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歯科医師国保とは?健康保険との違いやメリット・デメリットを解説

「歯科医師国保に加入したほうが良いのかな?」
「歯科医師国保に加入するとどんなメリットがあるのかな?」
このような疑問を抱えているのではないでしょうか。
そこで、この記事では歯科医師国保の基本的な内容健康保険との違い歯科医師国保に加入するメリット・デメリットを解説します。

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歯科医師国保とは?保障内容や加入条件

ここでは、歯科医師国保についての基本事項をお伝えします。
歯科医師国保とは何か、その保障内容や加入条件について確認していきましょう。

歯科医師国保とは?

歯科医師国保とは、歯科医院で働く方とその家族を対象とした医療保険制度です。
名称が“歯科医師”となっていますが、歯科医院で働く方が対象であるため、歯科医師のみならず、歯科衛生士や歯科技工士、歯科助手、さらには受付などを担当する事務スタッフも対象です。
それに加えて、対象者の家族も保険の対象者となります。
なお、歯科医師国保と言っても、運営する組合が20以上あり、地域により加入する団体が異なる点に注意してください。

歯科医師国保の保障内容

では、歯科医師国保ではどんな内容を保障してくれるのでしょうか?
保障内容は、20以上ある組合により異なるため、各組合の保障内容を必ず確認するようにしてください。
ここでは、全国歯科医師国民健康保険の保障内容を例に解説します。
全国歯科医師国民健康保険では、大きく分けて法定給付任意給付の2種類があります。
法定給付とは法律で給付の内容や範囲を定めたもので、任意給付とは組合が独自の定めにより給付するものです。

法定給付

法定給付には絶対的必要給付と相対的必要給付があります。
絶対的必要給付とは必ず行わなければならないものであり、相対的必要給付とは特別の理由があれば行わなくてもよいものです。
絶対的必要給付では、以下のような保障が受けられます。

項目 内容
療養の給付 組合員:7割給付
家族:7割給付
義務教育就学前まで:8割給付
高齢受給対象者(組合員・家族): 現役並み所得者は7割給付
※一般所得者は8割給付
高額療養費 同じ人が同じ月内(暦で1日~末日)に、同じ医療機関で支払った一部負担金が限度額を超える場合、申請により一部負担金から自己負担額を控除した額が高額療養費として支給
療養費 本人が立替払いした後、組合に請求すれば給付割合に従って一定基準額を支給。
海外療養費 海外渡航中の疾病等について、被保険者が海外の病院等において療養等を受けた場合の費用も含む。なお、様式中に「療養の給付を受けることができなった理由」の欄に、「海外渡航中の疾病のため」と付記すること。
移送費 療養の給付などを受けるために移送されたとき。

一方、相対的必要給付では、以下のような保障が受けられます。

項目 内容
出産育児一時金 被保険者が出産(妊娠4ヶ月以上の死産・流産を含む)した場合1児につき420,000円(H21年10月~)を支給。
葬祭費 被保険者が死亡した場合、その者の葬祭を行う者に支給される。
1種組合員:300,000円
2種組合員:150,000円
3種組合員:100,000円
1・2・3種組合員の家族:100,000円
後期高齢者組合員の家族:100,000円

(参考:全国歯科医師国民健康保険組合「保険給付一覧」)

任意給付

任意給付は、組合員が入院した場合に、申請をすると受け取れるものです。
具体的には以下の2種類があります。

項目 内容
傷病手当金 1種組合員 入院一日につき 4,000円
2種組合員 入院一日につき 1,500円
3種組合員 入院一日につき 1,500円
出産手当金 産前6週間、産後8週間において業務に服さなかった組合員
一日につき 1,500円

(参考:全国歯科医師国民健康保険組合「保険給付一覧」)

歯科医師国保の加入条件

歯科医師国保にはどんな加入条件があるのでしょうか。
ここでも、全国歯科医師国民健康保険組合を例に解説します。
全国歯科医師国民健康保険組合には被保険者の種別として以下の4つがあります。

種別 定義
1種組合員 支部所在地の歯科医師会会員である歯科医師で規約第4条の地区内に住所を有する者とする。
2種組合員 1種組合員である歯科医師が開設又は管理する診療所に雇用される歯科医師で規約第4条の地区内に住所を有する者とする。
3種組合員 1種組合員である歯科医師が開設又は管理する診療所に雇用される者(技工士、衛生士、歯科助手、事務員等)で規約第4条の地区内に住所を有する者及び組合に勤務する者とする。
家族 世帯員の範囲は、同一世帯に属している者とする。

