「シュライバーとクラークの違いがよくわからない」
「シュライバーやクラークを導入したらメリットがあるの?」
「そもそもシュライバーやクラークの意味を正しく理解できているか不安」
このような疑問を持たれている方はいるでしょう。
そこで本記事では、シュライバーとクラークの違いや導入するメリットなどについて解説していきます。
シュライバーまたはクラークの導入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の内容
シュライバーとは?
シュライバーとは、ドイツ語で「書く人」という意味があり、医療機関で医師のカルテ入力を補助するスタッフです。
病院やクリニックでは、一日に診なければならない患者の数が多い科などで非常に前から登用されていました。現在では、電子カルテが普及し、紙ではなく電子カルテを扱うシュライバーが多くなっています。
以前の紙カルテでは、シュライバーが記入したカルテを医師が確認するという手間がかかっていました。しかし今では電子カルテの普及により、医師とシュライバーが画面を共有しカルテの入力をリアルタイムで確認できるようになっています。
それに加えて、昨今の働き方改革や新型コロナをきっかけとした労働時間の削減や業務の効率化、患者の待ち時間の削減などと相まって、シュライバーの需要が高まってきています。
クラークとは?
クラークとは、医療機関において患者の症状や検査結果、医師の診断といった情報をカルテに入力する職業です。
カルテ入力補助の他にも、診断書などの書類作成や診療データの管理など様々な医療事務に携わることもあります。
クラークもシュライバーと同様に、社会的な流れから大きな総合病院だけでなくクリニックなどからの需要が高まっています。
シュライバーとクラークの違い
結論から言うと、シュライバーとクラークの間に大きな違いはありません。
シュライバーはドイツ語、クラークは英語が由来という違いはありますが、主な役割は医師のカルテ入力の補助であり、ほとんど同義と捉えていいでしょう。
医療機関によって呼び方が色々あり、シュライバーやクラーク、メディカルクラークなどと呼ばれています。
複数人で1人の医師をサポートする場合には、患者の情報(患者の症状や検査結果など)を入力する人をシュライバー、医師の所見(診断や治療計画、処置など)を入力する人をクラークと呼び分けることもあります。
シュライバーやクラークを導入するメリット
シュライバーやクラークを医療機関に導入するメリットは、主に以下の4つです。
- 医師と患者さんが正面を向いてコミュニケーションが取れる
- 対話時間を延ばせる
- 医師の業務負担を減らし効率化を図れる
- 患者の待ち時間を削減できる
ここでは、これらについて一つひとつ解説していきます。
医師と患者さんが正面を向いてコミュニケーションが取れる
大きなメリットの1つは、医師と患者さんが正面を向いてコミュニケーションを取れることです。
医師1人での診察だと、患者と話しながら電子カルテを入力する必要があるため、パソコンを見ながらのコミュニケーションになってしまいます。そこにシュライバーやクラークを導入することで、シュライバーが電子カルテを入力し、医師は患者とのコミュニケーションに集中できるようになるでしょう。
患者目線では、寄り添ってくれていると感じてもらいやすくなります。
対話時間を延ばせる
シュライバーやクラークの導入は、対話時間を延ばすことにもつながります。
補助してくれるシュライバーやクラークがいれば、単純に医師の事務作業の負担が減るだけでなく、作業に割かれていた時間をそのまま対話の時間に充てられます。
患者とより長い時間対話できることで、患者の状態をより詳しく把握できるため、質の高い医療の提供にも寄与するでしょう。
医師の業務負担を減らし効率化を図れる
医師の業務負担を減らし、効率化を図れることも大きなメリットです。
シュライバーやクラークの役割には診察中の電子カルテ入力のサポートはもちろんですが、その他の書類作成やデータ管理といった事務作業も含まれています。
そのため、医師でなくてもできる事務作業を分担することで医師の業務負担を減らすと共に、効率的に業務を進められるようになります。
患者の待ち時間を削減できる
シュライバーやクラークを導入することで、患者の待ち時間を削減できます。
医師による診察とシュライバーやクラークによるカルテ入力を並行して進められるため、これまでカルテの入力にかかっていた時間分だけ診察時間を短縮できます。
患者の待ち時間が削減されれば、待合室での感染やクレームのリスクを抑えられ、患者の満足度向上にもつながるでしょう。
シュライバーやクラークの育成方法
シュライバーやクラークは、経験の量が物をいう職業です。とはいえ、最初は誰もが初心者ですので、未経験スタッフの育成方法を紹介していきます。
育成方法の手順は、大きく分けて以下の4つです。
- 事前に無料タイピングソフトなどを用いてタイピングの練習をしていてもらう
- 医師以外が横でカルテ入力を行えるキーボードや画面を準備する
- 患者の症状と検査や診察から判明した情報を入力していく。最初は、聞いたままを入力してもらう
- 聞いた情報を略語で入力したり、内容を要約して入力できるようにする。医師ごとに入力の仕方に少しずつ違いがあるため、適宜修正していく。
上記の手順が一般的な未経験スタッフの育成方法となっています。ただし、その人の苦手分野やどの科の医師に付くのかなどによって異なるので、一人ひとりに合わせて開始してあげることが大切です。
シュライバーやクラークは経験が重要な職業のため、長く続ける必要があります。長く継続的に働いてもらうためには、まだまだ未熟な段階で厳しく指導しすぎないことがポイントです。
まとめ:シュライバーとクラークの違いを把握して導入を検討しよう
シュライバーやクラークは、呼び方が違うものの、双方に大きな違いはありません。
シュライバーやクラークのサポートを受けた多くの医師は「負担が減って診察が楽になった」「診察が早く終わった」とメリットを実感できるようです。
シュライバーやクラークの導入を考えている方は、教育できる体制を整えつつ、活躍人材を育成しましょう。