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医療用モニターおすすめ5選!選び方や一般的なモニターとの違いも解説

医療現場で使われる「医療用モニター」は、一般的なPCモニターとは異なり、診断や治療の精度を支える高い表示性能や品質管理機能が求められます。

しかし、解像度や輝度、表示方式、管理機能など選ぶべきポイントが多く、どれを選べばよいか迷う方も多いはずです。

この記事では、医療用モニターの選び方や一般的なモニターとの違いをわかりやすく解説し、実際におすすめできる製品5選を紹介します。

医療現場での導入を検討している方や、より正確な画像診断を目指す方はぜひ参考にしてください。

医療用モニターとは?

部屋にいる数人の人

医療用モニターとは、CTやMRI、マンモグラフィ、超音波などの医用画像を正確かつ安定して表示するために設計された、医療現場専用のディスプレイです。

微細な陰影や濃淡を忠実に再現できる高解像度や多階調表現、画面全体の輝度や色の均一性といった高い表示性能を備えています。

経年劣化による表示の変化を自動補正する機能が備わった製品が多いのも特徴です。

これらの特徴により、医療用モニターは診断の精度向上や見落とし防止に大きく貢献しています。

医療用モニターと一般用モニターとの違い

白い木製のテーブルの上に黒いフラットスクリーンテレビ

医療用モニターと一般用モニターの違いは、主に「規格適合性」「表示性能」「長期安定表示」にあります。

医療用モニターは、CTやMRI、マンモグラフィなどの医用画像を正確に表示する必要があり、DICOM Part 14といった医用画像表示規格に適合している製品がほとんどです。

微細な陰影や濃淡を滑らかなグラデーションで再現でき、診断に必要な情報を忠実に表現します。

また、画面全体の輝度や色の均一性が高く、どの位置から見ても画像が均一に表示される点も特徴です。

さらに、医療用モニターは、経年劣化補正や自動キャリブレーションなど、長期間にわたり正確な画像表示を維持する機能が備わっています。

一方で、一般用モニターは医療向けの規格や表示性能、そして長期にわたり品質を維持する機能を持たず、読影や診断用途には適していません。

医療の現場では、診断に必要な精度を長期間維持できる高性能な専用モニターが必須です。

医療用モニターの選び方

コンピューターとキーボードを持って机に座っている男性

医療用モニターは、診断の精度や安全性に直結する重要な機器です。用途や表示性能、品質管理機能など、選ぶ際にはいくつかのポイントを押さえる必要があります。

ここからは、医療用モニターを選ぶ際に知っておきたい基本的な選び方についてチェックしていきましょう。

  • 診断用途に合った種類・解像度で選ぶ
  • 輝度表示の安定性で選ぶ
  • 画面の均一性や階調表示の滑らかさで選ぶ
  • 設置環境や読影スタイルに合ったサイズから選ぶ
  • JESRAやDICOMなど規格への適合を確認する
  • 品質管理が容易に行えるか確認する
  • サポート体制を確認する

診断用途に合った種類・解像度で選ぶ

モニターを導入するにあたって、診断用途に合った種類・解像度の選択は、医療現場での精度の高い診断に欠かせません。

読影する画像が、どの撮影機器(モダリティ)によって得られたものかによって、必要なモニターの種類や解像度が異なります。

たとえば、CTやMRI用には2Mクラス、単純X線には3M、マンモグラフィには5M以上の高解像度モニターが推奨されるなど、用途ごとに適したスペックが求められます。

また、各モダリティごとに、ガイドラインや規格で必要な解像度や輝度が定められている点にも注意が必要です。

輝度表示の安定性で選ぶ

医療用モニターにおいて、輝度表示の安定性は、正確な診断や見落とし防止に直結する重要なポイントです。

医療現場では、CTやマンモグラフィなどの画像診断において、微細な病変や濃淡の違いを正確に見分ける必要があるため、モニターの輝度は常に一定でなければなりません。

安定性が確保されていると、診断画像の見え方が常に一定となり、過去画像との比較や複数のモニターでの読影でも信頼性が保たれます。

画面の均一性や階調表示の滑らかさで選ぶ

画面の均一性や階調表示の滑らかさは、医療用モニターを選ぶうえで欠かせない基準です。

画面全体で輝度や色のムラが少なく、隅々まで均一に画像を表示できるよう設計されたモニターは、診断時に正確な情報が得られ、見落としや誤診のリスクを低減します。

一方、階調のつぶれや飛びが発生しやすいモニターは、同じ画像でも見え方が異なるため、医療現場には不向きです。

設置環境や読影スタイルに合ったサイズから選ぶ

医療用モニターを選ぶ際には、設置環境や読影スタイルに合ったサイズ選びが重要です。

読影する画像の種類や作業スペース、モニターの台数や配置など、作業環境に合わせてサイズや形状を選ぶと、ストレスの軽減や読影効率の向上につながります。

従来は、スクエア型モニターを2面並べて使うケースが多かったものの、現在は省スペースで複数画像を一度に表示できるワイドモニターも人気です。

病院やクリニック、自宅など設置場所によっても最適なサイズや形状は異なるため、自分の読影スタイルや設置環境を考慮して選びましょう。

JESRAやDICOMなど規格への適合を確認する

医療用モニター選定時には、JESRAやDICOMなどの規格への適合を必ず確認するようにしましょう。

JESRAとは、日本画像医療システム工業会(JIRA)が策定した医用画像表示用モニタの品質管理に関するガイドラインです。国内の医療現場で適切な品質管理や安全性を確保するための基準となっています。

