慢性胃炎の原因・症状とは?

慢性胃炎(マンセイイエン)の原因

慢性胃炎は4種類に区別される。もっとも多い萎縮性胃炎は、胃の粘膜が薄くなってしまうもので、逆に胃の粘膜が正常な状態より厚くなるのが肥厚性胃炎、胃粘膜の表面が赤くなるのが表層性胃炎、ただれがみられるものをびらん性慢性胃炎とよぶ。慢性胃炎の9割は、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染によるもの。ほかに、ピロリ菌以外の細菌、ウイルスや真菌の感染によるもの、クローン病なども原因としてあげられている

慢性胃炎(マンセイイエン)の症状

慢性的に胃もたれや食欲不振などがみられる。食後や空腹時に胸やけがともなうことも。

慢性胃炎(マンセイイエン)の治療

酒、たばこ、香辛料などの食べ物を避けるようにする。ピロリ菌の除菌をおこなうことで、ピロリ菌による慢性胃炎は改善される。

【受診科目】

  • 消化器内科
  • 内科
  • 胃腸内科
  • 外科

2人の医師がこの病気について述べています

医師に聞いた
慢性胃炎の原因・症状・治療方法

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ピロリ菌除菌治療により、胃がんリスクの軽減が期待できる

「胃が重い」「胃が痛い」などの症状が現れる慢性胃炎は、その多くがヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)への感染が原因だといわれます。ピロリ菌に感染しているものの症状がまったく出ない患者さんもいらっしゃいますが、ピロリ菌感染に伴う慢性胃炎を放置することは胃がんのリスクを高めることにつながるため注意が必要です。

内視鏡(胃カメラ)検査によってピロリ菌への感染が疑われた場合は、採血(抗体)検査で感染確定後に、ピロリ菌除菌治療を行うことが一般的です。ピロリ菌除菌治療は1週間にわたって薬(抗生剤と胃薬)を内服することで治療が終わり、慢性胃炎の完治が期待できるだけでなく、胃がんの予防にもつながる治療です。胃の症状がありながら一度も胃カメラ検査を実施していない方は、ぜひ検査を受けてみることをおすすめします。

青木 貴哉 院長

青木胃腸内科クリニック

青木 貴哉 院長

  • 杉並区/高円寺南/東高円寺駅
  • 内科 ●消化器内科 ●内視鏡内科

慢性胃炎はピロリ菌だけが原因ではない??

慢性胃炎は、胃の粘膜に炎症が長く続く状態を指します。多くの場合はヘリコバクター・ピロリという菌が原因で、日本人の約半数がかつて感染していたと言われています。ピロリ菌が胃に住み着くと粘膜が傷み、放置すると胃がんのリスクが高まるため、現在は除菌治療が広く行われています。
ピロリ菌は正式にはヘリコバクター・ピロリというのですが、ヘリコバクター属の1種であり、近年、ピロリ菌以外のヘリコバクターも注目されています。その代表がヘリコバクター・スイスという菌で、もともとは豚の胃から見つかりましたが、人への感染例も報告されています。ヘリコバクター・スイスに感染している患者さんは、通常のピロリ菌検査、つまり呼気試験や便中抗原検査では陰性と判定されます。そのため「内視鏡で慢性胃炎を指摘されたが、ピロリ菌検査は陰性だった」というケースに、このヘリコバクター・スイスが関わっている可能性があります。
診断には胃の組織を用いたPCR検査や免疫染色が必要ですが、まだ研究段階で新しい原因菌として注目されています。
つまり慢性胃炎は、“ピロリ菌だけの病気”ではありません。ピロリ菌が陰性でも、他の菌が関わっている可能性もあるため、定期的な内視鏡検査をおすすめいたします。

三木 淳史 院長

三木内科クリニック

三木 淳史 院長

  • 豊島区/長崎/東長崎駅
  • 内科 ●消化器内科 ●小児科
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