脂肪肝の原因・症状とは?

脂肪肝(シボウカン)の原因

脂肪肝にはアルコール性と非アルコール性があり、前者の場合はアルコールを過剰に摂取することによって脂肪肝が生じる。アルコールの摂取がない場合であっても、肥満やメタボリックシンドロームによって脂肪肝が生じることもあり、これを非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と言う。このほかに薬剤の影響や妊娠などによっても脂肪肝が生じることがある。

脂肪肝(シボウカン)の症状

初期の脂肪肝では明らかな症状がみられないことが多い。症状が進行するにつれて倦怠感、食欲不振、お腹の右上部分に鈍い痛みを感じることがある。脂肪肝が進行して肝硬変や肝がんを引き起こし、それらが悪化した場合には、むくみや腹水などが現れるようになる。

脂肪肝(シボウカン)の治療

アルコール性・非アルコール性によって治療法が異なり、アルコール性脂肪肝の場合はアルコール摂取を控えることが大前提になる。NAFLDの原因が肥満やメタボリックシンドロームだと分かっている場合は、運動療法や食事療法によって減量するよう指導されることがある。脂肪肝は肝臓を健康な状態に戻せる可能性があるため、早期発見・早期治療が求められる。

【受診科目】

  • 消化器内科

6人の医師がこの病気について述べています

医師に聞いた
脂肪肝の原因・症状・治療方法

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肝臓の健康を保つためには脂肪肝の予防と早期発見が重要

脂肪肝はその名の通り、肝臓に過剰な脂肪が沈着した状態を指します。肝臓に沈着する脂肪のほとんどは「中性脂肪」です。食事から摂取した脂質は小腸で脂肪酸などに分解され肝臓に送られて中性脂肪に合成されます。摂取する脂質が多くなると肝臓に中性脂肪が過剰に貯まるわけです。また余分なブドウ糖からも中性脂肪が作られるため脂肪肝の原因になります。肝臓は「沈黙の臓器」の一つで、脂肪肝ではよほどのダメージがないかぎり腹痛や黄疸などの自覚症状はありません。
原因としては、アルコールと生活習慣の乱れ(過食、運動不足)がほとんどですが、薬剤性、消化管手術後、遺伝子変異なども挙げられています。脂肪肝を放置し炎症が進むことで肝臓が硬くなってしまうと、10年後に10~20%の方が肝硬変や肝がんを発症するといわれています。また心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患を起こす危険性が脂肪肝のない方の約1.6倍といわれていますので、腹部超音波検査やフィブロスキャン検査を行い初期の段階で発見することが重要です。
脂肪肝は栄養バランスを重視した食事摂取や適切な運動療法、禁酒を行うことによりほとんどの方で改善が期待できますが、摂食障害、他疾患の薬物治療、遺伝的要因などが原因の場合は通院での治療が必要になります。
健康診断や人間ドックで肝機能障害を指摘された方は、一度肝臓専門医への受診をお勧めします。

小幡 和彦 院長

さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック和光市駅前院

小幡 和彦 院長

  • 和光市/丸山台/和光市駅
  • 内科 ●胃腸内科 ●内視鏡内科 ●消化器内科

甘いもの・アルコールを控え、適度な運動を心がけて

脂質異常症とは、採血で、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪が高い事を言います。
脂質異常症の患者さんの大半は、超音波検査で肝臓が真っ白に見える脂肪肝です。食事療法と運動療法を組み合わせて、まずは内臓脂肪を落とす必要があります。

食事療法では、悪玉コレステロールを増やさないために、お肉であれば脂身よりも赤身を選ぶようにし、揚げ物、フライ、炒め物や、甘いものやアルコールの取り過ぎに注意しましょう。一方で、適度な運動を心がけることも大切です。ジムでトレーニングをするというより、1日30分間のウォーキングを取り入れるようにするとよいでしょう。

こうした生活習慣の改善に取り組み、それでもコレステロール値が改善されない場合は、お薬を使った治療を行うことになります。特に閉経後の女性は悪玉コレステロール値が高くなる傾向がありますので、継続的にお薬を使いながらコレステロール値を適切に管理する必要があります。健康診断などで悪玉コレステロールが139mg/dlを超えた場合は、速やかに医療機関を受診していただきたいと思います。

井本 千秋 院長

医療法人成秋会 井本医院

井本 千秋 院長

  • 川口市/上青木/鳩ヶ谷駅
  • 内科 ●小児科 ●皮膚科 ●婦人科

2、30年後に悲惨な経過とならぬよう、今から注意喚起することが求められる

肝機能障害を健康診断等で指摘され、脂肪肝であることがわかるケースが大半です。一般的には高血圧や高脂血症、高尿酸血症などの生活習慣病を合併している方が多く、脂肪肝だけを診るというより、全身に気を配っていく必要があります。脂肪肝が肝硬変に移行した場合、肝機能の低下とともに、黄疸が見られたり、腹水や全身のむくみなどが表れ、合併症として食道の静脈瘤が起こりやすくなり、吐血することも珍しくありません。肝硬変が末期の状態になると、壮絶と申しましょうか、非常に辛い経過をたどることになります。そういうことにならぬよう、できるだけ早期にフォローアップをしていくことが我々には求められてきます。

