AIチャットボットの作り方は？初心者向け作成ステップとおすすめツールを詳しく紹介

「AIチャットボットを作ってみたいけど、どこから始めればいいの？」「プログラミングスキルがなくても作れる？」という悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、AIチャットボットの基本的な仕組みから、具体的な作成手順、おすすめのツールまで徹底解説します。

Pythonを使った本格的な自作方法だけでなく、プログラミング不要の簡単ツールも紹介しているので、スキルレベルやニーズに合わせて参考にしてみてください。

AIチャットボットの基本的な仕組み

AIチャットボットは、自然言語処理（NLP）と機械学習技術を基盤とした対話型システムです。最近では、単純な決まりごとに従うだけのチャットボットではなく、より賢く自然な会話ができるAI搭載タイプのチャットボットが増えています。

AIチャットボットは、人の言葉を理解する自然言語処理（NLP）という技術を使って、質問の意味や意図を読み取ります。会話の流れを考えながら、適切な返事を作り出すことができるので、これまでよりも自然で柔軟な会話が可能になりました。

また、チャットボットは機械学習技術を搭載しているので、使えば使うほど回答精度が上がっていきます。さらに、複数の会話を同時にこなせるため、多くの人が同時に質問してもスムーズに対応できるという特徴も持っています。

このようなチャットボットは、24時間いつでも利用でき、システムによってはLINEやSlackなどのメッセージアプリと連携して使うことも可能です。最近では、病院の予約を行ったり、お店のおすすめ商品を教えたり、銀行の相談に答えたりと、より個人に合わせたサービスも提供できるようになっています。こうした進化により、AIチャットボットは業務効率化と顧客満足度向上に繋がるツールとして注目されています。

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AIチャットボットを作る3つの方法

AIチャットボットを作成する方法は大きく分けて3つあります。自分でプログラミングして作成する方法、既存のツールを活用する方法、そして専門の開発会社に依頼する方法です。それぞれの特徴を詳しく解説していきます。

• 自作する
• ツールを利用する
• システム開発会社に依頼する

自作する

自分でプログラミングしてAIチャットボットを作成する方法では、PythonやJavaScriptなどのプログラミング言語を使っていきます。特にPythonは「言葉を理解する技術」に強い特徴があり、AI開発でよく使われる機械学習ツール（TensorFlowやPyTorch）や自然言語処理ライブラリ（NLTKやspaCy）が充実しています。

例えば、会話の流れを管理する「Rasa」やウェブ接続用の「Flask」といった無料ツールを組み合わせることで、専門知識がなくても基礎的なチャットボットの開発が可能です。また最近では、初心者でも挑戦しやすいよう、ChatGPTのAPIを活用して自然な会話を実現する方法も注目されているので参考にしてみてください。

主なメリットとして、完全に自由なデザインや機能追加ができる点が挙げられます。例えば、病院の予約システムやECサイトの注文状況確認など、特定の業務に最適化した仕組みを構築可能で、外部サービスに依存しないため、長期的に見ればコスト削減にもつながるでしょう。

ただし注意点として、プログラミングの基礎知識が必要なことや、開発期間が数週間から数か月かかるケースがあります。高度なAI機能を実装する場合、自然言語処理の専門的な知識（言葉のニュアンスを理解させる技術）やデータベース管理スキルも必要になり、知識がない方が自作するのは現実的ではありません。

ツールを利用する

プログラミングの知識がない方や短期間での導入を希望する場合、ノーコードツール（コード不要の開発プラットフォーム）を活用する方法が最適です。最近では、GoogleのDialogflowやChatbot.comなどのサービスが進化し、ドラッグ＆ドロップ操作で直感的に会話フローを設計できる環境が整っています。

主なメリットとして、専門知識がなくてもテンプレートを組み合わせるだけで基本的なチャットボットが作成できる点があります。多くのサービスでは応答ログの分析機能が標準装備されており、ユーザーの興味分野やよくある質問を自動的に抽出可能です。

