AI電話自動応答サービス導入のメリットとは？活用事例とおすすめサービスも紹介

電話対応の自動化に興味はあるけれど「AI電話自動応答サービスって本当に効果があるの？」「導入するメリットは何？」「具体的にどんな場面で活用できるの？」といった疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

近年、AI技術の進化により、電話自動応答サービスが飛躍的に進化しています。従来のIVR（自動音声応答システム）とは異なり、AI電話自動応答サービスは自然な会話が可能で、顧客満足度や業務効率の向上が期待されるシステムです。

本記事では、AI電話自動応答サービスの基本的な仕組みや導入メリット、具体的な活用事例などを詳しく紹介し、おすすめのサービスも詳しく紹介します。AI電話自動応答サービスを活用して、業務効率と顧客満足度を一気に向上させましょう。

AI電話自動応答サービスとは？

AI電話自動応答サービスは、AI（人工知能）を使って電話対応を自動化する技術です。AI電話自動応答サービスによって、人が電話に出なくてもAIが相手の要件を聞き取り、適切な対応を提供します。

これにより、企業はコスト削減や業務効率化が期待されており、昨今注目が高まってきています。

基本的な仕組み

AI電話自動応答サービスの基本的な仕組みは、音声認識技術を用いて相手の話を文字データに変換し、自然言語処理技術を使ってその内容を解析することで、適切な応答を生成するものとなっています。

AI電話自動応答サービスでは定型的な質問と回答を事前に学習させた状態で導入するので、よくある問い合わせには迅速に対応し、複雑な問い合わせの場合にはオペレーターへ転送するなど、柔軟な対応が可能となります。

従来のIVRとの違いは？

従来のIVR（自動音声応答）は、事前に録音された音声メッセージと簡単なメニュー選択によって、基本的な電話対応を行うシステムです。一方、AI電話自動応答サービスは、より高度な音声認識技術と自然言語処理を使用しているため、IVRよりも複雑な対応も可能となります。

AI電話自動応答サービスは、機械学習により次第に進化していくという特徴があります。これにより、導入後時間が経つにつれて、より正確で効率的な応答が可能になるというのが大きな違いです。また、多言語対応や感情分析などの高度な機能も持っているサービスもあるため、より自社のニーズに合ったシステム運用が可能となります。

AI電話自動応答サービスを導入する4つのメリット

AI電話自動応答サービスの導入で得られる4つのメリットについて詳しく解説していきます。

1. コストを削減できる
2. 24時間対応によって顧客満足度が向上する
3. 応答品質が均一化される
4. 人的リソースを最適化できる

コストを削減できる

AI電話自動応答サービスを導入することで、企業はコストを大幅に削減することができます。例えば、AI電話自動応答サービスは24時間365日稼働可能なため、電話窓口の担当者を減らし、人件費の削減に効果が期待できます。

また、AIに一次対応を任せることで、新人教育や定期的なトレーニングを減らすことができ、研修費用などのコスト削減も可能です。

24時間対応によって顧客満足度が向上する

AI電話自動応答サービスを使うことで、企業は24時間いつでも顧客対応が可能になります。これにより、顧客はいつでも疑問や問題を解決できる可能性が高まるため、満足度が向上します。

特に、夜間や休日にも対応可能となるのは大きなメリットです。また、AIは短時間で多数の問い合わせを処理できるので、待ち時間を短縮できるのも顧客満足度の向上につながるでしょう。

応答品質が均一化される

AI電話自動応答サービスを導入することにより、応答品質が均一化されます。AIはすべての問い合わせに対して業務マニュアルに基づいた対応をするため、サービス品質にばらつきがありません。

これにより、顧客はどの時間帯に電話をしても同じ対応を受けることが可能になり、企業側に対して信頼や安心感を持つ可能性が高くなります。

人的リソースを最適化できる

AI電話自動応答サービスの導入によって、人的リソースの最適化が可能になります。AIが一次対応を行うため、簡単な問い合わせはスタッフが関わらなくても解決できるようになり、複雑な問題や特殊な対応だけを専門スタッフが担当するようにするため、最小限の人数で対応可能になるのです。

また、業務の負担が軽減されることで、社員のストレスも低減し、職場環境の改善にもつながります。

AI電話自動応答サービスの具体的な活用事例3選

AI電話自動応答サービスの活用事例を3つ紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

1. 予約受付対応
2. 問い合わせ対応
3. 代表電話の一次取次

1.予約受付対応

AI電話自動応答サービスは、予約受付対応に導入されています。

医療機関やレストランなどの予約管理では、常に迅速な対応が求められます。しかし、従来の電話対応では、ピーク時には人手が足りなくなることもあり、予約の取りこぼしや、顧客から「電話がなかなか繋がらない」などのクレームが発生する可能性がありました。

