Web問診システムの費用の相場は？メリット・デメリットやおすすめサービスを解説

「Web問診システムが気になっているけど、費用はどのくらいなのだろう……」

「Web問診システムを導入すると、どのようなメリット・デメリットがあるのだろう……」

このような悩みを抱えていませんか？

患者の待ち時間を短縮したり、看護師の業務負担を軽減したりするメリットがあるものの、導入するには費用の準備が必要です。

そこで本記事では、Web問診システムの費用相場や、メリット・デメリットなども解説していきます。Web問診システムの費用相場が気になっている方は、本記事を参考にしてみてください。

Web問診システムの費用相場は一般的には10万円～

Web問診システムの費用相場は、一般的に初期費用が10万円、保守・運営費用などのランニングコストが2万円程度となっています。

Web問診システムを開発している多くの企業が、初期導入費用として10万円を設定しているケースが多いです。初期費用だけでなく、Web問診システムを利用する運用費用・保守費用として月額料金が発生するケースが少なくありません。

月額料金のランニングコストは相場が変わり、2万～3万円程度に設定している企業が多い傾向にあります。初期費用だけでなく、毎月発生するランニングコストも視野に入れてWeb問診システムを選ぶようにしましょう。

Web問診システムとは？

Web問診システムとは、来院前や来院時に、問診票の記入をPCやスマホを使って行うことができるシステムです。紙の問診票に記入する必要がなく、患者の待ち時間短縮や医師・看護師の業務効率を図れます。

Web問診システムには「Web問診特化タイプ」「健康診断・人間ドック向けタイプ」「クリニック業務全般支援タイプ」の3種類があります。

それぞれのタイプによって特徴が異なるため、導入を検討している場合はどのような種類があるかタイプごとの特徴を把握していると良いでしょう。

Web問診特化タイプ

Web問診特化タイプは、紙媒体の問診票をデジタル化することに長けたシステムです。病院・クリニックに足を運んで紙の問診票を記入する必要がなく、自宅にいながら問診票内容を入力できます。

スマホやPCを使って問診票の入力ができるため、人が多い場所が苦手な方や、移動の時間を有効活用したい方に向いています。医師や看護師は事前に患者が入力した内容を確認できるので、診療の効率化を図れるでしょう。

また、他のタイプと比べて付属されている機能が少ないため、低コストで導入できる点が魅力です。小規模のクリニックや初めてデジタル化する方に向いています。

健康診断・人間ドック向けタイプ

健康診断・人間ドック向けタイプは、問診だけでなく、検査内容や結果・既往歴などと連携できる機能が備わっています。

たとえば、企業健診や団体健診をするクリニックに向いており、複数人数の同時処理や大量のデータ管理を行いたい場合に活躍してくれるタイプです。

ほかにも、問診票の自動振り分け機能や検査項目に応じたフロー設計ができるため、大人数の管理が必要な場合でも業務効率を高めることができます。

クリニック業務全般支援タイプ

クリニック業務全般支援タイプは、予約管理・診療受付・会計・レセプト連携など業務全般の支援に特化している種類です。一体型の電子カルテ・CRMと連携しているケースが多く、問診内容がそのまま診察記録や診療報酬請求に反映されます。

また、リマインド通知やキャンセル管理、在宅診療サポートなども備わっているシステムもあるため、さまざまな支援を受けられる点が魅力です。

中規模または大規模のクリニックや、多機能型クリニックに向いているでしょう。

Web問診を導入する5つのメリット

Web問診を導入するメリットは、5つあります。

1. 患者の待ち時間を短縮できる
2. 業務効率を高められる
3. 情報入力の手間や時間を削減できる
4. 診察の質を高められる
5. 感染症対策を行える

それぞれのメリットについて解説していくので、Web問診システムの導入を検討している方は参考にしてみてください。

患者の待ち時間を短縮できる

Web問診システムを活用すると、自宅や、来院前の移動時に問診票の入力ができます。受付での記入や確認待ちの時間がなくなるので、待合室での滞在時間を短縮可能で、患者の満足度が向上しやすくなります。

また医師・看護師は、患者が入力した内容をもとに、診療内容の決定や準備ができます。診療までの流れをスムーズ化できるため、患者・医師・看護師の満足度を高めたい方におすすめです。

業務効率を高められる

業務効率を高められる点は、Web問診システムを導入する大きなメリットです。問診票の準備や紙の発注などの手間が省けるだけでなく、システムによっては診察記録や予約管理機能も備わっています。