また、セキュリティ面では暗号化通信やアクセス制限機能を提供するサービスが増加しているので、個人情報の取り扱いにも対応できるよう進化しています。

注意点として、カスタマイズ範囲がツールの機能に制限されるケースや、月額料金が数千円から数万円かかる点が挙げられます。また、データ管理に関してはサービス提供元に依存するため、機密情報を扱う場合は暗号化設定やアクセス権限の管理が可能かなどを事前に確認するようにしましょう。

ツール選びでは、LINEやSlackなど連携したいメッセージアプリとの互換性を確認し、無料トライアル期間を活用して操作性をテストするのがおすすめです。

システム開発会社に依頼する

自社に技術スタッフがいない場合や高度な機能が必要な場合は、専門の開発会社にAIチャットボット作成を依頼する方法がおすすめです。業界ごとの特性を理解した専門企業が多数あり、自然言語処理からシステム連携まで、経験豊富なエンジニアが一貫して対応してくれます。

特に、医療機関向けの問診ボットやECサイト向けの商品推奨システムなど、業界特有のニーズに合わせたカスタマイズが可能なのが嬉しいポイントです。

既存の顧客管理システムや予約システムとの連携もスムーズに行え、個人情報保護法などへの対応も専門家がサポートしてくれるので安心です。開発後も月額料金を支払うことで、不具合対応や機能追加を継続的に依頼できることが多いので、運用中のサポート体制が不安な場合は事前に確認しておきましょう。

最近ではクラウド型の開発プラットフォームを活用する企業が増加しているため、従来よりも短期間・低コストでの開発が可能になっていますが、数万円～数十万円の初期費用がかかってしまうことや、開発期間が1〜3か月かかってしまう可能性があることに注意しましょう。

要件定義（必要な機能の洗い出し）などの打ち合わせでは、多くの時間を必要とする場合もあるので、担当者の負担が大きくならないか確認しながら進めていくのが大切です。

AIチャットボットを作成するときにPythonを使うメリットとは？

AIチャットボットを作成するときは、プログラミング言語の選択が重要になります。さまざまなプログラミング言語の中でも『Python』は初心者からプロまで幅広く愛用されている言語です。

ここでは、なぜPythonがAIチャットボット開発に適しているのか、その具体的なメリットを詳しく解説します。

• プログラミングが比較的簡単
• 豊富なライブラリが利用可能
• 無料ツールで始められる

プログラミングが比較的簡単

Pythonが選ばれる理由としては、英語に近い直感的な文法とシンプルなコード構造で、プログラミングが比較的簡単であることが挙げられます。

例えば「ユーザーのメッセージを分析する」といった処理を、他のプログラミング言語では複雑に書く必要がある場合でも、Pythonなら数行で表現可能なため、開発期間の短縮が可能なのはもちろん、初心者でも始めやすいのが嬉しいポイントです。

豊富なライブラリが利用可能

Pythonは、自然言語処理から会話の流れを管理する仕組みまで、あらゆる機能を簡単に追加できる豊富なライブラリが利用可能です。

例えば「ChatterBot」という無料ツールを使えば、たった数行のコードで基本的な会話機能を実装可能です。質問に答える仕組みを作る「NLTK」や、より高度な文章解析ができる「spaCy」といった自然言語処理のツールも充実しており、段階的に機能を追加できます。

無料ツールで始められる

Pythonを使ったAIチャットボット開発では、初期費用ゼロで開発環境を整えられるのが大きなメリットとなっています。

例えば、Google Colaboratoryという無料ツールを使えば、ブラウザ上でAIの学習処理を実行できます。また、Pythonのプログラミング言語も、無料で導入可能です。

さらに、MicrosoftのVisual Studio CodeやJetBrainsのPyCharm Community Editionといった無料のエディタには、コードの自動補完機能やデバッグ支援ツールを備えており、スムーズに開発を進められるのでおすすめです。

