「ERPが気になっているけど、医療機関が導入するメリットを知りたい……」
「ERPを導入する際にどのような点を意識して選べばよいか知りたい……」
このような疑問を抱えていませんか。
ERPは、エンタープライズ・リソース・プランニングの略称で、企業や病院全体の物や人などを経営資源を一元管理・最適化するための仕組み・ソフトウェアを指します。
さまざまな情報を一元管理できるため、データの二重入力や、情報共有ミスなどの発生を抑えることが可能です。
一方で、ERPは数百万円を超えるシステムが多く、導入コストが高いです。また、適当に選んでしまうと、業務フローに合わず、導入後に後悔してしまう可能性があります。
そこで、本記事では、ERPとはどのようなものか、医療業界での役割や主な機能などを解説します。
導入するメリットや、医療機関向けERPの選び方も紹介しているので、参考にしてみてください。
この記事の内容
ERPとは?医療業界での役割
ERPは、人や物、お金・情報などの経営資源を一元管理するシステムです。
医療業界での役割は、病院やクリニックが持つ多くの業務や資源を一つのシステムでつなげていくことです。
病院も企業と同じように、人や医療機器・薬品などの物、診療データなどの情報を管理する必要があります。
たとえば、新型コロナのような緊急事態時には、物品やスタッフの状況を即座に把握できるでしょう。
ほかにも、手術室や検査部門などのスケジュール管理を自動化できます。
さまざまな業務の効率化や管理ができるため、医療業界にERPの導入はおすすめです。
医療機関で活躍するERPの主な機能
医療機関で活躍するERPの主な機能は、以下の4つがあげられます。
- 患者データと診療情報の統合
- 病院経営に役立つ財務管理
- 医薬品や医療機器の在庫管理
- 医療法や個人情報保護法などの規制遵守に役立つセキュリティ機能
それぞれの機能について解説します。
患者データと診療情報の統合
ERPを活用すると、患者のデータや診療情報を一元管理でき、医療の質を高められます。
たとえば、診察履歴や検査結果、処方情報を統合管理することが可能です。
これまでの血液・画像検査などの検査結果や、薬の処方履歴が1画面で確認できるため、医師が適切な判断を行いやすいでしょう。
また、受付から診療準備、会計までの業務をスムーズに進められます。
病院経営に役立つ財務管理
ERPは、病院経営に役立つ財務管理機能が備わっています。
病院全体の経営状況を可視化し、収支のバランス改善を図りやすいでしょう。
たとえば、診療報酬や患者の自己負担額、外注検査費などを一元管理し、黒字と赤字の部門を把握できます。
ほかにも、診療科ごとの利益分析が可能で、コストがかかりすぎている部分を分析することが可能です。
経営状況を把握したい方は、ERPの導入がおすすめです。
医薬品や医療機器の在庫管理
ERPは、医薬品や医療機器の在庫管理などの機能が搭載されています。
在庫切れや過剰在庫を防ぎ、コストと業務の最適化を図れます。
たとえば、薬剤部で残りが少ない薬剤がある場合は、通知が出て自動で発注することも可能です。
ほかにも、期限切れや使用期限管理ができるため、ミスを事前に防ぎやすいでしょう。
医療法や個人情報保護法などの規制遵守に役立つセキュリティ機能
ERPは、患者情報の漏洩防止や、法的リスクの回避ができます。
アクセス権限の厳格な設定や、操作ログの記録、データの暗号化やバックアップまで可能です。
たとえば、誰がいつどの患者のデータにアクセスしたか自動で記録し、万が一のときに追跡できます。
医療業界がERPを導入するメリット
医療業界がERPを導入するメリットは、7つあります。
- 業務の一元管理がしやすくなる
- 人的ミスの削減が図れる
- コスト削減が期待できる
- データ活用による経営改善が図れる
- コンプライアンス対応・監査対応の強化が期待できる
- 患者へのサービスの質を向上できる
- ITシステム統合による運用負担を軽減できる
それぞれのメリットについて解説します。
業務の一元管理がしやすくなる
ERPを導入すると、業務の一元管理がしやすくなります。
部署ごとにバラバラだった業務情報を、一つのシステムで一元管理できるようになります。
たとえば、ERPを導入すると、受付や診療、検査・会計までERP上で連動することが可能です。
また、医師や看護師が患者情報を確認した際に、検査データや薬の処方履歴まで一つの画面で確認できます。
業務をスムーズに進められるほか、部門間の連携も向上できます。
