ピロリ菌感染の原因・症状とは?
ピロリ菌感染(ピロリキンカンセン)の原因
感染経路として、経口感染が有力とされる。また衛生環境が感染に関係していると考えられ、日本では60歳以上の8割が感染していると言われているが、衛生環境が改善した若年層の感染率は低く、10代以下の感染率は10%を下回るとされる。
ピロリ菌感染(ピロリキンカンセン)の症状
ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)に感染している状態。初期の状態では自覚症状がないことがほとんどだが、感染から時が立つと、腹部の痛み、むかつき、吐き気、おなかの不快感などの症状が起きることがある。ピロリ菌を除菌しないまま放置していると、胃がんの発症率が高まるとされる。
ピロリ菌感染(ピロリキンカンセン)の治療
抗菌剤による除菌治療をおこなう。ピロリ菌を除菌すると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍がほとんどの場合、改善する。
【受診科目】
- 消化器内科
※7人の医師がこの病気について述べています
医師に聞いた
ピロリ菌感染の原因・症状・治療方法
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ピロリ菌を保有しているか検査で確認し、除菌を行うことが大切
胃癌患者の99%がピロリ菌陽性で、ピロリ菌は発がん物質になります。
ピロリ菌の感染経路は現在家庭内感染とされ母親から7割、父親から1割と考えられております。ピロリ菌は幼少の5歳までに感染するとされ、食べ物の口移しや同じ食器を使用するなどで移ります。最近は虫歯の予防などの知識も広まり、若い世代の感染は低くなっております。ピロリ菌は胃癌のみならず、胃潰瘍・十二指腸潰瘍や胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少症、鉄欠乏性貧血、機能性ディスペプシア、パーキンソン症候群、慢性蕁麻疹、アルツハイマー病などの原因になることもあります。近親者で胃癌やピロリ菌を退治したことがある方がいる場合には胃カメラを受けることをお勧めします。
おおつ消化器・呼吸器内科クリニック
大津 威一郎 院長
- 北足立郡伊奈町/小室/蓮田駅
- 内科 ●消化器内科 ●呼吸器内科
胃の内視鏡検査が最も有効。感染が分かり次第速やかな除菌を
ピロリ菌とは正式名称はヘリコバクター・ピロリという胃粘膜に生息する細菌です。感染のきっかけは子どもの頃に井戸水を飲んだとか、感染している方からの食べ物の口移しなどで感染することが多いです。一度ピロリ菌に感染すると、長い年月胃の中に生息し、胃の粘膜に慢性の炎症を起こすと言われています。最初は症状が全くないので、感染に気づかないケースが多いです。長い年月をかけて胃がんや胃潰瘍などの大きな病気を引き起こします。診断法として内視鏡検査が効果的です。ピロリ菌の感染は胃カメラで診断ができます。感染が判明したら速やかに除菌治療をするのが望ましいです。胃の調子が悪い方は内視鏡検査を受けることが大切です。
こうけつ内科胃腸内科クリニック
纐纈 真一郎 院長
- さいたま市緑区/東浦和/東浦和駅
- 内科 ●消化器内科
胃がんのリスクが高まるピロリ菌。除菌後も定期的な受診と検査を
ピロリ菌は、生まれてから幼児期までの免疫力の低いときに感染します。昔ですと井戸水などから感染したり、あとは食べものの口移しなどで感染したりすることがほとんどです。ピロリ菌は一度感染すると胃の中でどんどん増えていき、それによって胃の粘膜が薄くなり胃炎を起こします。ピロリ菌感染がさらに進むと、菌そのものはいなくなりますが、胃の壁は薄くなった状態のままで、こうした状態の方はやはり胃がんのリスクがかなり高まります。ただ、今の50代以下の方ですと昔に比べて衛生環境がとてもよくなっていますので、ピロリ菌感染自体は少なくなっています。しかし絶対に感染しないというわけではなく、自覚症状もありませんので、ピロリ菌感染の有無を知るためには胃カメラによる検査をするしかありません。ピロリ菌が発見された際の治療は、薬の服用による除菌療法になります。ある程度薬の服用を続け、除菌ができたかを再検査して確認します。ただしピロリ菌を除菌できたといっても胃がんのリスクはゼロではありませんので、胃の検査は定期的に行い、病気の早期発見と予防に努めることが大切です。
のばら内科クリニック
鷹橋 伸子 院長
- 品川区/荏原/戸越銀座駅
- 内科 ●消化器内科 ●循環器内科 ●女性内科 ●老年内科
若いうちに除菌することにより、胃がんのリスクを大幅に軽減することが可能
横須賀市では現在、特に20代、30代の比較的若い世代のピロリ検診に力を入れています。私たちの世代に比べれば、今の若い人でピロリ菌を保有している人は確かに多くありません。しかし、少なからず保有している方がいることも事実で、そうした方々を検診で発見し、胃カメラで検査を行い、除菌をすることで胃がんの発生率を抑えるという取り組みです。