Pythonを使う場合のデメリットは？

AIチャットボットを自作する場合、Pythonは人気のプログラミング言語ですが、全てのシナリオに最適というわけではありません。ここではPythonの主な3つのデメリットについて詳しく解説します。

• 処理速度が遅い
• メモリ消費が多い
• モバイルアプリの開発には不向き

処理速度が遅い

Pythonが他のプログラミング言語と比べて処理速度が遅くなる主な理由は、コードを実行するたびに1行ずつ解釈する仕組み（インタプリタ方式）にあります。

例えば、C++やJavaのように事前に機械語に変換する方式と違い、リアルタイムで翻訳しながら実行する特性上、C言語の5〜100倍の時間がかかるケースもあるとされています。特に、大量のメッセージを同時に処理したり、株価予測などの複雑な計算が必要なAIモデルでは処理速度が遅くなったりすることが多いので注意が必要です。

Google Colabの無料GPU機能や、JITコンパイラ（実行時最適化技術）の導入により速度問題を解決できることもあるので、Pythonでプロトタイプを開発したあとに、処理速度が問題になっている部分をほかの言語を用いて最適化するなどの方法が効果的です。

メモリ消費が多い

Pythonがデータ処理で多くのメモリを消費しやすい主な理由は、自動でメモリを管理する仕組み（動的型付け）とオブジェクト参照の特性にあります。特に、会話履歴やAIモデルのデータを保持する際、必要以上のメモリ領域を確保してしまう傾向があるとされているため注意が必要です。

具体的な問題としては、ユーザーとの長期間にわたる対話記録を保存する場合、徐々にメモリ使用量が増加し、クラウドサービスのコスト上昇や応答速度の低下を引き起こしてしまうことがあります。例えば、過去1年分の会話データを保持するシステムでは、不要な情報が蓄積され、メモリリーク（不要なデータが解放されずに累積すること）が発生するリスクが高まる可能性があります。

そこで、巨大なデータを分割処理する「ジェネレータ」機能を活用したり、会話ログを1件ずつ処理する仕組みを導入したりすれば、メモリ負荷を大幅に軽減可能です。また、定期的に不要なオブジェクト（使用済みデータ）を削除するとシステムの安定性を向上するので、メモリ監視ツールを使って最適化するのもおすすめです。

モバイルアプリの開発には不向き

Pythonがモバイルアプリ開発に不向きとされる主な理由は、iOSやAndroidの公式開発環境がSwiftやKotlinというプログラミング言語での開発を前提としている点にあります。

例えば、AIチャットボットを組み込んだモバイルアプリを開発する場合、Python単体ではネイティブ機能（カメラや位置情報など）との連携が難しく、KivyやBeeWareといった追加ツールが必要になります。これらのツールを使うとアプリサイズが大きくなってしまい、バッテリー消費量の増加や動作の重さにつながるため、不向きとされていました。

また、Pythonベースのアプリは最新OSの機能対応が遅れがちであることや、AI処理をモバイル端末上で直接実行する場合、メモリ使用量の多さからアプリが強制終了するケースがあることも不向きとされている理由の1つです。

AIチャットボットを自分で作るために大切な3つのポイント

AIチャットボットを自作する際には、しっかりとした準備と計画が大切です。ここでは、初心者の方でも実践できる重要なポイントを3つ紹介します。これらのポイントを押さえることで、効率的なチャットボット開発が可能になるので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 目的を明確にする
2. AIチャットボットの設置場所を決める
3. 作成に向けて具体的な計画を立てる

1.目的を明確にする

AIチャットボット開発で最も重要なのは「どの課題を解決するか」という目的を具体的に設定することです。

例えば、顧客サポートの自動化を目指す場合、問い合わせ対応時間の短縮やオペレーター負荷軽減といった数値目標を設定することで、開発の方向性が明確になります。まずは「24時間対応可能な問い合わせ窓口の構築」や「商品推奨精度の向上」といった、具体的なゴールを決めていきましょう。