人的ミスの削減が図れる
ERPを導入すると、人的ミスの削減が図れるでしょう。
手入力や伝達ミスが減り、情報の整合性を保てるようになります。
たとえば、患者の処方データが自動で薬剤部に共有されるため、薬の渡し間違いなどを防止できるでしょう。
また、勤務シフトを自動作成され、二重登録や抜け忘れを防止できます。
医療事故のリスクを大幅に軽減できるため、人的ミスの削減を図りたい方におすすめです。
コスト削減が期待できる
ERPは、業務の効率化や在庫管理の最適化により、不要な支出をカットできます。
たとえば、期限切れ寸前の薬剤を優先的に使うように自動通知することが可能です。
ほかにも、在庫数に応じて自動発注が可能で、過剰在庫を防止できます。
コスト削減を図りたい方は、ERPの導入が向いているでしょう。
データ活用による経営改善が図れる
ERPは、データ活用による経営改善が図れる点がメリットです。
リアルタイムに集まるデータをもとに、経営判断や戦略立案時に役立ちます。
たとえば、診療科ごとの収益分析を行い、赤字部門の原因特定や対策が可能です。
ほかにも、患者の来院データから混雑時間帯を把握し、スタッフの配置を最適化できます。
データに基づいた意思決定ができる点が大きな強みといえるでしょう。
コンプライアンス対応・監査対応の強化が期待できる
ERPは、コンプライアンス対応や、監査対応の強化が期待できます。
個人情報保護法や医療法など、法令遵守や監査に強い耐性を作れます。
具体的には、誰がいつどのデータにアクセスをしたのか、ログ管理を記録できるため、トラブルがあった際に対応しやすいでしょう。
また、アクセス権を職種ごとに細かく制御できるので、不正アクセスも防止できます。
法的リスクの低減と、スムーズな監査対応が可能な点が魅力です。
患者へのサービスの質を向上できる
ERPを導入するメリットは、患者へのサービスの質を向上できる点があげられます。
情報の一元化により、患者ごとにきめ細やかな医療サービスを提供できます。
たとえば、過去の診療歴をもとに、医師がより的確な治療方針を立案できます。
ほかにも、検査結果や会計処理が迅速になり、待ち時間が短縮されやすいです。
ITシステム統合による運用負担を軽減できる
ERPは、ITシステムの統合によって運用負担を軽減できるでしょう。
複数の業務システムを1つに統合することで、運用・保守の手間が減ります。
たとえば、会計や人事、在庫管理などをERPで1本化でき、別々のシステム更新やサポート契約が不要です。
システム管理コストの削減や、運用効率の向上が期待できます。
医療機関向けERPの選び方
医療機関向けERPを選ぶ際に意識したいポイントは、7つあります。
- 医療業界に特化しているか
- 医療業務をカバーできるか
- ほかシステムとの連携性が高いか
- セキュリティが高く法令遵守に対応しているか
- 費用対効果が期待できるか
- サポート体制と導入実績
- クラウド型・オンプレミス型
それぞれのポイントについて解説します。
医療業界に特化しているか
ERPを選ぶ際には、医療業界に特化しているかを確認しましょう。
医療業界は独自の業務や制度、用語があり、医療に特化していないと実務に合わず運用が難しくなります。
たとえば、診療報酬制度やレセプト請求に対応しているか、医療現場のワークフローに合わせた画面設計になっているかなどを確認しましょう。
専門性の高いERPであれば、現場スタッフも使いやすく、導入もスムーズに進みやすいです。
医療業務をカバーできるか
ERPを選ぶ際には、医療業務をカバーできるか確認しましょう。
病院の運営には、診療だけでなく、人事や財務、在庫管理・施設管理など多岐にわたる業務があります。
具体的には、看護師のシフト作成や医師の勤務管理、手術室・病床の利用状況・予約管理などをする必要があります。
どの業務までERPで一元化できるかを確認しておくと、自院に合っているか判断しやすいでしょう。
ほかシステムとの連携性が高いか
ERPを選ぶ際には、ほかのシステムとの連携性にも注目しましょう。
なかでも、電子カルテやレセコンなど、既存の医療系システムと連携できるかを確認するのがおすすめです。
電子カルテからデータを自動で取り込み、患者情報や診療データをERPと連携できると良いでしょう。
ほかにも、会計ソフトと連携できると、診療報酬を自動で仕分・記帳ができます。
連携性が高いと、データのニ重入力や情報の断絶を防ぐことが可能です。