辛い症状が出始めると、改善に向かうのは難しいのが現実ですが、それ以前に早期に発見し、生活習慣全般を見直したり、運動を取り入れるなどすれば、病気の進行をゆるやかなものにすることは十分に可能です。現在、40代、50代の方にとっては、2、30年後の未来を見据えての治療ということになりますが、いつまでも健康で長生きしていただくために必要なものであることを、今、ご理解いただくことが大切と認識しています。

行徳 芳則 院長

ぎょうとく内科・内視鏡クリニック

行徳 芳則 院長

  • 台東区/浅草橋/浅草橋駅
  • 内科 ●消化器内科 ●肝臓内科

肝機能の改善には“スルフォラファン”が有効

脂肪肝はアルコールを過剰に摂取することによって生じるもの、生活習慣病などによって生じるものの2つのタイプがあります。脂肪肝になると肝臓の柔軟性が失われて肝硬変になり、肝がんを発症するリスクが高まります。また脂肪肝の人は血液中の脂肪量が増加して内臓脂肪や皮下脂肪が増える“メタボ”の状態であることが多く、動脈硬化によって心筋梗塞や脳梗塞を発症する恐れがあるため注意が必要です。

脂肪肝の治療は食事療法や運動療法からスタートすることが一般的です。果物の取りすぎに注意したり、間食を控えたりするほか、当院では体成分組成計を用いて体幹部の筋力を評価し、運動指導を行うことで基礎代謝の亢進から脂肪肝を改善させる取り組みを行っています。アフターコロナ時代に寝たきりにならない意味でも非常に重要です。また脂肪肝の改善には、スルフォラファンを多く含むブロッコリースプラウトの摂取も有効です。私の臨床データで裏付けされており、テレビCMにも出演し提唱しております。アルコールを控えて運動習慣を身につけていただくのはもちろん、ブロッコリースプラウトやサプリメントの摂取を心がけていただくとよいでしょう。

菊池 真大 院長

用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニック

菊池 真大 院長

  • 世田谷区/用賀/用賀駅
  • 内科 ●消化器内科 ●肝臓内科 ●内視鏡内科

第一に食事や運動などの生活習慣の改善が重要

脂肪肝とは、肝臓に過剰な脂肪が蓄積された状態を指します。脂肪肝には、主にアルコールと関連するものと非アルコール性(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患;MASLD)に分けられ、後者は飲酒習慣のない人にも起こります。MASLDは、肥満、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病と関連しており、近年増加傾向にあります。MASLDのうち20~30%程度の方で、脂肪の蓄積に加えて、肝臓に炎症と線維化が加わった状態にある代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)と推定されています。MASHは、将来肝硬変や肝がんに進展する可能性があります。診断には血液検査、超音波検査、必要に応じてCTや肝生検を行い診断を行います。治療は、生活習慣病との関連が強く、まず食事や運動などの生活習慣の改善が重要で、体重を減らすことが脂肪の蓄積や肝機能の改善につながります。健診で脂肪肝を指摘された方は、医療機関での管理や病気が進行する前に生活習慣を見直すことで予防・改善を行うことが大切です。

大久保 知美 院長

大久保メディカルクリニック

大久保 知美 院長

  • 印西市/鹿黒南/千葉ニュータウン中央駅
  • 内科 ●消化器内科 ●内視鏡内科 ●循環器内科 ●整形外科 ●リハビリテーション科

患者数が増加傾向にある「脂肪肝」とは?

脂肪肝とは、肝臓に脂肪が過剰に蓄積された状態を指します。アルコール性と非アルコール性に分けられ、初期には症状が現れないことが一般的です。

アルコール性脂肪肝は過度な飲酒が原因ですから、飲酒量を減らすことが治療になり、予防につながります。一方の非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の場合は、食生活を見直し、適度な運動習慣を心がけることが大事です。

脂肪肝は血液検査の結果(AST・ALT・γ-GTP)をもとに診断されますが、これらの数値が基準値内であっても脂肪肝が疑われるケースがあります。こうした「隠れ脂肪肝」を見逃さないためにも、健診結果などで異常を指摘された場合は、積極的な受診をおすすめします。

奥山 秀平 院長

三田医院

奥山 秀平 院長

  • 港区/芝/三田駅
  • 消化器内科 ●内視鏡内科 ●肝臓内科
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