一方、AI電話自動応答サービスでは自然な会話を通じて必要な情報を収集し、データベースと連携してスムーズに空き状況を確認し案内可能なため、顧客側の待ち時間も最小限で済み満足度も向上します。

AI電話自動応答サービスを導入した医療機関では、患者からの満足度が上昇しただけでなく、予約管理での人的ミスも減少したという事例もありました。

2.問い合わせ対応

AI電話自動応答サービスは、問い合わせ対応でも大いに役立っています。医療機関でのよくある質問への対応や、企業内でのFAQに対する自動回答や顧客からの製品情報の提供などで導入されているケースが多いようです。

また、単純な質問には自動で解答し、複雑な問い合せは人間に引き継ぐことで、効率的な対応が実現したという事例もあります。対応履歴をデータベースに蓄積可能なシステムもあるため、システムの改善に役立てることも可能です。

さらに、AIは24時間対応が可能なため、営業時間外の問い合わせにも対応できます。企業は常にサポートが可能となり、信頼性が向上するだけでなく、問い合わせ対応の質と量が大きく向上した企業がありました。

3.代表電話の一次取次

代表電話の一次取次にも、AI電話自動応答サービスが有効です。企業の代表電話には、多種多様な問い合わせが殺到します。これを一つひとつ人が応対するのは大変な手間ですが、AIの導入により迅速に目的の部署や担当者に繋ぐことが可能です。

また、AIが一次取次を行うことで、オペレーターの負担が軽減されるのもうれしい点です。

おすすめのAI電話自動応答サービス7選

おすすめのAI電話自動応答サービスを7つ紹介します。各サービスの特徴を詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

1. IVRy
2. PKSHA Voicebot
3. MOBI VOICE
4. AI Messenger Voicebot
5. ロボット自動受付サービス
6. NOMOCa AI call
7. Iver

1.IVRy

IVRy（アイブリー）は、月額2,980円から利用できる手軽なAI電話自動応答サービスです。主な機能には、AIによる自動応答、文字起こし、要約、電話転送、SMS送信などがあります。使いやすい管理画面で、ユーザーは自由に着信フローを設定でき、営業時間内外で異なるルールを適用することも可能です。

多言語対応や録音機能も備えており、様々な業種で活用されています。また、テキスト読み上げ機能によるAI音声ガイダンスの生成が可能で、より柔軟な自動応答を導入できます。受電内容を各種チャットツールやメールに通知する機能も搭載しており、効率的な電話対応業務をサポート可能です。

2.PKSHA Voicebot

PKSHA Voicebotは、大規模コンタクトセンターの電話対応を自動化するAI音声応答サービスです。高度な音声認識技術と文脈理解能力により、70〜80%の高い対話完結率を実現しています。

主な特徴として、柔軟な対話フロー作成、外部システムとの連携、データ補正機能などがあります。実際に導入した企業では応答率の向上、ハンドリングタイムの削減などの効果があり、大手金融機関や通販サービスなど、幅広い業種で活用されてきました。

毎月35万件以上の電話問い合わせに対応しているなどの実績があり、初めてAI電話自動応答サービスを導入する企業でもサポート体制が整っているため安心です。

3.MOBI VOICE

MOBI VOICEは、音声認識・音声合成エンジンを活用した24時間365日対応可能なAI電話自動応答システムです。最短5分で導入でき、注文や手続きの一次受付、オリジナルシナリオでの自動音声対応、アウトバウンドコールなどが可能です。

最大1,000件の同時対応ができ、医療機関での予約受付や、コールセンター業務、自治体の相談窓口、店舗での問い合わせ対応などを効率化します。

最近のアップデートで、人名のカタカナ変換機能、復唱時の音声再生スピード調整、チャットボットシナリオとの連携強化など、ユーザーの要望を反映した新機能が追加されました。また、BCP対策としても活用でき、緊急時には即時に自動音声シナリオを作成できるという特徴もあります。

4.AI Messenger Voicebot

AI Messenger Voicebotは、電話応対業務を自動化するAIボイスボットサービスで、自然言語処理技術を活用して予約受付や問い合わせ対応を効率化することが可能です。

独自開発の対話エンジンを搭載し、スムーズな音声対話を実現しており、200社以上の導入実績があります。オペレーター工数を最大70%削減した事例もあり、人的リソースの最適化や人件費削減に興味がある場合におすすめです。

