犬の膝蓋骨脱臼の原因・症状とは?

犬の膝蓋骨脱臼(イヌノシツガイコツダッキュウ)の原因

大腿骨の溝が狭かったり、先天的に素因を持つ犬が、何かの拍子で膝蓋骨が外れてしまうことがある。事故や外傷などで起こることもある。

犬の膝蓋骨脱臼(イヌノシツガイコツダッキュウ)の症状

膝蓋骨(お皿)が外れてしまうもの。スキップをするように片足をあげたり、膝を曲げ伸ばすなどの歩様異常が見られる。患部に痛みや腫れが認められることも。

犬の膝蓋骨脱臼(イヌノシツガイコツダッキュウ)の治療

軽症の場合は経過を観察し、内服薬の投与で改善することもある。重症の場合には、手術によって大腿骨の溝を深くしたり、靭帯や筋肉の緩みを直す措置がとられる。

【受診科目】

6人の医師がこの病気について述べています

獣医師に聞いた
犬の膝蓋骨脱臼の原因・症状・治療方法

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わんちゃんがスキップをしていたら要注意。日頃から愛犬の様子に気を配り、小さな異変をキャッチしてほしい

膝蓋骨(しつがいこつ)は文字どおり、わんちゃんの膝の部分にある“お皿”のような形をした骨です。この骨が正常な位置から内側または外側にずれてしまっている状態を「膝蓋骨脱臼」といいます。日本では住環境の影響などから小型犬が好まれる傾向がありますが、小型犬は膝蓋骨脱臼を発症するケースが多いです。進行すると歩行に異常がみられるようになるため、飼い主さんにはぜひわんちゃんの様子に目配りをして、できるだけ早い段階で異変に気付いていただきたいと思います。飼い主さんに見ていただきたいポイントは、わんちゃんが“スキップ”のような動きをしていないかどうかです。楽しくて思わずスキップしてしまうのは人間だけで、わんちゃんがスキップのように足を運ぶことはありません。スキップのような動きをしている場合は、膝まわりの違和感など膝蓋骨脱臼の症状が出ている可能性がありますので、病院の受診をご検討ください。膝蓋骨脱臼の治療では外科手術が選択されることが一般的ですが、体の状態や症状によっては炎症を抑える薬で様子を見ることもできます。また、お薬の効果が現れればサプリメントに切り替えて経過を見ることもできますので、かかりつけ医に相談してみるとよいでしょう。

米元 仁 院長 

ぶし動物病院

米元 仁 院長 

  • 入間市/仏子/仏子駅
  • 犬 ●猫 ●ハムスター ●フェレット ●ウサギ ●鳥 ●その他

犬の『膝蓋骨脱臼』とは?手術は必ず必要なのか?

『膝蓋骨脱臼』とは皆さんのからだの中にもある膝のお皿の病気です。膝のお皿のことを膝蓋骨(しつがいこつ)といいます。学名では「パテラ」と呼ばれ、パテラ持ち=膝蓋骨脱臼があるという意味です。私たち人間の膝のお皿は動きませんが、犬の場合は内側が動きます。内側に脱臼する「膝蓋骨内方脱臼」と、外側に脱臼する「膝蓋骨外方脱臼」があります。膝蓋骨内方脱臼は遺伝性であり、チワワ、トイプードルなど小型犬がなりやすい犬種です。膝蓋骨外方脱臼は事故や大型犬に起こり、後天的に何らかの原因で発症してしまいます。脱臼すると痛いのでケンケン(跛行)をして足を上げます。なぜ脱臼が起きるかというと、膝のお皿が溝の中に入っているからです。溝が遺伝的に薄いために落ちてしまい内方脱臼が起こります。治療法は痛みが出た場合1〜2週間は痛み止めと安静を指示して、それでも跛行があるなら手術を検討します。なぜすぐに手術しないのかにはエビデンスがあって、痛みがなくても外れている子や、ケンケンをしていなくても外れていることもあり、そのようなケースでは手術は不要です。痛みがあることや普段通りに歩けないことを確認してから手術をします。予防策はないので飼い主さんがしっかり状況を把握しておく必要があり、もし放置してしまうと靭帯損傷などの合併症を起こす可能性もあります。

