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再初診とは?適用される期間や初診・再診との違いを分かりやすく解説

医療機関を受診したとき、再初診という言葉を聞いたことがあるでしょう。

そもそも初診料とは、患者が初めて医療機関に受診した際にかかる金額ですが、再初診は、一定期間を空けて再度その病院を受診した場合にかかる金額です。

そこで本記事では、再初診と初診、再診との違いをはじめ、適用される期間、科目別の再初診料についても詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてください。

この記事を監修した医師
見立 英史 国立・私立大学や開業医勤務を経て私立大学病院に勤務。一般歯科診療から全身麻酔手術症例までを行っています。日本口腔外科学会指導医・専門医、日本口腔科学会指導医。専門分野は口腔粘膜疾患。  

再初診とは?

再初診とは、一度受診した病院に1〜3ヶ月以上と一定期間が経過して再び受診した際に、再度初診料が発生する状態のことをいいます。

また、一定期間が空いただけとは限りません。

1つの治療が終了したあとに、違う疾患で来院した場合、患者さんの都合で治療が1〜2ヶ月以上中断した場合なども再初診扱いとなります。

初診との違い

初診とは、患者が医療機関で初めて診療を受けることをいいます。つまり、累計で2回目以降の通院なら、初診にはなりません。

再初診は、その病院への通院が2回目以降の場合でも、該当するケースとなった場合には初診扱いになることを指します。例えば、一度目の受診から3ヶ月以上経過したときや、最初の疾患が完治した後に、違う症状や疾患で受診した場合は再初診扱いです。ただし、期間が空いても初診ではなく再診療として取り扱う場合もあります。

再診との違い

再診とは、一度診察を受けた病気の治療や、持病で定期的に通院するケースを指します。そのため、一つの病気の治療を継続的に行なっている間は、再診扱いとなります。

ただし、最初の疾患における治療が終了し、別の疾患で再び同じ病院を受診した際には再診ではなく、再初診扱いとなります。

再初診扱いになる2つのケース

ここからは、再初診扱いになる2つのケースについて、詳しくみていきましょう。

  1. 一度来院してから一定期間が空いているケース
  2. 前回と全く別の症状で来院するケース

一度来院してから一定期間が空いているケース

まず、一度来院してから一定期間が空いているケースです。

例えば、歯科で虫歯の治療をしている途中で、仕事の都合で数ヶ月間来院できなかったとしましょう。この場合は、次の来院時は再診療だけではなく、初診料が発生することがあります。

ただし、慢性的な病気の場合は、期間が空いても初診として扱わない場合があります。

詳しくは下記をご参照ください。

患者が任意に診療を中止し、1月以上経過した後、再び同一の保険医療機関において診療を受ける場合には、その診療が同一病名又は同一症状によるものであっても、その際の診療は、初診として取り扱う。
(ただし、慢性疾患等明らかに同一の疾病又は負傷であると推定される場合の診療は、初診として取り扱わない。)

参考:厚生労働省 保険診療の理解のために

また、医師の指示で期間が空いた場合も、初診料ではなく再診療が適用されます。

前回と全く別の症状で来院するケース

また、空いた期間に関わらず、再初診が適用される場合があります。

なお、治療の継続中に別の症状を訴えて来院された場合は、再診扱いとなり、初診料の算定はできません。この違いは把握しておきましょう。

初診料はいくら?

2023年6月時点での初診料は、診療報酬の点数で表すと医科は「288点」で歯科は「246点」です。診療報酬の基準となる点数は、厚生労働大臣によって2年に一度決められており、診療区分ごとに「1点=10円」で計算されます。診療報酬の点数と金額は、全国にあるどの地域や病院でも同様の設定です。

なお、患者に健康保険が適用される場合には、この総額の1〜3割を患者が負担しなければなりません。注意が必要なケースとしては、治療途中で患者が自己判断で受診を中止したものの、1ヶ月以上経過してふたたび治療の継続を希望して受診した場合です。

このケースは、再診ではなく再初診扱いとなりますので、注意しましょう。

参考:日本医師会「なるほど診療報酬」

再診料はいくら?

2023年6月時点の医科再診料は「730円」、歯科は「560円」で、診療報酬の点数で表すと「73点」「56点」となります。

ただし、再診料は病院の規模によって異なり、200床以上の病院では「740円」、診療報酬を表す点数は「74点」です。再診料も初診料と同様、全国どこでも同じ金額設定で、患者が健康保険を利用する場合は、この金額の1〜3割を受診側が負担します。

再初診についてのよくある質問

ここからは、再初診についてのよくある質問を紹介していきます。

月またぎなら日にちが空いていなくても再初診料はかかりますか?

治療の継続のために月をまたいで受診しても、再初診にはなりません。再初診が算定されるのは、おもに下記に該当する患者となります。

  • 患者都合で治療を1ヶ月以上中断し、その後再び同医療機関で治療を再開した場合
  • 疾患の治療が完了したあと、別の症状や疾患で受診した場合

月をまたいだだけであれば、再診扱いとなります。

再初診の時も問診票は記入しますか?

再初診の場合にも、問診票の記入は必要です。

特に、前回と症状が全く異なる場合は、問診票を通じて状態を確認します。そのため、受付時に病院側から問診票の記載をお願いするケースも少なくありません。

なぜ再初診は計測されるのですか?

再初診の計測は、クリニックや医院の満足度を示す指標としても活用されます。

そもそも、一度診療した病院に不満があれば、もし別の疾患が現れても再び通院したいとは思われません。一定以上の満足感がなければ、来院は見込めないでしょう。

つまり、再初診患者が増加しているということは、一定の満足感があるサービスを提供できている証です。再初診は、クリニックや医院の評価軸としても捉えられるでしょう。

まとめ:再初診と初診・再診の違いを理解して活用しよう

再初診と初診、再診は、明確な違いがあるものの、患者目線では分かりにくいものです。

また、大枠は変わらないものの、病院ごとに期間の設定が若干異なる場合もあります。

そこで、再初診とは何かあらかじめ明確に示しておきましょう。

また、患者からの疑問にもきちんと応えられるように、医療現場のスタッフも再初診への理解を深めておくことが大切です。