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チャットボットの導入効果7選!具体的なメリットを8つの導入事例をもとに紹介

チャットボットの導入を検討している経営者やマーケティング担当者が増えています。コスト削減業務効率化におすすめとされるチャットボットですが、「具体的にどんな効果があるの?」「導入で成功した例は?」「すべての質問に答えられる?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、チャットボットの導入で得られる7つの効果導入事例をもとに詳しく解説します。さらに、チャットボット導入についてよくある3つの質問にも回答し、効果を最大限に引き出すためのポイントもお伝えしていきます。ぜひ参考にしてみてください。

チャットボットとは?

チャットボットとは?

チャットボットとは、人工知能(AI)を活用して、ユーザーとの対話を自動的に行うプログラムです。主にウェブサイトやSNS、メッセンジャーアプリなどで利用され、24時間365日、迅速な対応が可能となります。

チャットボットの基本的な仕組みは、ユーザーの入力(質問や要求)を解析し、適切な回答を生成して返すというものです。多くのチャットボットシステムでは、自然言語処理技術が活用されており、人間の言葉を理解し、適切に応答することができるように設計されています。

チャットボットは、顧客サポート、推奨商品の提案、予約受付など、様々な用途で活用されています。企業にとっては業務効率化コスト削減のツールとして、顧客にとっては24時間いつでも問い合わせができる便利なサービスとしておすすめのサービスです。

チャットボットの種類

チャットボットは主に「シナリオ型チャットボット」と「AI型チャットボット」の2種類があります。

シナリオ型チャットボットは、あらかじめ設定された質問と回答のパターンに基づいて対応するチャットボットです。比較的簡単に導入でき、特定の目的に特化した対応が得意です。

一方で「AI型チャットボット」は、機械学習を用いたチャットボットです。対話を重ねるごとに賢くなっていくため、より柔軟な対応が可能で、複雑な質問にも答えられる可能性が高くなっています。

どちらの型を選ぶかは、導入目的や予算、対応の複雑さなどによって異なってきます。導入コストの低いシナリオ型か、高度な対応が可能なAI型かは、自社のニーズに合わせて選択していきましょう。

チャットボット導入の効果7選

チャットボット導入の効果7選

チャットボット導入で得られる7つの効果について詳しく解説します。具体例も交えて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

  1. コスト削減
  2. 24時間対応の実現
  3. 迅速な対応の実現
  4. 対応品質の均一化
  5. 業務効率化
  6. スタッフの削減
  7. データ収集と業務改善

1.コスト削減

チャットボットは、問い合わせ対応を自動化することで、お問い合わせに対応する人員を減らし、人件費を削減できます。医療機関であれば、例えばワクチン接種の予約案内をチャットボットで自動化し、電話対応の負担を軽減することが可能です。

また、小売業界では、チャットボットでFAQ対応や基本的な顧客問い合わせを自動化することで、カスタマーサポートチームの規模を縮小し、人件費を削減しています。ブラックフライデーやクリスマス商戦などの繁忙期に、チャットボットが問い合わせの大部分を処理することで、追加スタッフを雇う必要がなくなり、大幅なコスト削減を実現したという例もありました。

参考:Cognigy『 | Cognigy – 対話型AI』

2.24時間対応の実現

チャットボットは24時間365日稼働するため、深夜や休日でも顧客対応が可能です。医療機関では患者からの医療相談に24時間対応したり、通販サイトなどではチャットボットが注文追跡や商品検索をサポートしてくれるので、営業時間外でも顧客満足度を向上させる効果が期待できます。

3.迅速な対応の実現

チャットボットは複数の問い合わせに同時に対応できるため、迅速な回答が可能になります。例えば、人間ドックを中心としたクリニックでは、よくある質問をチャットボットで自動化することで月800件以上の問い合わせにスムーズに応答できるようになりました。この結果、患者の待ち時間が大幅に短縮され、顧客満足度が向上したというデータもあります。

また、ホテル業界では、宿泊希望者に対してチャットボットで予約や施設情報の提供を行うことで、顧客の予約率が向上したという事例もありました。

参考:山梨県厚生連健康管理センター『健診・人間ドック ポケットガイド』

参考:トリプラ『tripla Connect の活用でメルマガのCVR13倍に手応え!公式サイトのCVR・自社予約比率ともに向上し効果を実感』

4.対応品質の均一化

人的対応では経験や知識によって回答内容にばらつきが生じることがあります。しかし、チャットボットは事前に設定されたシナリオやデータベースに基づいて回答するため、常に一定品質の対応を提供できるようになるのです。

対応品質が均一化されたことで、「人によって言うことが違う」「前回と案内が異なる」などの問題がなくなり、顧客とのコミュニケーションにも信頼が生まれるため、満足度向上にも期待が持てます。

