東京ドクターズ  |  病院・クリニック・歯医者・動物病院の検索サイト

  • やけど

手近にあるもので、とにかくいち早く冷やすことが大切

やけどは、大きくI度、II度、III度と区別され、さらにII度は浅いものと深いものとに分かれます。I度とII度の浅いものについては、皮膚の最も浅い表皮から真皮の浅い部分にのみダメージがあるもので、表面的に赤くなったり、水疱ができたりする程度のものとなります。実は、このII度の浅いものが最も強い痛みが生じます。ダメージがより深く、真皮の深いところの層まで達してしまうと、痛みを感じるセンサーまでがダメージを受け、逆に痛みを感じにくくなってしまいます。ですから、痛みがあるのは、不幸中の幸いと申しますか、悪くないサインと受け取ることもできるでしょう。I度とII度の浅いものであれば、塗り薬で治るものがほとんどですが、それ以上となると傷んだ皮膚組織を取り除いたり、場合によっては他の部分の皮膚を移植する植皮と呼ばれる治療が必要となることもあります。

やけどを負ってしまった場合、最も重要なのが、とにかくいち早く冷やすことです。流水でも氷水でも、近くにある手段で素早く冷やすことでやけどの進達を抑えることができます。また気をつけていただきたいのが、関節の内側のやけどです。小さなお子さんでよくあるのですが、炊飯器の湯気が出るところに触ってしまい、手の内側にやけどを負ってしまうことがあります(炊飯器熱傷)。関節部分にやけどを負うと、治る過程で傷が縮まっていき、最終的にしっかり十分に開かない(関節拘縮)ということになりかねませんので注意が必要です。もう1つ、意外と皆さんがご存知ないのが、やけどは感染を伴いやすいということです。やけどを負って一週間くらいまでは感染が起こりやすい時期ですので、適切な処置を受け、丁寧に観察していくことが大切です。

林 瑠加 院長
LIKKAスキンクリニック(リッカスキンクリニック)
林 瑠加 院長
品川区/西五反田/五反田駅
●形成外科 ●皮膚科 ●美容皮膚科
  • 腹圧性尿失禁

お薬で改善が見られず、手術に抵抗のある方にとって新しい選択肢があることを知っていただきたい

重い物を持ったり、咳をした時など、お腹に不意に力が加わった時に尿もれの症状が見られるものです。主な原因は、骨盤底筋の筋力低下による緩みと考えられています。そのため、女性の多くは妊娠・出産を契機として症状が現れることが多いのです。
さらに細かく病態を見ていくと、様々なものがありますが、尿道自体が年齢と共に緩んでくることも原因の1つと言えるでしょう。尿道は周りの筋肉で締めているイメージですが、尿道の粘膜が退縮し、薄くなっていくことで失禁が起こりやすくなります。ホースの厚みが薄くなっていくイメージですね。尿道の緩みが原因の場合、お薬での改善は限定的で、保険適応の治療では尿道の周りにメッシュを入れ、尿道を締める手術が行われます。非常に効果的な治療ではあるのですが、異物が入ることへの違和感や手術そのものへの抵抗感がある方にとっては難しい選択となるでしょう。お薬での治療に限界が見られた場合、自費診療となりますが、レーザー治療や磁気治療器による治療が次の段階の選択肢となります。症状が重い方の場合、1日に尿パットを10枚使うですとか、オムツを5、6枚履き替える、という方もおられます。そうした方々にとって、レーザーや磁気治療器による治療は、コスト的に見ても歓迎される選択肢となってきています。

皆川 真吾 院長
皆川クリニック
皆川 真吾 院長
千葉市花見川区/宮野木台/新検見川駅
●泌尿器科 ●皮膚科
  • 潰瘍性大腸炎

根治的な治療法はないが、コントロールすることは十分に可能

潰瘍性大腸炎とクローン病は発生部位や症状に差異はありますが、共通する症状として腹痛症状が挙げられ、下痢などの便通異常、さらに血便などが見られます。特徴的なのは慢性的な経過が見られることで、病歴から疾患の有無を疑うことも重要です。
寛解期と言いますが、この疾患を持つ方の9割以上が軽症から中等症の方々であり、お薬を有効に用いることで一般の方とほとんど変わらない生活を送ることが可能です。その一方、排便の回数が増えてくると日常生活を送ることがままならなくなります。排便の増加によって睡眠も満足にとることができなくなりますし、食事によって憎悪する特徴があり、食事もなかなか摂ることができず、徐々に衰弱していきます。
原因を含め、疾患の全貌が明らかになっていないゆえに厚生労働省の定める指定難病となっているわけであり、未だ根治的な治療法はありません。しかし、患者数が非常に多いこともあり、毎年有効なお薬が出てきています。その意味では、これから光が見えてくる分野とも言えます。

