犬の耳血腫(イヌノジケッシュ)の原因
耳ダニ感染症、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどにより耳殻の軟骨周辺の血管が破綻することによって起こる。他に外耳炎の痒みで引っかきすぎたり、咬傷が原因となることも。犬の耳血腫(イヌノジケッシュ)の症状
耳殻(耳たぶ)の皮膚と軟骨の間に血液などがたまった状態をいう。耳殻が腫れ上がり、痛みや痒み、熱感をともなう。化膿することもある。犬の耳血腫(イヌノジケッシュ)の治療
たまった血液を穿刺吸引などで吸い取ったりして排液処置をおこなう。治らない場合には、腫れた部分を切開し、排液・洗浄・縫合をおこなう。原因となっている病気があれば、その治療も必要。- 受診科目
- 犬
この病気について1人の医師の見解があります。
獣医師から聞いた
犬の耳血腫の対処(治療)方法
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『犬の耳血腫』は手遅れになると耳が変形したままになる!
犬の「耳血腫」は、耳に大きな血豆ができるような病気です。教科書ではよく、外耳炎を放置して耳がかゆくなり、耳を振ったりこすりつけたりして大きな血豆ができている、と書かれていることが多いのですが、実際には免疫学的な疾患です。原因は、耳には皮の袋があって真ん中には軟骨が入っているのですが、そこに異常が起こってどんどん出血が始まるためです。外的要因だと思われがちですが、自己免疫性による内的要因から起こっています。リウマチなどと同じで免疫の誤作動によるものです。治療法については、自己免疫の異常が起こって発症するのですが、インターフェロンやステロイドを使った方が治りやすい病気です。当院の治療法はインターフェロンを週1回、局所へ注入する、プレドニゾロンを内用・内服させることです。このような治療を5週間前後くらい続けていくと治ることが多いですね。従来は外科的な処置をして、耳をざっくりと切る、圧迫をする、あるいは「マットレス縫合」と呼ばれるホチキスみたいな縫い方をたくさんして耳が膨れるのを防ぐ治療方法が多かったのですが、インターフェロンのオメガを注入することによって免疫を調整したり、ステロイドを使ったり、サイトカインストーム(免疫暴走)を抑えていく方がむしろ良くなります。耳血腫は少しでも血腫が小さいうちに治すと、耳が変形せずにきれいに治ります。最初にぷくっとなった時に来ればいいのですが、大体は耳が風船のようにパンパンに膨らんでから来る方が多く、そこから治すと格闘家やボクサーの耳みたいに治った後もグニュグニュと変形してしまいます。きれいな耳のまま治したいならば、早めの治療が大切です。