5.業務効率化

定型的な問い合わせやタスクをチャットボットで自動化することで、スタッフはほかの業務に集中できるようになります。電話での問い合わせ対応を減らすことで、窓口の人員を他の作業に回せるようになるので、より多くの業務をこなす環境を整えられます。

医療機関では、予防接種や介護保険の案内などでよくある質問をチャットボットに任せたことで、専門スタッフの負担軽減につながった例もありました。

参考:RSK山陽放送『「介護保険についてAIが回答」岡山大学病院に今年4月”生成AIチャットボット”導入へ「国内の大学病院では初」 』

参考:Cognigy『山﨑内科医院 – コロナワクチン接種予約ボット / 事前問診取得の自動化』

6.スタッフの削減

チャットボット導入によって、今まで人が対応していた業務をチャットボットが自動化することでスタッフ数を最適化できます。これにより、人員配置の見直しが可能となり、人件費削減だけでなく業務負担軽減にもつながります。

例えば、動物病院で診察可能な動物の種類をチャットボットで案内する仕組みを導入した結果、人による電話対応が大幅に減少し、受付人数の削減に成功していました。また、コールセンターなどではチャットボットの導入が加速しており、対応人数の削減に成功しています。

7.データ収集と業務改善

チャットボットは顧客との対話内容をデータとして蓄積してくれるので、それを分析することでサービス改善新商品開発につながります。

人間ドックや問診でチャットボットを取り入れている医療機関では、患者の傾向を分析し、スタッフの配置や診療時間の調整を行うなど業務改善に役立てていました。

小売業界では、顧客の購買履歴を分析して、1人1人の嗜好に合わせた商品提案を行っています。このデータは在庫管理マーケティング戦略にも活用されており、売上向上にも期待が持てます。

参考:さっとFAQ『株式会社医療産業研究所様』 

チャットボットの導入事例8選!医療機関の成功事例も紹介

チャットボットの導入事例8選!医療機関の成功事例も紹介

チャットボットの導入事例を8つ紹介します。医療機関の成功事例も合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

  1. ワクチンの予約案内(医療法人社団壮明会山﨑内科医院)
  2. 論文検索で医療の質向上(医療法人橘会橘病院)
  3. 社内の問い合わせ窓口への導入(ウェルシア薬局株式会社)
  4. お客様窓口への導入(株式会社ハンズ)
  5. お客様窓口への導入(アスクル株式会社)
  6. 顧客ニーズに合わせた商品紹介(SHIBUYA109)
  7. お客様窓口への導入(野村證券)
  8. 市民への情報発信や問い合わせ窓口へ導入(福島県会津若松市)

1.ワクチンの予約案内(医療法人社団壮明会山﨑内科医院)

山﨑内科医院では、新型コロナウイルスワクチン接種の予約対応に課題を感じていました。電話での予約受付は、スタッフの業務負担を増大させ、効率的な運営を妨げていたため、AIチャットボットシステム「Cognigy」を活用したチャットボットを導入し、予約プロセスを自動化しました。

このシステムは、ワクチン接種の条件確認から予約までを24時間365日、非対面で行うことを目的として導入され、初回接種のワクチン種類の確認や、患者の居住地域の確認などを自動化することに成功しました。

この取り組みにより、コロナ禍においても安全かつ効率的な接種予約システムを構築することができました。結果として、スタッフの負担軽減と患者の利便性向上を同時に実現し、医院全体の運営効率が大幅に改善されました。

参考:Cognigy『山﨑内科医院 – コロナワクチン接種予約ボット / 事前問診取得の自動化』

2.論文検索で医療の質向上(医療法人橘会橘病院)

橘病院では、医師が最新の医療情報を入手するために膨大な量の論文を検索する必要があり、これが大きな時間的負担となっていました。この課題を解決するため、病院はChatGPTを活用した論文検索システムを導入しました。

このAIシステムにより、医師は効率的に関連論文を収集し、最新の医学知見を迅速に把握できるようになり、より多くの関連論文を短時間で収集・分析することが可能となりました。

これにより、医師がエビデンスに基づいた最新の診療を提供できるようになり、患者への医療サービスの質が向上したとされています。

参考:医療法人社団橘会橘病院『当院におけるAIチャットボットの活用について』

3.社内の問い合わせ窓口への導入(ウェルシア薬局株式会社)

ウェルシア薬局株式会社では、2000店舗50,000人の従業員からの問い合わせに、50名の担当者が対応する必要があり、人事部門の負担が極めて大きくなっていました。この状況を改善するため、同社はHiTTOというチャットボットシステムを導入し、人事関連の問い合わせ対応を自動化しました。