具体的な目的設定例として、医療機関なら「オンライン問診の効率化」、ECサイト運営なら「注文トラブルの自動解決」といった、業界特有のニーズに合わせた設計が必要かどうかも確認するようにしましょう。目的設定と合わせて年齢層や利用シーンなども設定しておくことで、適切な応答速度や会話フロー（質問の流れ）を設計しやすくなるのでおすすめです。

2.AIチャットボットの設置場所を決める

AIチャットボットの設置場所（プラットフォーム）を決める場合は、開発手法からユーザーの利用行動まで総合的に考えて決定する必要があります。

例えば、自社ウェブサイトに設置する場合、HTML（ウェブページ作成言語）やCSS（Webサイトの装飾言語）、JavaScript（動的処理用言語）の基礎知識が求められますし、LINEのようなメッセージングアプリを活用する際は専用接続ツール（API）の使用方法を理解しなければなりません。

具体的な設置場所として、LINEやSlack、Microsoft TeamsなどのSNSや自社ウェブサイトが多く利用されていることが多い傾向があります。ユーザーが日常的に利用するプラットフォームを選ぶことで操作説明の手間を大幅に削減できるため、使い慣れた場所を選ぶのがおすすめです。

最近ではAPI連携が比較的簡単なクラウド型ツールが普及してきているので、複数のプラットフォームへの同時展開も可能となっています。

3.作成に向けて具体的な計画を立てる

AIチャットボット開発で最も重要なのは、リソース（予算・人材・時間）を正確に把握した上で、現実的な計画を立てることです。

具体的な計画立案では、過去の顧客対応ログや製品マニュアルをAI学習用データとして整理することも必要になってきます。FAQ（よくある質問）の洗い出しや、ユーザー満足度の目標値なども計画していくとスムーズに開発ができるのでおすすめです。

最新の開発手法としては、クラウド型開発ツール（Google Dialogflow等）を活用した「プロトタイプ先行型アプローチ」などがあります。「プロトタイプ先行型アプローチ」では、例えば2週間の企画期間で基本設計を作成し、1か月の開発期間でテスト版をリリース、ユーザーからのフィードバックを反映させながら改善するサイクルで開発を行っていくため、比較的早期にチャットボットを導入できるというメリットがあります。

ただし、このような開発方法では、プログラミングなどの知識量や経験が重要になるため、自身のスキルに合わせた計画を立てるようにしましょう。

【初心者向け】PythonでAIチャットボットを作成する手順

Pythonを使ってAIチャットボットを作成するための具体的な手順を、初心者向けに6つのステップに分けて解説します。

1. 開発環境を整える
2. AIサービスを選定する
3. チャットボットコードを作成する
4. チャットボットのテストを行う
5. 運用を開始する
6. 改善をする

1.開発環境を整える

Pythonを使ったAIチャットボット開発では、Pythonを使ってコードを作成していくためのエディタを準備することから始めていきます。エディタはVisual Studio Code（無料の多機能エディタ）を使用すると、Python拡張機能を追加してコード補完やデバッグが簡単にできるようになるので、初めて開発する場合におすすめです。

開発環境としては、無料のものから月額料金が発生するシステムまでさまざまなため、自身のスキルや予算に合わせて適切なシステムを選んでいきましょう。

2.AIサービスを選定する

次にAIチャットボットの「頭脳部分」となるAIサービスを選定していきます。OpenAI APIなどの有料の高度な会話モデルやHugging Face Transformersなどの無料のオープンソースライブラリが主流で、例えば基本的な質問応答システムを構築する場合、Google検索連携が可能なBERT（文脈理解に優れたAIモデル）やRoBERTa（改良版BERT）が適しています。

また、自然な会話を求めるならGPT-3.5/4やLLaMAの導入が効果的です。特定業界向けに特化させる場合、医療用語や法律用語を学習させたファインチューニング済みモデル（専門知識を追加学習したAI）を活用するのもおすすめです。

