「歯科用ミリングマシンは便利って聞くけど、具体的にどのような機械なんだろう?」
「歯科用のミリングマシンの導入を検討しているけど、どのように選べば良いのだろう……」
このような疑問を抱いていませんか?
歯科用ミリングマシンは、デジタル設計した補綴物を精密に加工してくれる便利な機械です。
高精度で、かつ作成時間を短縮できるという点が大きなメリットですが、デメリットもあります。
本記事では、歯科用ミリングマシンについて解説します。
歯科用ミリングマシンのメリットやデメリット、選び方を紹介しているので、参考にしてみてください。
この記事の内容
歯科用ミリングマシンとは?
歯科用ミリングマシンとは、歯の詰め物やクラウン・ブリッジなどの被せ物などを自動で削り出してくれる機械です。
CADやCAMシステムと連携しており、デジタル設計した補綴物を精密に加工してくれます。
使い方としては、口腔内スキャナーで歯型を読み取り、CADソフトで設計してからミリングマシンで削り出します。
人の手と比べると均一かつ精密に作れるだけでなく、完成時間も大幅に短縮できる点が魅力です。
歯科用ミリングマシンのメリット
歯科用ミリングマシンのメリットは、主に5つあります。
- 高精度・高品質な補綴物が作れる
- 製作スピードの向上が図れる
- さまざまな材料に対応できる
- ラボ外注コストの削減が図れる
- デジタルワークフローとの親和性がある
それぞれのメリットについて解説します。
高精度・高品質な補綴物が作れる
歯科用ミリングマシンを活用すると、高精度・高品質な補綴物が作れる点は大きなメリットです。
ミリングマシンは、CAD/CAMなどのコンピュータ制御で加工するので、誤差が非常に少ないです。
従来は、歯科技工士が手作業でワックスアップや鋳造していたため、微妙なズレが生じることがありました。
一方で、ミリングマシンを使うと、歯にピッタリと合うクラウンやブリッジなどが作れるため、患者の満足度も向上しやすいです。
製作スピードの向上が図れる
製作スピードの向上が図れる点は、歯科用ミリングマシンを活用するメリットです。従来の補綴物は、職人によって手作業で作られていたため、製作に時間がかかっていました。
一方で、ミリングマシンであれば、スキャンから30分~1時間程度で削り出しができ、その日のうちに装着できることもあります。
患者は通院の負担を短縮でき、満足度も向上しやすい点がメリットです。
さまざまな材料に対応できる
歯科用ミリングマシンのメリットとして、さまざまな材料に対応できる点が挙げられます。
歯科用ミリングマシンは、セラミック・ジルコニア・樹脂・金属など、多種多様な材料を加工可能です。そのため、症例に合わせた選択ができます。
たとえば、前歯の審美修復を行いたいときは、透過性の高いセラミックで自然な色合いを再現することが可能です。
ほかにも、奥歯のブリッジを用意したい場合、強度に優れたジルコニアで補綴物を製作できます。状況や要望に合わせて柔軟に対応できるため、高品質な医療を提供できます。
ラボ外注コストの削減が図れる
ラボ発注コストの削減が図れる点は、歯科用ミリングマシンを活用するメリットです。自院に歯科用ミリングマシンを設置することで、外部の歯科技工所に依頼する必要がなくなり、医院内で完結できます。
クラウン1本あたり技工所費用が数万円かかってたところが、ミリングマシンを導入すると、本体購入費用はかかるものの、材料費や院内作業などの費用で補綴物を製作可能です。
場合によっては、高額な外注費を抑えられるほか、外注への依存をしなくて済むことも利点となるかもしれません。
長期的に技工費を抑えられるため、医院の経営効率も改善できます。
デジタルワークフローとの親和性がある
歯科用ミリングマシンを導入するメリットとして、デジタルワークフローとの親和性が挙げられます。口腔内スキャナーやCADソフト、3Dプリンターなどと連携でき、完全デジタルの診療体制を構築できます。
たとえば、口腔内スキャナーでデータを取得し、CADで設計、ミリングマシンで削り出して患者に即日提供することも可能です。
紙のカルテや石膏模型が不要となり、データをクラウドで管理できるため、院内DX化が進められます。
歯科用ミリングマシンのデメリット
歯科用ミリングマシンのデメリットは、主に4つあります。
- 導入コストが高い
- 維持費や消耗品コストがかかる
- 操作・設計スキルが必須
- 設置環境の制限がある
それぞれのデメリットについて解説します。
導入コストが高い
歯科用ミリングマシンのデメリットは、導入コストが高い点が挙げられます。ミリングマシンの本体は、数百万円から1,000万円以上になることもあります。
さらに、口腔内スキャナーやCADソフトも必要になるため、ほかのシステムも揃えると初期費用が2,000万円を超えるケースも多いです。
コストを抑えたい場合は、リース契約や補助金を活用しましょう。
維持費や消耗品コストがかかる