山﨑 泰輔 院長

そよかぜ動物病院 与野駅前動物病院

山﨑 泰輔 院長

  • さいたま市浦和区/上木崎/与野駅
  • 犬 ●猫 ●ハムスター ●フェレット ●ウサギ

放置すると関節炎の併発も。外科手術での膝の調整とリハビリが大切

膝蓋骨脱臼の多くの場合は、生まれつき足に何かしらの変形をきたしています。症状としては1歳未満の時に急に足を痛がって時々けんけんするような歩き方をしたりします。若いうちは、その症状が出たり治ったりを繰り返す様子が見られます。膝蓋骨が外れたりはまったりを繰り返している状態ですが、状態がひどいと外れたままのケースもあります。
これらの目立つ症状は、多くの子で1歳をすぎる頃には見られなくなります。このとき、治ったと思われる飼い主さんも多くいらっしゃいますが、実際は外れた状態のままだったり、気づかないうちにはまったり外れたりして生活していることも多いです。放置したまま歳をとってしまうと、その先に慢性関節炎を起こしたり、前十字靭帯の断裂を起こしたりします。そういったことを防ぐため、膝蓋骨脱臼のは炎症や変形が蓄積しないうちに手術で膝の調整を行うことが大切です。特に1歳未満のうちに足を痛がる様子があれば、受診して症状を正しく把握する必要があります。すべてが手術を要するわけではありませんが、手術が必要な場合は検討していただき、できればその後のリハビリテーションまでやれることが肝要です。

畠中 道昭 院長

久米川みどり動物病院

畠中 道昭 院長

  • 東村山市/栄町/久米川駅
  • 犬 ●猫

小型犬に多く見られる疾患で、若いうちから定期的に診てもらうことをオススメしたい

膝蓋骨とは膝のお皿の部分の骨で、これが内側や外側に外れてしまうのが膝蓋骨脱臼症候群と呼ばれる疾患です。事故などで外れてしまう外傷性のものと先天的に外れやすいケースがありますが、外傷性のケースは少なく、そのほとんどが生まれながらのものになります。先天性の膝蓋骨脱臼は犬種に因る傾向があり、トイプードルやチワワなどの小型犬に多く見られます。生まれた時から膝蓋骨が“ゆるい”状態で、大人になっていくに従って外れ方が大きくなっていきます。
この疾患は重症度によって4つのグレードに分類されます。常に足を引きずって歩くような、症状が重くなってしまうと完治が難しいため、該当する犬種を飼われている方は定期的に獣医師に触ってもらうことが大切です。犬種による特異性疾病はこの他にもありますので、最初のワクチン接種の時から全身を診てもらうこうことをお勧めします。

横山 誠夫 院長

真間ペットクリニック

横山 誠夫 院長

  • 市川市/菅野/市川真間駅
  • 犬 ●猫 ●ウサギ ●フェレット ●ハムスター ●鳥

小型犬、特にプードルには非常に多く見られる疾患

犬の膝蓋骨内方脱臼は、私自身、最も多く手掛けている手術であり、一般的にも最もメジャーなものと言えるでしょう。膝蓋骨内方脱臼とは、端的に言えば、膝のお皿(膝蓋骨)が内側に外れてしまう病態です。症状としては、跛行、つまり、びっこを引いて歩くような仕草が見られ、痛がるそぶりも見られます。内科的な治療もありますが、時間が経てばグレード(段階)が上がってくる傾向が強いため、外科的治療が第一の選択肢となります。
今は小型犬ブームでもあり、特にプードルに多く見られる疾患です。平行運動は問題がありませんが、高いところから飛び降りたりすると、その衝撃で脱臼が起こり、その頻度が多くなるほどグレードが深まっていきます。難しいかもしれませんが、高いところから飛び降りたりしないよう、生活環境に配慮することが大切です。

河野 泰幸 院長

かねだ動物総合病院

河野 泰幸 院長

  • 木更津市/金田東/袖ケ浦駅
  • 犬 ●猫 ●ウサギ ●フェレット ●ハムスター

根治を目指すなら「外科手術」が第一選択肢になる

犬の膝蓋骨脱臼は、トイプードル・チワワ・ポメラニアンなどの小型犬に多くみられる関節の病気です。膝蓋骨(膝のお皿)が本来あるべき位置から外れてしまうことによって関節炎が生じ、痛みによって歩き方にさまざまな変化をもたらします。

原因は、先天的(遺伝によるもの)なものがほとんどですが、何らかの外傷によって膝蓋骨のズレが生じることも考えられます。初期には後ろ脚を時々持ち上げて「ケンケン」するような様子がみられ、進行すると片方の脚を常時持ち上げるようになり、歩行が困難になることもあります。

治療は重症度(グレード)によって異なり、軽度であれば痛み止めの薬を使ったり、体重を適切にコントロールしたりといった保存療法が選択されることが一般的です。一方、重症化して日常生活に支障が出ている場合には、脱臼を繰り返さないように外科手術を行うことが推奨されています。

保存療法(内科的治療)はあくまでも症状をやわらげることが目的であり、膝蓋骨脱臼を根本的に治すには外科手術以外に方法はありません。関節は一度損傷すると再生することがありませんので、関節の機能維持と病気の進行を食い止める意味からも、外科手術を検討されることをおすすめします。

深谷 信太郎 院長

葛西中央どうぶつクリニック

深谷 信太郎 院長

  • 江戸川区/西葛西/西葛西駅
  • 犬 ●猫
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