求職者に向けて企業の情報を発信して応募につなげる「採用サイト」。求職者に対して必要な情報を与えられる採用サイトがあれば、自社への理解促進が進むため、採用活動をより円滑に進められます。
しかし、一口に採用サイトといってもその制作費用はさまざまです。
どれくらいの費用でどのような内容ができるのか想像するのは、なかなかイメージできないのではないでしょうか。
そこでこの記事では、採用サイト制作の費用相場やその内訳について解説します。おすすめの制作会社も紹介しますので、採用サイト制作を検討する際の参考にしてみてください。
この記事の内容
採用サイトの制作費用ごとの特徴
採用サイトの制作費用は、ページ数やコンテンツの規模などによって異なります。
ここからは、採用サイトの制作費用ごとの特徴について見ていきましょう。
- 無料〜10万円以下
- 10万〜50万円以下
- 50万〜150万円以下
- 150万円以上
無料〜10万円以下の費用で作れる採用サイト
とにかく低コストで採用サイトを作りたいのであれば、10万円以下でも作成できます。
無料〜10万円以下の費用で制作する場合、人材関連企業や制作会社があらかじめ用意したパッケージを使って制作を進めるケースがほとんどです。
テンプレートに画像や文章を挿入すれば簡単に制作できるため、スピード感を重視する場合にも適しています。
一方、多くの場合、作成できるページ数に制限があるのがデメリットです。また、テンプレートを使用するため、デザインにオリジナリティを持たせるのは難しくなります。
10万〜50万円以下の費用で作れる採用サイト
10万〜50万円の価格帯になると、決まったテンプレートに加え、コンテンツの一部にオリジナルのデザインを反映できるようになります。
デザインや構成の自由度が高い採用サイトを作りたい企業におすすめです。
制作会社によっては、ページ数の選択も可能になります。制作できるページ数としては10ページ前後が一般的です。
ただし、この価格帯の場合は、カメラマンやライターを使用する取材費は含まれていないケースが多々あります。そのため、自社での写真撮影や原稿作成など、ある程度の工数を見込んでおきましょう。
50万〜150万円以下の費用で作れる採用サイト
本格的な採用サイトを制作する場合、50万〜150万円以下の価格帯が相場となります。
採用サイトとして、需要の高い社員インタビューや1日の流れなどオリジナルコンテンツも充実させられるのが特徴です。
掲載する写真や文章も、制作会社が取材を経て用意してくれるケースが多く、質の高いコンテンツを組み込めます。
しかし、コンテンツを際限なく増やしてしまうと、費用や制作期間が想定を超えてしまう点には注意が必要です。
事前に目標やコンセプトを明確にして、必要なコンテンツを見極めて制作に臨みましょう。
150万円以上の費用で作れる採用サイト
150万円以上になると、これまで紹介した価格帯の内容にプラスして、採用戦略を含めたコンサルティングも依頼できる相場となります。
採用サイトの作成だけでなく、コンサルティング対応がメインになるので、希望する企業ブランディングを行うためにも業者選定は慎重に行いましょう。
もちろん、採用サイトのページやコンテンツを増やすといった柔軟な対応も可能です。
ただし、採用戦略に応じてサイトをオリジナルデザインで作成するため、デザインテンプレートから選ぶ場合と比べて制作期間は長くかかります。
採用サイト制作の費用内訳
採用サイトの制作を依頼するのであれば、その内訳について理解しておきましょう。
基本的に、採用サイト制作費用は以下の4つから構成されています。
- 企画・ディレクション費用
- デザイン・コーディング費用
- コンテンツ制作費用
- 運用・保守費用
それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
企画・ディレクション費用
企画・ディレクションは、採用サイトの全体図を形づくり、進むべき方向を全体で共有するためのパートです。
