発達障害の原因・症状とは?
発達障害(ハッタツショウガイ)の原因
発達障害を引き起こすメカニズムは解明されておらず、周囲の愛情不足が原因という考えは誤りである。症状が現れる原因には、先天的な脳機能の障害が挙げられるほか、風疹感染をはじめとした胎児期の感染症、遺伝子異常などが関係しているとも言われる。
発達障害(ハッタツショウガイ)の症状
患者それぞれに症状が異なり、年齢によっても顕在化する症状が異なる。自閉スペクトラム症(ASD)は1歳過ぎから症状が現れ、注意欠陥・多動性障害(ADHD)は7歳までに症状が現れると言われる。読み書きなど特定の能力に困難が生じて、学校に入ってから発達障害が見つかることも少なくない。患者の中には、一人で複数の発達障害を持つケースもある。
発達障害(ハッタツショウガイ)の治療
発達障害の根本的な治療は難しいため、一人一人の特性に応じた支援が求められる。ASDは早期介入によって、コミュニケーション能力や適応力の発達を促す。ADHDの場合は、脳内の伝達物質(ノルアドレナリン、ドパミン)の量をコントロールする薬が処方されることもある。何よりも家族や周囲が環境を整え、患者本人が生活しやすくなるようサポートすることが必要だとされる。
【受診科目】
- 小児科
- 精神科
※4人の医師がこの病気について述べています
医師に聞いた
発達障害の原因・症状・治療方法
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子どもの『発達障害』の治療は「親御さん」も一緒に巻き込んで
「発達障害」は、おもに「自閉スペクトラム症(ASD)」「注意欠陥多動症(ADHD)」「学習障害(LD)」の3つに分けられます。多くの方は「うつ」「不安」「不適応」といった、二次障害の症状で受診されます。大人の発達障害も多く、仕事でミスが減らなかったり、優先順位を付けられない、遅刻が多い、依存症や摂食障害などで受診されるケースもあります。
よく話題になる「グレーゾーン」ですが、「発達障害(神経発達症)」の医学的な概念がまだ整理の途上にあるため、診断基準に無理に当てはめようとしても診断はできない、しかし困りごとはある状態です。過剰診断には気を付けますが、子どもの成長は待ったなしですから、必要な支援は早めにいれることを目的に、患者さんの生まれながらの特性の把握からはじめて、その特徴に従いながら無理なく治療をすすめることになります。
治療のためには、カウンセリングと薬物療法、あとは環境調整も重要です。本人の安全地帯をつくることを目的に、学校のソーシャルワーカーやカウンセラー、担任と連携することもあります。ペアレントトレーニングでは、親御さんがお子さんそのものを受け入れて対応したり声掛けをするという方法をお伝えしています。いずれにしても親御さんも巻き込んで治療することが必要です。
やまでらクリニック
石本 佳代 院長
- 武蔵野市/中町/三鷹駅
- 精神科 ●心療内科 ●児童精神科
病気が分かることによるメリット・デメリットとは……
「コミュ障です」「人間関係がうまくいかない」との訴えで、メンタルクリニックを受診する大人の患者さんが増えています。多様性、マルチタスクを求められる現代において、幼少期に「自閉スペクトラム症」「注意欠如多動性障害」など発達障害の診断がつかないまま大人になり、コミュニティにおける社会的役割を果たせずに、思い悩むケースは少なくありません。また、適応障害、うつ病になった患者さんの中に、その根底に発達障害があり、二次障害としての適応障害、うつ病であったケースも最近よく見かけるようになりました。
発達障害は、生育歴/医師の見立て/心理検査の3つを用いて診断をしていきます。ただし、診断をつけるうえでもっとも重要な「生育歴」は、母親からのヒアリングが大きなウェイトを占めるため、昨今の高齢化によって、大人の発達障害を診断することが困難となることがあります。
大人の発達障害と診断がつけば、患者さんにとって、さまざまなことを自分の個性として受け入れることができ、それまでよりも生きやすくなることもあるでしょう。ただし、うまくいかないこと全てを発達障害のせいにしてしまうと、患者さんの今後の生き方がより狭いものになり、かえってその特性に思い悩むことになるかもしれません。
専門の精神科医に、大人の発達障害を診断する必要性についてしっかり相談し、今後の生き方のヒントを見つけていく必要があります。
横濱元町メンタルクリニック
土屋 博基 院長
- 横浜市中区/元町/元町・中華街駅
- 精神科 ●心療内科
ケアレスミスや忘れ物、強いこだわりが困り事につながる「発達障害」とは?
発達障害にはADHD(注意欠陥/多動性障害)とASD(自閉スペクトラム症)が含まれます。生まれながらの特性として、不注意傾向や衝動・多動性、強いこだわりやコミュニケーションの苦手さがあり、忘れ物やケアレスミス、失言、頻繁な遅刻などの困り事につながります。注意力を高めるお薬を使うことも選択肢の一つですが、トラブルになりにくい環境や工夫について相談するほか、特性を活かした生活スタイルや仕事選びについて話し合うことが大切です。
よこはま北星こころとからだのクリニック
島野 桂周 院長
- 横浜市神奈川区/鶴屋町/横浜駅
- 精神科 ●心療内科 ●内科
近年増加傾向にある「子どもの発達障害」とは?
発達障害は、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)などの総称です。原因を特定することは難しく、遺伝的要因や環境要因をはじめとした複数の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
症状は多岐にわたり、周囲とコミュニケーションを取ることが難しかったり、じっと座ることが難しかったり、相手の言葉を十分に理解できなかったり、と様々です。こうした特性は、集団生活が始まる5歳前後で気付かれることが多く、細かな成育歴の聴取や問診、遊ぶ様子などから総合的に判断します。身体的な疾患が合わさっている場合もあるので、血液検査・心理検査・画像検査などを検討する場合もあります。
ただし、その子の特性が「障害」とされるものなのか、それとも個性の1つとして見守るべきものなのかを判断するのは非常に難しいのも事実です。また、子どもの発達特性は「治す」というよりも、得意なところはもっと伸びるように、苦手なところはサポートしながら、成長や発達を支援していくことが一般的とされています。
ファミリークリニック高井戸
氏家 久 院長 & 根岸 舞 医師
- 杉並区/高井戸東/高井戸駅
- 内科 ●小児科 ●外科 ●皮膚科