外注費は削減できる一方、維持費や消耗品コストがかかる点は、歯科用ミリングマシンを導入するデメリットです。ミリングマシンは、素材を削るドリルのミリングバーやクーラント液、集塵フィルターなどを定期的に交換する必要があります。
また、材料も素材によって価格が変わりますが、決して安いものではありません。そのため、使用頻度を見極めて材料のロスを減らすようにしましょう。
たとえば、消耗品はまとめ買いや、純正品と互換品の比較でコスト削減するのがおすすめです。
操作・設計スキルが必須
歯科用ミリングマシンのデメリットは、操作や設計スキルが欠かせない点です。とくに、CADソフトで補綴設計したり、ミリングマシンを操作したりするには、習熟が必要です。
スタッフが操作に慣れていないと、時間がかかってしまい、診療が遅れてしまう可能性があります。ミリングマシンを導入するときには、メーカーや販売代理店の研修を受けるようにしましょう。
院内で担当スタッフを育成し、操作マニュアルを整備するのもおすすめです。
設置環境の制限がある
歯科用ミリングマシンは、設置環境に制限があります。ミリング時に、粉じんや切削音、振動が出るため、防音や換気、集じん設備が必須です。
医院の診療室内に設置できない場合は、専用のスペースを確保する必要があります。そのため、小規模なクリニックでは設置が難しいケースも多いです。
院内にスペースがない場合は、提携技工所にデータを送信し、外部でミリングするハイブリッド運用も検討してみてください。
歯科用ミリングマシンの種類
歯科用ミリングマシンは、3種類あります。
- ドライ方式
- ウェット方式
- ドライ・ウェット兼用
種類ごとの特徴・魅力を解説します。
ドライ方式
ドライ式は、水や冷却液を使用せず、空気のブローと吸引で粉じんを処理しながら削る方式です。
粉じん処理だけなので、シンプルでメンテナンスしやすい点が魅力となっています。
また、焼結前のジルコニアなど、硬い材料の加工に強いです。
たとえば、ジルコニアクラウンや、ブリッジを製作するときに活躍してくれます。
ウェット方式
ウェット方式は、切削時に水やクーラント液を使用しながら加工する方式です。
熱や摩擦を抑えられるため、セラミックやガラス系材料の加工に適しています。
表面が滑らかな仕上がりになるため、審美性を重視したいときにおすすめです。
ドライ・ウェット兼用
ミリングマシンは、ドライ・ウェット兼用モデルもあります。ドライ方式とウェット方式を切り替えて使用できる、万能型です。
ジルコニアやセラミック、樹脂など幅広い材料に対応できます。
機能性に優れているため本体価格が高額になりやすいですが、1台で院内のほとんどの補綴物をカバーできるため、外注依頼費を大幅に削減できます。予算に合わせて、検討するようにしましょう。
ミリングマシンの費用の目安
ミリングマシンの費用の目安は、300万~2,000万円です。
院内で即日補綴を行うタイプのチェアサイド用であれば、300万~700万円程度で購入できます。小型で院内に設置しやすい点が魅力です。
技工所や院内ラボで使う大型タイプは、700万~1,500万円程度になります。ジルコニアやセラミックなど、幅広い材料に対応することが可能です。
ドライ・ウェット兼用のハイエンドモデルは、1,000万~2,000万円程度かかります。
また、本体価格に加えて、口腔内スキャナーやCADソフト、消耗品・保守費用などの費用も必要になるため、予算と照らし合わせながらミリングマシンを選ぶようにしましょう。
歯科用ミリングマシンの選び方
歯科用ミリングマシンを選ぶ際に意識したいポイントは、6つあります。
- 対応できる材料の種類
- 加工方式
- 加工精度や製作スピード
- 対応ディスクやブロックサイズ
- ソフトウェアの互換性
- 設置環境とメンテナンス性
それぞれのポイントについて解説します。
対応できる材料の種類
歯科用ミリングマシンを選ぶ際には、対応できる材料の種類に注目しましょう。
材料は、ジルコニア・セラミック・PMMA樹脂・ワックス・金属などそれぞれ種類があります。
たとえば、前歯の審美性クラウンを多くつくる歯科医院であれば、セラミック対応機が欠かせません。
一方、インプラント上部構造やブリッジを扱う場合は、ジルコニア対応機がおすすめです。
入れ歯フレームまで作りたいときは、金属対応のハイエンド機種が必要です。
加工方式
歯科用ミリングを選ぶときは、加工方式をチェックしましょう。ジルコニアやワックスなどの硬質材料を使用することが多いときは、ドライ方式がおすすめです。
一方で、セラミックやガラス系材料の審美補綴に長けた加工をする機会が多い場合は、ウェット方式が向いています。
院内で補綴物を完結させたい場合は、ドライ・ウェット兼用機を選択するようにしてみてください。
加工方式によって得意な材料が変わるため、どのような材料を使う機会が多いかを考えましょう。
加工精度や製作スピード