事前に、患者が気になっている症状などを確認できるので、準備の負担も減らせます。医師や患者の負担を下げて業務効率を高めたい方は、Web問診システムがおすすめです。

情報入力の手間や時間を削減できる

医療機関側のメリットとして、情報入力の手間や時間を削減できます。患者がWeb問診で入力した内容は、連携している電子カルテに自動的に登録されるため、情報入力の必要がありません。

また、入力ミスのリスクが減少し、業務の正確性が向上します。たとえば、患者によっては字の綺麗さや文字の読み取りやすさが異なりますが、Web問診システムであればデジタル化されているため、内容を確認しやすいです。

情報入力の手間や時間の削減、正確性を向上できるため、多くのクリニックにWeb問診システムはおすすめです。

診察の質を高められる

Web問診システムを導入すると、診療の質を高められる点もメリットです。

事前に患者の症状、気になっていることが確認できるため、診療内容を予測しながら詳細な内容を質問できます。診察時の聞き取りをスムーズにできるだけでなく、より的確に診断や治療を行えます。

また、カスタマイズによっては事前に患者に詳細に質問できるように設定もできるため、診断の正確性を向上させたい方にもおすすめです。

感染症対策を行える

感染症対策が行える点は、Web問診システムを導入するメリットです。紙媒体の問診票を採用している場合、患者は受付・問診票の記入・待合室での待機などが発生し、クリニック内にいる時間が長いケースが少なくありません。

一方で、Web問診システムは来院前に問診票の入力を済ませられるため、待機室の滞在時間や接触機会を減らせます。院内感染を減らしたいと考えている方は、Web問診システムを検討してみてください。

Web問診を導入する3つのデメリット・注意点

Web問診システムは、3つのデメリット・注意点があります。

1. スタッフの研修やマニュアル整備が必須
2. 高齢者をはじめとしたITリテラシーに左右される
3. プライバシー保護とセキュリティ体制を強化する必要がある

それぞれのデメリット・注意点について解説していきます。

スタッフの研修やマニュアル整備が必須

Web問診システムを導入する際には、スタッフの研修やマニュアル整備が必須です。紙の問診票とは異なるため、システムを使いこなせなければ、利便性が大幅に軽減してしまいます。

そのため、スタッフ全員が使用できるように研修を行うことが必要です。

また、問診確認や電子カルテとの連携、患者への案内などの業務フローを再構築する必要があります。導入して慣れていない間は、スタッフの負担になってしまう場合があるため、マニュアル整備や研修を徹底するようにしましょう。

高齢者をはじめとしたITリテラシーに左右される

Web問診システムはデジタルツールを利用する必要があるため、高齢者やスマホの扱いに慣れていない方にとっては、操作が難しくなってしまう傾向があります。

とくに、入力フォームの使い方やQRコードの読み取りなどで、途中で断念してしまうケースも少なくありません。操作の難しさから受付にサポートを求める方もいるため、逆に業務が増えてしまう可能性もあります。

Web問診システムを導入したい場合は、操作方法をわかりやすくまとめて用意しておいたり、高齢者に配慮した文字サイズ・画面構成にしたりするのがおすすめです。

プライバシー保護とセキュリティ体制を強化する必要がある

Web問診システムを導入する際、プライバシー保護やセキュリティ対策を強化する必要があります。Web問診システムは、患者の症状や既往歴などの情報を、インターネット経由で収集します。

そのため、セキュリティが弱いと不正アクセスや個人情報漏洩するリスクがあり、入念なセキュリティ強化が欠かせません。通信の暗号化や二段階認証などのセキュリティ機能を備えたサービスや、スタッフに対して個人情報の取扱いに関する研修を実施するようにしましょう。

Web問診システムを導入する際の7つの選び方

Web問診システムを導入する際の選び方は、7つあります。

1. 機能性で選ぶ
2. 操作性や画面の見やすさで選ぶ
3. 導入コスト・ランニングコストで選ぶ
4. 実績や評判で選ぶ
5. サポート体制で選ぶ
6. セキュリティ対策で選ぶ
7. カスタマイズ性で選ぶ

それぞれの選び方について解説していきます。

機能性で選ぶ

Web問診システムを選ぶ際には、システムに備わっている機能がクリニックのニーズに合っているかチェックしましょう。たとえば、Web問診システムでも予約管理や電子カルテと連携できるサービスもあれば、問診のデジタル化のみに特化したシステムがあります。

そのため、どのような点を効率化させたいかをイメージしながら機能性を選ぶとよいでしょう。

また、機能が増えるほど費用も高くなるケースが多いため、必要な機能のみが備わったサービスがおすすめです。

操作性や画面の見やすさで選ぶ

Web問診システムを選ぶときは、操作性や画面の見やすさも重要です。たとえば、画面が見にくい場合は、高齢者やスマホなどの操作に慣れていない方には負担になってしまいます。