(参考:全国歯科医師国民健康保険組合「被保険者と組合員」)

この4つを見るに、歯科医師会の会員であるか、歯科医師会の会員である歯科医師のもとで働いている者、及びその家族であるか、が加入条件であることがわかります。

歯科医師国保と健康保険との違い

歯科医師国保とよく比較されるのが健康保険です。
ここでは、歯科医師国保と健康保険の違いを以下の3点から見ていきます。

  • 保険料の違い
  • 扶養の違い
  • 厚生年金への加入における違い

1つずつ確認していきましょう。

保険料の違い

まずは、保険料の違いを見ていきましょう。
国民保険では収入により保険料が変化しますが、歯科医師国保では変化がありません
そのため、金額によっては国民保険のほうが得をすることもあれば歯科医師国保のほうが得をすることもあります。

扶養の違い

続いて、扶養に関する違いを見ていきましょう。
健康保険では扶養家族の扱いがあるため、世帯人数により保険料が増減することはありません。
一方、歯科医師国保では扶養の概念がないため、世帯人数分の保険料が発生します。

厚生年金への加入における違い

最後に、厚生年金への加入における違いを見ていきましょう。
健康保険では、厚生年金への加入が義務付けられています
一方、歯科医師国保では厚生年金への加入が義務ではないため、事業所ごとに別途加入をする必要があります

歯科医師国保に入るメリット

歯科医師国保に入るとどんなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、主なメリットとして以下の3つを紹介します。

  • 保険料が一律
  • 2つの大きな手当
  • 福利厚生の充実

1つずつ確認していきましょう。

保険料が一律

1つ目は保険料が一律なことです。
先ほども触れましたが、健康保険では所得により保険料が変動します。
一方、歯科医師国保では保険料が一律であるため、場合によっては健康保険より保険料が少なくなる可能性があります。
なお、保険料の額は各組合により異なるため、必ず確認しましょう。

2つの大きな手当

2つ目は、2つの大きな手当があることです。
先ほど、「任意給付」で紹介した傷病手当金出産手当金の2つの手当がもらえるのはとても魅力的です。
任意給付であり、歯科医師国保独自で導入している制度なので、他の保険と比べて職場を休むことへの不安が軽減されるでしょう。

福利厚生の充実

3つ目は、福利厚生の充実です。
歯科医師国保では、インフルエンザ等の予防接種の補助やがん健診・歯科健診等の健康診断、メンタルヘルスなどさまざまな福利厚生が用意されています。
患者の健康を大事にしすぎるあまり、自分の健康を疎かにしてしまっては意味がないので、福利厚生を活用して健康的な生活を送ることが可能です。

歯科医師国保に入るデメリット

一方、歯科医師国保に入る際にはデメリットも知っておく必要があります。
ここでは、主に3つのデメリットを紹介します。

  • 加入は4人まで
  • 「扶養」の概念がない
  • 自身の勤務先には保険請求不可

1つずつ確認していきましょう。

加入は4人まで

1つ目は、加入は4人までと限られていることです。
歯科医師国保は、事業所において、従業員が常時4人以下の歯科医院しか加入できないことになっています。
そのため、常時5人以上の歯科医院では国民健康保険に加入する必要が出てくるのです。
例外はありますが、基本的に加入は4人までと覚えておくのが良いでしょう。

「扶養」の概念がない

2つ目は、「扶養」の概念がないことです。
国民健康保険では「扶養」の概念があり、一部の方が保険料を免除されますが、歯科医師国保ではそもそも「扶養」の概念がないため、人数分の保険料を支払う必要があります
したがって、保険に「扶養」を期待されている方は、歯科医師国保は向いてないと言えるでしょう。

自身の勤務先には保険請求不可

3つ目は、自身の勤務先には保険の請求ができないことです。
先ほど見たように、歯科医師国保でも7割給付が受けられるので、3割負担で済みます。
しかし、自身の勤務先で診療を受ける際には、7割給付が適用されず、全額個人負担となります。
とくに従業員にとっては、大きな負担になる可能性があるため、理解が得られない可能性もあるでしょう。
その際は、歯科医院で何割か負担するなどの支援をすることが必要です。

まとめ

今回は、歯科医師国保について解説しました。
歯科医院で働く方とその家族を対象とした医療保険制度であり、全国にある20以上の組合によって運営されています。
保険料が一律なこと、任意給付による大きな手当福利厚生の充実など、加入すると大きなメリットがあります。
しかし、制限があり不利益を被る可能性がある点には注意して、慎重に導入を検討しましょう。