原 雅樹 院長
たまプラーザはら内科・消化器クリニック
原 雅樹 院長
横浜市青葉区/新石川/たまプラーザ駅
●内科 ●消化器内科 ●内視鏡内科
  • かぜ[かぜ症候群]

発熱を伴う場合は思わぬ病気が隠れている可能性も。症状が長引くときは医療機関を受診してほしい

一般に「かぜ」として知られるかぜ症候群は、鼻水や咳、発熱などを伴う感染症です。ウイルスなどに感染し、のどの痛みや鼻づまりなど上気道の症状が現れるようになります。よく耳にする「鼻のかぜ」「咳のかぜ」はかぜ症候群で間違いありませんが、「お腹のかぜ」といわれるものは存在せず、正式には「感染性胃腸炎」などの診断がつきます。同じようにかぜ症候群も細かく検査をしてみると「上気道炎」や「急性気管支炎」だと分かることもあります。とはいえコロナ渦においては、発熱があると受診できなかったり、PCR検査しかしてもらえなかったりするケースも少なくないようです。一方で発熱の原因はかぜや新型コロナウイルス感染症に限りませんので、症状が長く続くときは医療機関を受診し。原因となっている病気を見つけてもらうことが大事です。特にお子さんの場合は自分の症状をうまく伝えることができませんから、保護者の方にはぜひ、お子さんの様子に目配りをして適切な対応を取っていただきたいと思います。

遠井 敬大 院長
my CLINIC
遠井 敬大 院長
北本市/石戸/北本駅
●内科 ●小児科 ●外科

MORE

歯科医師から聞いた
『歯や口の病気』の対処・治療方法

  • 埋伏歯

埋伏歯は早期の段階で対応することが大切

埋伏歯とは歯茎の中に埋まっている歯のことを表します。その程度に応じて完全埋伏歯や半埋伏歯、埋まっている歯の向きによって水平埋伏歯や逆性埋伏歯などと呼ばれます。歯胚と呼ばれる歯の種の向きが不正であったり、余分にあったり顎が小さいことで生えるスペースがなかったりということが原因として挙げられます。様々な部位で起こりますが、特に親知らずに多いという特徴があります。骨の中に完全に埋まっている埋伏歯は感染することがなく、大半の場合は大きな症状は出ません。ただし、歯並びに影響したり、隣接する歯を圧迫して吸収してしまったりする可能性があります。中途半端に歯茎に埋まっている場合は清掃しにくいため虫歯になりやすく、また周りの歯茎が細菌感染し痛みや腫れといった症状を引き起こす可能性が高まります。痛みや腫れといった症状がある場合や、他の歯に対し悪い影響を及ぼしている場合は抜歯の適応となります。隣接する歯が虫歯になってしまったり、繰り返し痛みが出てしまうこともあるため、症状がある場合はできるかぎり早期の段階で対応することが大切になります。
予防としては、歯科への定期受診や画像検査を受けることです。歯の生え方は人それぞれであり、まずはお口の状態を自分で把握することが大切です。埋伏歯であれば全て抜く必要があるというわけではありません。この先、悪さをする可能性があると判断した場合は、早期に処置が必要となるため、かかりつけ医と相談しながら治療方針を決めていきましょう。

武田 宗矩 院長
にしはらクリニックビル歯科・口腔外科
武田 宗矩 院長
西東京市/西原町/田無駅
●歯科 ●小児歯科 ●矯正歯科 ●歯科口腔外科 ●訪問歯科診療
  • 義歯