加工精度や製作スピードは、歯科用ミリングマシンを選ぶ際にチェックしたいポイントです。
高精度な機械ほど適合性が良く、スピードが早いほどチェアタイム短縮につながります。
たとえば、患者が今日中にクラウンを入れたいという希望が多い場合は、短時間で加工ができるチェアサイド機がおすすめです。
一方で、技工所のように大量生産をしたい場合は、複数枚ディスクを効率良く削れる高速タイプが向いています。
対応ディスクやブロックサイズ
歯科用ミリングマシンを選ぶ際には、対応ディスクやブロックサイズに注目しましょう。
材料のサイズ制限により、作れる補綴物の種類が決まります。
小型機であれば、単冠クラウンやインレーが中心で、大型機はブリッジやフルアーチのジルコニアディスクを加工できます。
どのようなサイズ・補綴物に対応しているか確認して機械を選ぶと良いでしょう。
ソフトウェアの互換性
歯科用ミリングマシンを選ぶときは、CADソフトやスキャナーとの互換性が重要です。
独自形式だと、ほかのシステムと連携しにくいです。
たとえば、高精度なソフトウェアを導入できたとしても、他のシステムと連携できない場合は、対応しているソフトウェアやシステムを再度用意する必要があります。
ソフトウェアの互換性を確認し、使用するシステムと連携できるかチェックしましょう。
設置環境とメンテナンス性
設置環境とメンテナンス性は、歯科用ミリングマシンを選ぶ際に重要なポイントです。歯科用ミリングマシンは、粉じんや水を扱うため、設置スペースや換気・防音や電源環境が必要です。
また、メンテナンス体制も確認しておくと良いでしょう。
たとえば、小規模クリニックであれば、静音・小型のチェアサイド機を選び、診療室近くに設置します。
大技工所であれば、専用室に大型機を設置し、吸引装置や排水設備を整備すると良いでしょう。メーカーによっては、年に1回の定期点検契約や、リモート保守サポートが用意されているので、導入前に確認するのがおすすめです。
おすすめの歯科用ミリングマシン10選
おすすめの歯科用ミリングマシンを10選ご紹介します。
MD-500
メーカー | キヤノン電子株式会社 |
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価格 | 要問い合わせ |
特徴 | ・手仕上げにより作業時間を大幅に削減 ・高い剛性を実現している ・高い保持力で高精度な加工 |
公式サイト | https://www.canon-elec.co.jp/products/dental/dentalmilling/?auth=1 |
MD-500は、剛性にこだわって作られている高精度・高性能な歯科用ミリングマシンです。高い保持力を可能とするホルダチャック方式が採用されており、ドリル把持力が高くなっています。
回転によるブレが軽減されるため、高精度な加工が可能です。
また、加工順序の入れ替えやワークの途中取り出しなどもでき、状況に合わせた柔軟な作業ができます。
さらに、視認性に優れた使いやすい画面を、操作用パソコンに表示してくれます。
MD-500S
メーカー | キヤノン電子株式会社 |
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価格 | 要問い合わせ |
特徴 | ・C型クランプを採用 ・高い保持力を可能とするホルダチャック方式 ・ブロックを最大12個・ディスクを1枚装着できる |
公式サイト | https://www.canon-elec.co.jp/products/dental/dentalmilling/?auth=1 |
MD-500Sは、細部まで細く加工ができる歯科用ミリングマシンです。
C型クランプが採用されており、ディスクの端まで加工できるため、通常のクランプでは届かない部位を効率良く削り出します。
また、ディスクの外縁まで使えるため、材料のロスが少なく、経済的な点も魅力です。
さらに、精密制御用高精度減速器を採用したことにより、位置ズレを低減してくれます。
ブロックは最大12個・ディスクは1枚装着できるため、効率良く作成できます。
MD-500W
メーカー | キヤノン電子株式会社 |
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価格 | 要問い合わせ |
特徴 | ・チタンやガラスセラミックなどの加工が得意 ・切粉回収トレーでメンテナンスが容易 ・ドリルの交換がしやすい |
公式サイト | https://www.canon-elec.co.jp/products/dental/dentalmilling/?auth=1 |
MD-500Wは、チタンディスクを中心とした歯科材料の加工を得意とするミリングマシンです。
天然歯のような透明感のある審美クラウンを作りたいときや、インプラントの上部構造・クラウンフレームなどを作りたいときに活躍してくれます。