AIサービスの選定では、開発予算と技術レベルを考慮していくことが大切になります。OpenAI APIはAPIキー（接続用認証コード）を取得するだけでGPT-4を利用可能ですが、トークン制限により使用量に応じた課金があるため、大量利用には注意が必要です。Hugging Faceの無料モデルは商用利用可能なものも多く、Google Colab（クラウド開発環境）上で動作するため初心者でも始めやすいという特徴があります。予算や目的に応じて最適なAIサービスを選んでいきましょう。

3.チャットボットコードを作成する

開発環境とAIサービスが決まったら、実際にコードを書いていきます。チャットボットのコードは、ユーザー入力の受け取り→AI処理→応答生成という基本フローを構築することから始まります。

具体的には、AIサービスと連携しながら、対話履歴を管理し、自然な会話ができるようなコードを作成する必要があるので、ウェブ上で公開されているサンプルなどを参考にしながら作成していきましょう。

コードの作成を工夫すれば、会話履歴の保持機能を追加したり、ユーザーの質問意図を解析する技術や、日付や名前などの固有名詞を特定する技術を組み合わせたりなど、高度な対話管理も可能になります。目的に応じたチャットボットコードを作成していきましょう。

また、コードを作成する場合、Google Colaboratory（クラウド型プログラミング環境）上でテストしながら、徐々に機能を拡張していくと、コードのミスや運用後のエラーを最小限に抑えられるのでおすすめです。

4.チャットボットのテストを行う

コードの作成が終わったら、チャットボットをテスト運用してみましょう。AIチャットボットの品質を確認するためには、多角的なテストアプローチが大切です。基本動作確認として、想定される質問パターン（FAQや特殊な言い回し）への応答精度を検証し、API接続エラー時の代替メッセージ表示が適切に機能するかチェックしていきましょう。

また、会話の自然さやユーザーの意図を正確に汲み取れるか、レスポンス時間のバランスもチェックし、不自然な返答がないか、応答まで時間がかかり過ぎていないかなどを確認するのも大切です。

実際のユーザーにもテストに参加してもらい、リアルな意見をもらうこともおすすめです。テスト運用でしっかりと問題点を洗い出し、改善を行うことで、実際の運用時のトラブルを最小限に抑えることができます。

5.運用を開始する

テストを終えたAIチャットボットを実際に運用していきます。テスト運用よりも同時に接続するユーザーが増えることが多いので、サーバーの負荷が増えたり、想定していない質問への応答が不自然になってしまったりするなどのトラブルも起きる可能性があります。

全てのトラブルを予測するのは難しいですが、担当者間で事前に対処方法を話し合っておくと、その後の改善がスムーズになり、ユーザーからの不満を最小限に抑えることができるためおすすめです。

6.改善をする

チャットボットの運用開始後は、ユーザーとの対話ログを詳しく分析し、応答精度向上に向けた改善を継続的に行っていきましょう。例えば「お店の営業時間は？」と聞かれた際、AIが正確に答えられていない場合、回答データを追加するなどの対応をしていきます。

また、回答の最後にユーザー評価ボタンを設置し「回答が役に立ったか」を複数段階ごとの評価で収集するのもおすすめです。評価が低い回答にはAIの学習データを増やし、より精度の高い回答ができるように改善していきましょう。

AIチャットボットを作れる無料ツール4選

AIチャットボットを自分で作成したいけれど、プログラミングの知識がない方や、手軽に始めたい方向けに、無料で利用できるツールを4つ紹介します。これらのツールを活用すれば、コーディングの専門知識がなくても、AI機能を搭載したチャットボットを作成できるので、参考にしてみてください。

1. Google Colaboratory
2. Dialogflow
3. HubSpot Chatbot Builder
4. LINE公式アカウント

1.Google Colaboratory

Google Colaboratory（略称Colab）はGoogleが提供する無料のクラウド開発環境です。ブラウザ上でPythonコードを実行しながらAIチャットボット開発が可能で、無料でGPU（画像処理専用チップ）を利用できるなど、複雑なAIモデルの学習や実行に必要な計算リソースを手軽に確保できる点が人気の理由となっています。

