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医療安全管理システム(インシデント管理システム)おすすめ10選!導入するメリットを解説

医療安全管理者は院内で起きた医療事故やインシデントを正確に把握し、再発防止、注意喚起に努めなくてはいけません。

インシデントレポートの作成は、日々の忙しい業務の中ではどうしても後回しになってしまう場合もあります。
医療安全管理システム(インシデント管理システム)を導入すれば、そういった課題を解決できる可能性があります。

この記事では医療安全管理システムについての概要、おすすめの医療安全管理システムなどについて紹介していますので、是非参考にしてください。

この記事の内容

医療安全管理システム(インシデント管理システム)とは

医療現場

医療安全管理システムとは「インシデント管理システム」とも呼ばれ、インシデントとは、大きな問題になる可能性がある緊急事態のことを指します。

医療事故やインシデントといった医療トラブルが起こった場合、報告書を作成することが義務付けられています。

医療安全管理システムを使用することで、報告書作成や、レポートの集計、インシテントの発生要因の分析などをサポートしてくれて、スムーズに医療安全に関する業務を進められます。

医療安全に関する課題

医療事故やインシデントへの対応が遅れることは医療現場における大きな課題の一つです。

紙で医療事故のレポートを作成しているとどうしても労力と時間がかかってしまいます。
業務が忙しいと、こういったレポートの作成はどうしても後回しになってしまいがちで、書き直しを要求されればさらに提出が遅れてしまいます。

管理者側もインシデントレポートのチェックを行いますが、レポートの管理方法が煩雑だと、その他の業務も忙しいという状態であれば、レポートを集計して再発防止のための原因追及まで手が回らないという状況になりかねません。

インシデントの対応は無視してはいけないもので、トラブルの再発防止のためにも欠かさず優先的に行うべき事項です。

こういった課題を解決するためにも医療安全管理システムの導入は必要不可欠です。

医療安全管理システム(インシデント管理システム)の主な機能

医療安全管理システムには主に以下の機能があります。

  • 分析サポート
  • 統計作成
  • インシデントレポートの作成や管理

分析サポート

インシデントがなぜ発生したのかという原因を追求し、分析する機能です。
原因がわからなければまた次同じことが起こってしまう可能性があるため、重要な役割を果たします。

医療安全管理システムの中には根本原因分析(RCA分析)が可能なものもあるため、問題の特定から対策を講じ、再発を防止できます。

統計作成

統計作成機能では、報告書の集計や統計の作成を簡単に行えます。検索条件を設定すれば簡単に必要な情報を抽出できます。

部署ごとに統計を集計したり、異なる要素を合わせて集計するクロス集計、リスクレベルごとの集計など、様々な集計・統計をとることが可能で、分析資料の作成が捗り学会発表用や論文作成などにも生かせます

なかには、集計結果をリアルタイムでグラフにできる機能を備えたシステムもあります。

インシデントレポートの作成や管理

医療事故に関するレポートの作成と管理が行える機能もあります。

システム内でテンプレートを作成しておけば、選択式の項目や必須入力項目などを設定でき、レポートの作成に要する時間が大幅に削減できますし、質の高い報告書を作成できることでしょう。

作成したインシデントレポートは適切に管理されているため、今後院内で医療事故が発生したとしても、状況を素早く把握できます。
医療事故の報告状況や、部門長、職場長の確認状況も把握でき、レポートをただ提出するだけで放置、後回しといった状況が起きづらくなります。

医療事故やインシデントをいち早く分析し、院内で注意喚起を徹底できれば再発防止や改善活動が活発となるでしょう。

医療安全管理システム(インシデント管理システム)を導入するメリット

医療安全管理システムを導入することでどういったメリットが生まれるのでしょうか。
具体的には以下の3点が挙げられます。

  • 職員と管理者の業務負担軽減
  • 医療事故やヒヤリハットの再発防止
  • 医療安全意識の向上

職員と管理者の業務負担軽減

インシデントレポートの作成が効率的に行えるようになると、職員の業務負担は大きく軽減されます

それと同時に職場長や医療安全管理者といった管理者側も提出されたレポートを集計したり、分析資料および統計資料の作成が楽にできるようになり、同様に負担が軽減されます。

本来取り組むべきである原因分析、再発防止などの改善活動に集中できるようになり、それぞれ業務負担が軽減されれば他の業務にも集中しやすくなりますし、大きなメリットがあることがわかります。

医療事故やヒヤリハットの再発防止

医療安全管理システムを導入することで、医療事故はもちろん、ヒヤリハット(危なかったけど災害にはならなかった事象)の再発防止にもつながり、インシデントが発生した際に注意喚起がやりやすくなります

