医療機関向け経費精算システムおすすめ10選！選び方や導入時のメリット・注意点を解説

「医療機関向けの経費精算システムが便利って聞いたけど、具体的にどのようなことができるのだろう……」
「経費精算システムの選び方を知りたい……」

このような疑問を抱いていませんか？

経費の精算業務は、領収書やレシートの管理、申請の入力作業など、多岐にわたる細かい業務を行う必要があり、業務の負担になっているケースが多いです。

しかし、経費精算システムを活用することで、業務の効率化を図れるだけでなく、業務の効率化による時間短縮が期待できます。

そこで、本記事では、医療機関におすすめの経費精算システムを紹介します。

経費精算システムの選び方や導入するメリット・注意点も含めて解説しているので、参考にしてみてください。

経費精算システムとは？

経費精算システムは、領収書や交通費の精算や管理が可能なシステムです。

とくに、病院やクリニックは、医療スタッフ・事務スタッフ・非常勤医師・外部講師などのさまざまな方が経費を申請する環境なので、経費精算が煩雑になりやすい傾向にあります。

しかし、経費精算システムがあると、領収書管理の効率化や交通費精算の自動化などができるため、経費精算にかかっていた業務負担を軽減することが可能です。

そのため、経費精算システムは大学病院や訪問診療クリニック、総合病院など、さまざまな医療機関におすすめです。

経費精算システムの基本的な機能

経費精算システムの基本的な機能は、5つあります。

1. 領収書の読み取りや自動入力
2. 交通費の自動計算
3. ICカードとの自動連携
4. 振込データの自動作成
5. 自動仕訳機能

それぞれの機能について解説します。

領収書の読み取りや自動入力

経費精算システムは、領収書の読み取りや自動入力機能が備わっています。領収書やレシートをスマホで撮影することで、日付や金額、店舗名などを自動で読み取ってデータ化してくれます。

たとえば、医師が学会参加費を支払った領収書をスマホで撮影すると、経費精算システムに自動入力されるため、経理担当社が1枚ずつ打ち込む必要がありません。

また、看護師が研修用の教材を購入した際に、領収書をデータ化することで紛失防止につながります。

交通費の自動計算

経費精算システムには、交通費の自動計算も可能です。出発地と到着地を入力すると、システムが正しい経路・料金を自動で算出してくれます。

具体例を挙げると、訪問診療に行く医師が、◯◯駅・患者宅・△△駅と入力すると、最安経路を自動で算出してくれます。

交通費がかかりすぎてしまうという状態を防げるため、経営の安定化を図りたい方におすすめです。

ICカードとの自動連携

ICカードとの自動連携機能は、経費精算システムでできることの一つです。経費精算システムは、SuicaやPASMOなどの交通系ICカードを読み取り、自動で利用履歴を取り込みます。

たとえば、看護師が訪問看護で移動したバスや電車代を、ICカードから情報を自動で取得し、手入力をする手間を省くことが可能です。

また、非常勤医師が複数病院間を移動した場合でも、カードの履歴から一括取り込みができるため、経理処理をスムーズに行えます。

振込データの自動作成

経費精算システムは、振込データを自動作成できます。承認が完了した経費精算データをもとに、銀行振込用のデータを自動生成できるため、振込作業にかかる業務負担を減らすことが可能です。

具体例を挙げると、医師や研修医への学会旅費立替金の精算を、システムからまとめて振込データ化し、銀行にアップロードするだけで一括送金できます。

複数拠点の病院を運営する法人でも、各拠点の職員分を本部でまとめて処理することも可能です。

自動仕訳機能

経費精算システムでできることとして、自動仕訳機能も挙げられます。自動仕訳機能は、承認済みの経費を、旅費交通費や消耗品費など、会計科目に自動で振り分けてくれる機能です。

たとえば、医療機器の備品購入費は消耗品費へ、学会参加費は研修費へと自動で仕分けしてくれます。

会計ソフトと連携することで、月末・決算処理を効率化できます。

医療機関向け経費精算システムの選び方

医療機関向け経費精算システムを選ぶ際に意識したいポイントは、5つあります。

1. 医療業界特有の要件対応
2. 使いやすさや業務フローの適合性
3. セキュリティや個人情報保護の高さ
4. 導入・運用コスト
5. 他のシステムとの連携性・拡張性

