最近では、動物病院・クリニックでもYoutubeを用いて集患するところが増えています。本記事では、集患に動画が注目されている理由と、医療業界で動画を用いることによるメリット、実際の動物病院・クリニックのYoutubeアカウントを紹介します。注意点も合わせて解説しているので参考にしてください。
この記事の内容
動物病院の集患にYoutubeが注目されている理由
集患に動画が注目されている理由ですが、一言で言うと動画の時代がきているからです。
皆さんに身近な例で言うと、ファッション業界では、実際に服やアクセサリーを身につけたモデルの動画が掲載されているサイトも増えてきています。写真の二次元的な情報よりも、自分が実際に身につけた時のイメージが湧きやすいので、魅力的な商品であれば、購入率の向上も見込めます。
動画が医療業界でも効果的な理由3つ
ここからは動画が医療業界でも効果的な理由を解説します。理由は大きく3つです。
- 理由1:動画の「わかりやすく」「伝わりやすい」表現
- 理由2:全世代にアプローチできる
- 理由3:医療機関へのイメージをプラスに
一つずつ解説します。
理由1:動画の「わかりやすく」「伝わりやすい」表現
どんなに優秀なライターやカメラマンがいても、文章や静止画から得られる情報には限界があります。医院の雰囲気、親近感、リアリティ感を最大限伝えたいなら、動画が一番です。
クリニックや病院の外観や内観、診察風景を映像で発信することで、患者は実際に通った時のことをリアルに想像することができます。
また、文章だと何分もかけて読まなければ理解することのできない情報が、数秒で伝わるというのも動画発信のメリットです。
理由2:全世代にアプローチできる
最近では、年代に関係なく、学生からシニア世代までスマートフォンを所持していて、自分の好きなタイミングで動画にアクセスできる環境が整っています。
少し前までは、シニア世代はスマートフォンを持っていないので、インターネットの情報にアクセスすることができないというイメージがありましたが、現在では検索機能やインターネットのコンテンツを楽しんでいる方がほとんどです。
それに加えて、5Gの普及もあって動画のような重いデータの読み込みも非常に速くなりました。ストレスなく情報にアクセスできる環境が整ったというのも大きいです。
理由3:動物病院のイメージをプラスに
動物病院と聞いて何をイメージしますか?動物病院と聞いて、動物を乱雑に扱いそうというイメージを持っている人も少なくないでしょう。このマイナスのイメージを払拭するには、クリニックの明るい雰囲気や、優しいスタッフがいることをどのように患者に伝えるかにかかっています。
例えば院長挨拶でこのような文章があったらどうでしょうか。
「私は動物の分野で研鑽を積み、この地域にあまり多くない動物皮膚科を専門とするクリニックを開くことで、治療で困っている方を助けられたらと思っております」
自分の飼っているペットをしっかりみてくれそうだと感じませんか?このように、文字だけでは感じることのできない印象を与えることができるのがYoutubeのいいところです。
動物病院でのYoutube活用のポイント
ここからはYoutube活用のポイントについて解説します。
ポイントは大きく3つです。
- 目的を明確にする
- 配信する媒体を決める
- 制作会社選び
一つずつ解説します。
目的を明確にする
どのような情報を発信する時もそうですが、動画を作成する目的を明確にしましょう。
自院の認知度を上げるのが目的の場合と、実際に来院してもらうことが目的の場合では、動画の内容も変わってきます。目的のないまま制作を進めてしまうと、結局何のために動画を作成したのか分からなくなってしまうので注意が必要です。
また、目的をはっきりさせるときはペルソナも設定しましょう。ペルソナとは、ターゲットとなる架空のユーザーを具体的に想像することで、例えば「20代女性で美容に興味がある。仕事は事務をしていて、休日はカフェ巡りをする」などです。できるだけ具体的にイメージすることで、動画を作成する目的も明確になるので時間を割くようにしましょう。
配信する媒体を決める
動画をどんな媒体で使用するのかを明確にしておくことも大切です。
動画を配信する媒体には、自社のウェブサイト、動画配信サイト、SNS、動画広告などたくさんの種類があります。
簡単に記載すると以下のようなものがあります。
- YouTube:圧倒的なリーチ量が魅力
- Facebook:40~50代のビジネスパーソンにリーチしやすい
