月経困難症の原因・症状とは?

月経困難症(ゲッケイコンナンショウ)の原因

子宮な卵巣など、内性器になんら異常がみられない機能性月経困難症と、内性器に異常がみられる器質性月経困難症とに分類される。機能性月経困難症は、月経時につくられるプロスタグランジンが子宮筋を刺激することによって起こる。これに対し器質性月経困難症は、子宮内膜症、子宮筋腫、などの性器の炎症が原因となって引き起こされる。

月経困難症(ゲッケイコンナンショウ)の症状

下腹部の痛みや頭痛、腰痛、吐き気など月経の症状が日常生活に支障をきたすほど強くなる。

月経困難症(ゲッケイコンナンショウ)の治療

器質性月経困難症の場合は、原因となる病気を治療する。機能性月経困難症は、過労や精神的ストレスによるところも多いため、漢方薬や向精神薬などを用い、痛みがあるなら鎮痛薬を使用する。

【受診科目】

  • 婦人科

4人の医師がこの病気について述べています

医師に聞いた
月経困難症の原因・症状・治療方法

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つらい痛みは低用量ピルでコントロール可能。我慢せずに早めの受診を

月経困難症とはいわゆる「生理痛」のことです。生理痛が俗称で病気と認識されないことが多いですが、月経困難症という立派な病気です。

日本の女性は生理前後に現れる不快な症状を「仕方がないこと」と我慢しがちですが、日常生活に支障をきたすほどの痛みは「病気」であり、治療の対象になります。

月経困難症が疑われる場合には、まず卵巣のエコー検査をして異常がないかどうかを確認します。検査の結果、子宮筋腫や子宮内膜症に伴う月経困難症だと分かれば「器質性」、特に異常がみられない場合には「機能性」の月経困難症との診断がつきます。ほかの病気に起因する器質性の月経困難症では、手術が必要になったり、お薬を使って進行を抑える治療を行うのが一般的です。これに対して子宮の見た目には問題ない機能性の月経困難症の場合は、低用量ピルを使って不快な症状を抑えることができます。

ピルを服用する前の痛みのレベルを10とした場合、個人差はありますが服用後はおおむね1~3まで痛みのレベルが低減します。機能性の月経困難症に悩む女性が妊娠を希望されないのであれば、低用量ピルはつらい期間を上手に乗り切る有効な手段といえます。

川原 正行 院長

ルナレディースクリニック川崎駅前院

川原 正行 院長

  • 川崎市川崎区/駅前本町/川崎駅
  • 婦人科

月経困難症の原因を知り、痛みの緩和と貧血予防の治療を

月経困難症には、機能性と器質性の2つのタイプがあります。機能性は、原因疾患がありません。剥がれ落ちた子宮内膜を血液と一緒に体外に出す時に、プロスタグランジンという陣痛のような痛みを引き起こす物質が過剰に分泌されます。それにより、子宮が収縮し過ぎてしまい、日常生活に影響が出る痛みが起こります。一方で、器質性は、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症といった原因疾患があります。それらの疾患により、激しい月経痛や経血量の増加がみられ、毎月繰り返されるため貧血を引き起こしている状態になるのです。
このように、痛みや出血に異常をきたす月経困難症ですが、超音波検査によって発見することが可能です。主な治療は、経口ホルモン剤である低用量ピルと漢方薬の内服といった対症療法になります。
月経は毎月来るものであり、痛みや貧血による体調不良は我慢せずに治療を受けると良いでしょう。まずは、検査を行なって月経困難症の原因を把握しておくことが大切です。痛みを緩和させていつもの生活や仕事に支障がないように、早めに医療機関に受診しましょう。

酒井 淳  院長

元町レディースクリニック

酒井 淳 院長

  • 横浜市中区/山下町/元町・中華街駅
  • 産科 ●婦人科 ●産婦人科

低用量ピル・漢方薬を取り入れて、つらい痛みをコントロール

月経に伴って腰痛、腹痛、頭痛、吐き気などさまざまな症状が現れることを月経困難症といいます。子宮や卵巣に病的な変化がみられない機能性月経困難症、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気に起因する器質性月経困難症があり、どちらのタイプかによって治療法が異なります。

ほかの病気を伴わない機能性月経困難症の場合は、プロスタグランジン(ホルモン)のはたらきを抑える鎮痛薬などを使用するほか、低用量ピルや黄体ホルモン剤などのホルモン治療、漢方薬などが検討されます。一方、子宮筋腫や子宮内膜症のために月経困難症が生じている場合には、それぞれの病気に対する治療が行われます。

月経困難症の予防としては規則正しい生活リズムを身につけること、低用量ピルや漢方薬の使用などがあります。生理を上手にコントロールできれば、つらい痛みから解放されますので、ぜひ一度婦人科にご相談ください。

林 院長 & 秋元 婦人科医

渋谷サクラステージクリニック

林 院長 & 秋元 婦人科医

  • 渋谷区/桜丘町/渋谷駅
  • 婦人科 ●形成外科 ●美容皮膚科

機能性と器質性、タイプによって異なる月経困難症治療

月経困難症とは月経に伴ってさまざまな症状が現れる状態をいい、月経のある女性の約8割に何らかの症状がみられるといわれます。生まれ持った性質ともいえる機能性月経困難症、何らかの病気に起因した器質性月経困難症に分けられ、どちらのタイプかによって治療法が異なります。

ほかに病気が見当たらない機能性月経困難症については、低用量ピルによる治療をイメージする方も少なくないでしょう。しかし低用量ピルの使用は深部静脈血栓症のリスクを高めるとの報告があることから、漢方薬による治療が選択されることもあります。また規則正しい生活を心がけ、適度にストレスを発散することでも症状の改善が目指せます。

一方、子宮筋腫や子宮腺筋症などが原因で起こる器質性月経困難症は、血液検査や画像検査で原因を正しく特定したうえで適切な治療を行うことが大切です。放っておくと子宮内膜症になるリスクが高まりますので、将来的な妊娠を望むのであれば積極的な受診がすすめられます。

野島 美知夫 院長

うらやす産婦人科

野島 美知夫 院長

  • 浦安市/北栄/浦安駅
  • 産婦人科 ●婦人科
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