先述のインシデント報告を集計して、分析するという業務の流れの先で改善活動を行うこととなります。
改善活動を活発的に行えれば医療事故やヒヤリハットを未然に防ぎやすくなります。
このように、医療安全管理システムを使用すれば、過去のインシデントをすぐに検索でき、新人教育などのインシデント事例として活用できて、注意喚起がしやすくなります。

医療安全意識の向上

インシデントレポートを集めやすくなると、全てのスタッフに良い影響があります。

医療安全管理システムを活用することで、院内のスタッフのうち誰かがインシデント報告を行うと、そこから要因を分析し、PDCAサイクルを回すという流れが出来上がります。
この流れがスタッフの医療安全意識を高めていくことに繋がります。

「インシデント報告をすることは病院全体の質が向上する」ということが浸透すれば、個々のスタッフの間でもインシデント報告が積極的に行われるようになることもメリットの一つです。

医療安全管理システム(インシデント管理システム)を選ぶ際のポイント

上記「医療安全管理システムの主な機能」の項目で紹介した機能は、基本的にどのシステムにも搭載されている機能となっております。

システムを選ぶにあたって、特に意識したいのは以下の4点となります。

  1. 初期費用
  2. 分析機能の精度の高さ
  3. 導入実績
  4. eラーニングの有無

初期費用

病院の規模によってかけられるコストも異なりますし、初期費用は押さえたいという場合には必要のない機能がついているものは候補から除外しましょう。

高性能であればその分費用も高くなりますが、目的と予算に応じて選びましょう。

分析機能の精度の高さ

システムによって分析機能の充実度・精度は大きく異なります。そこでなるべく精度の高い分析機能が搭載されたシステムを選ぶことで、医療安全管理システムを導入する利点をより大きなものにできるでしょう。

FMEA分析(工程分析)を搭載しているシステムもありますし、ここはシステムごとに大きく異なるポイントの一つです。

導入実績

これまでどのような病院で導入されてきたかという実績も選ぶ際に参考にしたいポイントの一つです。
多くの病院で使われているということはそれだけ評価が高いということで、選ぶ指標の一つになります。

導入実績を公開しているメーカーも多いので、公式サイトを確認し、導入実績のページを見てみるとよいでしょう。

eラーニングの有無

eラーニングとは、インターネット上で業務に関しての学習ができるシステムのことで、医療安全管理システムではeラーニングで研修を受けることができるものもあります。

eラーニングを活用すれば、スムーズな研修活動ができるため、毎年多くの新入社員、中途社員を採用している医療機関は特にほしい機能です。

医療安全管理システム(インシデント管理システム)おすすめ10選

ここからは医療安全管理システムのおすすめ10選を紹介します。

表の下に各製品の紹介を記載していますのであわせてご覧ください。(表の製品名をクリックすると、各製品の紹介欄にジャンプします。)

システム名 特長 トライアル
e-Riskn 登録台数無制限 あり
ファントルくん 多次元分析機能 デモサイトあり
医療安全管理システム HoSLM(ホスルム) 自動所見表示によるサポート 要お問い合わせ
Smart Risk Manager 長年の取り組みと実績 要お問い合わせ
Safe Master(セーフマスター) 国内トップ350病院以上で採用 デモあり
HOPE インシデントレポートシステム 必須項目、選択肢入力式 要お問い合わせ
ePower/CLIP(イーパワー/クリップ) 「ImSAFER(アイエム セーファー)」を用いた分析 要お問い合わせ
e3incident インシデントレポート管理システム メール操作をイメージした画面構成 要お問い合わせ
Iras next+(アイラスネクストプラス) eラーニング機能標準装備 デモあり
メディカルリスクブロック クラウド型でサーバー不要 要お問い合わせ

e-Riskn|株式会社南日本情報処理センター

e-Riskn

出典:株式会社南日本情報処理センター

主な機能 わかりやすいレポートの作成・承認依頼機能
ワンクリックで表示される統計・グラフ作成機能
PDCAサイクル確立を支援する業務改善計画書機能
研修の出欠管理機能
特長 登録台数無制限
導入実績 医療法人七徳会 大井病院
高梁市国民健康保険成羽病院
ほか
トライアル デモあり
公式ホームページ https://e-riskn.com/

医療安全管理者の業務全てを支援する」というコンセプトのもと、インシデントの効率的な収集と、管理者の業務負担軽減という2つの目標を達成し、働き方改革、医療安全の推進に貢献するシステムです。