特徴としては、FAQ検索機能やアウトバウンドコール機能があり、幅広い業務に対応可能となっています。また、従来の機械的な音声ではなく、より自然な人間の声に近い応答が可能なため、「即切断率」を40%改善した実証結果も得られています。

ChatGPTを活用した要約・振り分け機能など、導入企業のニーズに合わせた柔軟なカスタマイズが可能で、医療機関やECサイトなど幅広い業界で導入されていました。

5.ロボット自動受付サービス

ロボット自動受付サービスは、株式会社電話放送局が提供する、次世代型音声認識IVRを活用したAI自動電話応答システムです。主なサービスとしては、コールセンターに入電した顧客との対話を音声認識技術と自然言語処理を用いてAIが自動で行います。

顧客の名前、住所、注文内容、希望発送日などの情報を聞き取り、受付内容をSMSでレシートとして送信してくれるため、帳票管理や予約管理での人的エラーが減少します。

また、300回線以上の同時着信に対応可能で、受付内容に誤りがあった場合、顧客はSMSのリンクから専用サイトで直接修正できるようにするなどのサービスも導入可能です。

6.NOMOCa AI call

NOMOCa AI callは、株式会社GENOVAが2024年11月11日にリリースした、クリニック向けのAI電話自動応答サービスです。ChatGPTの最新モデルGPT-4oを搭載し、人に近い自然な音声で患者からの問い合わせに24時間365日対応可能です。

主な機能としては、診療時間や休診日の案内、予約受付などの基本的な業務を自動化できます。クリニック独自にカスタマイズされたAIを搭載できるので、高精度な回答が可能です。また、LINEやWeb上からの仮予約機能も備えており、患者の利便性向上に課題を抱えているクリニックにおすすめです。

7.AI電話対応さくらさん

AI電話対応さくらさんは、株式会社ティファナ・ドットコムが提供するAI電話自動応答サービスで、ChatGPTを搭載した高度な自然言語処理技術が特徴です。問い合わせや予約受付、クレーム対応などの幅広い業務を自動化し、同時に100件以上の電話にも対応可能です。営業時間外や休業日でも対応できるため、顧客満足度の向上と業務効率化を実現します。また、必要に応じて有人対応へスムーズに切り替える機能も備えています。

AI電話対応さくらさんは、電話内容の自動記録や要約機能や外部システムとの連携、業種別テンプレートを活用したカスタマイズが可能で、様々な業種のニーズに対応可能です。

AI電話自動応答サービスの導入手順

AI電話自動応答サービスを導入する手順について、詳しく解説していきます。導入手順を理解しておくとサービスの運用がスムーズになりますので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 導入前の準備と計画立案
2. サービスの選定
3. 試験運用
4. 本格導入

1.導入前の準備と計画立案

まず、自社の課題を明確にし、AI電話自動応答サービス導入の目的を明確化しましょう。医療機関であれば、予約受付の24時間対応やスタッフの業務負担軽減などが挙げられます。

次に、現在の業務フローを見直し、AIを適用すべき箇所を決定していきます。例えば、問い合わせの一次対応をAIに任せ、必要に応じて人間のオペレーターに引き継ぐ設計にする、予約受付を自動化するなどが多いようです。また、導入時期、担当者、予算などを含む具体的な計画を立てていきましょう。

2.サービスの選定

次に、自社のニーズに合った機能を持つサービスを選びます。予約受付の効率化が目的なら「予約管理機能」に加えて、SMSを活用した「リマインド通知機能」などの機能があるかも選定のポイントとしておすすめです。

顧客からの問い合わせ対応が目的の場合は、「通話内容のテキスト化機能」も重要です。テキスト化し保存・共有することで、自社サービスの向上に役立てられます。

複数のサービスを比較検討し、機能面での過不足がないか慎重に確認しましょう。また、既存システムとの連携性やAIの応答精度も重要な選定基準となるため注意が必要です。

3.試験運用

選定したサービスの試験運用を行います。試験運用時には、自社の学習データを入力する必要があるため、事前によくある質問への回答や予約管理方法などもまとめておくと安心です。

業務の一部で試験的に運用し、この段階で発見された初期トラブルや不具合を本格導入前に解消しておくのがおすすめです。また、スタッフや顧客へのシステム導入の説明も行い、スムーズに運用開始できるように準備しましょう。

4.本格導入

試験運用で得られた情報をもとに、必要な調整を行ってから本格導入に移ります。導入後は定期的にシステムの運用状況を確認し、必要に応じて改善やバージョンアップを行うようにしましょう。また、トラブル発生時の対応も事前に決めておくと安心です。

