「電子カルテの耐用年数は何年なのか?」
「買い替えの必要ない電子カルテはないのか?」
このような疑問をお持ちの方も少なくないはずです。
一般的な電子カルテは初期費用が高いため、耐用年数が短い場合は導入をためらってしまいますよね。
そこで、この記事では電子カルテの耐用年数や買い替えの必要ない電子カルテについて解説します。
ぜひ最後までチェックしてみてください。
この記事の内容
電子カルテの法定耐用年数は5年
ここでは、電子カルテの法定耐用年数について解説します。
利用目的によって耐用年数が変わるので、確認してみてください。
電子カルテの法定耐用年数
電子カルテはソフトウェアであり、減価償却資産に該当します。
減価償却資産の法定耐用年数は、利用目的によって3年または5年とされています。
具体的には以下の通りです。
- 「複写して販売するための原本」または「研究開発用のもの」:3年
- 「その他のもの」:5年
通常の業務で使用する電子カルテは「その他のもの」に属するため、電子カルテの法定耐用年数は5年であることがわかります。
(参考:国税庁「ソフトウエアの取得価額と耐用年数」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5461.htm)
3年/5年ごとに買い替えの必要あり
電子カルテの法定耐用年数が5年であることから、5年ごとに電子カルテを買い替える必要が出てきます。
導入時とほぼ同額の費用がかかるため、5年ごとに300万円~500万円の出費がかさんでしまうのです。
エムスリーデジカル株式会社の調査(クリニック経営の悩みに関するアンケート、2019年5月実施)によれば、開業医のうち3割以上の先生が、買い替えの費用に不満を感じています。
しかし、現在では、5年ごとに買い替えの必要がない、すなわち5年ごとにある300万円~500万円の出費がなくなる選択肢も存在感を増しているのです。
以下で、5年ごとに買い替えの必要がない電子カルテについて解説します。
買い替えの必要がないクラウド型電子カルテとは?
買い替えの必要がない電子カルテは「クラウド型電子カルテ」と呼ばれます。
クラウド型電子カルテは、手元にあるパソコンでインターネットに接続することで使える電子カルテなので、電子カルテ用に新たにパソコン・タブレット等の端末を購入する必要がなくなります。
初期費用が安く、買い替えの費用もかからないため、通常の電子カルテ(オンプレミス型電子カルテとも言います)に比べて、圧倒的な経費削減になります。
その効果は1000万円以上となることもあり、資金繰りに悩まされることが少なくなるでしょう。
以下では、クラウド型電子カルテを導入するメリット・デメリットをそれぞれ3つずつ紹介します。
クラウド型電子カルテを導入するメリット
クラウド型電子カルテを導入する1番のメリットは、先述の通り、費用を安く抑えられることです。
他にも、3つのメリットがあります。
- 端末・場所の制限がない
- 他システムと連携しやすい
- セキュリティ対策ができる
1つずつ見ていきましょう。
端末・場所の制限がない
1つ目は、端末・場所の制限がないことです。
クラウド型では、サーバーに接続できればどんな端末でもどんな場所でも利用できます。
そのため、外出している場合でも利用でき、在宅医療や学会でもカルテを確認できる利点があります。
他システムと連携しやすい
2つ目は、他システムと連携しやすいことです。
予約システム、問診システム、オンライン診療など、さまざまなWebサービスがあります。
これらのWebサービスとは、オンプレミス型よりもクラウド型のほうが親和性が高いため、連携がしやすいです。
セキュリティ対策ができる
3つ目は、セキュリティ対策ができることです。
クラウド型電子カルテを導入するデメリット
クラウド型電子カルテを導入するデメリットは、以下の3つです。
- インターネット接続が不可欠
- 月額費用がかかる
- カスタマイズが不自由な場合がある
1つずつ見ていきましょう。
インターネット接続が不可欠
1つ目は、インターネット接続が不可欠なことです。
クラウド型電子カルテの使用にはインターネットが欠かせず、インターネット接続ができないとデータが確認できません。
医院を円滑に運営するためには、インターネットに接続しているだけでなく、安定した接続ができなければなりません。
そのために新たに回線を契約する必要もあるので、注意してください。
月額費用がかかる
2つ目は、月額費用がかかることです。
クラウド型の導入費用はオンプレミス型よりもかなり安価に済みます。
一方、クラウド型は月額費用がかかり、トータルでクラウド型のほうが多くの費用がかかってしまう可能性があります。
そのため、長期的な目線でどちらのほうが高い費用がかかるのかを検討してみましょう。
カスタマイズが不自由な場合がある
3つ目は、カスタマイズが不自由な場合があることです。
オンプレミス型電子カルテでは自由にカスタマイズできますが、クラウド型電子カルテの自由度は高くありません。
そのため、製品の仕様に合わせてカルテの使い方を変えなければいけない場合も出てきます。
カルテの使い方にこだわりがある場合は、クラウド型電子カルテよりもオンプレミス型電子カルテのほうが適している可能性があるので、あわせて検討してみましょう。
おすすめのクラウド型電子カルテ3選
最後に、おすすめのクラウド型電子カルテを紹介します。
- エムスリーデジカル
- CLIUS(クリアス)
それぞれの特徴を確認してみてください。
エムスリーデジカル
1つ目は、エムスリーデジカルです。
項目 | 内容 |
---|---|
特徴 | 5年連続クラウド電子カルテシェアNo.1(m3.com調査 2022年1月) |
主な機能 | M3 DigiKar モバイル 検査結果ビューアー 適応症の自動学習(AI) iPad手書きカルテアプリ 処置行為自動学習(AI) 処方監査オプション |
初期費用 | 無料 |
月額費用 | 税抜9,800円〜 |
運営会社 | エムスリーデジカル株式会社 |
ホームページ | https://digikar.co.jp/ |
CLIUS(クリアス)
2つ目は、CLIUS(クリアス)です。
項目 | 内容 |
---|---|
特徴 | Mac・Windows・iPadで自由に操作できるクラウド型電子カルテ |
主な機能 | WEB問診 予約機能 オンライン診療/在宅診療 バックアップ 薬用量機能 |
初期費用 | 200,000円 |
月額費用 | 12,000円 |
運営会社 | 株式会社DONUTS |
ホームページ | https://clius.jp/ |
まとめ
今回は、電子カルテの耐用年数について解説しました。
一般的な電子カルテの耐用年数は5年です。
しかし、5年ごとに買い替えが必要のないクラウド型電子カルテもあります。
開発が進む中、高機能かつ格安で利用できるクラウド型電子カルテも多くあるため、ぜひ検討してみてください。