Googleドライブと連携してプロジェクトを自動保存する仕組みなので、パソコン本体の容量を気にせず大規模な開発が進められるのも嬉しいポイントです。

チャットボットの作成では、Hugging FaceというAIモデルの共有プラットフォームからサンプルコードをコピーすれば、数分でチャットボットの原型が完成します。また、ColabのAI補助機能では、コード自動作成やエラー解説を利用できるので、プログラミング未経験者でもスムーズに開発を進められます。

2.Dialogflow

DialogflowはGoogleが提供する無料の会話型AIプラットフォームで、専門的なプログラミング知識がなくても直感的な操作でチャットボットを作成できるのが大きな特徴です。自然言語処理を活用して、ユーザーの質問や要望に対して適切な返答ができるAIチャットボットを簡単に構築できます。

Dialogflowは20以上の言語に対応しているだけでなく、LINEやSlack、Facebook Messengerなどさまざまなプラットフォームと連携できるため、ウェブサイトやECサイトの顧客対応にもおすすめです。

Dialogflowは機械学習を活用して会話データを学習し、使うほどに応答精度が向上する仕組みなので、運用開始後も応答精度の向上に期待が持てます。標準版は無料で利用でき、ビジュアルビルダーや豊富なテンプレートも用意されているため、初心者でも作成しやすくなっています。

3.HubSpot Chatbot Builder

HubSpot Chatbot Builderは、マーケティングや営業、カスタマーサポートの分野で広く利用されているHubSpotの無料チャットボット作成ツールです。コーディングの知識がなくても、ドラッグ＆ドロップ操作だけで簡単にチャットボットを設計できるのが大きな特徴で、ビジュアルエディタを使って会話の流れをフローチャート形式で直感的に作成できます。

また、ウェブサイトやFacebook Messengerなど複数のチャネルに対応しており、チャットボットを通じて問い合わせ対応やミーティング予約、見込み客の獲得など、ビジネスに役立つ機能が充実しているという特徴もあります。

HubSpotのCRM（顧客管理システム）と連携することで、ユーザーごとにパーソナライズされた対応が可能になるので、顧客に合わせた対応ができるのも嬉しいポイントです。

4.LINE公式アカウント

LINE公式アカウントは、日本国内で圧倒的な利用者数を誇るLINE上で、誰でも無料でチャットボットを作成・運用できるサービスです。店舗やECサイトの情報提供、予約受付、よくある質問への自動応答など、幅広い用途で活用されています。

初心者でも簡単に始められるのが大きな魅力で、LINE公式アカウントを開設し、管理画面から「応答設定」を選ぶだけで、キーワードに応じた自動返信やあいさつメッセージの設定が可能になります。画像やスタンプを使ったメッセージや、選択式のメニューも無料プランで利用できるため、視覚的にもわかりやすいチャットボットを作成可能です。

より高度な機能を実装したい場合は、LINE Developersの「Messaging API」を活用することで、プログラミングによる本格的なボット開発も可能です。

AIチャットボットの自作が難しい場合は？おすすめツール4選

自作が難しいと感じる場合でも、さまざまなノーコードツールやサービスを活用することで、簡単にAIチャットボットを作成できます。ここでは、プログラミング不要で導入できる国内外のおすすめツールを4つ紹介します。

1. ClinicAI
2. NOMOCa-AI chat
3. Botsonic
4. Chatsimple

1.ClinicAI

ClinicAIは、日本の医療機関向けに開発されたAIチャットボットサービスで、患者からの問い合わせ対応や予約管理を自動化し、医療現場の業務効率化と患者満足度の向上をサポートしてくれるツールです。医療知識が組み込まれた専門特化型のAIが24時間365日自動で応答し、予約システムとの連携や多言語対応、対話データの分析機能も備えています。

