近年、SNSで採用活動を行う企業や病院は増加傾向にあり、「インスタグラム求人広告」にも注目が集まっています。
インスタグラム求人広告を適切に活用すれば、広告費以上の効果が期待できます。
ただ、インスタグラムで求人広告を出したくても、「使い方がわからない」「どんな投稿をすればいい?」となかなか実施できない方がいるかもしれません。
そこで本記事では、インスタグラム採用を成功に導く求人広告の出し方を徹底解説します。インスタグラム求人広告のメリットやデメリット、掲載手順も記載しているので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の内容
インスタグラムに求人広告を掲載するメリット
ここからは、インスタグラム求人広告の代表的なメリットを紹介します。
- 写真や動画でわかりやすくアピールできる
- 狙ったユーザーに的確にリーチできる
- 予算の柔軟性が高い
- 潜在層にもアプローチできる
写真や動画でわかりやすくアピールできる
インスタグラム求人広告は、わかりやすく画像や動画でアプローチできるのが大きなメリットです。
働く環境や社員の様子など、求人サイトでは把握しにくい部分を、写真や動画で明快に伝えられます。
狙ったユーザーに的確にリーチできる
インスタグラム広告は、Facebookを運営しているMeta社が蓄積した膨大なデータをもとに広告を表示するユーザーを選定します。
性別や年齢、住まいといった基本的情報はもちろん、興味や関心、行動など高度な絞り込みもできるため、精度の高いターゲティングが可能です。
そのため、他のプラットフォームよりも細やかにターゲットを絞って、自社が狙ったユーザーに効率よくリーチできます。
予算の柔軟性が高い
インスタグラム広告は1日あたり100円から利用可能で、「1日の予算額」や「通算予算」も設定できます。
自社の予算に合わせて配信できるため、予算オーバーになることは基本的にありません。
予算は高ければ高いほど露出が増えますが、「試しに広告を載せてみたい」「低予算でスタートしたい」といった場合も気軽に利用しやすいのがメリットです。
潜在層にもアプローチできる
まだ就職や転職の意志がない潜在層にも情報を届けられる点も、Instagram求人広告のメリットです。
インスタグラムはフォローの有無に関わらず、厳選してタイムラインに表示するアルゴリズムを採用しています。そのため、就職や転職の願望がない層にも自社の投稿を見てもらえるチャンスがあります。
一方、求人媒体の場合、就職や転職を希望する顕在層しか採用情報を見る機会はありません。
インスタグラム求人広告を利用すれば、就職や転職の意向に関係なく、より幅広い層に自社の採用情報を届けられます。
インスタグラムに求人広告を掲載するデメリット
採用活動においてメリットの多いインスタグラム求人広告ですが、デメリットもゼロではありません。ここからは、インスタグラムに求人広告を掲載するデメリットを紹介します。
- 定期的にインスタへ投稿する手間が発生する
- SNS映えする写真・素材の準備が必要になる
- 短期間での成果は得にくい
定期的にインスタへ投稿する手間が発生する
インスタグラムは気軽に投稿できる一方、継続的な運用に手間がかかるのが難点です。
インスタグラムには、毎日多数の写真や動画が投稿されているため、更新頻度が低くなってしまうとすぐ他の情報に埋もれてしまいます。
そのため、採用候補者の目に留まるように継続的な発信は欠かせません。
インスタグラム広告には、写真や動画の撮影や加工、文章の考案など、想像以上に工数がかかるため、人的リソースの管理が重要になります。
SNS映えする写真・素材の準備が必要になる
インスタグラムは、ビジュアルがメインのSNSであるため、映える写真や素材が不可欠です。
漠然と画像や動画を投稿をするだけでは、ターゲットの興味は引けません。
ターゲットが興味を持ちそうな写真の撮影や加工、素材の作成は、採用担当者が身につけておくべきスキルといえます。
短期間での成果は得にくい
インスタグラムを使用した採用活動は、すぐに効果が出るものではありません。即効性の高さを期待するのではなく、中長期的な視点で成果を見る必要があります。
魅力的な投稿を継続し、自社の認知度を徐々に高めていけば、長期的に見ると求人への応募数向上につながります。
短期間で人材を確保したい場合には、ほかの求人方法を併用することも検討しましょう。
インスタグラム広告の配信セクション4つ
インスタグラムで広告を配信できるセクションは、大きく分けて4つ存在します。
- ストーリーズ
- フィード