よりご希望に合う義歯を選択するためにも、歯科医師とよく相談して欲しい。

よく患者さんから、抜歯後はどうしたらいいのか質問をいただきます。各治療方法には、それぞれメリットやデメリットが必ずあります。より患者さんに合う治療方法を選択するためにも、担当の歯科医師とよく相談しましょう。
抜歯後の治療については、3つの選択肢があります。
1つは『インプラント』です。メリットとしては、1回入れてしまえば自分の歯と同じように使える点と審美性に優れている点が挙げられます。他の歯にも影響が出にくく、天然の歯とほぼ同じように咀嚼できます。デメリットとしては、手術が必要になる、治療期間が長くなる、そして保険適用ではないので費用が高くなってしまうことが挙げられます。骨の量が少ない方が入れてしまうと、将来的にグラつく可能性もあります。
2つ目は『入れ歯(義歯)』です。メリットとしては、両脇の歯を削らなくて良い、作るのが簡単、合わなくなっても作り替えられる、保険適用であることです。ただ、お手入れが大変で、見た目も入れ歯だとわかってしまいます。両脇を削りたくない、手術はちょっと怖いという方にはおすすめです。
3つ目は『ブリッジ』です。インプラントと同じように、1回入れてしまえば自分の歯と同じように使え、保険適用である点はメリットとして挙げられます。しかし、両脇の歯を削らなければならないことと他の歯にも負担がかかってしまいます。抜歯した歯の両脇の歯が既に銀歯ならいいのですが、削ったことのない健康な歯を削ってしまうのは、勿体ないですよね。

どの治療法においても、一生使えると保証できるものはありません。手入れをしていかないと持ちませんので、定期的に歯医者に通ってメンテナンスをするようにしていただきたいです。

酒井 亮 院長
アール歯科セントラルクリニック南与野
酒井 亮 院長
さいたま市中央区/新中里/南与野駅
●歯科 ●歯科口腔外科 ●矯正歯科 ●小児歯科
  • 歯肉退縮

歯ぐきが下がる症状にはいくつか理由がある

歯肉退縮とは、文字通り歯ぐきが下がってしまうものです。歯肉退縮にいたる原因はいくつか考えられますが、その大きな要因の1つが歯周病によるものです。歯を支えている骨がなくなり、それに伴って歯ぐきが引き締まると、歯ぐき自体が下がってきてしまうんですね。歯ぐきが下がることによって知覚過敏の症状が出たり、歯の根が露出してしまうことでむし歯になりやすくなると言われています。
歯周病が原因となると、歯肉退縮もある程度お年を召した方の現象と思われるかもしれませんが、若い人にも生じないわけではありません。若い世代では、ブラッシングで過度に力が加わった場合に起こることがありますし、矯正治療で歯が動いた際、その部分の歯ぐきが退縮してしまうことがあるのです。見た目の影響はもちろん、歯周病の時と同様、知覚過敏などの症状が見られることがあります。
治療法としては、骨がしっかりしているのであれば、歯ぐきを移植して下がった部分を再生する方法もあります。それ以前に、メンテナンス等で歯科医院を訪れ、ブラッシングが適正なものかどうかをチェックしてもらうことをお勧めします。

青木 栄人 院長
デンタルクリニック青木
青木 栄人 院長
渋谷区/代々木/代々木駅
●歯科 ●歯科口腔外科 ●矯正歯科

MORE

獣医師から聞いた
『動物の病気』の対処・治療方法

  • 犬の前十字靭帯断裂

犬の前十字靭帯断裂は、加齢性変化が要因の1つに

前十字靭帯断裂とは、前十字靭帯という靱帯が部分的または完全に断裂することであり、断裂の程度により部分断裂と完全断裂に分かれます。前十字靭帯は大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)を結ぶ靭帯で、脛骨の前方変位(前方への動き)と内旋(内側にひねる動き)を制御しているため、断裂すると膝関節に不安定が生じ、正常に歩くことはできなくなります。
人ではよくスポーツ選手などが外傷により発症しますが、犬では多くが靭帯の加齢性変化に力学的因子が加わることで発症します。生後、年数を重ねて靭帯の線維が弱くなっている状態で過度な力が加わった時に断裂しやすくなるのです。ここで言う「加齢性」とは、「老齢性」とは意味が異なり、単に「年数を経て」ということを指しますので、若齢や中齢でも発生します(つまり、老齢に至らなくても靭帯の線維は脆弱化します)。
一方の脚で前十字靭帯断裂を発症した犬の60%が2年以内に対側肢でも発症したという統計がある他、特に小型犬において、膝蓋骨内方脱臼(膝のお皿の脱臼症)を基礎疾患に持つ犬では、そうでない犬より7倍発症しやすかったという研究結果も報告されています(膝蓋骨内方脱臼の存在により、普段から内旋方向への力が掛かっているため)。
また、前十字靭帯を断裂した場合、断裂の程度に関わらず変形性関節症(DJD)と呼ばれる関節疾患を続発し、これは治療の有無に関わらず進行します。DJDは、損傷した関節軟骨を修復しようとして関節に隣接する骨に骨棘(こっきょく)が現れます(ボコボコとした骨の増生所見)。前十字靭帯を治療したとしても、DJDによる症状(寝起きや歩き始め、長時間運動後の挙上=足を持ち上げる動作)は残ることがあります。ただしDJD自体は珍しい疾患ではなく、無症状なことも多く、1歳齢以上の20%の犬が罹患しているとも言われています。
予防するのは難しい疾患ですが、体重管理(適正な体重に減量)により膝にかかる負担を小さくすることは有効な予防策です。

