犬の子宮蓄膿症の原因・症状とは?

犬の子宮蓄膿症(イヌノシキュウチクノウショウ)の原因

子宮内膜過形成や子宮粘膜症の状態に細菌感染が重なり、子宮内膜炎を経由して子宮蓄膿症となる。

犬の子宮蓄膿症(イヌノシキュウチクノウショウ)の症状

子宮内に細菌が入って炎症を起こし、膿がたまる疾患。外陰部から膿が出てくる「開放性」と、膿が外陰部から出てこない「閉塞性」とに分かれる。開放性の場合は食欲減退や吐き気、多飲などの症状が見られる。閉塞性の場合、症状は似ているものの、重症の場合が多い。

犬の子宮蓄膿症(イヌノシキュウチクノウショウ)の治療

卵巣子宮全摘出術が選択される。内科的治療で膿を排出させることもあるが、予後は必ずしもよくない。

【受診科目】

4人の医師がこの病気について述べています

獣医師に聞いた
犬の子宮蓄膿症の原因・症状・治療方法

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子宮蓄膿症は避妊手術によって確実に予防できる

子宮蓄膿症とは文字どおり子宮の内部に膿(うみ)がたまる病気のことで、高齢犬に多くみられるのが特徴です。一般に免疫機能が正常にはたらいていれば、細菌などに感染してもダメージを受けることはほとんどありません。しかし、加齢に伴う免疫低下やホルモン異常、基礎疾患などのリスク因子を持っている場合は子宮蓄膿症を発症する恐れがあります。

子宮蓄膿症になると食欲減退から身体機能が低下したり、下痢や吐き気などの症状が現れたり、陰部から膿が出てくることもあります。治療の第一選択としては手術ということになりますが、高齢犬の場合は体力面や再発リスクなどに照らし合わせて内科的な治療を選択する場合もあります。

最近はペットに避妊手術を受けさせる飼い主さんが多くいらっしゃいますので、子宮蓄膿症の子を診ることはずいぶん少なくなりました。これに対して、避妊手術をしていない高齢犬では発症リスクが高まりますので注意が必要です。いずれにしてもほかの病気と同じように子宮蓄膿症も早期発見・早期治療が大事になります。将来的なリスクを回避するという意味では、子宮蓄膿症を確実に予防できる避妊手術をご検討いただくとよいでしょう。

伊藤 浩一 獣医師&伊藤 洋一 院長

伊藤動物病院

伊藤 浩一 獣医師&伊藤 洋一 院長

  • 南埼玉郡宮代町/学園台/東武動物公園駅
  • 犬 ●猫 ●ウサギ

『子宮蓄膿症』は避妊していない、出産経験のないメスに多い病気

子宮蓄膿症は中高齢のワンちゃんで出産経験がないメス犬(未経産)がなりやすい病気です。症状は発情出血から2〜3ヶ月の頃に水を飲むことが増えたりおしっこの回数が増えたり、お腹が張った感じになります。そうすると元気がなくなったりお腹の中に膿が溜まったりするのですが、別のタイプだとまあまあ元気なのですが、膿がおしっこと共に出てくることもあります。血液中に毒素がまわることで負担がかかって腎不全になったり、ご飯が食べられなくなったり、命にもかかわる病気でもあるため早めの対応が必要です。予防法としては、出産の予定がない犬は若くて元気なうちに避妊手術をしてあげた方がいいかなと思います。避妊手術をすると子宮がなくなるので子宮蓄膿症の心配がありません。もしくは子宮があったとしても卵巣をしっかり取ってしまえば発病周期がなくなるのでかかりません。まずは中高齢のメスで食欲不振があり、避妊手術をしていなかった場合には、エコー(超音波)検査をするとわかります。異常があったら早めに受診することで早期発見につながるでしょう。

金森 佳子 院長

フレンドリー動物病院

金森 佳子 院長

  • 桶川市/東/桶川駅
  • 犬 ●猫

子宮蓄膿症は避妊手術による予防が可能

子宮蓄膿症は中~高齢のペット(雌)によくみられる病気です。大腸菌やブドウ球菌といった膣内の細菌が子宮に入って化膿を起こし、子宮内に膿がたまることで腹痛などの症状が現れます。

子宮蓄膿症の治療は子宮の全摘出手術が基本になりますが、脱水症状などがある場合は点滴や抗生剤による治療が必要となり、いずれも入院して治療を行うことになります。子宮蓄膿症に限らず、どのような病気も早期発見・早期治療が重要です。ペットの陰部から膿が漏れているようなら子宮蓄膿症でほぼ間違いありませんが、食欲がない・元気がないといった様子がみられましたら積極的に受診していただきたいですね。

子宮蓄膿症は文字どおり子宮の病気ですから、確実に予防するには避妊手術を受けていただくことが一番です。避妊手術は生後6~7ヶ月頃に行うのが一般的ですが、私が経験した例では0歳の子が子宮蓄膿症を発症したケースもありますので、大切な家族の一員のためにも早めの避妊手術をおすすめします。

岡野 仁彦 院長

海動物病院 大宮本院

岡野 仁彦 院長

  • さいたま市西区/三橋/大宮駅
  • 犬 ●猫

未避妊の雌犬に多い「子宮蓄膿症」とは?

犬の子宮蓄膿症は避妊をしていない高齢の雌犬にみられる病気で、子宮の内部に膿がたまった状態を指します。子宮内膜が細菌感染を起こすことで、食欲の低下、嘔吐、多飲などの症状が現れます。

治療では手術が第一選択肢になりますが麻酔のリスクも高いです。ブリーダー犬などで子宮を残さなければならない場合は、ホルモン剤で子宮を収縮させて膿を排出させたうえで抗生剤による治療を行うこともあります。

子宮蓄膿症の症状には見過ごしやすいものも多くありますが、飼い主さんが「普段と様子が違う」と感じた場合は、早めの受診をお勧めします。

赤木 渚 院長

世田谷かける動物病院

赤木 渚 院長

  • 世田谷区/世田谷/世田谷駅
  • 犬 ●猫
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