歯科医院がマイクロスコープを導入すると、より精密な治療ができるため、他の歯科医院との差別化を図れます。
とはいえすぐに導入しようとしても、どのようなメーカーがあるか知らない方も多いでしょう。
そこで本記事では、おすすめの歯科用マイクロスコープメーカーについて紹介します。マイクロスコープの選び方やポイントについても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の内容
歯科で用いられるマイクロスコープとは?
歯科で用いられるマイクロスコープとは、拡大倍率が3〜30倍と広く、口内の見づらい部分や神経が通っている箇所を治療するのに活用する機器です。
マイクロスコープを使用することで、虫歯の見落としや治療箇所のズレによる出血、健全な歯を誤って削ってしまうことなどを防げます。
歯科医院がマイクロスコープを取り入れるメリット
歯科医院がマイクロスコープを取り入れるメリットは以下のとおりです。順番に解説します。
- 他の歯科医院と差別化できる
- 治療の精度アップにつながる
- 治療の経過を動画・画像で記録できる
他の歯科医院と差別化できる
他の歯科医院と差別化を図れます。導入しても活用しづらいため、導入している歯科医院は少なく、日本での導入率は全体の5〜10%といわれています。
うまく活用できると、治療の幅が広がり、他の歯科医院では難しい治療もできるようになります。大きな差別化が図れるので経営戦略の1つになるでしょう。
治療の精度アップにつながる
歯科用マイクロスコープを活用することで、治療の精度が向上します。マイクロスコープの拡大倍率は3〜30倍なので、精密な治療ができます。さらにマイクロスコープにはライトがついているので、口内が暗くて肉眼で見づらい箇所でも明るくしながら治療できます。
質の高い治療により、患者の満足度も高くなるでしょう。その結果、リコールもしやすくなり、集患に困らないので経営面でも大きなメリットになります。
治療の経過を動画・画像で記録できる
マイクロスコープについているカメラで治療の経過を動画や画像で記録できます。カメラで映っている様子をモニターに映し出すこともできるので、他のスタッフや患者に共有できます。口内の視認性が向上するので、治療に関係する情報もわかりやすく伝えられるでしょう。
また治療中の画像や動画を記録することで、他のスタッフとの教育や今後の治療方法について考えられるなど、さまざまなシーンで画像や動画を活用できます。
歯科用マイクロスコープの選び方
歯科用マイクロスコープの選び方は以下のとおりです。それぞれ順番に解説します。
- 光学式とデジタル式で選ぶ
- 設置タイプで選ぶ
光学式とデジタル式で選ぶ
「光学式」と「デジタル式」の2種類があり、それぞれの特徴は以下の通りです。
- 光学式:接眼レンズを覗き込んで、確認する
- デジタル式:拡大画像をモニターに映して確認する
歯科用のマイクロスコープで主に使われているのは、光学式です。しかし最近では精密機械の技術が発展したので、デジタル式のマイクロスコープの利用が増加しています。
設置タイプで選ぶ
設置タイプは以下の3つがあります。
- 可搬タイプ:キャスターがついている
- フロアマウントタイプ:床に固定する
- ユニットマウントタイプ:歯科用のユニットに取り付ける
治療室の間取りによって設置タイプが変わります。どういった治療を行い、どのようなスタイルで治療するのかなども考えながら選びましょう
歯科用マイクロスコープのおすすめメーカー7選
歯科用マイクロスコープのおすすめメーカーは以下の7つです。
- 歯科用マイクロスコープおすすめメーカー1.カールツァイス
- 歯科用マイクロスコープおすすめメーカー2.ライカ
- 歯科用マイクロスコープおすすめメーカー3.グローバルマイクロスコープ
- 歯科用マイクロスコープおすすめメーカー4.ペントロン ブライトビジョン
- 歯科用マイクロスコープおすすめメーカー5.ヨシダ
- 歯科用マイクロスコープおすすめメーカー6.ハイロックス
- 歯科用マイクロスコープおすすめメーカー7.マイクロアドバンス
歯科用マイクロスコープおすすめメーカー1.カールツァイス
カールツァイスはドイツのマイクロスコープです。医療をはじめとする様々な分野で光学製品や技術を開発しています。
マイクロスコープの細部まで繊細なため、自然な視認性を手に入れられます。また、治療中でもリラックスした姿勢なので、歯科医師の疲労を軽減します。
歯科用マイクロスコープおすすめメーカー2.ライカ
1998年に設立されたドイツのデジタルマイクロスコープメーカーです。具体的には、実体顕微鏡や生物・金属顕微鏡から歯科で使えるマイクロスコープなどあらゆる分野で活躍しています。
