院長

石神井公園じんクリニック

前田 国見 院長

  • 練馬区/石神井町/石神井公園駅
  • 人工透析内科 ●内科

ちょっとの工夫で血圧は下がる——続けられる高血圧対策とは

高血圧には、腎臓の病気やホルモン異常など、原因がはっきりしている二次性高血圧と、明確な原因を特定できない本態性高血圧があります。外来ではまず血液検査などで原因となる病気がないかを調べ、そのうえで生活習慣の見直しや薬物療法を組み合わせて治療を進めていきます。
ただ、頭ではわかっていても生活習慣を変えるのは簡単ではありません。「運動しましょう」とお伝えしても、実際に継続できる方は100人に1人いるかどうか。しかし、その1人が血圧を大きく改善させた例があります。その方はほとんど外出をされていませんでしたが、家の周りを一周歩くようにしただけで、血圧が150から140へと下がったのです。長時間のウォーキングやランニングでなくても構わないのです。近所を少し歩く、一つ先の駅で降りてみる——そんな小さな一歩でも、血圧は確かに変わります。
運動は高血圧だけでなく、糖尿病のインスリンの効きを良くしたり、コレステロール値を改善させたりと、多くの良い影響をもたらします。「やってみようかな」と思えるきっかけ作りが何より大切です。無理のない範囲で、今日できるひと工夫を生活に取り入れてみませんか。

市川 滉介 院長

旗の台あまねクリニック

市川 滉介 院長

  • 品川区/旗の台/旗の台駅
  • 内科 ●小児科 ●精神科
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