パソコン操作に不慣れな人でもわかりやすい構造で誰でも扱いやすく、統計の作成も可能。抽出の溜めの検索条件は細かく設定できます。

院内にあるパソコンであれば無制限にアカウントを登録でき、インストールなしで簡単に利用できます。
さらにスマートフォンやタブレットからもアクセスが可能です。

公式サイトを見る

ファントルくん|株式会社メディシステムソリューション

ファントルくん

出典:株式会社メディシステムソリューション

主な機能 分析支援機能
レポート作成サポート機能
ほか
特長 多次元分析機能
導入実績 医療法人雄心会 函館新都市病院
国家公務員共済組合連合会 横須賀共済病院
ほか
トライアル デモサイトあり
公式ホームページ https://medi-system.co.jp/fantol/

多次元分析機能を搭載しており、インシデント報告書を作成し、「対応し、分析し、改善する」ことで、院内の医療安全への意識向上へつなげます。

見通しのよい画面構成になっていて、直感的に操作が可能です。入力は数分で完了し、入力した報告書のデータはすぐに管理者へ届きます。
管理者側も待たされることが無くなり業務効率が向上、一連の流れがよりスムーズになります。

RCA(根本分析)の機能もあり、時系列で並んだデータの出来事流れ図のフロー図作成も可能です。

公式サイトを見る

医療安全管理システム HoSLM(ホスルム)|キーウェアソリューションズ株式会社

HOLMS

出典:キーウェアソリューションズ株式会社

主な機能 モニタリング機能
比較分析機能
自動所見表示
ほか
特長 自動所見表示によるサポート
導入実績 戸田中央総合病院
トライアル 要お問い合わせ
公式ホームページ https://www.keyware.co.jp/products_solution/search/medical/hoslm.html

長年行われてきた医療安全管理の研究に基づき開発されたシステムで、様々な機能が搭載されています。

医療安全管理水準、介入効果などによって、長年研究されてきた知見から構成された分析の自動所見が表示されて、医療安全管理者の評価などを補助してくれます。
この自動所見はHoSLM(ホスルム)独自の機能です。

他メーカーの医療安全管理システムと併用もでき、他のシステムを補完する形で使用することもできます。

公式サイトを見る

Smart Risk Manager|株式会社テクニカルイン長野

smartrisk

出典:株式会社テクニカルイン長野

主な機能 インシデント要因分析ツール
改善対策コメント機能
集計・グラフ表示機能
eラーニングシステム搭載
ほか
特長 長年の取り組みと実績
導入実績 宝塚市病院事業 宝塚市立病院
社会医療法人共愛会 戸畑共立病院/戸畑リハビリテーション病院
トライアル 要お問い合わせ
公式ホームページ https://www.tin-nagano.co.jp/srm/

長年の取り組みと実績を武器に、多くの病院に採用されている信頼性の高い医療安全管理システムです。
比較的低予算で導入することができ、導入後も充実したサポートを受けられます。

インシデント要因分析機能や、集計・グラフ表示機能、充実したレポート管理機能など、多くの機能がありますが、あらゆる病院の運用に対応できるよう、柔軟なシステム設計となっています。

オプション機能も充実しており、他のシステムでは満足できなかったという医療機関様におすすめです。

公式サイトを見る

Safe Master(セーフマスター)|株式会社セーフマスター

safemaster

出典:株式会社セーフマスター

主な機能 インシデントレポートの作成・報告
通知・差戻し・転送管理
FMEA分析
RCA
ほか
特長 国内トップの350以上の病院で採用された実績
導入実績 鹿児島市医師会病院
社会医療法人河北医療財団 河北総合病院
トライアル デモあり
公式ホームページ http://www.safemaster.jp/incident-system/

国内トップシェアの350以上の病院で採用された実績を持つシステムです。

「医療の質と安全の向上」を実現するためには、インシデント収集や分析だけで終わらず、情報共有や改善対策に講じる必要があり、Safe Masterではそれをスピーディに進めていくことができます。

また、国内で初めてFMEA分析の機能を搭載した医療安全管理システムで、高リスク業務のリスク分析ができるようになっています。そのほか、RCA、4M5E(4M4E)・VTA・SHEL、KYTも搭載しています。

公式サイトを見る

HOPE インシデントレポートシステム|FUJITELECOM

HOPE

出典:FUJITELECOM

主な機能 報告書作成・管理機能
ToDoリスト作成/閲覧機能
データ抽出機能とExcel連携
e-learningアンケート機能(オプション)
ほか
特長 必須項目、選択肢入力式
導入実績 順天堂大学医学部付属練間病院
トライアル 要お問い合わせ
公式ホームページ https://www.fujitelecom.co.jp/package/report/