自社の強みやアピールポイント、求めるターゲット像など、採用サイトを制作するうえで必要な要素を洗い出して企画します。
洗い出された要素をもとにコンテンツを検討し、サイトの構成やデザインへ落とし込みます。
費用相場は10万〜30万円程度が目安です。サイトの規模が大きくなるほど、費用も上乗せされる傾向にあります。
デザイン・コーディング費用
企画で決まった設計をもとにWeb上に実装していく際に発生する費用です。企画で定めたコンセプトをしっかり反映できるか検討しましょう。
費用は15万〜40万円程度が相場ですが、テンプレートを用いれば費用を抑えることもできます。
コンテンツ制作費用
採用サイト制作にあたって、費用のボリュームに大きく影響するのがコンテンツ制作です。採用サイトはコンテンツの充実度こそが、目的達成に左右します。
企業のオリジナリティや職場の雰囲気を求職者にアピールするために、社員インタビューや社員の業務風景などを積極的に載せる採用サイトも増えています。
動画や記事作成の費用はコンテンツの量や内容に応じて変動しますが、相場としては以下が目安です。
【コンテンツ制作費用の目安】
- 撮影・インタビュー記事作成:5万円〜10万円程度(1本あたり)
- 動画制作:15万円〜30万円程度
運用・保守費用
当然ですが、採用サイトは完成したら終わりではありません。コンテンツの更新やサーバーの保守管理など、継続した管理が必要です。
採用業務に集中したいのであれば、運用保守のタスクを制作会社に委託するのも検討しましょう。
運用・保守を制作会社に依頼する場合の費用相場は3万〜8万円前後で、月額での負担となるケースが多いようです。
採用サイト作成に強い制作会社の費用
ここからは、採用サイト作成におすすめの制作会社とその料金事例を紹介します。
- 株式会社ネオキャリア
- 株式会社hypex
- 株式会社ONE
- 株式会社LIG
- 株式会社ハイファクトリ
株式会社ネオキャリア
費用 | 制作期間 | 備考 | |
スタンダード | 70万円〜 | 1ヶ月半〜 | 取材人数~3名 |
カスタマイズ | 150万円〜 | 2ヶ月半〜 | 取材人数4名〜 |
自由度高く採用サイトを設計できるのが特徴の株式会社ネオキャリア。10,000万社以上の採用を支援してきた実績をもとに、求職者の心に響くクリエイティブな採用サイト制作を実現できます。
また、自社サイトと外部媒体を組み合わせて、自社の採用サイトへ集客を戦略的に行えるのも強みです。
採用サイトの制作だけでなく、選考の負担を軽減する採用アウトソーシングサービスも提供しており、多角的に採用成功をサポートします。
株式会社hypex
費用 | 30万〜60万円:採用LP(1ページのサイト)
80万〜150万円:一般的な採用サイト 150万〜300万円:採用サイト+ブランディング 200万〜500万円以上:採用サイト+オウンドメディア |
企業の採用広報を支援する制作会社で、採用サイトへの集客も同時に支援してくれる株式会社hypex。
デジタルマーケティングと採用支援を融合させた独自のアプローチで、採用サイトを戦略的に企画・提案します。
幅広い価格帯から選んで依頼できるのも魅力で、テンプレートを用いた格安のサイトから、完全オーダーメイドのボリューム感のあるサイトまで対応可能です。
株式会社ONE
費用 | 制作期間 | 備考 | |
テンプレートプラン | 10万円〜 | 約3週間~ | Xwebを使用
別途月額料金などが必要 |
オーダープラン | 100万円~ | 3ヵ月~5ヵ月 | 別途取材費などが必要 |
人材事業を中心に事業展開してきた株式会社ONE。人材事業のプロとして1万社以上の採用をサポートしてきた実績をもとに、求職者の心に響く採用サイト制作を行います。
企画からデザイン、サイト構築までワンストップで提供。さらに、制作後の集客や解析といったアフターフォローも充実しています。