セキュリティが高く法令遵守に対応しているか
ERPを選ぶ際には、セキュリティが高く法令遵守に対応しているか確認しましょう。
患者情報を扱うため、個人情報保護法や医療法に対応した高いセキュリティ対策が不可欠です。
たとえば、アクセス権限の細かい設定ができたり、操作ログの記録ができたりするかをチェックすると良いでしょう。
法令遵守・コンプライアンスに強いと、監査やトラブルにも対応しやすいです。
費用対効果が期待できるか
費用対効果が期待できるかは、ERPの費用対効果が期待できるかを確認しましょう。
ERPは性能が優れている反面、初期費用が高額です。
また、初期費用だけでなく、月額費用が発生するシステムが多く、費用に見合うだけの業務効率や経営改善効果が期待できるかを見極めましょう。
ERPによって人件費が削減できるか、ミス防止や業務スピードの向上で患者の回転率が上がるかなどを考えるのがおすすめです。
安いだけでなく、投資に対する効果が見込めるかが重要になります。
サポート体制と導入実績
ERPを選ぶ際には、サポート体制と導入実績を確認しましょう。
たとえば、導入実績が豊富であれば、さまざまなケースに対応しているため、導入実績のノウハウを活かしてスムーズな運用サポートを受けられるでしょう。
なかでも、医療機関への導入実績が多いか、現場の声を反映した改善・アップデートが行われているか確認するのがおすすめです。
実績のあるERPであれば、医療現場の課題にも慣れており、安心して任せられるでしょう。
クラウド型・オンプレミス型
ERPは、クラウド型とオンプレミス型があります。
クラウド型は、初期費用を抑えることが可能で、拡張性に優れているなどの特徴があります。
一方、オンプレミス型は、導入コストが高いですが自社で厳密にセキュリティを管理できるほか点が魅力です。
中小規模のクリニックはクラウド型、大規模病院や毒運用が必要な施設は、オンプレミス型を選ぶと良いでしょう。
医療機関におすすめのERP10選
次は、医療機関におすすめのERPを10選ご紹介します。
GRANDIT
運用会社 | インフォコム株式会社 |
---|---|
費用 | 要問合せ |
特徴 | ・1,500社以上の導入実績を持つ ・会計や調達在庫、人事給与などを一元管理できる ・業務に合わせたカスタマイズが可能 |
公式サイト | https://www.grandit.jp/ |
GRANDITは、これまで1,500社以上の導入実績を持つERPサービスです。
完全WebベースのERPとなっており、さまざまな業種に対応しています。
医療業界の導入実績もあり、業務に合わせたカスタマイズが可能です。
たとえば、複雑な会計処理や購買管理にも対応しているため、業務負担の削減を図れるでしょう。
拡張性の高いERPを探している方におすすめです。
マネーフォワード クラウドERP
運用会社 | 株式会社マネーフォワード |
---|---|
費用 | 要問合せ |
特徴 | ・面倒な手作業を自動化可能 ・必要なシステムから導入できる ・電子帳簿保存法などの法体制にも対応 |
公式サイト | https://biz.moneyforward.com/erp/ |
マネーフォワード クラウドERPは、面倒な手作業を自動化したい方にもおすすめのクラウド型ERPです。
状況や要望を伝えることにより、導入支援プランを選べるほか、専任の担当者が丁寧にサポートしてくれます。
また、必要なシステムから導入できるので、費用負担を抑えやすいでしょう。
電子帳簿保存法やインボイス制度などの法体制にも対応している点も魅力です。
会計業務の負担削減や、内部統制強化を図りたい方におすすめです。
SAP S/4HANA Cloud
運用会社 | SAPジャパン |
---|---|
費用 | 要問合せ |
特徴 | ・経理や財務などの情報を一元管理化 ・複数拠点・部門の統合管理に強い ・サポート体制が整っている |
公式サイト | https://www.sap.com/japan/products/erp/s4hana.html |
SAP S/4HANA Cloudは、経理や財務などの業務を一元管理したい方におすすめです。
複数拠点や部門の統合管理に強みがあり、大規模医療法人や病院グループに向いています。
生成AIによるリアルタイムデータと予測分析により、経営方針・戦略立案を立てやすいでしょう。
また、デモ機能も備わっているため、実際に使用してみてから導入するか検討できる点も魅力です。