治療としては、内科療法、または外科療法(手術)が選択されます。
内科療法は、数週間の消炎鎮痛剤内服と安静により、軟部組織(骨以外の組織)が関節を固めてくれるのを待つ方法です。ただし、一般的に内科療法が有効なのは体重が10kg以下の小型犬で半月板損傷を伴わない場合に限られます。半月板は、大腿骨と脛骨の間に存在する構造物でクッションの役割を担います。半月板は前十字靭帯断裂時に同時に損傷することが多く、一般的な検査で損傷しているかどうかを診断するのは困難です。
外科療法では様々な術式が存在します。当院では関節外法(flo法)と脛骨高平部水平化骨切り術(TPLO法)を実施しています。flo法とは、関節の外に人工靭帯を設置する方法です。腓腹筋種子骨と脛骨粗面に開けた穴を糸で結び、靭帯の代替とします。手術の侵襲がTPLO法に比べ少なくて済みますが、小型犬のみが適応対象である他、軟部組織で関節が固まる前に糸が緩んでしまうリスクがあります。
TPLO法は、脛骨を切断し、膝の構造自体を変更して固定する方法です。犬は脛骨高平部に角度があるため、歩く度に、脛骨に前方へ変位しようとする力が加わります。本術式では脛骨高平部の角度を適正(5-7°)に矯正することで、機能自体を安定化します。侵襲が大きい手術ですが術後の再発は少なく、flo法よりも早い時期に機能が回復します。

廣間 純四郎 院長
みなみ野動物病院
廣間 純四郎 院長
八王子市/みなみ野/八王子みなみ野駅
●犬 ●猫
  • 猫の膀胱炎

生活環境に目を配ることも有効な治療に

血尿は、犬の場合は細菌性膀胱炎であることが多いのですが、猫の場合はその割合は1、2割と少なく、大半は特発性膀胱炎、つまり、原因がよくわからないものになります。特発性膀胱炎は、数日から数週間で自然に回復するとされます。ただ、なかなか改善がみられない場合は、「環境」というものに目を向けるべきでしょう。と言うのも、この疾患はストレスが関与していることが多いからです。生活の中に原因があるとすると、そこにアプローチしない限り良くならないですし、一旦は治ったとしても、ぶり返す可能性は残ったままになります。診療では猫と人は違う生き物、ということを理解することが重要だとお伝えさせていただいています。人と同じではないですから、猫の本能やその猫自身の性格を理解し、アプローチ可能なところを改めて探していくことが病気の改善や、日々のストレスの緩和につながっていきます。また、寒さなどの環境要因や、運動不足や関節炎などの他の病気が引き金になっていることも考えられ、そちらに対してのアプローチが重要であることもあります。

五味 良太 院長
南大和どうぶつ病院
五味 良太 院長
大和市/渋谷/高座渋谷駅
●犬 ●猫
  • 犬の糖尿病

定期健診はもちろん、普段との違いを感じたら早めの検査を

糖尿病は血糖値が基準値を超えて上昇し、そのまま下がらなくなってしまう病気です。血糖値を下げるために膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンが不足している、あるいはインスリンが作用しにくくなることで高血糖状態となってしまいます。

糖尿病の症状は、多飲多尿や多食からスタートします。エネルギー源である糖が尿に排出されてしまうためにすぐにお腹が空いてしまい、よく食べ・水もよく飲むようになることが特徴的な症状ですが、飼い主さんの目には「元気」に映ることが少なくありません。また、たくさん食べているのに体重が減少していくことも主な症状の一つですが、「歳のせいかしら……」と見過ごされてしまうケースもあります。

そうして気付かぬうちに糖尿病が進行すると、あるときから急激に体の状態が悪くなります。この段階で受診される飼い主さんが多いのですが、口から食べられない状態になってから治療を始める場合、入院治療が必要となってしまうことが多いため注意が必要です。一方で、定期健診の際や症状が出始めた初期に異常が見つかれば、普段の生活のままインスリン注射を始めるだけで血糖値を安定化させることができます。

三島 洋起 院長
若葉はるかぜ動物病院
三島 洋起 院長
坂戸市/千代田/若葉駅
●犬 ●猫 ●ウサギ ●ハムスター

MORE