スピーディにインシデント報告書の作成から承認までを行うシステムです。

報告書の作成に時間がかかっていた、紙で回覧しており手作業で手間が増える、インシデントの可視化をしたい、といった課題をすべて解決できます。

必須項目、選択肢入力式で進行するため、報告内容がスタッフによってバラつきがでないようになっており、誰でも簡単に正確な報告書が作成可能です。

作成した報告データは件数の集計、データ抽出、グラフでの表示など詳細な分析にも使用できるようになります。

公式サイトを見る

ePower/CLIP(イーパワー/クリップ)|株式会社NSD

Clip

出典:株式会社NSD

主な機能 インシデントレポート集約機能
統計分析プログラム
レポート詳細分析プログラム
eラーニング機能(オプション)
ほか
特長 「ImSAFER(アイエム セーファー)」を用いた分析
導入実績 自治医科大学附属病院
大阪赤十字病院
久留米大学病院
ほか
トライアル 要お問い合わせ
公式ホームページ https://www.products.nsd.co.jp/service/epower-clip/index.html

インシデントの報告者(従業員・スタッフ)及び医療安全管理者(リスクマネージャー)の業務負担の軽減を実現するシステムです。

医療従事者の忙しい業務の中でも簡単に短時間でレポート作成が可能で、経験が浅いスタッフでもインシテント報告ができるよう工夫された設計となっています。

厚生労働省の医療安全推進ネットワーク事業で使用される報告項目に準拠し、事故発生までの経過を入力でき、「ImSAFER(アイエム セーファー)」を用いた分析は、業務改善プロセス(PDCA)をサポートしてくれます。

公式サイトを見る

e3incident インシデントレポート管理システム|株式会社システムリサーチ

e3incident

出典:株式会社システムリサーチ

主な機能 統計・集計分析機能
RCA分析機能
ほか
特長 メール操作をイメージした画面構成
導入実績
トライアル 要お問い合わせ
公式ホームページ https://www.sr-co.co.jp/products/1/4.html

インシデントレポートの作成・管理・分析と3つのプロセスでサポートをするシステムです。

メール操作をイメージした画面構成となっており、他とは一風変わったデザインとなっています。
インシデントレポートが提出されれば通知があり、差戻し、承認状況も簡単に把握できるためパソコンに不慣れなスタッフでも扱いやすいです。

RCA分析の機能もありますが複雑なものではなく、出来事流れ図のボックスをマウスで簡単に作成可能です。
集計結果はCSVやPDFでの出力も可能で、記録として残しやすいのもうれしいポイント。

公式サイトを見る

Iras next+(アイラスネクストプラス)|ワールドビジネスセンター株式会社

Iras

出典:ワールドビジネスセンター株式会社

主な機能 検索機能
データ集計機能
分析サポート機能
eラーニング機能
ほか
特長 eラーニング機能標準装備
導入実績
トライアル デモあり
公式ホームページ https://www.wbc.co.jp/products/medical-iras

非常に多くの機能を有しているシステムで、詳細な条件を指定できる検索機能、データ集計に、様々な分析方法を搭載した分析サポート機能など、多種多様に扱えます。

eラーニング機能もあり、施設内で閲覧可能な文書や教材等をアップロードし、受講管理ができ研修に役立ちます。
インシデントレポートの管理による業務効率化だけではなく、新人教育にも使えて幅広い運用が可能です。

グループ病院などの複数施設にも対応しており、規模の大きな病院でも問題なく導入が可能です。

公式サイトを見る

メディカルリスクブロック|スキルインフォメーションズ株式会社

medical

出典:スキルインフォメーションズ株式会社

主な機能 充実の分析支援機能
eラーニングシステム搭載
患者相談支援機能(オプション)
特長 クラウド型でサーバー不要
導入実績 医療法人社団 薫英の会 久野病院
トライアル 要お問い合わせ
公式ホームページ https://xn--15q47bi0n2z2a.com/

クラウド型のシステムでサーバー不要で利用できるシステムです。

報告項目や選択肢、表示・非表示の設定、リスクレベルなどを独自で登録項目を設定できる自由度の高さが魅力です。
チェック入力式でレポート作成をする設計なので、簡単にレポートが作成でき、業務の負担を軽減できます。

業界最安値クラスの価格設定も魅力で、低予算で導入が可能、初期構築費用も30万円以下と比較的安価となっています。

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まとめ:医療安全管理システム(インシデント管理システム)を上手く活用して、スタッフと医療安全管理者それぞれの負担を軽減しよう

医療安全管理システムは医療事故が起こった際のレポートの作成から集計、管理までを一括で行うことができ、スタッフと医療安全管理者の業務負担が軽くなることが期待されるため、是非とも導入したいシステムです。

パソコン操作が苦手だ、という人向けにも画面構成は簡単なものが多くなっていますし、病院全体の安全意識の向上、活性化のためにも導入を検討してみてはいかがでしょうか。

医療安全管理システムはそれぞれのシステムによって様々な機能がありますが、実際にデモで使用感を確かめたうえで選定していくようにしましょう。