動物病院は、良い動物病院もあればダメな動物病院もあります。ダメな動物病院にはさまざまな特徴があり、事前にどの部分がダメと感じられているのか確認しておくと、開業・運営で失敗してしまう状態を防ぎやすいです。
そこで本記事では、ダメな動物病院・飼い主に喜ばれやすい動物病院の特徴を解説します。開業・運営する際に押さえておきたいポイントも解説しているので、参考にしてみてください。
ダメな動物病院とされる7つの特徴
ダメな動物病院と評価されやすい病院の特徴は、以下の7つがあげられます。
- 土曜の午前中が空いている
- さまざまな検査をしようとする
- 獣医師の説明がわかりにくい
- 口コミが異常に悪い
- 勝手に注射や薬を出してくる
- 商品を過剰に売りつけてくる
- 病院内が不潔
それぞれの特徴について解説していきます。
土曜の午前中が空いている
ダメな動物病院の特徴として、土曜日の午前中が空いているという点があげられます。
平日と土曜日を比べると、働いている方も多いため土曜日を利用して診察を受けたいと考える方が多いです。また、休日の早い時間帯に用事を済ませて午後から動けるようにしたいと考える方も多いため、予約が午前中に集中しやすい傾向にあります。
しかし、土曜日の午前中が空いている場合は周りの人が利用していない傾向があるため、ダメな動物病院と判断されやすいです。動物病院を運営する際には、土曜日の午前中は予約で埋まるような状態を目指してみましょう。
さまざまな検査をしようとする
さまざまな検査をしようとする病院は、ダメな動物病院として評価されやすいです。多くの経験を持つ獣医師は、動物の様子や聴診・触診である程度の状態を推測できます。
予測している症状を確定させるために検査を行いますが、経験が浅い獣医師は触診や聴診だけでは症状の推測ができず、さまざまな検査をする傾向があります。そのため、さまざまな検査をしようとする場合はダメな動物病院として評価されやすいのです。
獣医師の説明がわかりにくい
ダメな動物病院では、獣医師の説明がわかりにくい傾向があります。動物の状態について説明はしてくれるものの「結果的にどのような点に気をつけるべきなのか」「過ごし方」などがわからないケースも少なくありません。
できる獣医師は、まったく知識がない方でもわかりやすくポイントを押さえて説明してくれます。
飼い主の疑問が解消されるような動物病院が評価されるため、どのような過ごし方が良いのか、気をつけるべき点などを具体的かつわかりやすいように説明してくれる獣医師を目指しましょう。
口コミが異常に悪い
口コミ・評判が異常に悪い場合は、ダメな動物病院として判断されやすいです。
悪い口コミは改善点になるため、直せる部分を対応していくことで良い病院にしていけますが、一度下がった印象はなかなか戻りません。また、複数人数から悪い口コミを記載されている場合は多くの方が不満を抱えている状態を指すため、口コミ・評判を見て病院を探す方からは避けられやすいです。
悪い口コミが記載された場合は内容に合わせて改善を行い徹底していると、再度訪れた際に再び悪い口コミが書かれにくいでしょう。
勝手に注射や薬を出してくる
ダメな動物病院の特徴として、勝手に注射や薬を出してくるという点があげられます。
獣医師は良かれと思って注射や薬の対応をしているかもしれませんが、勝手な施術は、説明と同意を無視している状態です。飼い主が納得していない状態で薬を与えることで、副作用が出た際には不信感につながります。
勝手に注射をしたり、薬を出したりするのではなく、飼い主が納得するような説明をして、同意を得てから対応するようにしましょう。
商品を過剰に売りつけてくる
商品を過剰に売りつけてくるような病院は、ダメな動物病院と評価されやすいです。
基本的には飼い主は動物の様子・症状にあった対応をしてほしいだけで、商品を紹介・売ってほしいわけではありません。そのため、商品を一方的に売りつける行動はセールスと変わらず、評価が下がりやすく口コミ・評判も悪くなります。
商品を売りつけようとせず、飼い主から相談があった際に提案する程度にしましょう。
病院内が不潔
病院内が不潔な状態は、ダメな病院の特徴です。
病院は清潔感が最も重要で、不衛生な環境は感染症のリスクが高く、医療機関として基本がなっていないと判断されやすい傾向にあります。院内の汚れが目立ったり、臭いがきつかったりする場合は敬遠されるほか、スタッフの身だしなみが雑な場合は注意が必要です。
病院内は不潔な状態を作らず、清潔な状態を保つようにしましょう。
飼い主に喜ばれやすい動物病院の5つの特徴