また、DICOMは国際的な医用画像規格であり、特にDICOM Part 14で規定されるグレースケール標準表示関数(GSDF)への適合が重要です。

これらの規格に適合したモニターは、輝度やコントラスト、階調表現、画面の均一性などが診断用途に適したレベルで保証されており、長期間にわたり安定した表示品質を維持できます。

品質管理が容易に行えるか確認する

医療用モニターを選ぶ際は、品質管理のしやすさも重要な検討ポイントです。

というのも、医療用モニターの表示品質が時間の経過や使用環境の影響で徐々に変化し、その変化が診断精度に直接影響を及ぼす可能性があるためです。

たとえば、輝度や階調のわずかなズレでも、微細な病変を見落とすリスクが生じます。

こうしたリスクを防ぐには、モニターの表示状態を定期的に確認し、常に正確な映像を維持するための管理が欠かせません。

品質管理が容易なモニターには、自動キャリブレーション機能や測定用センサーが搭載されており、点検作業を簡単かつ効率的に行えます。

品質管理を効率化するための主な機能は、以下の通りです。

  • 自動キャリブレーション機能
  • 測定用センサー(カラーフロントセンサーや輝度センサーなど)
  • 専用の品質管理ソフトウェア
  • 品質管理やキャリブレーションの実施タイミングを通知するリマインダー機能

これらの機能により、表示品質の変化を迅速に検知・補正でき、医療現場における画像診断の信頼性を長期間にわたり維持できます。

もちろん、定期的にテストや検証をして、品質を保つことが大切です。

サポート体制を確認する

サポート体制の充実度は、医療用モニターを安全かつ快適に長期間使用するための重要な選定基準です。

医療現場では、モニターの不具合やトラブルが診断業務に直結します。そのため、迅速な修理対応や代替機の手配、定期点検などのサポート体制が整っているかは、安全で安定した運用に欠かせません。

たとえば、全国各地にサポート拠点を持ち、導入時の設置や初期設定、運用後の不具合時の迅速な修理・貸出機の対応可否をチェックしましょう。

長期保証や定期点検サービスなどを提供しているメーカーも、医療機関にとって大きな安心材料となります。

医療用モニターのおすすめ5選

黒い画面を持つ黒いタブレット

ここからは、医療現場で信頼されているおすすめの医療用モニター5選を紹介します。

  1. EIZO RadiForce RX1270
  2. EIZO RadiForce MX217
  3. EIZO RadiForce MX243W
  4. JVC(KONICA MINOLTA) CL-S500
  5. JVC(KONICA MINOLTA) CL-R211

性能や搭載機能を比較検討して、自院にふさわしいモニターを見つけてください。

EIZO RadiForce RX1270

製品名 EIZO RadiForce RX1270
画面サイズ 30.9型(78.4cm)
解像度 4200 × 2800(12メガピクセル)
輝度 1200 cd/m²(推奨500 cd/m²)
主な機能 輝度ドリフト補正
ユニフォミティ補正
Hybrid Gamma PXL
各種センサー内蔵
適合規格 JESRA X-0093(管理グレード1A)
DICOM Part 14
FDA 510(k) 他

EIZO RadiForce RX1270は、12メガピクセルの超高解像度を実現した30.9型医療用カラーモニターです。

1台で複数の画像を同時表示できる広い表示領域と高密度な画素ピッチにより、マンモグラフィやCT、MRIなど多様なモダリティの画像を細部まで鮮明に表示できます。

Hybrid Gamma PXL機能により、同一画面内でモノクロ画像とカラー画像を自動判別し、それぞれ最適な階調で表示できるのも大きな特徴です。

さらに、輝度ドリフト補正やユニフォミティ補正、内蔵センサーによる自動キャリブレーションなど、長期間にわたり安定した表示品質を維持する品質管理機能も充実しています。

EIZO RadiForce MX217

製品名 EIZO RadiForce MX217
画面サイズ 21.3型(54.1cm)
解像度 1200 × 1600(2メガピクセル)
輝度 500 cd/m²(標準値)
キャリブレーション推奨270/180 cd/m²
主な機能 DICOM Part 14準拠キャリブレーション
内蔵センサー(バックライト・フロント・照度)
Hybrid Gamma PXL
輝度安定化
デイジーチェーン対応
再生プラスチック使用
適合規格 JESRA X-0093(管理グレード2)
DICOM Part 14