それぞれのポイントについて解説します。

医療業界特有の要件対応

経費精算システムを選ぶときは、医療業界特有の要件に対応しているか確認しましょう。

たとえば、医療機関には学会参加費・研修費・医療備品購入など、医療業界特有の経費項目があります。

補助金や診療報酬関連の経費精算にも対応できるシステムだと、さらに業務効率を高められます。

専用の科目に自動仕訳ができるか、医療消耗品と医療機器備品を区分して管理できるかチェックしてみてください。

使いやすさや業務フローの適合性

使いやすさや業務フローの適合性は、経費精算システムを選ぶ際に重要なポイントです。

現場の医師や看護師、事務スタッフは、ITリテラシーがバラバラです。

高性能・高機能な経費精算システムを導入しても、使いこなせなければ導入した意味が半減してしまう可能性があります。

そのため、入力が簡単で、紙やExcelから移行しても違和感が少ないことが重要です。

セキュリティや個人情報保護の高さ

経費精算システムを選ぶ際には、セキュリティや個人情報保護の高さにも注目しましょう。

病院は患者情報を扱うため、システム全体に高いセキュリティ基準が欠かせません。

職員の氏名や口座情報を守るために、データ暗号化やアクセス制御をチェックしましょう。

たとえば、クラウド型システムを利用する際には、SIMS認証（ISO27001）やプライバシーマークを取得しているサービスがおすすめです。

導入・運用コスト

医療機関向け経費精算システムの選び方として、導入・運用コストを確認しましょう。大規模病院と中小規模クリニックでは、予算が異なります。

高性能・高機能になるほど、初期導入費用や月額料金が高額になりやすいです。

予算と搭載されている機能を照らし合わせながら自院に合っているか検討しましょう。

導入支援や操作研修が含まれていると、導入後に困りにくいです。

他のシステムとの連携性・拡張性

経費精算システムを選ぶときは、他のシステムとの連携性や拡張性に注目しましょう。

経費精算だけでなく、給与計算や会計ソフト、勤怠管理につながると、二重入力を減らせます。

また、医療機関では、電子カルテや物品管理システムとの連携も視野に入れるのがおすすめです。

拡張性に優れていると、将来的に医療法人全体の購買システムや、物品管理システムと統合できる可能性があります。

医療機関向け経費精算システムおすすめ10選

次は、医療機関におすすめの経費精算システム10選を紹介します。

マネーフォワード クラウド経費

マネーフォワード クラウド経費は、連携したクレジットカードや電子マネーなどの明細から経費を登録できる経費精算システムです。

科目を自動で分類してくれるので、レシートや領収書が多くなりやすい医療機関におすすめで、手間を削減できるほか、入力ミスや不正防止にも役立ちます。

スマホでレシートや領収書データを読み取ると自動でデータ化し、電子帳簿保存法に対応した保管が可能です。

また、二重申請があった場合は、重複アラートで事前に検知します。1か月無料トライアルがあるので、試しに使ってみてから判断可能です。

楽楽精算

楽楽精算は、約18,000社が導入している実績を持つ経費精算システムです。申請ミスやルールに反する申請はすべて自動でブロック・差し戻しする体制となっており、承認者・経理者の確認負担を大幅に減らします。

また、電子帳簿保存法やインボイス制度などの各種法にも対応しています。

さらに、柔軟なルール設定で、スタッフの出張費用など、医療特有の経費項目に対応しています。

勘定科目や税区分を自動で振り分けてくれるため、仕分け作業の負担を削減することが可能です。CSVファイルとして出力することも可能で、使用している会計ソフトとも連携できます。

ジョブカン経費精算

ジョブカン経費精算は、操作性に優れたシンプルな画面で、使いやすさに優れています。乗換案内連携やICカード読取で、申請時の入力をサポートしてくれます。

たとえば、医師会や研修で出張が多い医療機関におすすめです。

申請にかかるミスや手間を軽減してくれるので、効率を高められるでしょう。

また、承認が必要な申請がある場合は、メールやチャットで通知が届き、承認漏れを防ぎます。

申請内容をもとに、仕分け・フィードバックを自動で作成してくれます。

Concur Expense

Concur Expenseは、経費精算のペーパーレス化を視野に入れている方におすすめです。QR決済アプリやコーポレートカード払いなど、さまざまなサービスと連携し、経費支出明細を自動で登録できます。