- リール
- 発見タブ
それぞれの特徴を詳しく解説するので、参考にしてください。
ストーリーズ
フルスクリーンで表示される投稿のストーリーズ。スマートフォンの画面いっぱいに表示されるため、ユーザーにインパクトを残したいときに活躍します。
また、24時間経つと消えるという特徴があることから、リアルタイムの情報を求めているユーザーに閲覧されやすいです。
フィード
フィードはいわゆるタイムラインのことで、フォローしているユーザーの投稿が表示されます。
アプリを開くとメインに表示される部分であり、インスタグラムにおいて基本となるコンテンツです。
リール
リールは、90秒までの動画を投稿できるセクションです。ストーリーズと同様にフル画面で表示されるので、インパクトの大きさが特徴です。
BGMを変えたり画像を加工したりできるため、エンタメ性の高い動画を投稿できます。
発見タブ
発見タブは、Instagram独自のアルゴリズムによっておすすめの投稿が表示される仕組みです。ユーザーの興味や関心に合わせて、自動的に画像や動画などがサジェストされます。
虫眼鏡アイコンから閲覧できる仕様で、キーワードを入力して検索もできます。
インスタグラム広告の種類6つ
インスタで利用できる広告は、以下6種類です。
- 画像広告
- 動画広告
- ストーリーズ広告
- カルーセル広告
- コレクション広告
- 発見タブ広告
それぞれの特徴について詳しく解説するので、広告の掲載場所を選定する際の参考にしてください。
画像広告
画像広告は、ユーザーのタイムラインに通常投稿される基本の広告です。ストーリーやフィード、発見タブで利用できます。
広告運用を初めてインスタグラムで行うのであれば、最もオーソドックスな画像広告からチャレンジしてみるのがおすすめです。
動画広告
動画広告は、動画とテキストで構成された広告です。画像広告と同じくユーザーのタイムラインに通常投稿として配信されます。
動画は最長で120秒の長さで投稿可能です。ストーリーズやフィード、発見タブ、リールすべてに掲載できるため、相性の良い配信セクションでユーザーにアピールできます。
写真だけでは十分に伝えられない魅力を動きでアピールでき、より複雑な情報を伝えられるのもメリットです。
ストーリーズ広告
ストーリーズ広告は、24時間限定で配信される広告です。フルスクリーンで表示されるため、ユーザーの関心を引きたいときに適しています。
上から下に指をスライドさせると、リンク先へ飛べる仕組みがあるのが特徴です。
ストーリーズは特に若年層が閲覧しやすいコンテンツのため、若い人に向けて自社をアピールしたい企業におすすめです。
カルーセル広告
カルーセル広告は、複数枚の写真や動画をまとめて投稿する広告です。1枚の写真や動画だけでは自社の魅力を伝えきれない場合に適しています。
広告1件に対して最大10件の画像と動画を掲載でき、さらに個別でリンクの配置もできます。
すべての広告を閲覧するためには、ユーザー自身がスワイプする必要があるため、次のページへスワイプしたくなるような広告を作り出すのが重要です。
カルーセル広告はフィードとストーリーズに掲載できます。
コレクション広告
コレクション広告は、アイキャッチとなるメインの画像または動画一つと、複数の小さな写真で訴求するフォーマットが特徴です。上部にアイキャッチがあり、下部の小さな画像を掲載できます。
カルーセル広告のようにスワイプをしなくても複数の画像を見てもらえるため、比較的ユーザーに離脱されにくいというメリットがあります。
コレクション広告は、ストーリーズとフィードに掲載可能です。
発見タブ広告
発見タブ広告は、発見タブ内に配信できる広告です。
発見タブは、ユーザーの関心に合わせたコンテンツが表示されるセクションのため、その業界に関心のあるユーザーにリーチしやすいといえます。
インスタグラム広告の費用目安
インスタグラム広告の費用相場は、課金形態によって異なります。
主な課金形態は、以下の4種類です。
- インプレッション課金
- クリック課金
- 再生数課金
- アプリインストール課金
それぞれの特徴を詳しく解説するので、課金形態を選択する際の参考にしてください。
インプレッション課金
インプレッション課金は、広告が表示された回数に応じて金額が決定する形式です。
広告が1,000回表示された時の平均費用を「CPM(Cost Per Mile)」といいます。費用相場は1,000回表示ごとに500円〜3,000円です。1回表示に換算すると約0.5円~3円となります。
他の課金形態と比較して低価格な点がメリットです。
クリック課金