EIZO RadiForce MX217は、21.3型・2メガピクセルの医療用カラーモニターです。

DICOM Part 14準拠のキャリブレーションや各種内蔵センサーによる輝度安定化機能を備え、医用画像の正確な表示を長期間維持できます。

Hybrid Gamma PXL機能により、同一画面内でモノクロとカラー画像を自動判別し、それぞれ最適な階調で表示できるため、電子カルテや参照用画像の表示に最適です。

コントラスト比は1800:1と高く、黒の締まりが良いのも特徴。また、再生プラスチックを18%以上使用し、環境配慮にも取り組んでいます。

EIZO RadiForce MX243W

製品名 EIZO RadiForce MX243W
画面サイズ 24.1型(61cm)
解像度 1920 × 1200(2.3メガピクセル)
アスペクト比16:10
輝度 180 cd/m²(推奨・維持保証値)
主な機能 DICOM Part 14準拠キャリブレーション
Hybrid Gamma PXL
CAL Switch
Sharpness Recovery
デイジーチェーン対応
輝度安定化
RadiCS LE対応
再生プラスチック使用
適合規格 JESRA X-0093(管理グレード2)
DICOM Part 14

EIZO RadiForce MX243Wは、24.1型・2.3メガピクセルのワイド画面を持つ医療用カラーモニターです。

DICOM Part 14に準拠したキャリブレーションや輝度安定化機能、Hybrid Gamma PXLによるモノクロ・カラー画像の自動最適表示など、医用画像参照に必要な基本性能を備えています。

CAL Switch機能でCTやMRI、内視鏡など各種画像に最適な表示モードを簡単に切替可能。Sharpness Recovery機能により高輝度化と鮮鋭度を両立し、長期間安定した画質を維持できます。

また、デイジーチェーン対応で複数台接続時の配線も簡素化。省スペース設計や再生プラスチックの採用など、環境配慮も進んだモデルです。

JVC(KONICA MINOLTA) CL-S500

製品名 JVC(KONICA MINOLTA) CL-S500
画面サイズ 21.3型(IPS方式)
解像度 2048 × 2560(5メガピクセル)
輝度 最大1150 cd/m²(出荷時設定410/500 cd/m²)
主な機能 ダイナミックガンマ機能(モノクロ・カラー自動最適表示)
輝度・色度安定化回路
フロントセンサー
Reading Light
デュアルスタンド対応
省スペース設計
適合規格 JESRA X-0093(管理グレード1A)
DICOM Part 14、FDA 510(k)

JVC(KONICA MINOLTA)CL-S500は、21.3型・5メガピクセルの高解像度と高コントラストを備えた医療用カラーモニターです。

マンモグラフィや胸部X線など、微細な陰影や濃淡の診断が求められる用途に好適。ダイナミックガンマ機能によりモノクロ画像とカラー画像を自動で判別し、それぞれ最適な階調で表示します。

輝度・色度の変化をリアルタイムで補正する安定化回路やフロントセンサーを搭載し、長期間にわたり安定した画質を維持可能。

JESRAやDICOM Part 14、FDA 510(k)などの医療規格にも適合し、信頼性と操作性、省スペース性も兼ね備えたハイエンドモデルです。

JVC(KONICA MINOLTA) CL-R211

製品名 JVC(KONICA MINOLTA) CL-R211
画面サイズ 21.3型(TFTカラー IPS方式)
解像度 1200 × 1600(2メガピクセル)
輝度 最大500cd/m²(typ.)
出荷設定250cd/m²
主な機能 DICOM Part 14準拠キャリブレーション
ユニフォミティ補正
ダイナミックガンマ
セルフキャリブレーション
セルフDICOMチェック
セルフテストパターン
ハードウェアピボット
人感センサー
オートテキストモード
拡張パワーセーブ
USBハブ
適合規格 JESRA X-0093(管理グレード2)
DICOM Part 14
FDA 510(k)
CE
ANSI/AAMI ES60601-1 他

JVC(KONICA MINOLTA)CL-R211は、21.3型・2メガピクセルのIPSパネルを採用した医療用カラーモニターです。

最大輝度500cd/m²、コントラスト比1800:1と高い基本性能を持ち、ユニフォミティ補正やダイナミックガンマ機能など、医用画像の正確な表示を長期間維持できる機能も充実しています。

セルフキャリブレーションやセルフDICOMチェック、セルフテストパターンなど、運用管理を効率化する機能も搭載。

人感センサーによる省電力運用やハードウェアピボット、USBハブなど使い勝手にも配慮されています。

JESRAやDICOM Part 14、FDA 510(k)などの医療規格にも適合し、電子カルテや画像参照用など幅広い用途に対応できるスタンダードモデルです。

まとめ:診断精度を高めるために医療用モニターはしっかり選ぼう

白い医療機械

医療用モニターは診断の信頼性を支える重要な機器であり、慎重な選定が患者の安全と医療現場の質の向上につながります。

医療用モニターを選ぶ際は、用途に合った解像度や輝度で選び、JESRAやDICOMなどの規格への適合や、品質管理体制も重視するのが重要です。

本記事を参考に適切なモニターを選び、医療現場の安全性と診断の質を維持しましょう。