また、経費・交通費・交際費の申請、承認はスキマ時間にスマホで行うことが可能です。

経費精算システムとICカードとの連携により、利用区間・運賃・日付情報を自動で取り込んでくれるため、経費の中でも交通費が多い方に向いています。

医師・スタッフの学会・研修で出張する機会が多い医療機関におすすめです。

TOKIUM（トキウム） 経費精算

TOKIUM（トキウム） 経費精算は、スマホだけで経費精算の申請や承認が可能な経費精算システムです。領収書をスマホで撮影し、そのまま申請・承認するだけで良いため、スキマ時間を活用して対応しやすいです。

また、直感的にわかりやすい操作画面なので、初めてクラウドサービスを利用する医療機関にも向いています。

一件の書類に対して複数のオペレーターがデータ入力・照合・確認をしてくれるため、高いデータ化精度を実現しています。経費の精算で人的ミスが多いと悩んでいる医療機関におすすめです。

TeamSpirit

TeamSpiritは、2,000社以上が導入している経費精算システムです。複数明細の一括作成や日付指定作成など、毎日の経費精算入力を楽にできる工夫が豊富です。

また、申請種類別に柔軟なカスタマイズが可能で、利用項目やレイアウトを細かく設定できます。

医療材料や医薬品などの医療機関独自の項目を設けたい場合におすすめです。

さらに、自院の経費利用状況を分析し、経費支出の適正化を促進できるレポート・ダッシュボード機能が搭載されています。

MOT経費精算

MOT経費精算は、経理のDX可を促したい方におすすめの経費精算システムです。よく使用する支払い先や項目は登録でき、申請時の負担を軽減できます。

また、交通系ICカードの読み取りや、駅すぱあとと連携・定期区間の自動控除などがあり、交通費の精算を効率化できます。

医療連携や訪問診療などを行っている医療機関におすすめです。

さらに、承認者へチャットで通知を送れるので、差し戻しを受けた場合はどのような理由でダメなのかわかりやすいです。

ビズバンスJTB経費精算

ビズバンスJTB経費精算は、勘定科目を自動で仕分けてくれる経費精算システムです。スタッフが精算時に選択した項目に応じて勘定科目や税区分などを自動で紐づけし、仕分けをしてくれます。

作成された仕訳データは利用中の会計ソフトにAPIやCSVで連携可能です。

また、出張管理や出張データと連携でき、事前申請と同時に簡単に出張手配ができます。

そのため、学会や研修への参加が多い医療機関に向いているでしょう。

さらに、不正防止・ガバナンス強化に長けており、AIが不正や不備・異常な経費利用を洗い出してくれます。

N-Expense

N-Expenseは、出張申請や交通手段、宿泊施設などの手配を一元管理できる経費精算システムです。

高い柔軟性が魅力で、医療機関特有の項目・仕分けに対応できます。

また、マルチデバイスに対応しているので、スマホやタブレットなどを活用して申請・承認が可能です。

外部サービスと連携し、カード明細や公共交通機関利用実績などを連動させ、入力の負担を軽減できます。

MAJOR FLOW Z KEIHI

MAJOR FLOW Z KEIHIは、診療報告、購買申請、備品購入など、複数の承認段階や分岐が絡むワークフローが多く発生する医療機関におすすめの経費精算システムです。

条件分岐や複数承認、並列・分岐フローなど複雑な構成に柔軟に対応できます。

また、登録したデータはデジタル化できるため、紙書類のペーパーレス化が図れます。

さらに、既存の会計ソフトとの連携が可能で、新しく会計ソフトを選定・導入する必要がありません。

医療機関向け経費精算システムを導入するメリット

医療機関向け経費精算システムを導入するメリットは、5つあります。

1. 業務効率化による時間の削減
2. 承認・精算のスピードアップを図れる
3. コンプライアンス・法令対応
4. 人件費や郵送コストを削減できる
5. 経営判断の迅速化が図れる