飼い主に喜ばれやすい動物病院は、5つの特徴があります。
- 飼い主の話を最後まで聞く
- セカンド・オピニオンを提案する
- 汚れや臭いが最小限で院内が清潔に保たれている
- 治療法を押し付けない
- 動物にしっかり触って診察する
それぞれの特徴について解説していきます。
飼い主の話を最後まで聞く
飼い主に喜ばれやすい動物病院として「話を最後まで聞く」という点があげられます。話を最後まで聞くことによって、どのような部分に悩みや不安を抱えているのかわかりやすいです。
また、話を丁寧に聞くことによって、飼い主も安心してくれるでしょう。飼い主の不安や悩みを解決できる・安心できる病院は評価されやすいため、話を最後まで聞いてから、寄り添った提案・説明をするようにしてみてください。
セカンド・オピニオンを提案する
動物病院の中でも、セカンド・オピニオンを提案する病院は飼い主に喜ばれやすいです。
たとえば、命に関わる判断や重たい症状の場合は、ほかの病院の意見も聞いてみるように勧めることで、治療の選択肢を広げることを優先していると判断してもらえます。
ほかの病院の意見も尊重している動物病院は任せたいと感じられやすいため、セカンド・オピニオンを提案しても問題ない状態を構築しましょう。
汚れや臭いが最小限で院内が清潔に保たれている
清潔感は動物だけでなく飼い主にとっても重要なポイントになるため、汚れや臭いが最小限で院内を清潔に保ちましょう。
院内が清潔に保てていると、感染症対策や安全性・信頼感が得やすいです。また、診療室や待合室だけでなく、スタッフの制服やトイレなどの清潔感が重要なポイントとして評価されます。
細部まで気を配れている病院は診察も丁寧という判断を連想してもらいやすいため、汚れや臭いは最小限にしましょう。
治療法を押し付けない
飼い主から喜ばれやすい動物病院は、治療法を押し付けない傾向にあります。治療法を押し付けてしまうと、強制感を強く感じてしまい、親切ではないという評価をされやすいです。
たとえば、現状維持で様子を見るのか、手術などを視野に入れるのかなど、治療法を自分で選択できるように提案・説明すると、飼い主からの信頼が厚くなりやすい傾向になります。
治療法は押し付けず、納得して選んでもらえる状態を構築しましょう。
動物にしっかり触って診察する
飼い主から喜ばれやすい動物病院の特徴は、時間をかけて動物に触れて触診してくれる傾向があります。動物に対する触れ方は、動物愛がわかりやすいポイントで、隅々まで異変がないか触診・聴診してくれる獣医師は、好感をもたれやすいです。
「雑に触診してしまうと本当に見ているのだろうか?」という疑問を抱かれるケースも少なくありません。動物から安心してもらえるような獣医師は飼い主からも信頼が高まるため、すみずみまで時間をかけて丁寧に触診してみてください。
動物病院開業で押さえておきたい10個のポイント
動物病院を開業する際に押さえたいポイントは、10個あります。
- 2階に上がらずに済む建物構造・自動ドアが付いている
- ゆとりをもった過ごしやすい待合室になっている
- 整理された清潔感のある診察室になっている
- 大きいディスプレイが完備されている
- おもちゃなど子ども向け用品が置いてある
- 飼い主に合った診療受付時間に設定している
- 予約・受付システムがある
- 獣医師が多めに常駐している
- 他の医療機関と連携が取れている
- 動物健康保険に対応している
それぞれのポイントについて解説していきます。
2階に上がらずに済む建物構造・自動ドアが付いている
これから開業しようと考えている場合は、2階に上がらない建物構造や自動ドアが付いている状態が理想です。動物病院の場合は、動物が大型・小型などさまざまで、段差のないバリアフリー構造が理想的です。
たとえば、大型犬を飼っている場合、2階に上がらないといけない建物構造の場合は負担に感じられてしまいます。また、小型動物の場合はケージに入れている場合も多く、手動のドアでは入りにくいです。
そのため、建物構造や自動ドアの有無はなるべく意識するようにしましょう。
ゆとりをもった過ごしやすい待合室になっている
開業する際に押さえたいポイントとして、ゆとりのある待合室の設計も重要な点です。待合室が狭い状態だと、動物同士の距離も近くなってしまい、接触によるトラブルが発生する可能性があります。
待合室にゆとりをもった設計にすることで、動物同士の接触を避けられるだけでなく、飼い主も過ごしやすいです。安心して過ごしてもらえる状態を作るためにも、待合室は広くゆとりのある状態にしましょう。