料金プランはテンプレートとオーダーメイドの2種類を用意。簡単なCMSを使った格安プランであれば、初期費用10万円から制作可能です。
株式会社LIG
費用 | 制作期間 | 備考 | |
シングル | 100万円〜 | 2ヶ月〜 | 1ページ程度 |
ベーシック | 500万円〜 | 3ヶ月〜 | 10ページ前後 |
プレミアム | 800万円〜 | 4ヶ月〜 | 20ページ前後 |
Web制作・システム開発会社の株式会社LIGは、年間150サイト以上の制作やリニューアル実績を持ちます。JTBやANAなど有名企業から依頼が多いのも注目ポイントです。
クリエイティブ力と技術力に優れたデザイナーが多数在籍しているのが強みで、毎年複数のWebデザインアワードを受賞しています。
受賞歴に裏付けされたスキルを活かし、訪問した瞬間に惹きつけるWebデザインで自社の魅力をアピールします。
株式会社ハイファクトリ
プラン名 | 費用 | 制作期間 | 備考 |
スタンダード | 98,000円〜 | 1ヶ月半〜 | 取材なし、8ページ程度 |
ゴールド | 298,000円〜 | 2ヶ月〜 | 8〜10ページ程度 |
プラチナ | 778,000円〜 | 3ヶ月〜 | 10ページ程度 |
株式会社ハイファクトリは、採用サイト制作の事業を「採用サイト制作ラボ」として提供しています。
Indeed公式認定パートナーで、IndeedやGoogleしごと検索、求人ボックスにも連携可能。求人検索エンジンの活用を中心に、企業の採用力強化を高めるシステムを展開しています。
料金プランは3つの形態から希望に合わせて選択可能です。最も安いプランは10万以下と、リーズナブルな価格で採用サイトを制作できます。
採用サイトの作成ツールにかかる費用
採用サイトは、作成ツールを用いれば予算を抑えて作成できる場合もあります。ここからは、おすすめの作成ツールとその費用について見ていきましょう。
- 採用係長
- engage
- Airワーク
採用係長
株式会社ネットオンが運営する採用係長は、無料で求人表を作成できるのが特徴です。
無料で使用開始でき、IndeedやGoogleしごと検索などの求人サービスに求人票を掲載できます。
有料プランは、月額19,800円〜59,800円まで4つのプランから選択可能です。有料プランでは、求人票作成無制限やLINEの応募機能などを用意しています。
engage
engageは、エン・ジャパン株式会社が運営する採用支援ツールです。
エン転職や各種SNSとの連携が可能で、求人の掲載から採用に至るまで全て無料で利用できます。
また、IndeedやGoogleしごと検索などの求人サービスに自動で一括掲載できるのも注目ポイントです。
Airワーク
リクルートグループが運営する採用管理ツールのAirワーク。
利用料は無料ながらも、80種類の豊富なテンプレートから、好きなデザインを選択して簡単に採用サイトを制作できます。
採用サイトの制作だけでなく、応募者とのやりとりもAirワークで対応可能です。
採用サイト制作を成功させる5つのポイント
ここからは、採用サイトを制作する際に気をつけたいポイントを5つ紹介します。
- ターゲットを明確にする
- 求職者が求めるコンテンツを充実させる
- 自社の最新情報を更新し続ける
- 求人サイトとの連携を図る
- 実績の多い制作会社に依頼する
採用サイト制作を成功させるためにも、ぜひ確認してみてください。
ターゲットを明確にする
ターゲット設定は、採用サイトを制作する上で極めて重要な要素です。ターゲットとは、自社が採用したい人材を意味します。
自社の採用ターゲットを明確にすることで、ターゲットが魅力を感じて応募したくなるような採用サイトを作成できます。
一方、ターゲット設定が不適切な採用活動は、入社後のミスマッチを引き起こすリスクがあります。ターゲットは、できるだけ詳しく明確に設定しておきましょう。
求職者が求めるコンテンツを充実させる
