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獣医師から聞いた
犬のアロペシアX(脱毛症X)の対処(治療)方法

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痒くないのに毛が抜けていく

犬のアロペシアX(脱毛症X)という病気をご存知でしょうか。アロペシアXは、 毛の生え変わるサイクルが止まってしまい、痒みがないのに毛が抜けていく皮膚病のひとつです。特にポメラニアンやトイプードル、シベリアンハスキー、チワワやパピヨンなど特定の犬種で発症することが知られています。アロペシアXは、毛が生え変わるサイクルが止まってしまうことで脱毛していきます(毛周期停止)。この毛周期停止が起こる原因は、まだ明らかになっていませんが、最近の研究ではある特定の遺伝子やホルモンが関わっていることが示唆されています。
この病気は、2~4歳の若齢で発症することが多く見られます。脱毛は、首回りや太ももの裏側から徐々にはじまり、最終的には頭部と四肢以外の体全体の毛が左右対称に脱毛していきます。脱毛の進行には個体差があり、1年かけて徐々に脱毛していくこともあります。そして、毛が薄い、あるいはないので、皮膚が黒くなる、また、乾燥肌(ドライスキン)や皮膚のバリア機能低下による膿皮症を併発することもあります。
アロペシアXは原因が分かっていないため、こうすれば治るという治療法ははっきり分かっていませんが、以前より治療の選択肢の幅が広がってきています。まず、身体の中からのケアとして、サプリメントやホルモン療法が挙げられます。外からのケアとしては、入浴やブラッシング、マッサージなどで皮膚を刺激しながら、皮膚バリア機能低下を防ぐために保湿することなどで、発毛を促します。
その他の治療法として、細い針(マイクロニードル)で皮膚に刺激を与える事で細胞を活性化させ、発毛を促す療法もあります。これは痛みを伴いますので、局所/全身麻酔が必要となります。
治療は一般的に長期に渡り、ひとつの治療を2~3カ月程度試して反応がみられなければ次の治療に切り替えていきます。また、アロペシアXは、ホルモンの異常によって発症する可能性もあるため、去勢・避妊手術を行うこともあります。

吉松 憲人 院長
広尾テラス動物病院
吉松 憲人 院長
渋谷区/広尾/広尾駅
●犬 ●猫
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