若い世代の検診に力を入れている理由は、若いうちに除菌ができていれば、慢性胃炎が進行してないために胃がんのリスクを軽減できるためです。ある程度の年齢の人であっても、除菌をすることでリスクは減りますが、それまでに慢性胃炎が進行してきた土壌がありますので、若い世代のそれと比べればリスクは残ります。
1つ申し上げておきたいのが、ピロリ菌による癌のリスクは軽減しても、それ以外の癌もあるということです。ピロリ菌がいなくなったからといって癌にならないわけではなく、健康診断やがん検診を受けていただけるようお勧めいたします。
ふかさわクリニック
深澤 信悟 院長
- 横須賀市/長沢/京急長沢駅
- 消化器内科 ●内科 ●小児科 ●アレルギー科 ●外科 ●整形外科 ●肛門内科
胃がんのリスク要因を排除するためには「除菌治療」が基本
ピロリ菌はヒトや動物の胃袋にすむ細菌で、幼少期に感染します。かつて日本では、井戸水などを生活用水にしていた時代がありましたが、上下水道が整備されるのにしたがってピロリ菌の感染率も低下したようです。現在60~70代の方ではピロリ菌の感染率が高いのに対して、20代では5人に1人程度のレベルだといわれます。若い方のピロリ菌感染は、ピロリ菌を保菌している親・祖父母世代からの感染の可能性も考えられています。
ピロリ菌に感染すると慢性胃炎を引き起こします。胃の痛み、胃もたれなどを自覚することもあれば、まったく自覚症状がないケースもあります。常時刺激にさらされた胃壁はやせ細ってしまい(萎縮性胃炎)、将来的な胃がん発生のリスクが高まることが分かっています。日本人の胃がん患者さんの9割以上はピロリ菌感染が原因であるともいわれています。
ピロリ菌感染の治療は「除菌」が基本です。ピロリ菌を除菌することで胃がんの発生リスクを下げることができますので、まずは萎縮性胃炎の有無・ピロリ菌の有無を調べてみるとよいでしょう。
所沢胃腸科・内科・外科
加納 良彦 院長
- 所沢市/東町/所沢駅
- 内科 ●外科 ●形成外科 ●胃腸内科 ●消化器内科 ●内視鏡内科
ピロリ菌の除菌で様々な疾患のリスクが軽減
ピロリ菌は幼少期、まだ免疫が十分ではない頃に唾液等から感染すると言われています。ピロリ菌で問題となるのは、やはり胃がんです。胃がんになっている人を10人集めると9人はピロリ菌に感染している、もしくは過去に感染していた人という割合になります。ピロリ菌の感染は、現感染と過去の感染とに分けられます。現在感染している方は次第に胃の粘膜が萎縮していき、胃がんのリスクが増大していきます。また過去にピロリ菌に感染し、除菌を終えた方もリスクは減少するものの、感染がない方に比べ胃がんのリスクが高いことに変わりはありません。だからこそ、定期的な内視鏡検査で早期に病気を見つけることが大切なのです。ピロリ菌の感染者には胃がん以外にも様々なリスクがあると言われています。胃潰瘍もそうですし、指定難病の特発性血小板減少性紫斑病(ITP)も、ピロリ菌を除菌することで症状が改善するという研究結果も出てきています。お身内に胃がんを患った経験のある方や、ご両親がピロリ菌の保菌者だった方は、一度チェックされることをお勧めいたします。
かわい内科 胃と大腸内視鏡クリニック上石神井
川合 真令 院長
- 練馬区/上石神井/上石神井駅
- 内科 ●消化器内科 ●内視鏡内科
ピロリ菌を「除菌」すれば胃がんリスクを低減できる
ヒトの胃の内部にのみ生息するピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃炎や胃潰瘍の原因になるだけでなく、胃がんの発症にも深く関わっています。かつては井戸水や川の水を介して感染することがほとんどでしたが、上下水道が整備された現在は、家庭内における親から子への垂直感染が中心になっています。
日本で行われた調査によると、胃がん患者さんの9割以上がピロリ菌に感染していたと報告されています。こうした背景から、2013年より胃カメラによるチェックで「慢性胃炎」と診断された患者さんへのピロリ菌検査および除菌治療にも保険が適用されるようになりました。
除菌治療を行うことにより、将来的な胃がん発症のリスクを下げる効果が期待できます。治療は内服薬を服用するだけですから、胃の不調を感じた際は、慢性胃炎やピロリ菌の有無を確認するために胃カメラを受けてみることをおすすめします。除菌治療は早期に行うほど効果が高いため、若い世代の方にこそ積極的に受診していただきたいです。
ジェイズ胃腸内視鏡・肛門クリニック
柴田 淳一 院長
- さいたま市南区/別所/武蔵浦和駅
- 胃腸内科 ●肛門内科 ●消化器内科 ●内視鏡内科 ●肛門外科 ●内視鏡外科
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