整理された清潔感のある診察室になっている
動物病院を運営する際には、整理された清潔感のある診察室になるようにしましょう。
清潔感は、診察の丁寧さや信頼感を大きく左右します。たとえば、診察室や待合室に空気清浄機を設置したり、こまめに掃除および机周りの整頓をしたりすると、清潔感のある印象を作れます。
スムーズに診療が行えるように、配置や清潔感にこだわるようにしましょう。
大きいディスプレイが完備されている
大きいディスプレイは、動物病院を開業・運営したい方におすすめです。ディスプレイが小さいと、文字や画像が画面に合わせて小さく表示されるため、飼い主に説明する際に内容が伝わりにくい場合があります。
一方大型ディスプレイであれば、画面のサイズに合わせて大きくなった際に文字や画像も大きくなり、診察内容や検査結果が飼い主に伝わりやすいです。飼い主のストレスを減らせるため、大きいディスプレイを完備しましょう。
おもちゃなど子ども向け用品が置いてある
おもちゃなど子ども向け用品を置いておくのがおすすめです。待合室におもちゃや絵本などを用意して、子ども向けの配慮を行うことで、子ども連れの飼い主も安心して来院できます。
また、キッズスペースを設けていると、ほかの患者への配慮にもなるうえ、動物との必要以上の接触を避けることが可能です。さまざまな飼い主が過ごしやすい環境を作るためにも、おもちゃや絵本などの子ども向け用品を置くことをおすすめします。
飼い主に合った診療受付時間に設定している
飼い主にあった診療受付時間に設定すると、多くの方が来院しやすいでしょう。たとえば、平日の夜間や週末も診療することで、仕事が忙しい飼い主の方でも訪れやすいです。
事前に地域のニーズの調査を行い、柔軟に診療時間の設定を行うと多くの方が来院しやすい環境を構築できます。
予約・受付システムがある
利便性の向上を図りたい場合は、予約・受付システムの導入も検討しましょう。予約や受付システムがあることによって、待ち時間の短縮や混雑の緩和が期待できます。
また、予約や受付システムでも、LINEと連携しているサービスや24時間受付可能なサービスを選ぶと、利便性向上が図れます。飼い主にとって足を運びやすい環境を構築するためにも、予約・受付システムに注目してみてください。
獣医師が多めに常駐している
獣医師が多めに常駐できるかという点に注目しましょう。複数の獣医師が常駐していることにより、専門性の高い診療や急患対応が可能です。
また、スタッフの休暇取得や労働環境の改善につながるため、多くのメリットがあります。飼い主や働くスタッフの満足度の向上を図るために、獣医師が多く常駐できる環境を目指しましょう。
獣医師が多めに常駐させるのが難しい場合は、医療運用のサポート機能の導入などを行い、一人ひとりの負担を減らすのがおすすめです。
ほかの医療機関と連携が取れている
「ほかの医療機関と連携が取れているか」は、動物病院を開業・運営する際にチェックしましょう。ほかの医療機関と連携を行うと、高度な検査や治療が必要な場合も、連携して対応できます。
また、他の医療機関と連携している点から怪しい病院と感じられにくく、飼い主も安心しやすいです。たとえば、地域の動物病院・専門医とのネットワークの触れ合いなどのイベントがあった際に参加すると、人脈を広げながら連携の構築が可能です。
そのため、動物病院を開業する際には他の医療機関と連携できる環境を構築してみてください。
動物健康保険に対応している
動物病院を開業する際には、動物健康保険の対応にも注目しましょう。近年は、さまざまな企業が動物健康保険を取り扱っています。
動物健康保険に対応することにより、飼い主の経済的な負担を軽減できます。また、経済的な負担が減ることによって受診のハードルが下がるため、多くの方に来院してもらいやすいです。
動物健康保険に対応する場合は、保険会社との手続きや保険対応の明示を行いましょう。
まとめ:ダメな動物病院にならないようにあらゆる点を意識しよう!
動物病院を開業・運営する際には、さまざまなポイントを意識する必要があります。
ダメな動物病院と感じられてしまうと、口コミや評判が悪くなってしまい、より来院してもらいにくいです。そのため、ダメな動物病院にならないように、土曜の午前も診療したり、動物の隅々まで触診をしたりするようにしましょう。
また、空気清浄機を完備すると、動物病院特有の臭いを軽減することが可能で、清潔感のある快適で過ごしやすい環境が構築できます。ダメな病院というイメージを持たれないためにも、さまざまな点に注意して開業・運営を行うようにしましょう。