また、操作性が悪い場合はスタッフの業務効率も悪くなってしまう可能性があるので、注意が必要です。業務効率や患者の負担を減らすためにも、操作性や画面の見やすさは重視しましょう。

デモ機能・お試し体験ができるWeb問診システムもあるため、実際に操作性を確認してから、導入するか検討するのがおすすめです。

導入コスト・ランニングコストで選ぶ

導入コスト・ランニングコストは、Web問診システムを選ぶ際の重要なポイントです。Web問診システムは初期費用だけでなく、月額利用料や保守費用などのランニングコストが発生するケースが多いです。

また、サービスによって契約期間や解約時の条件などが変わってくるため、事前に確認しておくと費用がかかりすぎてしまう状態を防げます。継続して使い続けることが重要になるので、ランニングコストと予算を照らし合わせてシステムを選びましょう。

実績や評判で選ぶ

Web問診システムを選ぶ際は、実績や評判をチェックすると良いでしょう。実績が豊富であれば、これまでの経験をもとに、さまざまなケースに合わせて柔軟に対応してもらいやすいです。

また、評判は公式サイトではわからない点を確認できるため、使ってみて後悔するという状態を防げます。公式サイトやSNSをチェックすると実績や評判を確認できるので、クリニックのニーズに合っているかチェックしましょう。

サポート体制で選ぶ

サポート体制は、Web問診システム選びで重要なポイントです。たとえば、Web問診システムを導入する際に、わからない点があった場合でもサポートしてもらえます。

一方で、サポート体制が十分でない場合、導入時やトラブルが起きた際に十分に対応してもらえない可能性があります。安定した運用をするためにも、サポート体制が充実しているか確認するようにしましょう。

セキュリティ対策で選ぶ

Web問診システムを選ぶときは、セキュリティ対策をしっかりと確認しましょう。セキュリティ対策が脆弱な場合は、個人情報漏洩や不正アクセスなどのリスクがあります。

データの暗号化やアクセス制限、不正アクセス検知機能などが備わっていると、セキュリティ対策がしっかりしています。

また、セキュリティに関する国際的な認証を取得しているサービスを選ぶのもおすすめです。

カスタマイズ性で選ぶ

カスタマイズ性は、Web問診システムを選ぶ際に意識したいポイントです。

医療機関・クリニックによって、業務フローや必要な機能が異なります。柔軟にカスタマイズできるサービスであれば、業務フローに合わせて調整できるため、使いやすいと感じられるでしょう。

また、患者の年齢層などに合わせて調整をすると、患者の満足度を高めやすくなります。

おすすめのWeb問診システム10選

Web問診システムを導入したい方におすすめのサービスは、以下の10社です。

1. メルプWeb問診
2. CLINICS問診
3. SymView
4. アポクル問診
5. ユビーメディカルナビ
6. imon
7. Ace
8. CLIUS
9. デジスマ診療
10. メディカル革命 byGMO

それぞれどのようなシステム・サービスか紹介していきます。

メルプWeb問診

メルプWeb問診は、全国1,900社以上が導入している実績を持つWeb問診システムです。チャット形式が採用されており、LINE風で問診の入力ができるため、患者が気軽に利用しやすいでしょう。

また、医師と対話しながら問診回答するようなデザインに工夫されているため、温かみがあり患者の満足度も高いです。

さらに、カスタマイズ性に優れており、現在自院で使用している紙の問診票をメルプWeb問診を提供している株式会社HERO innovationに預けて、Web問診に変換してもらうこともできます。

全ての電子カルテに1クリックで問診連携ができるので、使いやすさに優れているサービスです。

メルプWeb問診の詳細はこちら

CLINICS問診

CLINICS問診は、3,300件以上の医療機関が利用しているシステムです。CLINICSは問診のほかに、CLINICSカルテやCLINICS予約があり、連携をすることで予約完了と同時に問診がカルテに紐づいてくれます。

また、紙カルテから転記する手間が削減できるため、受付業務の効率化を図りやすいです。さらに、問診は一問一答形式で表示されるので、スマホ操作に慣れていない患者でも扱いやすいでしょう。

質問項目は柔軟にカスタマイズできるため、問診に入れたい内容を加えて、業務効率を高めることが可能です。

CLINICS問診の詳細はこちら

SymView

SymViewは、さまざまな多言語に対応しているWeb問診システムです。保険診療中心の医科診療所で使いやすい機能を搭載しています。詳細な出現条件を設定できるため、医療者のようなWeb問診ができます。