採用サイト制作の成功を大きく左右するのはコンテンツです。どのようなメッセージを求職者が求めているのかを考慮して、コンテンツの内容を充実させましょう。
たとえば、新卒と中途では、揃えるべき採用コンテンツは大きく変わります。
新卒採用に注力するのであれば、社会人未経験の学生でも安心して業務に取り組める情報を提供できるコンテンツが必要です。具体的には、研修風景や1日の業務フローなどが当てはまります。
一方、中途採用に重きを置くのであれば、自社の市場における実績や資格取得の必要性、給与待遇面など、より踏み込んだ情報を提供しましょう。
制作する側が伝えたいポイントだけでなく、求職者が求めるコンテンツを意識するのが重要です。
自社の最新情報を更新し続ける
採用サイトでは、自社の最新情報を定期的に更新するのも大切なポイントです。
古い情報が載っていると、求職者の混乱を招いてしまいます。採用サイトから正しい情報を取得できずに、そのまま離脱にもつながるため、内容に変更があった際には迅速な対応が必要です。
また、古い応募内容を見て応募した方がいると、現時点での業務内容や待遇などと認識が異なる箇所も出てくるため、トラブルに発展する可能性もあります。
自社内で採用サイトを更新するスキルや時間がない場合は、運用を専門の会社に依頼するのも検討しましょう。
求人サイトとの連携を図る
採用サイトを効果的に運用するためには、求人サイトとの連携も欠かせません。
求人サイトに掲載された情報やWeb広告などを通じて、より多くの求職者からアクセスが期待できるからです。
採用サイトと求人サイトを連携させて、より効率的な採用活動を展開していきましょう。
実績の多い制作会社に依頼する
Webサイトの制作会社は多数存在しますが、会社によって得意分野は異なります。
採用サイトに特化した制作会社であれば、企画やデザイン、サイト構築から運用まで安心して任せられます。
また、採用サイトの制作実績が多い会社であれば、求職者のニーズを熟知しており、戦略的にサイト設計を提案してくれる可能性が高いです。
採用サイトの制作費用を抑えるコツ
採用サイトの制作費用が企業にとって大きな負担となるケースも少なくありません。ただ、予算をあまり用意できなくても、工夫次第で費用を抑えることは可能です。
ここからは、採用サイト制作の費用を抑えるコツを紹介します。
- テンプレートを活用する
- コンテンツを自社で用意する
- 複数の制作会社から見積もりを取る
テンプレートを活用する
すべてオリジナルのデザインで制作するよりも、既存のテンプレートを活用すれば、デザイン費用やコーディング費用を抑えられます。
テンプレートに画像や文章を挿入するだけで、速やかにサイトを立ち上げられるのもメリットです。
最近では、クオリティの高いテンプレートも数多く提供されているため、自社のイメージに合ったデザインを選びやすくなっています。
コンテンツを自社で用意する
費用を抑えながら制作会社に依頼したい場合は、最低限の部分だけ制作を委任し、それ以外は自社で用意しましょう。
具体的には、サイトの開設やデザインなどは制作会社に委託し、画像や動画、記事の原稿などのコンテンツは自社で制作するイメージです。
この方法であれば、各コンテンツの制作費用を大きく抑えられます。
複数の制作会社から見積もりを取る
一社だけでなく、複数の制作会社から見積もりを取って比較検討すると、制作費用を抑えられる可能性が高いです。
同じような内容のサイトでも、制作会社によって費用が大きく異なる場合も多々あります。
相見積もりを取って、よりコストパフォーマンスが高く、最適なサービスを提供してくれる制作会社を選びましょう。
まとめ:採用サイトは費用を比較して目的に合わせて制作しよう
採用サイトの制作費用は、ページ数やコンテンツに応じて大きく異なります。
採用サイト制作の目的を確認したうえで、自社を魅力的に伝えられるコンテンツを選択し、予算に応じた採用サイトを設計しましょう。