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レジデント(研修医)とは?フェローや各国での違いも紹介

医師免許・歯科医師免許を取得して間もない医師・歯科医師は、レジデント(研修医)と呼ばれる研修期間が必要です。

この記事では、一人前の医師・歯科医師になるための修行期間とも言えるレジデントの定義や各国における違い、年収などを詳しく解説します。

その他、レジデントとフェロー、シニアレジデントとの違いや薬剤師の研修医における年収についても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を監修した医師
見立 英史 国立・私立大学や開業医勤務を経て私立大学病院に勤務。一般歯科診療から全身麻酔手術症例までを行っています。日本口腔外科学会指導医・専門医、日本口腔科学会指導医。専門分野は口腔粘膜疾患。

 

レジデントとは研修医のことを指す

医師では5年間のうち、基本的に2年目までは「初期臨床研修医(ジュニアレジデント)」3年目以降は「後期研修医(シニアレジデント)」と呼ばれます

  • 医師免許の取得から2年:初期臨床研修医(ジュニアレジデント)
  • 3年目以降:後期研修医(シニアレジデント)

なお、歯科医師での研修期間は1年間です。

医師免許の取得から2年は初期研修医(ジュニアレジデント)

医師免許を取得してから2年間は、初期臨床研修医(ジュニアレジデント)です。

ジュニアレジデントは、さまざまな診療科をローテーションしながら、指導医の元で研修を重ねます

なおジュニアレジデントの期間は原則アルバイトが禁止されているため、研修先の病院でしか勤務できません。

この期間では、臨床医の基礎を習得するという認識を持っておきましょう。

3年目以降は後期研修医(シニアレジデント)

2年間の初期研修を終えた3年目以降は、後期研修医(シニアレジデント)になります。フェローとも呼ばれます。

この期間では、特定の診療科を選択して、より専門能力の高いスキルを習得するための専門的な研修プログラムのもとで勤務します。よって、中には高スキルを持った人材が排出され始め、病院の中には3年目以降から「研修医」と呼ばなくなるところもあるでしょう。

またシニアレジデントは、本業に支障が出ない範囲であれば、アルバイト(外勤)が可能になります

歯科医師での研修医は1年間

歯科医師は、最低1年間が研修医として義務化されています。研修施設によっては、2年間のカリキュラムを用意していることもあります。

各国におけるレジデントの意味の違い

ここまで日本におけるレジデントの定義を紹介してきました。ここからは、アメリカと韓国といった他国におけるレジデントについて、意味の違いを見ていきましょう。

  • アメリカ
  • 韓国

アメリカ

アメリカにおけるレジデントは、最初から希望の診療科を決定して研修をスタートさせます。

日本の初期研修医が行う複数診療科のローテーションは、医学生のうちにインターンとして済ませるところが大きな違いです。

診療科による違いはあるものの、3~7年間レジデントとして勤務します。

韓国

韓国では、インターンを経て国家試験に合格し、希望する診療科で4年間勤務して初めてレジデント(専攻医)になります。

国家試験に合格して医師免許を取得した段階では「一般医」となりますが、この段階ではまだ選考は決定されません。

そこから1年間、インターンとしてさまざまな診療科をローテーションしながら専攻を決定していきます。

なお、インターン期間の終了後に実施される試験に合格しなければ専攻医にはなれません。その点も日本とは異なる点です。

レジデント(研修医)の年収は?

レジデントでも初期と後期では年収が異なります。

ここでは、レジデントで働く医師と薬剤師の年収について見ていきましょう。

  • レジデントで働く医師の年収
  • レジデントで働く薬剤師の年収

レジデントとして働く医師の年収

厚生労働省がまとめた平成23年度の「臨床研修医の推計年収」によると、レジデントで働く医師の推計年収は以下の通りです。

1年次 2年次
大学病院 臨床研修病院 合計 大学病院 臨床研修病院 合計
平均 3,074,172円 4,510,339円 4,352,610円 3,123,132円 5,021,376円 4,812,899円
最大 4,239,600円 9,550,000円 9,550,000円 4,560,000円 10,026,000円 10,260,000円
最小 1,842,000円 2,358,000円 1,842,000円 1,842,000円 2,419,200円 1,842,000円

最大と最小では大きな差はありますが、平均を見る限りでは初期研修医でも十分に高収入であることがわかります。

 

例として、東京医科歯科大学病院の2021年度のレジデントの待遇では、平均給与が32万円/月(手当含む)、診療夜間看護等手当が15,000円/回となっています。

 

社保も完備されていますし、有給休暇も13日(10日は半年後付与)とその他にも規定の無休休暇があります。さらに単身用ですが病院から徒歩圏内に宿舎も用意されていて、家賃は月5,000円と格安です。

 

後期研修医になると平均年収は約650万円〜となり、多ければ1,000万円に到達する人材も少なくありません。後期研修医にもなれば、高収入の部類に入れる人材は多くなるでしょう。

 

参照:平成23年度「臨床研修医の推計年収」
参照:東京医科歯科大学病院|総合教育研修センター

歯科医師のレジデントの年収

歯科医師のレジデントについて、給料は月15〜20万円台が多いようです。

歯学部が無い大学病院では、医師と歯科医師の給与水準が近いところもあります。月20万円を超える病院・診療所もあるようですが、そのような施設は人気があり、採用倍率が高いこともあるので、情報収集が重要です。

なお、原則として研修に専念するという名目で、アルバイトは禁止されています。

レジデントで働く薬剤師の年収

薬剤師は国家試験合格後、レジデントとして「見習い薬剤師」からのスタートになります。研修生として学びながら働くため、平均年収は300万円~340万円が一般的でしょう。

レジデントの間は正社員ではないため、ボーナスは出ないケースも珍しくありません。研修制度は医療機関でも異なりますが、通常2年~3年はレジデントとして勤務します。

まとめ:レジデント(研修医)はその後の進路を決めるための大切なステップ

今回はレジデント(研修医)の定義や各国での違い、年収などについて解説しました。

 

レジデントは医師を目指すにあたって誰もが通る道であり、進路を決めるための重要なステップです。レジデントとして働く病院は各自で選択できますので、さまざまな視点から熟考して後悔のない選択をしましょう。