また、弁護士が監修し法律に準拠した電子同意書機能を提供しており、生活習慣病の療養計画書作成、内視鏡検査や不妊治療などの同意書作成に活用することが可能です。

医療者の手間を最小限に抑えながら、患者の理解を促す仕組みを構築しているため、開業医の方にも向いています。

SymViewの詳細はこちら

アポクル問診

アポクル問診は、問診業務の効率化を図りたい方や、ランニングコストを最小限にしたい方におすすめのWeb問診システムです。問診はドリルダウン型を採用しており、決められた項目ではなく、患者の回答に合わせて次の質問が出てきます。

そのため、質問内容の深堀りができ、より患者の状況を予測しやすい状態で診察することが可能です。

また、デモ機能を無料で提供しているため、実際に試して操作性や機能について確認してから導入するか検討できます。

アポクル問診の詳細はこちら

ユビーメディカルナビ

ユビーメディカルナビは、AI機能を活用したサポートが受けられるWeb問診システムです。

導入済み医療機関は全国1,500社を超えており、患者の待ち時間を大幅に削減できます。AIによる事前問診が可能で、問診事項は患者に合わせて自動生成してくれます。

また、医療機関・診療科ごとに質問項目を選択できるため、クリニックにあわせて調整可能です。問診内容は自動で医師用語に翻訳されるので、電子カルテへの記載が簡単で、患者に向き合う時間をより確保しやすいでしょう。

ユビーメディカルナビの詳細はこちら

imon

アイ・ティ・エス株式会社のimonは、問診特化型のタブレット問診入力システムです。高齢者の方でも簡単に操作できるデザインとなっており、直感的な操作で扱えます。

入力された問診内容は、診療室のパソコンから確認可能で、看護師が追記した内容も表示されます。

クラウドサーバーを利用しているため、場所や時間を気にせずに問診の入力が可能で、院内滞在時間の短縮を図ることが可能です。

imonの詳細はこちら

Ace

AceのWeb問診は、Web問診特化型のシステムです。質問設定を階層型に登録することが可能で、回答に合わせて確認しておきたい内容の質問が、次に表示されるようにできます。

質問内容は、登録後に順番の入れ替えまたは追加登録もできるため、再度やり直す手間がかかりません。

院内のどこでもPCやタブレットから情報を確認できるため、病院内で情報の連携がしやすいです。多機能型のクリニックや、情報共有不足による医療ミス・ヒヤリハットを削減したい方に向いています。

Aceの詳細はこちら

CLIUS

CLIUSは、Web問診だけでなく、予約機能や経営分析ツール、オンライン診療機能などが備わっている多機能なサービスです。予約・診察などの院内フローを一元化できる点が魅力で、さまざまな業務負担を削減できます。

Web問診用のURLまたはQRコードを患者に案内すると、オンライン上で問診記入が可能です。基本項目をはじめとした自由項目も設定可能で、画像や文章、動画の添付もできます。

30日の無料体験もできるため、クリニックに合っているか確認してから導入を検討できます。

CLIUSの詳細はこちら

デジスマ診療

デジスマ診療は、再診率を高めたいと考えている方におすすめのWeb問診システムです。Web問診機能だけでなく、キャッシュレス決済機能や予約管理機能、予約リマインド機能などが備わっています。

何人待ちか知ることができる順番待ち予約機能が備わっているので、再診や新規の方でも予約しやすいです。

問診はスマホやPCから簡単に入力可能となっており、問診内容もクリニックで自由にカスタマイズできます。診察代は後払いで対応可能なため、患者は会計を待たずに帰れます。

会計業務の負担を削減できるほか、患者の満足度が向上しやすいでしょう。

デジスマ診療の詳細はこちら

メディカル革命 byGMO

メディカル革命はGMOグループが提供しているサービスで、さまざまな機能が備わっています。チャット形式のデザインとなっており、スマホからでも操作しやすく、医師と会話しているような流れで問診の登録ができます。

また、必要に応じて設問に画像を表示したり、患者に画像をアップロードしてもらったりできるため、診察準備や精度を高めやすいです。

セキュリティ体制も整っているだけでなく、サポート体制も充実しているため、はじめてWeb問診システムを利用する方にも向いています。

メディカル革命 byGMOの詳細はこちら

まとめ：Web問診で業務効率や患者・スタッフの負担削減を図ろう！

医療機関は患者の状態に合わせて柔軟に対応する必要があり、対応業務の多さが負担になっているケースが少なくありません。

Web問診システムを導入することで、受付業務や診療準備などの業務負担を大幅に削減できるほか、待合室の滞在時間を減らせるので患者の満足度も向上しやすくなります。

多くのメリットがあるため、業務の負担を減らしたい・患者の満足度を高めたい方は、本記事でご紹介した選び方やおすすめのシステムをチェックしてみてください。