猫の腎臓病の原因・症状とは?
猫の腎臓病(ネコノジンゾウビョウ)の原因
細菌やウイルス感染、免疫疾患を要因とする腎炎や外傷、薬物中毒、尿路の閉塞などによって起こる。
猫の腎臓病(ネコノジンゾウビョウ)の症状
急性腎障害と慢性腎臓病とに分かれる。急性腎障害では、乏尿、食欲減退、下痢・嘔吐、脱水などの症状が見られる。進行するとけいれんや体温の低下などが起こり、死に至るケースもある。慢性腎臓病では多飲多尿の状態となり、体重の減少や嘔吐、貧血などの症状が見られる。
猫の腎臓病(ネコノジンゾウビョウ)の治療
急性腎障害の場合、要因となっている疾患の治療をおこなうことで腎機能が回復することもある。慢性腎臓病の場合、すでに失った腎臓の組織は回復することがなく、治療は症状をコントロールすることが主目的となる。
【受診科目】
- 猫
※3人の医師がこの病気について述べています
獣医師に聞いた
猫の腎臓病の原因・症状・治療方法
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慢性化しやすい猫の腎臓病は定期的な健康診断が大切
腎臓は尿を作って老廃物を排泄したり、体内の水分やミネラルを調整したりといった機能を持った臓器です。慢性腎臓病は、この腎臓機能を不可逆的に長期にわたって低下していきます。猫ちゃんの慢性腎臓病は、老齢性の病気として中高齢の猫ちゃんに多くみられます。ただし、若い猫ちゃんにも起こる病気でもあり、特に尿管結石があって腎臓病を見つけることがあります。初期の腎臓病は水をよく飲む行動はあっても、ほとんど症状がみられないため、気付かないうちに進行してしまいます。進行してくると多飲多尿、痩せてくる、食欲がないなどの症状がみられるでしょう。それらの症状をきっかけとして、血液検査や尿検査、超音波検査などから診断していきます。治療は、主に薬の服用と食事療法がメインです。腎臓病は慢性疾患であることが多いので、治療は長く続ける必要があります。そのため、少しでも早い段階で見つけることが大切であり、猫ちゃんが8歳頃になったら定期的な健康診断を受けるようにしましょう。
西日暮里ペットクリニック
福田 卓也 院長
- 荒川区/西日暮里/西日暮里駅
- 犬 ●猫
血液検査によって早めに腎臓病の兆候を捉えることが可能な時代に
猫の腎臓病には、加齢に伴って多く見られる慢性腎不全のほか、腎臓の腫瘍、尿管結石や膀胱結石による尿道閉塞など、さまざまな原因があり、原因を見極め、原因ごとの適切な対応が必要です。
中でも慢性の腎臓病は完治が難しい病気とされています。そのため、定期的な点滴治療や食事管理などで進行を抑えることが重要です。近年は特殊な血液検査により早期発見が可能になり、早い段階から療法食を始めることで状態を安定させられる場合もあります。猫は高齢になると、その多くが腎臓病にかかりやすいと言われています。水を飲む量や尿の量が増えるといった変化は代表的なサインであり、日頃から様子をよく観察し、異変に気づいたら早めに受診することが大切です。
市原・山口動物病院
山口 和彦 院長
- 市原市/姉崎/姉ヶ崎駅
- 犬 ●猫
猫の慢性腎臓病(CKD) 〜早期発見で、もっと長く一緒に〜
高齢猫の約3〜4割が発症する慢性腎臓病(CKD)。猫の死因第1位とも言われるこの病気ですが、早期発見と適切な管理で、愛猫との時間を大切に過ごすことができます。最新の研究から、CKDとの向き合い方をご紹介します。
猫の慢性腎臓病とは?
慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の機能が徐々に低下していく病気です。腎臓は体内の老廃物を濾過し、尿として排出する重要な臓器。その機能が75%以上失われるまで症状が現れにくいのが特徴で、気づいた時にはすでに進行していることも少なくありません。10歳以上の猫では30〜40%が罹患し、5歳以上の猫の死因第1位となっています。
こんなサインに注意して
初期症状として最も多いのは「水をよく飲む」「尿の量が増える」という多飲多尿です。その後、食欲不振、体
重減少、毛づやの悪化、嘔吐などが見られるようになります。
症状が出た時にはすでに病気が進行していることが多いため、7歳を過ぎたら症状がなくても定期的な健康
診断(半年〜1年ごと)を受けることが推奨されています。
診断には血液検査が用いられます。従来のクレアチニン検査に加え、最近では「SDMA(対称性ジメチルアルギニン)」という新しいバイオマーカーが注目されています。SDMAはクレアチニンよりも平均17ヶ月早くCKDを検出できるため、より早期の治療開始が可能になりました。
病気の進行度は国際腎臓学会(IRIS)のステージ分類(Stage1〜4)で評価され、ステージごとの生存期間中央値は、
Stage2で約3.2年、Stage3で約2.1年、Stage4で約3.4ヶ月とされています。
治療の柱は「食事療法」です。リンとタンパク質を適度に制限した腎臓食を与えることで、生存期間が2〜3倍延びることが複数の研究で示されています(通常食264日→腎臓食633日)。特に食事中のリンの種類が重要で、加工食品に含まれる無機リン添加物は吸収率が高く腎臓に負担をかけるため注意が必要です。
CKDでは合併症も問題になります。高血圧(19〜65%で発症)にはアムロジピンという降圧薬が第一選択で、タンパク尿がある場合はACE阻害薬やARBで管理します。貧血は30〜65%に見られ、ダルベポエチン(週1回の注射)が有効です。
自宅でできるケア
進行したCKDでは、自宅での皮下補液(皮膚の下に直接輸液を注入する方法)が推奨されることがあります。獣医師の指導のもと、飼い主さんが自宅で実施できるようになれば、猫のストレスも軽減され、生活の質(QOL)の維持につながります。
また、常に新鮮な水を複数箇所に用意し、猫が好むウェットフードを中心とした食事で水分摂取を促すことも大
切です。腎臓食への切り替えは時間をかけて少しずつ行い、猫が受け入れやすいようにしましょう。
重要なのは、定期的な通院と獣医師とのコミュニケーションです。血液検査や血圧測定を定期的に行い、病状の
変化を早めにキャッチすることで、適切なタイミングで治療方針を調整できます。
CKDは完治できない病気ですが、早期発見と適切な管理で、猫ちゃんとの時間を大切に過ごすことができます。7歳を過ぎたら定期検査を習慣にし、気になる症状があればすぐにご相談ください。飼い主さんと二人三脚で、愛猫のQOLを守っていきましょう。
かまた本町動物病院
芹沢 和也 院長
- 大田区/蒲田本町/京急蒲田駅
- 犬 ●猫
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