アラジンオフィス
運用会社 | 株式会社アイル |
---|---|
費用 | 要問合せ |
特徴 | ・5,000社以上の導入実績を持つ ・医療機器の販売管理や在庫管理に対応 ・業務にあったシンプルな導入が可能 |
公式サイト | https://www.aladdin-office.jp/ |
アラジンオフィスは、5,000社以上の導入実績を持つクラウド型の中小企業向けERPです。
医療機器の販売管理や在庫管理にも対応しており、業務にあったシンプルな導入が可能です。
医療消耗品や機器の在庫、発注業務などを効率化したい方に向いているでしょう。
また、業種ごとに合わせたカスタマイズが可能で、業務の負担削減したいポイントを伝えるとカスタマイズしてもらえます。
さらに、導入前から導入後まで安心のフォロー体制が整っており、導入後も操作指導だけでなく稼働判定や課題管理も対応してくれます。
ZAC
運用会社 | 株式会社オロ |
---|---|
費用 | 初期費用:10万円 月額費用:要問い合わせ |
特徴 | ・1,000社が導入 ・内部統制の強化や業務の効率化を図りやすい ・プロジェクトの進行に長けている |
公式サイト | https://www.oro.com/zac/ |
ZACは、病院内の情報システム部門や、IT導入プロジェクトなどにおすすめです。
工数や原価、スケジュールの管理に強く、プロジェクトの見える化ができます。
また、勤怠・工数管理や経費管理、在庫管理など必要な機能と利用人数をピックアップして導入できます。
費用を無駄なく利用できるほか、契約後もライセンスの拡張や縮小を自由に変更することが可能です。
さらに、必要なデータの一元管理や、転記・二重入力による抜け漏れやミスを減らせるでしょう。
Plaza-i
運用会社 | 株式会社ビジネス・アソシエイツ |
---|---|
費用 | 要問い合わせ |
特徴 | ・多言語・多通貨対応 ・経理や在庫・契約管理を一つの画面で管理できる ・開発元のコンサルタントが導入サポート |
公式サイト | https://corp.ba-net.co.jp/ |
Plaza-iは、経理や在庫管理・契約管理を一つの画面で管理できるERPです。
たとえば、医療消耗品をどの企業と契約しているのかや、在庫状況を一元管理できるため、発注業務などをスムーズに行えます。
また、ユーザー管理や自動仕訳機能も備わっているので、人事や経理の業務負担も削減を図れるでしょう。
さらに、多言語・多通貨にも対応しており、海外とのやり取りもスムーズに一元化できます。
奉行V ERP
運用会社 | 株式会社オービックビジネスコンサルタント |
---|---|
費用 | 要問い合わせ |
特徴 | ・1,600社以上が導入 ・さまざまなシステムと連携可能 ・SaaS型でデータ保全などの手間から解放 |
公式サイト | https://www.obc.co.jp/bugyo-v |
奉行V ERPは、500名以上の職員がいる中規模総合病院などにおすすめのERPです。
人事や給与、労務などの管理が得意で、業務負担の軽減と人的ミスの削減が図れます。
また、電子申請やマイナンバー管理も対応しており、法令遵守にも強いです。
さらに、SaaS型のERPになるため、アップロードやデータ保存などの手間から開放されます。
セキュリティ対策やサーバー運用管理など、最新の業務環境で作業が行える点が強みです。
Microsoft Dynamics 365 Business Central
運用会社 | 株式会社ネットプロ |
---|---|
費用 | 10,494円~/月額 |
特徴 | ・Office製品との連携が抜群 ・直感的な操作で親しみやすい ・資料作成業務やデータ分析業務の負担を軽減 |
公式サイト | https://www.365bc.jp/ |
Microsoft Dynamics 365 Business Centralは、事務作業などにOffice製品を利用している医療機関におすすめです。
ExcelやWordなどのOffice製品との連携性が抜群で、直感的な操作でスムーズに情報の一元管理ができます。
また、リアルタイム売上分析や財務分析に加え、グラフ・チャートをカスタマイズ可能です。
経営状況の可視化が行えるため、経営戦略を練りたいときに役立ちます。
さらに、マルチデバイスに対応しており、PC・タブレット・スマホのあらゆるデバイスからいつでもアクセスできます。