導入後の成果としては、人事部門への問い合わせ件数が70%も削減されました。さらに、このシステムにより従業員は24時間いつでも疑問を解決できるようになり、従業員満足度も大幅に向上しました。

参考:HiTTO『導入事例詳細|ウエルシア薬局株式会社』

4.お客様窓口への導入(株式会社ハンズ)

株式会社ハンズは、顧客からの問い合わせ対応に多くの時間が必要で、顧客満足度の向上が課題となっていました。この問題を解決するため、同社はチャットボットを導入し、FAQ対応や商品に関する問い合わせを自動化しました。

チャットボットの導入により、顧客は24時間いつでもすぐに回答を得られるようになり、待ち時間のストレスが大幅に軽減されました。また、チャットボットが基本的な質問に対応することで、オペレーターはより複雑な問い合わせや高度なサポートに集中できるようになったそうです。その結果、問い合わせ対応時間が短縮され、顧客満足度が向上しました。

さらに、チャットボットを通じて収集された顧客の質問データは、商品開発サービス改善にも活用されています。

参考:User Local『導入直後からお問い合わせ数が50%以上削減!労力のかかっていた仮パスワード発行業務も大幅に効率化!(株式会社ハンズ)』

5.お客様窓口への導入(アスクル株式会社)

アスクル株式会社は、顧客からの問い合わせが集中し、電話対応だけでは対応しきれない状況になっていました。この課題を解決するため、同社はチャットボットを導入し、よくある質問への対応を自動化しました。

チャットボットの導入により、24時間365日、即時に顧客の質問に回答できるようになり、顧客の待ち時間が大幅に短縮されました。特に、商品の在庫状況や配送状況など、頻繁に問い合わせのある項目については、チャットボットが瞬時に正確な情報を提供できるようになった結果、顧客満足度が向上したとされています。

また、チャットボットを通じて収集されたデータは、顧客ニーズの分析商品開発にも活用されています。

参考:通販通信ECMO『アスクル、AI型チャットロボ導入で省人効果6.5人分に』

6.顧客ニーズに合わせた商品紹介(SHIBUYA109)

SHIBUYA109は、多様化する顧客ニーズに個別に対応することが難しいという課題を抱えていました。この問題を解決するためチャットボットを導入し、顧客の属性や過去の購買履歴に基づいたパーソナライズされた商品提案を実施しました。

チャットボットが顧客との対話を通じて好みや予算を把握し、それに基づいて最適な商品を推奨してくれるシステムとなっており、例えば、「デートの服を探している」という入力に対し、顧客の年齢や過去の購入傾向を考慮して、適切なスタイルや価格帯の商品を提案してくれます。

この取り組みにより、顧客は効率的に自分に合った商品を見つけることができるようになり、購入件数も大幅に向上した結果、顧客満足度だけでなく、売上の増加にもつながりました。

参考:株式会社 FANATICのプレスリリース『LINE 上で動く自動接客ツール WazzUp!提供開始。まずは SHIBUYA109 から』

7.お客様窓口への導入(野村證券)

野村證券は、顧客からの問い合わせ対応に時間がかかり、顧客満足度の向上が課題となっていました。この問題を解決するため、AIチャットボットを導入し、FAQ対応や投資に関する問い合わせを自動化しました。

複雑な金融商品や市場動向に関する質問にも対応できるよう設計されており、例えば、特定の株式の現在の価格や、投資信託の運用状況などの問い合わせに瞬時に回答できるようになりました。その結果、問い合わせ対応時間が大幅に短縮され、顧客満足度が向上しました。

また、オペレーターは、より複雑な投資相談や個別の資産運用アドバイスに集中できるようになり、サービスの質が向上しました。

参考:AIsmiley『Alli LLM App Market ‒ 回答自動生成+FAQ応答 ‒ |Allganize Japan株式会社』

8.市民への情報発信や問い合わせ窓口へ導入(福島県会津若松市)

福島県会津若松市では、市民からの問い合わせ対応に時間がかかり、行政サービスの効率化が課題となっていました。この問題を解決するため、市はチャットボットを導入し、行政サービスに関する問い合わせ対応や情報発信を自動化しました。

具体的には、ゴミの分別方法や各種証明書の取得方法、イベント情報など、市民が日常的に必要とする情報を24時間365日提供できるように設計され、例えば、「粗大ゴミの出し方」という質問に対して、品目別の処理方法や収集日程を即座に回答できるようになりました。

その結果、市民サービスが向上し、同時に行政職員の業務負担も軽減されました。また、チャットボットを通じて収集されたデータは、市民ニーズの分析行政サービスの改善にも活用されています。