導入に専門知識は不要で、管理画面から質問と回答を設定するだけで利用開始でき、また医療用語のデータベースがあらかじめ組み込まれているため、すぐに現場で活用できるのが嬉しいポイントです。ホームページやLINEなどさまざまなプラットフォームに対応しているので、患者とのコミュニケーションを円滑にしながら、スタッフの電話対応や窓口業務の負担を大幅に軽減可能なツールとなっています。

2.NOMOCa-AI chat

NOMOCa-AI chatは、高機能なAIチャットボットツールで、特に医療機関やクリニック向けに最適化されていますが、不動産や教育、小売業など幅広い業種でも導入実績があります。GPT-4oを搭載し、ウェブサイトやFAQの内容を自動で学習するため、サイト訪問者のさまざまな質問に24時間対応できるのが大きな特徴です。

管理画面から自社独自の情報をAIに学習させることで、精度の高い回答が可能です。設置は非常に簡単で、管理画面で設定を行った後、生成されたJavaScriptのコードを自社サイトに埋め込むだけで運用を開始できます。

専門的なプログラミングの知識がなくても導入でき、チャットのデザインも自由にカスタマイズできるので、自社の目的に合わせて作成可能です。多言語対応やLINE連携、仮予約機能なども備えており、患者や顧客の利便性が向上するだけでなく、スタッフの業務負担軽減にも効果が得られます。導入後も専任のサポートチームが運用をしっかりバックアップしてくれるため、初めての方でも安心して利用できるツールとなっています。

3.Botsonic

Botsonicは、海外発のツールですが日本語にも対応している作成ツールです。ノーコードで直感的にチャットボットを構築できる点が初心者にも人気となっています。ChatGPT-4やClaudeなど複数のAIモデルを選択でき、PDFやウェブサイトの内容を自動で学習してくれるため、FAQ対応や商品の案内など幅広い業務に活用されているそうです。

WordPressやShopifyなどのウェブプラットフォームとの連携も簡単で、チャット履歴の分析機能も標準搭載されています。無料プランから始められ、有料プランでは月額49ドル（約7,500円）で3,000メッセージまで利用可能です。

設置は管理画面で設定後、生成されたコードを自社サイトに貼り付けるだけなので、プログラミングの知識がなくてもすぐに導入できます。サポート体制も整っているので、導入から運用まで安心して利用できるのが特徴です。

4.Chatsimple

Chatsimpleは、ChatGPTを活用したチャットボット生成ツールで、直感的な管理画面と手頃な価格が魅力となっています。コーディング不要で、ウェブサイトのURLを入力するだけでAIがページ内容を自動学習し、そのサイトに特化したチャットボットを短時間で作成可能です。

顧客情報の収集や分析、リード獲得、パーソナライズされた応答、マーケティング自動化などさまざまな機能が利用できるので、自社の目的に合わせて組み合わせることができます。

また、日本語を含む175以上の言語に対応し、音声AI機能も利用可能です。導入時には専任スタッフによるサポートが受けられるため、初めてチャットボットを運用する企業でも安心して利用を開始できるのが嬉しいポイントです。

まとめ：AIチャットボットは初心者でも作れる！適切なツールを選択しよう

AIチャットボットは、初心者でも適切なツールを使えば無理なく作成できます。今回紹介したGoogle ColaboratoryやDialogflowなどの無料ツールは、プログラミングの知識がなくても直感的に操作できるため、初めての方でも安心して取り組めるツールになっています。また、自作が難しい場合でもClinicAIやNOMOCa-AI chatといった専門性の高いツールを活用すれば、効率的に高機能なチャットボットを導入可能なため参考にしてみてください。

AIチャットボットの導入で大切なのは、自身の目的やスキルレベルに合ったツールを選び、段階的に導入しながら改善を重ねていくことです。AIチャットボットを作成・運用し、顧客対応の効率化やユーザー満足度の向上を目指していきましょう。