- Instagram:若い女性にリーチしやすい
- Twitter:リツイートによる拡散力が武器
- TikTok:動画広告が敬遠されにくい
- LINE:日本国内の圧倒的なユーザー数を誇る
配信する媒体を決め、その媒体の特性を踏まえたうえで動画を制作するのがポイントです。
制作会社選び
目的を明確にしたら、その目的を達成するために一番最適な制作会社を選びましょう。
制作会社によって得意分野も違ってきますし、制作だけを行う会社や制作から配信までフォローしてくれる会社もあります。複数の制作会社をピックアップして相見積もりをすることで、自社に最適な制作会社を選ぶこともできますし、適正予算もはっきりしてくるでしょう。
動物病院・クリニックが行っているYoutubeチャンネル3選
ここからは実際の動物病院・クリニックが行っているYoutubeチャンネルを紹介します。
紹介するのは以下の3つのチャンネルです。
- 三ツ池動物病院チャンネル
- どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科
- 【MAHチャンネル】宮田動物病院
一つずつ解説していきます。
三ツ池動物病院チャンネル
1つ目は、三ツ池動物病院チャンネルです。チャンネル登録者数は 7.66万人となっています。
飼い主様にとって役立つ情報や当院にかかわる動物たちの笑顔などをお届けすることで安心を感じながら動物を暮らす幸せな毎日を提供します!と記載がある通り、動物たちの診察の様子がYoutubeにアップされています。
三ツ池動物病院チャンネルはこちらからご確認いただけます。
Youtubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UC1GI4gCcL3_7Z1qQn4JqRwA/featured
どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科
2つ目は、どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科です。チャンネル登録者数は1660人となっています。
どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科という名前の通り、皮膚科・耳科・アレルギー科にまつわる病気や基礎知識について解説している動画を多くアップロードしています。病気になっていなくても、大事なペットがなる可能性のある病気について知っておきたい人はチェックしてみてはいかがでしょうか。
原動物病院医院YouTubeチャンネルはこちらからご確認いただけます。
Youtubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCwNXor33JPHWS-36UhekIHQ/featured
【MAHチャンネル】宮田動物病院
3つ目は、【MAHチャンネル】宮田動物病院です。チャンネル登録者数は 3760人となっています。
静岡県沼津市にある宮田動物病院です。3代にわたり開業60年以上の歴史を背景に、地域に根ざした診療を行なっています。Youtubeでは皆様の日頃の疑問に答えたり、日々の生活に役立つような動画を中心にアップされており、肛門絞りの動画が41万再生されています。
【MAHチャンネル】宮田動物病院はこちらからご確認いただけます。
Youtubeチャンネル:https://www.youtube.com/c/MAH%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB-%E5%AE%AE%E7%94%B0%E5%8B%95%E7%89%A9%E7%97%85%E9%99%A2%E6%B2%BC%E6%B4%A5/featured
実際にyoutubeで集客するコツ
ここからは、実際にYoutubeで集客するときのコツを3つのポイントで解説します。
- 顧客にとって有益な動画を制作する
- マーケティングの目的・ターゲットを明確化する
- KPIを設定し効果を検証する
一つずつ解説します。
顧客にとって有益な動画を制作する
Youtubeでのマーケティングを成功させるには、動画を見ているユーザーにとって有益な情報を発信することが大切です。
Youtubeのユーザーは自分の興味のある動画しか見ません。そのため、Youtubeの動画で集患するためには有益で魅力的な動画を作成する必要があります。