広告がクリックされた回数に応じて金額が決まるクリック課金。1クリックにかかる平均費用を「CPC(Cost Per Click)」といいます。費用相場は約40円〜100円です。
広告が表示されても、クリックされなければ費用は発生しないのが特徴です。
クリックされるまでは費用が発生しないため、自社に興味があるユーザーのみにコストをかけられます。
再生数課金
再生数課金は、動画の再生数に応じて金額が決定する形式です。動画を10秒以上または最後まで視聴された場合にのみ課金されます。
動画の1再生にかかる平均費用を、「CPV(Cost Per View)」といいます。相場は4円~7円です。
動画をある程度の時間視聴した関心度の高いユーザーに広告費を費やせるのがメリットです。
アプリインストール課金
広告からアプリがインストールされたときに課金される形態のアプリインストール課金。1インストールあたりの平均費用を「CPI(Cost Per Install)」といいます。相場は100円〜250円です。
1件あたりの価格はやや高いですが、アプリがインストールされなければ料金は発生しません。
インスタグラムに求人広告を掲載する方法7ステップ
ここからは、インスタグラムに求人広告を掲載する手順を紹介します。
- Facebookでビジネスアカウントを作成する
- FacebookとInstagramのアカウント連携する
- 広告クリエイティブを用意する
- キャンペーンを作成する
- 広告を入稿する
- 支払い方法を設定する
- 広告を掲載する
ステップ1.Facebookでビジネスアカウントを作成する
インスタグラム広告を出稿する際は、Facebookの広告管理画面を使用します。
Facebookアカウントを作成して、同アカウント内でビジネスアカウントを作成しましょう。
ステップ2.FacebookとInstagramのアカウント連携する
Facebookビジネスアカウントを作成したら、次にFacebookとInstagramのアカウントを連携させます。
【Facebookからの連携手順】
- Facebookアカウントにログインする
- アイコンから「設定とプライバシー」をクリックし、「設定」に進む
- 「アカウントセンター」をクリックする
- 「プロフィール」タブで「アカウントを追加」をクリックする
- Instagramのログイン画面で連携したいInstagramアカウントにログインする
【Instagramからの連携方法】
- Instagramアプリを開き、プロフィール画面の右上にある3本線をタップする
- 表示された画面から歯車の「設定」をタップする
- 「リンク済みアカウント」→「Facebook」の順に選択する
- 連携したいFacebookアカウントでログインする
ステップ3.広告クリエイティブを用意する
広告投稿用のアカウントが完成したら、次に広告を用意します。
インスタグラム広告は「ストーリーズ」「フィード」「リール」「発見タブ」の4つのセクションに配信できます。ターゲットに合わせた広告を作成し、最適なセクションに投稿しましょう。
ステップ4.キャンペーンを作成する
広告を出してどのような成果を得たいのか、広告の目的を定めるためにキャンペーンを設定します。
キャンペーンは、Facebookのビジネスマネージャーの中にある「広告マネージャー」から作成可能です。
配信目的は「認知度アップ」「リンクへの誘導」などから、適したものを選びましょう。
ステップ5.広告を入稿する
広告に必要なのは、画像とテキストのみです。画像とテキストが準備できたら入稿しましょう。
パソコンからでもスマホからでも操作でき、入稿した広告は画面右側に表示されているプレビュー画面で確認できます。
ステップ6.支払い方法を設定する
設定画面の右側にあるメニューから「支払い」をクリックし、支払い方法を選択しましょう。
日本で選択できるインスタグラム広告の決済方法は、以下となります。
【インスタグラム広告の決済方法】
- クレジットカード
- デビットカード
- オンライン銀行振込
- PayPal
ステップ7.広告を掲載する
公開前には、誤字脱字や配信アカウント、リンク先、設定予算、ターゲットなどを確認しましょう。
最終チェックが済んだら「確認して公開」をクリックすれば掲載完了です。
インスタグラム求人広告で成功するポイント
インスタグラム広告の費用対効果を高めるには、以下4つのポイントを意識しましょう。
- ターゲット層を明確にする
- 社内の雰囲気をイメージしやすい投稿を心がける
- 継続的に投稿する