Reforma PSA
運用会社 | 株式会社オロ |
---|---|
費用 | 要問い合わせ |
特徴 | ・450社以上に導入されている ・経費や勤怠管理の一元化に長けている ・システム内外の申請・管理業務の手間を削減 |
公式サイト | https://www.oro.com/reforma-psa/ |
Reforma PSAは、経費や勤怠管理の一元化に長けているERPです。
450社以上に導入されており、さまざまな業務負担を削減しています。
各診療科や部署ごとの人件費、稼働率・利益率などを見える化できる点が強みです。
またシステム内外の申請・管理業務の手間を削減できるため、事務スタッフの業務負担を削減したい方にも向いています。
さまざまな集計軸の経営レポートをワンクリックで出力できるため、経営戦略を練るためにレポート作成業務の負担も削減可能です。
SAP Business One
運用会社 | SAPジャパン |
---|---|
費用 | 要問い合わせ |
特徴 | ・複数の診療科にも柔軟に対応 ・必要な機能だけに絞ることが可能 ・統合レポートを簡単に作成可能 |
公式サイト | https://www.sap.com/japan/products/erp/business-one.html |
SAP Business Oneは、複数の診療科がある中規模クリニックにおすすめです。
必要な機能だけに絞ることが可能で、業務負担の軽減や生産性の向上を図りたい部署に役立つ機能を導入できます。
たとえば、財務管理業務では、会計プロセスの処理を自動化したり、銀行業務との照合を迅速に処理してくれたりできます。
在庫管理では、倉庫と会計の統合をリアルタイムで行い、発注や買掛金請求書を自動で作成することも可能です。
また、さまざまなレポートを作成できるため、経営戦略を練りやすいでしょう。
日本の医療機関におけるERP導入成功事例
日本の医療機関におけるERP導入の成功事例は、以下の3社があげられます。
- 医療法人社団 一心会 初富保健病院
- 医療法人爽神堂 七山病院
- 医療法人社団こうかん会 日本鋼管病院
それぞれの事例を解説します。
医療法人社団 一心会 初富保健病院
医療法人社団 一心会 初富保健病院は、医療・看護・介護スタッフ間の情報共有をスムーズにし、業務負担の軽減を図る目的でERPを導入しています。
ERPを導入することで、院内の各ポジションの情報共有がスムーズにできただけでなく、手書きの記録業務の電子化や、業務負担を大幅に軽減できています。
また、バーコード3点認証による事故防止策に寄り、安全対策の強化が図れている状態です。
今まで以上に患者とのコミュニケーションに時間を使えるようになっているため、大きなメリットがあるといえるでしょう。
参照:大塚商会
医療法人爽神堂 七山病院
医療法人爽神堂 七山病院は、医療法人における人事管理の業務効率化を図る目的でERPを導入しています。
ERPを導入することにより、人事情報を一元管理でき、情報管理にかかる負担を減らしたことで、人事部門職員の事務作業時間を短縮できています。
また、過去の考課履歴や等級の在級期間をシステムで管理し、昇格者の抽出の手間が激減している状態です。
職員の人事情報管理にかかる負担が減り、各種情報の検索の効率化が図れているため、人事業務に悩みを抱えている医療機関にもERPは向いているでしょう。
参照:GRANDIT
医療法人社団こうかん会 日本鋼管病院
医療法人社団こうかん会 日本鋼管病院は、KPIの見える化や、レポート作成にかかっていた時間の短縮のために、ERPを導入しています。
KPIを院内のスタッフ全員が毎日見える状態にすることで、病院経営に対する意識向上が図れています。
また、Excelで毎日1~2時間かかっていたレポート作成が、工数をゼロにでき、業務負担削減を実現している状態です。
本来の業務に集中できているため、レポート作成に時間がかかっている医療機関にもERPはおすすめといえるでしょう。
参照:WingArc1st
まとめ:医療機関はERPの導入がおすすめ
医療機関は、さまざまな一元管理ができるため、ERPの導入がおすすめです。
ただし、医療業界は独自の業務や制度、用語があるため、医療に特化しているERPを導入する必要があります。
人的ミスの削減やコスト削減などが期待できるので、少しでも負担を減らしたい・生産性を向上させたい方は、本記事でご紹介したERPをチェックしてみてください。