そのため、企業側がアピールしたい内容ではなく、ユーザー目線の動画を心がけましょう。ユーザーが知りたいことは何か、どんな情報を提供したらユーザーの問題解決ができるのかなどを意識することが必要です。先ほど説明したペルソナを設定しておくと、このような目線で動画制作を進めることができるでしょう。
また、すでに成功している競合のYoutubeチャンネルを分析し、その特徴や構成を真似するのも効果的です。成功事例を分析することで、ユーザーが求めているものが何なのかが見えてくるでしょう。
マーケティングの目的・ターゲットを明確化する
先程も説明しましたが、YouTubeマーケティングを成功させるには、目的・ターゲットを明確化しましょう。
漠然と自院のこと、サービスの紹介をするだけの動画ではユーザーに興味を持たれにくく、集患効果が期待できません。
YouTubeの活用方法も、ブランディングが目的なら広告出稿、サービス内容を詳しく紹介したいなら動画制作というように、使い分ける必要があります。繰り返しになりますが、目的を明確にしましょう。
KPIを設定し効果を検証する
KPIを設定して効果を検証することも大切です。
KPIとは、目標・ゴールに対する達成の度合いを測るために置かれる指標のことです。 目標の達成を目指すには、その進捗の具合を、客観的に把握しなければなりません。KPIとして定量的な指標(数値など)を設定することにより、現在地や達成までに必要な工程を、正確に把握できるようになります。
そのため、事前にYoutubeのKPIを設定することが重要になってきます。
たとえば、新規顧客の獲得を目指すならチャンネル登録数、商品の認知度アップを目指すなら再生回数、費用対効果を把握したいのならコンバージョン率など、目的に応じたKPIを設定しましょう。
とはいえ、無理のあるKPIを設定してはいけません。実現可能性の高い目標を立てるようにしましょう。運用開始後はYouTubeアナリティクスを利用して、動画やチャンネルの状況を分析し、PDCAを回しましょう。
動物病院のYoutube活用の際の注意点
最後にYoutubeを活用するときの注意点を2つ解説します。
- 獣医療広告ガイドラインに注意する
- 宣伝色が強いと嫌悪感を抱かれやすい
- ノウハウや知見が貯まるのに時間がかかる
一つずつ解説します。
獣医療広告ガイドラインに注意する
獣医療法17条は、広告に関する規制を定めています。
(広告の制限)
第十七条何人も、獣医師(獣医師以外の往診診療者等を含む。第二号を除き、以下この条において同じ。)又は診療施設の業務に関しては、次に掲げる事項を除き、その技能、療法又は経歴に関する事項を広告してはならない。
一 獣医師又は診療施設の専門科名
二 獣医師の学位又は称号
2 前項の規定にかかわらず、獣医師又は診療施設の業務に関する技能、療法又は経歴に関する事項のうち、広告しても差し支えないものとして農林水産省令で定めるものは、広告することができる。この場合において、農林水産省令で定めるところにより、その広告の方法その他の事項について必要な制限をすることができる。
3 農林水産大臣は、前項の農林水産省令を制定し、又は改廃しようとするときは、獣医事審議会の意見を聴かなければならない。
すなわち、原則として獣医師は、獣医療法17条1項によって、獣医師又は診療施設の専門科名と獣医師の学位又は称号を除いて、その技能、療法又は経歴に関する内容を記載することができません。
これは、経歴や療法によって飼い主が誤った認識をしないためにするものです。
宣伝色が強いと嫌悪感を抱かれやすい
Youtubeを視聴するユーザーは自分が見たい動画のみを視聴します。そのため、宣伝色が強い動画だと、興味関心を失い、嫌悪感を抱かれやすくなってしまいます。
ユーザー目線での動画を作成して、好感を持ってもらえるようにしましょう。
ノウハウや知見が貯まるのに時間がかかる
Youtubeでの集患は、動画をアップロードして数日で結果が出るようなものではありません。結果が出るのに1ヶ月〜3ヶ月、時には1年かかってしまうこともあるでしょう。
しかし、ノウハウや知見が貯まれば、集患に大きな影響をもたらします。目先の効果に囚われずに、継続して動画をアップロードするようにしましょう。
まとめ:Youtubeで集患したいならプロに依頼しよう!
いかがでしたか。本記事ではYoutubeで集患をしたいと考えた時のポイントや、実際の事例、注意点について解説しました。
もし、Youtubeで集患をしたいと思っているなら、まずは制作会社に話を聞きに行ってみてはいかがでしょうか