- ハッシュタグを活用する
ターゲット層を明確にする
インスタグラム広告の運用を成功させるには、まずターゲットとなる人物像を定めましょう。
年齢や性別、職業、趣味などを細かく想定することで、よりターゲットの感情をイメージできます。
ターゲットの人物像を正確に捉えながら、写真や動画のテイストや投稿に適した時間帯などを検討しましょう。
社内の雰囲気をイメージしやすい投稿を心がける
自社の雰囲気がリアルに伝わるコンテンツを投稿するのも重要です。
入社後のミスマッチを減らすためにも、通常業務や社員の人柄をありのままに発信しましょう。
見栄を張って脚色した広告は避け、リアルな自社の雰囲気を発信するのが適切です。
継続的に投稿する
ターゲット層に認知されるまでにはある程度の時間がかかるため、継続的に投稿を続けましょう。
インスタグラム求人広告は、即効性が高い手段ではありません。中長期的に目標を定めて継続的に運用するのが重要です。
継続的に写真や動画を投稿することによって、ユーザーのタイムラインにも上がりやすくなります。
ハッシュタグを活用する
ハッシュタグを活用するのも、インスタグラム求人広告を成功させるポイントです。ハッシュタグとは、キーワードの前に打ち込む「#」のことを意味します。
ユーザーはハッシュタグから投稿を検索するため、自社と関連性の高いキーワードを設定すれば、より広告の認知度を高められます。
採用活動する場合は、「#採用」「#インターン」「#中途採用」「#転職」など、関連性のあるキーワードを多く並べると、閲覧数アップが見込めます。
病院やクリニックがインスタグラムで求人広告を出すときの注意点
病院やクリニックがインスタグラムで求人広告を投稿する際には、医療広告ガイドラインの遵守が必須です。
医療広告ガイドラインに違反すると、6ヶ月以下の懲役、または最大30万円の罰則が課される可能性があります。
医療広告ガイドラインで禁止されている内容には、以下のようなものがあります。
【医療広告ガイドラインで禁止されている主な内容】
- 治療内容や治療効果に関する体験談の掲載
- 説明なしの治療前や治療後写真の掲載
- 他の病院と比べて優れていると誤解を与える表現の使用
- 誇大広告や虚偽広告
- 合理的な根拠なく、効果や効能を表示する広告
参照:医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)
また、患者の個人情報の管理も重要です。患者の症例を掲載する場合は、必ず患者の許諾を得て、その記録を残すといった万全な対応をする必要があります。
インスタグラムに求人広告を出す企業事例
ここからが、インスタグラムに求人広告を出している企業の成功例を紹介します。
- 三井住友カード株式会社
- 株式会社メディカルリソース
- 株式会社JALスカイ
三井住友カード株式会社
画像出典:三井住友カード株式会社
三井住友カード株式会社は三井住友フィナンシャルグループの関連会社で、クレジットカード事業に携わる企業です。
三井住友カード株式会社では、インスタグラム求人広告で社内の雰囲気が伝わるような写真や動画を掲載しています。
新卒をターゲットとしているため、年齢が近い1年目社員や若い社員を登場させて、学生が共感しやすいコンテンツになるように工夫しています。
株式会社メディカルリソース
画像出典:薬剤師・薬学生メディア・薬剤師転職ファルマスタッフ
株式会社メディカルリソースは、医療業界人材に特化した転職サポート企業です。薬剤師のための求人サイト「ファルマスタッフ」をインスタグラムで広告しています。
残業少なめや土日休みなどアイキャッチになるワードを用いて、効果的にターゲットにアピールしているのが特徴です。
文章だけでは伝わらない職場の雰囲気まで把握できるような投稿を心がけ、入社後のミスマッチを防止しています。
株式会社JALスカイ
画像出典:JALスカイ採用
株式会社JALスカイは、空港でカウンターからロードオペレーションまでを担うJALグループ企業です。
株式会社JALスカイのインスタグラム広告では、募集内容はもちろん、業務風景や社内イベントなどリアルな情報を掲載しています。
広告以外にもインスタライブなども活用し、より仕事内容を詳しく伝えているのも参考にしたいポイントです。
まとめ:インスタグラムの求人広告で求める人材を獲得しよう
インスタグラム求人広告は、配信セクションや課金方式など種類がさまざまです。それぞれの特徴をしっかり把握することで、効果的な広告の運用が叶います。
この記事を参考にして、自社にとって適切な適切な手段を選び、求める人材の獲得につなげましょう。