参考:『地方自治体におけるAI・ロボティクスの活用事例』

チャットボットの効果を高めるための3つのポイント

チャットボットの効果を高めるための3つのポイント

チャットボットの効果を高めるための3つのポイントについて解説します。

  1. システム連携やセキュリティについて確認する
  2. 費用対効果について事前に検討する
  3. 複数のシステムを比較しテスト運用を行う

1.システム連携やセキュリティについて確認する

チャットボットを導入する際、システム連携セキュリティについて確認するようにしましょう。既存のシステムと連携できるようにすると、使い慣れたシステムも合わせて使用できるため、導入後の混乱を最小限に抑えられます。

また、メッセージの暗号化やチャットボットに蓄積されたデータにアクセスできるのは、認証されたスタッフのみに限定するなどの対応を行い、情報漏洩を防ぐようにしましょう。定期的にセキュリティチェックを行うのもおすすめです。

2.費用対効果について事前に検討する

チャットボットを導入する前に、どれだけのコストがかかるか、どれだけの利益が得られるかを考えることが大切です。一般的に、チャットボットは日常的な問い合わせの多くを自動化でき、顧客対応のコストを大幅に削減できます。しかし、初期の開発費運用費など、様々なコストを考慮する必要があるため注意しましょう。

チャットボットの複雑さによって、開発費用は大きく異なります。費用対効果を正確に把握するには、自社の業務プロセスや顧客対応の現状を詳しく分析し、チャットボット導入後の改善効果を具体的に予測することが大切です。事前にしっかり検討を行い、費用にあった効果を得られる様にしていきましょう。

3.複数のシステムを比較しテスト運用を行う

チャットボットを効果的に導入するには、十分なテスト比較が必要です。複数のシステムを比較することで、より自社に合ったシステムを見極められるようになります。また、必ずテスト運用を行い、それぞれのチャットボットの正確性や信頼性を事前にチェックするようにしましょう。

多くのチャットボットシステムが無料トライアル期間を設けているので、ぜひ活用してみてください。また、本格的な導入の前に問題点や不明点を解消しておくことで、スムーズに運用を開始できますよ。

チャットボットの効果についてよくある質問

チャットボットの効果についてよくある質問

チャットボット導入の効果について、よくある質問をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

  1. チャットボットはすべての質問に回答できる?
  2. チャットボット導入の費用はどのくらい?
  3. チャットボットが活用されている業界は?

1.チャットボットはすべての質問に回答できる?

チャットボットはあらかじめ設定されたシナリオやデータベースに基づいて回答しますが、すべての質問に答えられるわけではありません。特に、複雑な質問想定外の質問には対応できない可能性があるため注意が必要です。

高精度なAIチャットボットであっても、学習データが不足している場合や曖昧な表現が含まれる質問には適切な回答が難しいことがあります。そのため、複雑な質問の時には有人対応に切り替えられるよう、既存のシステムと連携できるようにしておくのがおすすめです。

2.チャットボット導入の費用はどのくらい?

チャットボット導入の費用は、導入するシステムの種類やカスタマイズ度によって大きく異なります。一般的な初期契約費用は無料または5万~10万円ほどが目安ですが、高度なAI型チャットボットでは20万~50万円以上かかる場合もあるため、事前の見積りなどで確認するようにしましょう。

また、運用コストは月額制を取り入れているシステムがほとんどです。チャットボットの機能によって異なる価格を導入しているシステムもあるので、本当に必要な機能は何か、計画段階から見極めておくと良いでしょう。

3.チャットボットが活用されている業界は?

チャットボットは多様な業界で活用されています。医療機関、小売業、金融機関、不動産業、製造業、情報通信業、大学、自治体など、幅広い分野で導入されています。

特に顧客対応や社内問い合わせで活用されることが多くなっているため、問い合わせへの24時間対応やコールセンターなどでの有人業務の負担軽減を目標にしている企業や団体におすすめです。

チャットボットの効果を最大限に活かして満足度を上昇させよう

チャットボットの効果を最大限に活かして満足度を上昇させよう

チャットボットの効果を最大限に活かし、顧客満足度を向上させるためには、具体的な目標設定やユーザーが使いやすい設計にするのがおすすめです。また、ユーザーからのフィードバックを集め、チャットボットを改善すると、より良い対応が可能になります。チャットボットは24時間対応や顧客のニーズに応じた回答が可能です。顧客への迅速な対応で、満足度を高めていきましょう。

また、チャットボットの導入は人員配置や業務内容を見直すきっかけになります。これまで人的リソースの多かった個別対応を減らすことで、人件費削減にもつながり、より多くの業務を担当できるようになる効果が期待できます。自社の課題解決のためにも、チャットボット導入を検討してみてください。