それぞれのメリットについて解説します。

業務効率化による時間の削減

経費精算システムを導入すると、業務の効率化による時間の削減が期待できます。

領収書の貼付けやExcel入力といった手作業が減るため、事務負担が軽減されやすいです。

たとえば、医師が学会参加後に、領収書をスマホで撮影するだけで自動入力されるので、紙に貼って経理に提出する手間がありません。

ほかにも、看護師が備品購入を申請する際にもオンラインで完結し、経理担当者の入力作業時間を削減できます。

承認・精算のスピードアップを図れる

承認・精算のスピードアップが図れる点は、経費精算システムを導入するメリットです。

オンライン承認フローが搭載されていると、本部や上長の承認が迅速化します。結果的に、職員への立替金の返金が早くなりやすいです。

具体例を挙げると、訪問診療にかかった交通費を即日申請し、部署長が承認すると、翌週には振り込まれる可能性があります。

経費の承認・精算スピードを上げたいときは、経費精算システムの活用を検討してみてください。

コンプライアンス・法令対応

経費精算システムを利用すると、コンプライアンス・法令に対応しやすいです。

経費規定に沿った精算を自動でチェックし、不正利用や誤申請を防止してくれます。

また、電子帳簿保存法にも対応しやすいです。

人件費や郵送コストを削減できる

人件費や郵送コストを削減できる点は、経費精算システムを導入するメリットです。紙の申請書や郵送をやめることで、コスト削減につながります。

また、精算作業にかかっていた人件費も抑制できるため、経営の安定化にも貢献してくれます。

今まで経費精算業務にあたっていた時間を診療報酬請求や経営分析業務の時間に割けるので、生産性が向上しやすいです。

経営判断の迅速化が図れる

経費精算システムを活用すると、経営判断の迅速化が図れます。

リアルタイムで経費データを集約できるため、管理者や経営層が即座に状況を把握できます。

具体例を挙げると、訪問診療と交通費がとくにかかりすぎている場所を確認できます。

投資やコストなどの経営判断に役立つため、経費精算システムの活用はおすすめです。

医療機関向け経費精算システムを導入する際の注意点

医療機関向け経費精算システムを導入する際の注意点は、4つあります。

1. 初期費用・運用コストがかかる
2. 現場でITリテラシーの格差が出る場合がある
3. 既存業務フローとのズレがある場合がある
4. 社内規程整備や運用ルールの制定が必要

それぞれの注意点について解説します。

初期費用・運用コストがかかる

経費精算システムは、初期費用や運用コストがかかる点に注意しましょう。

大規模病院では、高機能システムが必要になり、導入費用や月額料金が高額になってしまう場合があります。

また、小規模クリニックでは、費用対効果が合わない場合もあります。

病院の規模や利用人数に応じて、システムを選定するようにしましょう。

現場でITリテラシーの格差が出る場合がある

現場でITリテラシーの格差が出る場合がある点は、経費精算システムを導入する際の注意点です。

病院では、医師や看護師、事務スタッフの間で、ITツールへの慣れに差が出るケースが多いです。

経費精算システムを導入しても、入力が難しいと感じられた場合、申請漏れや承認遅延が起こる可能性があります。

そのため、直感的に使えるシステムを選び、マニュアルや研修を準備するようにしましょう。

また、導入初期は、ヘルプデスクや担当者を設けてサポートするのがおすすめです。

既存業務フローとのズレがある場合がある

経費精算システムを導入する際の注意点として、既存業務フローとのズレが出る場合があります。

たとえば、紙の回覧やExcelベースで経費精算を行っていた場合、システムとのフローが合わず現場に混乱を招いてしまう可能性があります。

そのため、導入前に現状の業務フローを洗い出し、どこをシステムに合わせるか、どこをカスタマイズするかを検討しましょう。

社内規程整備や運用ルールの制定が必要

経費精算システムを導入する際には、社内規程整備や運用ルールの制定が必要です。

システムを導入しても「何が経費対象か」「承認期限がいつまでなのか」などルールがあいまいだと、混乱や不正申請につながります。

導入前に規程やルールを見直し、システム設定に合わせて職員に周知しましょう。

定期的に社内規程や運用ルールを改善していくのが好ましいです。

まとめ：医療機関向け経費精算システムで業務負担を軽減しよう！

医療機関向け経費精算システムは、手作業で行っていた業務の負担を大幅に削減してくれます。

また、経営判断に役立つだけでなく、精算・承認の業務フローを迅速に行えるため、従業員の満足度も向上しやすいです。

多くのメリットがあるため、経費精算システムが気になっている方は、本記事で紹介した経費精算システムや選び方を参考にしてみてください。