AI電話自動応答サービスを導入する際の注意点

AI電話自動応答サービスを導入する際、いくつかの注意点があります。ここでは、3つの注意点について詳しく解説していきますので、参考にしてみてください。

• 導入コストと効果が見合っているか確認する
• セキュリティ対策をしっかり行う
• 継続的な改善と運用管理を行う

導入コストと効果が見合っているか確認する

AI電話自動応答サービスの導入には初期費用がかかります。システム開発やデータの収集など、導入するシステムによっては多くのコストが発生する可能性があるため、注意が必要です。特に中小企業にとっては初期費用が大きな負担となる場合があるため、導入コストと運用効果が見合っているか慎重に検討していきましょう。

また、導入後も月額料金がかかるサービスが多くなっています。導入プランによって、月額料金が変動する場合もあります。自社に本当に必要な機能は何かを事前に検討することで、余分な機能の導入によるコストを削減できるため、慎重に見極めていきましょう。

導入後に予想される業務の効率化や人件費削減の程度をあらかじめ試算しておくと、検討しやすくなるためおすすめです。

セキュリティ対策をしっかり行う

AI電話自動応答システムは顧客の個人情報や大切な情報を扱うため、安全対策が欠かせません。セキュリティ対策には、電話での会話内容や記録を外部の人に見られないよう保護したり、情報を複数の場所に分散して保管したりすることが有効です。

各システムによってセキュリティ対策の方法は様々なため、費用や主な機能だけでなく、セキュリティ面の安全性も比較するようにしましょう。

継続的な改善と運用管理を行う

AI電話自動応答サービスの導入後も、継続的な改善と運用管理が必要です。問い合わせ内容や顧客からの意見を取り入れて、システムをブラッシュアップしましょう。定期的に運用状況を解析し、必要に応じて追加の学習データを準備したり、機能を追加したりしながら、自社のニーズにあった運用管理を行っていくのがおすすめです。

AI電話自動応答サービスについてよくある質問

AI電話自動応答サービスについて紹介してきましたが、ここではよくある3つの質問に回答していきます。

• 導入コストはどのくらいかかる？
• 他システムとの連携は可能？
• 導入後にサポートは受けられる？

導入コストはどのくらいかかる？

AI電話自動応答サービスの導入コストは、規模や機能によって大きく異なります。一般的には初期費用が無料～15万円、運用費用が月額10万～30万円ほどが多いようです。

システムによっては、導入する機能によって様々なプランが用意されていることもあります。必要以上の機能が含まれたプランを選んでしまうと、料金が高額になってしまい、機能を使いきれずに思ったように効果が出ない場合もあるため注意が必要です。

導入前にシステムの担当者としっかり打ち合わせを行い、自社のニーズに合った機能・プランを選定しましょう。

他システムとの連携は可能？

多くのAI電話自動応答サービスは、外部システムとの連携が可能です。例えば、既存のWebシステムと連携することで、電話への問い合わせだけでなく、Webからの問い合わせにも対応可能にするなど、マルチチャネルでのサービス提供が実現できます。

ただし、提携できるシステムは導入するサービスやプランによって異なるため、ベンダーに十分確認しましょう。

導入後にサポートは受けられる？

ほとんどのAI電話自動応答サービスでは、導入後のサポート機能を提供しています。例えば、24時間オンラインサポートが受けられるものや、対面でのフォローアップが可能なものなどがあります。

初めてシステムを導入する場合には、疑問点やトラブルをすぐに解消できるように、電話やリモートなどですぐに対応してもらえるようなサービスを選んでおくと安心です。

まとめ：AI電話自動応答サービスを活用して業務効率化し、顧客満足度を向上させよう

AI電話自動応答サービスは、業務効率化と顧客満足度を高めるのに役立つ便利なサービスです。AI電話自動応答サービスを使うことで、企業は24時間365日、休みなく電話対応ができるようになります。また、お客様からの質問や予約の申し込みを、人間が対応する代わりにAIが自動で処理するため、いつも同じ質での応対ができるのも大きなメリットです。

サービスを導入する時は、導入コストと得られる効果のバランスを考える必要があります。また、顧客の大切な情報を守るための対策や、サービスを常にブラッシュアップするなどの工夫が大切です。多くのAI電話自動応答サービスは、既存システムともうまく連携できるようになっており、サービスを導入したあともサポート体制が整っていることが多いため、初めての導入でも安心です。

AI電話自動応答サービスで、業務効率化と顧客満足度向上を進めていきましょう。