猫の甲状腺機能亢進症の原因・症状とは?

猫の甲状腺機能亢進症(ネコノコウジョウセンキノウコウシンショウ)の原因

甲状腺組織の過形成や腫瘍化などにより、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで起こる。中高齢の猫での発症が多いとされる。

猫の甲状腺機能亢進症(ネコノコウジョウセンキノウコウシンショウ)の症状

甲状腺ホルモンの分泌が増加し、代謝が亢進することで多様な症状を引き起こす疾患。落ち着きがない、多飲多尿、脱毛、毛づやが悪くなる、食欲は増加するが痩せてくる、などといった症状が見られる。病気が進行すると、食欲減退、元気の喪失など、状態が変わってくる。

猫の甲状腺機能亢進症(ネコノコウジョウセンキノウコウシンショウ)の治療

抗甲状腺薬の投与により甲状腺ホルモンの働きを抑制する治療が中心となる。内科的治療で改善が見られない場合、外科的治療をおこなうこともある。

【受診科目】

4人の医師がこの病気について述べています

獣医師に聞いた
猫の甲状腺機能亢進症の原因・症状・治療方法

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病気であることを気付きにくいからこそ、定期的な健康診断を心がけてほしい

猫の喉元にある甲状腺からは、体の新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンが分泌されています。甲状腺ホルモンには体を活発に動かしたり、食欲を促進したりするはたらきがあり、生きていくうえで重要な役割を担います。一方で甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまうと体に過度な負担がかかり、心臓の病気や高血圧などを発症する恐れがあるため注意が必要です。

甲状腺機能亢進症は甲状腺ホルモンの値が高い状態のことをいい、高齢の猫に多くみられる特徴があります。しかし、その症状は一見すると病気とは思わないようなものが多く、年齢に反して異常な食欲を見せる、活発に動き過ぎることなどがあります。このため病気を見過ごされたまま放置されてしまい、心臓の機能や高血圧の合併症などが一気に悪化するケースが少なくないのです。

甲状腺機能亢進症のサインを読み取るためには、甲状腺ホルモンの値を定期的にチェックすることが大事です。そのため当院では7歳以上の猫ちゃんに対して、年に1回の健康診断で甲状腺ホルモンを測定・管理しています。1回の検査では異変に気付かなくても、年単位で数値の変化を見ると何らかのサインが現れることがあります。病気のサインを早期に発見できれば早期の介入が可能になり、治療の幅も広がります。最近では甲状腺機能亢進症に対する猫ちゃん専用のお薬が開発されていますから、症状に応じて適切な治療につなげることができるでしょう。

玉井 久三 院長

そら動物病院

玉井 久三 院長

  • 足立区/綾瀬/綾瀬駅
  • 犬 ●猫 ●ハムスター

早期発見が肝要。過剰な甲状腺ホルモンの分泌の抑制を

猫の甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが過剰になって新陳代謝が活発になり過ぎる症状です。かんたんに言うとすごく元気が出てしまう病気で、高齢の猫に多く見られます。人間もそうですが、高齢になってからシャキシャキ動けて食欲もあるとつい嬉しくなってしまい、それが病気であることに気づけないことが多いです。代謝が活発になっているので、食べているのにどんどん消耗して痩せてしまう、落ち着きがなくなり攻撃的になるなどの特徴が見られます。動いていないのにホルモン的には全力疾走をしているような状態が続くので、心臓に負担がかかる、結果としてほかの病気を併発して余命を縮めてしまうことにも繋がります。猫の甲状腺機能亢進症の治療は、薬の服用で甲状腺ホルモンの分泌を抑制していく方法が一般的です。ただし予防法がないので、早期に発見することが肝要になります。診断はとても簡単で、甲状腺ホルモンを測ることで病気はすぐ発見できますので、猫が食べているのに痩せてしまう、落ち着きがなくなるなどの異変が見られた場合は、獣医師に相談し検査をすることをお勧めします。

吉池 正喜 院長

よしいけ動物病院

吉池 正喜 院長

  • 横浜市神奈川区/三ツ沢下町/三ツ沢下町駅
  • 犬 ●猫

元気で⾷欲があっても要注意!猫の甲状腺機能亢進症

甲状腺の過剰形成や腫瘍化によって甲状腺ホルモンの分泌が過剰に働いてしまって起こる病気です。特に⾼齢の猫に多くみられる疾患で10分の1の確率で罹患すると⾔われています。早いと12、3歳で、主に14、5歳からこの病気が多く⾒られます。
この病気の症状は、どんどん痩せていってしまうことです。中には、⽬がギラギラしたり、怒りっぽくなる⼦もいます。ただ、ほとんどの場合、猫達の様⼦がいつも と変わらないので、飼い主さんは元気だと思っていることが多いのが落とし⽳です。元気・⾷欲があるのに痩せているという場合はこの病気を疑ってください。 診察の際は、甲状腺を触診して腫れがあるかも確認しますが、猫はわかりにくいことも多いので、エコーでも確認します。加えて、⾎液検査をしてT4という甲状腺 ホルモンの値をチェックし、正常値よりも⾼い場合は甲状腺機能亢進症を疑います。これらのチェックで病気が疑われる場合には、さらに甲状腺ホルモン のFT3、TSHという検査をして、結果によって確定診断を⾏います。 治療法は甲状腺を切除するという外科的処置もありますが、多くは内服薬で甲状腺ホルモンの値を調整していく治療法を⾏います。内服薬は甲状腺ホルモンの値を弱めるための薬を内服し、1⽇1回または2回の服⽤を数ヶ⽉続けてもらい、こまめに 甲状腺ホルモンの値をチェックしてその⼦にベストな内服量を決めていきます。以 前は⼈体⽤の内服薬を使っていましたが、数年前に猫専⽤の内服薬が出て服⽤しやすくなりました。
元気で⾷欲があるけど極端に痩せてきたという場合には⼀度この病気を疑ってみてください。中にはガリガリになってから受診する⼦もいます。そういった場合には残念ながら助からないこともありますので、元気でよく⾷べるからといって様⼦をみず、痩せてきたらお早めに受診してください。

鈴⽊ 崇憲 院⻑

土呂どうぶつ病院

鈴⽊ 崇憲 院⻑

  • さいたま市北区/土呂町/土呂駅
  • 犬 ●猫 ●ハムスター ●ウサギ

食べているのに体重が減る……「猫の甲状腺機能亢進症」とは?

猫の甲状腺機能亢進症は高齢の猫に多くみられる病気で、甲状腺の機能が活発化することでさまざまな症状が現れます。甲状腺ホルモンが多く分泌されるため食欲旺盛になるものの、食事量に反して体重減少がみられることが特徴です。甲状腺機能亢進症の診断をつけるためには、触診に加えて血液検査を実施します。甲状腺ホルモンの数値を調べることにより、よく食べ・よく飲むなど甲状腺機能亢進症と同様の症状が出る糖尿病との鑑別診断を行います。

甲状腺機能亢進症を放置していると心臓に負担がかかり、心不全など命に関わる病気に発展することも少なくありません。一方で甲状腺機能亢進症はお薬によって症状をコントロールすることが可能ですから、病気の早期発見のため年に1~2回の健康診断を心がけていただくとよいでしょう。

吉田 恵子 院長

訪問獣医あっとほーむ

吉田 恵子 院長

  • 船橋市/習志野台/船橋日大前駅
  • 犬 ●猫
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