また、切粉回収トレーが設置されているため、メンテナンスがしやすいです。
さらに、10本のドリルを自動で交換するATC機能が備わっており、加工内容に合わせてスムーズにドリルの交換が行えます。
メンテナンスのしやすさと使い勝手に優れたミリングマシンとしておすすめです。
DWX-53D
メーカー | デンケン・ハイデンタル株式会社 |
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価格 | 要問い合わせ |
特徴 | ・ジルコニアの加工やレジン・PMMA樹脂の加工が得意 ・広い可動範囲により細部まで加工できる ・エアブロープログラム機能が備わっている |
公式サイト | https://denken-highdental.co.jp/cad-cam/dwx-53d/ |
DWX-53Dは、ジルコニアの加工を得意としており、審美性が高いクラウンやブリッジ、フレームワークを作りたいときに活躍してくれます。
また、PMMA樹脂にも対応しており、仮歯や入れ歯の土台を作りたいときにもおすすめです。
さらに、広い可動範囲により、細部まで加工できる点も魅力として挙げられます。
ほかにも、エアブロープログラム機能が備わっており、加工完了後は、自動でディスク表面やクラウン内面に付着した粉じんを高圧エアブローで除去してくれます。
手作業で粉じんを取り除く手間がないので、時間や業務の効率化を図ることが可能です。
コエックス450 ミリングマシン クラシック
メーカー | 株式会社ヨシダ |
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価格 | 要問い合わせ |
特徴 | ・硬質材料のチタンを加工できる ・頑丈な筐体と高精度ステッピングモーターを搭載 ・さまざまな形状・材質の機械加工が可能 |
公式サイト | https://service.yoshida-dental.co.jp/ca/series/11208 |
コエックス450 ミリングマシン クラシックは、ジルコニアやチタンディスク、セラミックなど幅広い材料に対応できるミリングマシンです。
総重量250kgの頑丈な筐体と高精度ステッピングモーターを搭載しており、ブレの少ない安定感のある切削が可能です。
材料に応じて15本のバーを自動で付け替えてくれるため、高精度かつ加工時間の短縮が図れます。
C型クランプを採用しているため、垂直方向などの深い角度から精密に加工できます。
コエックス400
メーカー | 株式会社ヨシダ |
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価格 | 要問い合わせ |
特徴 | ・ドライ式・ウェット式兼用 ・複雑な形状も正確に加工 ・自由度の高いCAMソフトウェアを搭載 |
公式サイト | https://service.yoshida-dental.co.jp/ca/series/10947 |
コエックス400は、ドライ式・ウェット式兼用の歯科用ミリングマシンです。
ジルコニアやガラスセラミック、WAXディスクなどさまざまな材料を、高精度な技術で加工可能です。
同時5軸の深い切領域によって、複雑な形も柔軟に加工できます。
また、自由度の高いCAMソフトウェアを搭載しており、より詳細な設計ができます。
ディスク・ブロックや材料の種類問わず加工できるミリングマシンを探している方におすすめです。
DWX-4
メーカー | DGSHAPE 株式会社 |
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価格 | 要問い合わせ |
特徴 | ・ジルコニアやワックス・PMMA樹脂に対応 ・小型で場所を圧迫しにくい ・視覚的に機体の状況を確認できる |
公式サイト | https://dgshape.com/ja/dwx-4/ |
DWX-4は、ジルコニアやワックス・PMMA樹脂などの材料を使って加工したい場合に向いています。
グラスファイバー強化型レジンにも対応しており、ジルコニアやセラミック補綴を作る前に使用する仮歯や、失った歯が多い場合の仮歯などを作る機会が多い方にもおすすめです。
また、小型で設置場所を圧迫しにくく、小規模病院にも優しいミリングマシンとなっています。
さらに、シグナル機能を備えたステータスライトが搭載されており、視覚的に機体の状況を確認できます。
正常に作動しているか確認できるため、トラブルを抑えやすいでしょう。
Ceramill Motion 2
メーカー | 朝日レントゲン工業株式会社 |
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価格 | 要問い合わせ |
特徴 | ・ドライ式とウェット式が切り替えられる ・多彩な加工が可能 ・ジルコニアや金属、ガラスセラミックに対応 |