ライカはアフターサービスが充実しており、技術サービスやアプリケーションに関連するコンサルまですべて提供中です。
歯科用マイクロスコープおすすめメーカー3.グローバルマイクロスコープ
低価格でマイクロスコープが使えるメーカーです。約200万円で購入できるので、他の海外メーカーブランドよりもリーズナブルです。またアメリカでは大学教育に採用されるなど高い人気を誇っています。
直感的な操作を可能にするAXISコントロールシステムを搭載しています。視野を確実に確保するLED光源があるので、歯科医師ファーストのマイクロスコープです。
歯科用マイクロスコープおすすめメーカー4.ペントロン ブライトビジョン
ペントロンのブライトビジョンはドイツで作られている光学式マイクロスコープです。コストパフォーマンスに優れているのに加えて、どんなシーンにも対応しています。
高い精度と視認性を高めるレンズがついており、その他に充実した機能を標準で提供しています。また自分でカスタマイズできるので、さまざまな使い方や治療内容に対応できます。
歯科用マイクロスコープおすすめメーカー5.ヨシダ
ヨシダは日本で作られているデジタル式マイクロスコープで、口内カメラと顕微鏡を兼ねそろえています。最大倍率が80倍まで拡大できるので、細かい作業がしやすいです。
また4Kのモニターに映し出せるので、高画質で他のスタッフ、もしくは患者と共有できます。歯科医院と患者の両方にメリットがあるマイクロスコープです。
歯科用マイクロスコープおすすめメーカー6.ハイロックス
ハイロックスは、40年以上、カスタムメイドの製品を作ってきた経験を活かしているメーカーです。歯科医院が要求する製品のために、約300点ある部材の手配から製品の組み立てまで全工程を自社で管理しています。
またパソコンとの親和性を意識したデジタルマイクロスコープなので、モニターに映しやすいです。
歯科用マイクロスコープおすすめメーカー7.マイクロアドバンス
マイクロアドバンスは、高精細のカメラとレンズとの組み合わせが強いメーカーです。凹凸が激しい場合は、ピントが合うのに時間がかかってしまいます。
しかし、マイクロアドバンスであれば、カメラとレンズの組み合わせにより、クリアに映ります。またモニターに映し出せるので、大人数での同時観察が可能です。
様々なシーンで活用できるレンズバリエーションがあるので、治療によって変えられます。
歯科医院がマイクロスコープを取り入れる際の懸念点
マイクロスコープを取り入れる際の懸念点は以下のとおりです。
- 導入費用が高い
- 手術用顕微鏡加算の届出をしなければ保険算定できない
- 技術力や経験がなければ使用が難しい
- 治療時間が長くなりやすい
導入費用が高い
マイクロスコープを導入する際の費用が高額です。歯科用マイクロスコープの本体価格は100万円〜1,000万円を超えます。導入する際の費用が高額です。
マイクロスコープを導入したものの、結局使わず、費用だけかかってしまった、などとならないよう、慎重に検討しましょう。
メーカーによってはデモ機を提供しているので、ぜひ利用して体感してみると良いです。
手術用顕微鏡加算の届出をしなければ保険算定できない
マイクロスコープの保険算定には、「手術用顕微鏡加算の届出」を提出する必要があります。手術用顕微鏡加算の届出とは、厚生労働省が定めている治療基準や施設基準などを満たした場合に提出できるものです。
治療基準は見直しが繰り返されているので、どの治療が適用なのかをこまめにチェックすることをおすすめします。もし忘れてしまうと、保険算定の対象外となるので、注意しましょう。
技術力や経験がなければ使用が難しい
術者のスキルや経験がなければ使用が難しいです。特に、臨床で使いこなすには熟練したスキルと経験が必要不可欠です。マイクロスコープで必要になる「ミラーテクニック」や「ポジショニング」もある程度経験しなければなりません。
さらに先ほどお伝えした手術用顕微鏡加算の届出についても3年以上の経験がないと申請できないので、注意しましょう。
治療時間が長くなりやすい
マイクロスコープを使った治療をすると、治療時間が長くなってしまいます。特に精密検査では、チェアタイムが長くなります。費やす治療時間に対して利益が見合うのか、しっかり検討しましょう。
歯科医院での使い方では、治療後の確認のみに使ったり、使用料を別で請求したりします。
まとめ:歯科用マイクロスコープのおすすめメーカーから方針に合ったものを選ぼう
歯科用マイクロスコープを導入すると、より精密な治療ができます。
十分な検討をせずに購入すると、活用できずにスペースだけとってしまうかもしれません。
メーカーによって大きさやタイプが違うので、歯科医院の方針に合ったマイクロスコープを検討してみてください。