公式サイト | https://asahi-xray.co.jp/product/ceramill-motion2-dna/ |
Ceramill Motion 2は、ドライ式とウェット式が切り替えられるハイブリッドモデルです。硬い材料のジルコニアや金属のほかに、PMMA樹脂などの柔らかい材料にも対応しています。
また、従来のミリング加工やグラインディング加工に加えて、より多彩な加工が可能なカービングモードが搭載されています。
そのため、複雑な形を作りたいというときにも便利です。
ウェット式の加工中でも、湿気からすべての電子部品を確実に保護してくれるため、故障しにくいのも特徴です。
vhf Z4
メーカー | 株式会社ヨシダ |
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価格 | 要問い合わせ |
特徴 | ・本体が28kgと軽い ・ウェット式ミリング ・ツールホルダー自動認識機能を搭載 |
公式サイト | https://service.yoshida-dental.co.jp/ca/series/11267 |
vhf Z4は、本体が約28kgと軽く、持ち運べるため設置のしやすさに優れています。
エアーチャックホルダーが搭載されているため、工具を使用せずにブロックを挿すだけで自動固定できます。
また、ウェット式ミリングによって、日常のメンテナンスは水とフィルターの交換清掃だけで完結することが可能です。
さらに、ツールホルダー自動認識機能が備わっており、各材料ごとにツールホルダーを分けることで、ミリングミスを防ぐ設計となっています。
CRAFT 5X
メーカー | デンケン・ハイデンタル株式会社 |
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価格 | 要問い合わせ |
特徴 | ・多種多様な材料に対応している ・低騒音の集じんモーターを搭載 ・細部まで再現性の高い加工が可能 |
公式サイト | https://denken-highdental.co.jp/cad-cam/dof-craft-5x/ |
CRAFT 5Xは、ウェット式とドライ式兼用のハイエンドモデルです。
ジルコニアやガラスセラミック、チタンなど多種多様な材料に対応しています。
また、低騒音の集じんモーターを使用しているため、音が大きすぎず、周囲の環境に迷惑がかかりにくいです。
さらに、加工中にブロックや工具を冷却するクーラントや、ミリング中に発生する粉や削りカスを吹き飛ばすコンプレッサーも備わっています。
歯科用ミリングマシンで抱えやすい課題と対策
歯科用ミリングマシンで抱えやすい課題は、3つあります。
- 加工精度を維持する必要がある
- 小型すぎてセンサがつけられない場合がある
- 切粉や液体でセンサが破損・誤動作する
それぞれの課題と対策を解説します。
加工精度を維持する必要がある
ミリングマシンは微細な加工精度が求められ、機械の摩耗や調整不足で精度が落ちる場合があります。
また、ジルコニアやチタンなどの硬い材料を繰り返し加工すると、バーやスピンドルの摩耗が早くなります。
対策として、メーカーが推奨するタイミングで、スピンドル交換や軸調整など定期的なメンテナンスを実施しましょう。
また、予備バーのストックをしておくと、摩耗による誤差が出る前に交換できるようになります。
小型すぎてセンサがつけられない場合がある
歯科用ミリングマシンで抱えやすい課題として、小型すぎてセンサが付けられないという内容も挙げられます。
コンパクトタイプのミリングマシンは、スペースが限られているため、加工状況を監視するセンサが搭載できない場合も多いです。
そのため、トラブルの予兆を検知できず、急な故障につながる場合があります。
専用センサを搭載できない場合は、外部の振動計や温度計を併用して状態を確認すると良いでしょう。
切粉や液体でセンサが破損・誤動作する
切粉や液体でセンサが破損・誤動作するという点は、歯科用ミリングマシンで抱えやすい悩みです。
ウェット加工では、冷却液や切粉が内部に入り込み、センサの腐食やショート・誤作動を起こす場合があります。
また、ドライ加工でも、粉じんがセンサに付着し、検知精度が低下するケースもあります。対策として、加工後に吸引やエアブローを使って切粉を除去し、定期的な清掃を徹底しましょう。
さらに、フィルターや防護カバーの設置を行い、センサ部分に粉じんや液体が直接当たらないように保護する方法もおすすめです。
まとめ:歯科用ミリングマシンは高精度・高品質な補綴物を作りたいときにおすすめ!
歯科用ミリングマシンは、高精度かつ高品質な補綴物を作りたいときにおすすめです。
院内で対応できるようになるため、外注による依頼費を抑えられるほか、製作スピードも向上し、患者満足度も高まりやすいです。
多くのメリットがあるため、デメリットを合わせてチェックした上で、ミリングマシンを導入するか検討しましょう。