自動釣銭機とは、会計業務で必要となる釣銭の計算や出金を自動で行ってくれる機器のことです。
自動釣銭機を取り入れると、従来スタッフが行っていたお釣りの受け渡しが必要なくなるため、会計業務の作業効率向上が期待できます。
自動釣銭機は、スーパーや病院などで行う会計作業をスムーズにしてくれる便利なアイテムである一方、トラブルが起きる可能性もあるのも事実です。
そこでこの記事では、自動釣銭機導入後に起こりうるトラブルとその対策方法について解説します。
よくあるトラブルへの内容や対策方法を把握しておき、顧客や患者の満足度向上に努めましょう。
この記事の内容
自動釣銭機のよくあるトラブル9つ
スタッフの業務負担や顧客の会計待ち時間を減らしたりなど、さまざまなメリットがある自動釣銭機。多くの利点がある一方、取り入れる際には注意しておきたいトラブルもいくつかあります。
ここからは、自動釣銭機を導入する際によくある9つのトラブルを見ていきましょう。
- 紙幣や硬貨が詰まる
- POSレジとの連携エラーになる
- 過不足や違算金が発生する
- 両替の対応が必要になる
- お客様に操作の説明に時間がかかる
- お客様がお釣りを取り忘れる
- 新紙幣への対応が求められる
- 万引きや払い忘れが発生する
- 患者同士でトラブルが発生してしまう
紙幣や硬貨が詰まる
紙幣や硬貨を一度に大量に自動釣銭機へ入金してしまうと、機器が詰まってしまう可能性があります。
紙幣や硬貨が詰まってしまった場合にはスタッフによる対応が必要で、スムーズに解決できないケースもあります。
このトラブルが発生した場合、操作していた顧客の会計を待たせるだけでなく、詰まりが解消するまでレジが使用できなくなるのも痛手です。
硬貨や紙幣をまとめて入れると詰まりやすい機種を導入している場合は、注意事項を明示しておくようにしましょう。
POSレジとの連携エラーになる
POSレジと自動釣銭機を連携させて使用すると、会計業務がより効率化できます。しかし、接続エラーが発生する点には注意が必要です。
接続エラーになった場合には、POSレジと自動釣銭機を再起動させたり、自動釣銭機のケーブルを指し直したりといった対応が求められます。
小さなトラブルであればスタッフが対処できますが、重大なサーバー障害になると業者でないと解決できない場合もあります。
過不足や違算金が発生する
釣銭のやり取りを自動で行ってくれる自動釣銭機であっても、過不足や違算金が発生する場合もあります。
原因としては、自動釣銭機が「釣銭優先運用」タイプで、預り金入力を間違えた影響が考えられます。
釣銭優先運用タイプの自動釣銭機では、顧客から預かり金を受けとった後、スタッフが金額をPOSレジに入力する工程があります。
もしスタッフが預り金の入力を誤ってしまうと、実際に預かった金額と機械側が認識した金額に差異が出て違算金が発生します。
現金手入力のミスがないよう、基本的な確認作業を徹底させなければいけません。
両替の対応が必要になる
自動釣銭機の中に現金が不足すると、両替を行う必要が出てきます。自動釣銭機を取り入れるのであれば、現金をしっかり準備するようにしましょう。
現金が店舗にない場合には銀行に行く必要があり、時間や手間がかかってしまいます。営業中に両替対応する機会を減らすために、定期的に現金の残量を確認するようにしましょう。
お客様に操作の説明に時間がかかる
セルフ会計に慣れていない顧客は、自動釣銭機の利用に手間取ってしまう方も少なくありません。
スタッフが使い方をサポートするのに時間がかかってしまうと、逆に業務効率が悪化する場合もあります。
特に自動釣銭機を導入した直後は、操作の説明に時間がかかるので、専任スタッフを配置しておくのがおすすめです。
お客様がお釣りを取り忘れる
自動釣銭機を取り入れると、顧客がお釣りを取り忘れるトラブルも発生しやすいです。
顧客が釣銭を取り忘れて帰宅してしまうと、スタッフが顧客に連絡をする必要があります。
「釣り銭取り忘れアラート」がついているモデルであれば、スタッフが介入せずにお客さま自身で取り忘れに気づけるので、機能性にも注目して機器を選択しましょう。
新紙幣への対応が求められる
新紙幣に対応した自動釣銭機でなければ、新紙幣が出る度に使用できなくなるので注意が必要です。
新紙幣に対応させるためには、偽造紙幣と本物の紙幣を見分ける読み取り機能のアップデートを行います。
自動釣銭機を選定する際には、新紙幣に対応できるかどうかを確認するようにしましょう。
万引きや払い忘れが発生する
自動釣銭機を導入後に見逃せないトラブルが、万引きや払い忘れです。
顧客自身で精算する自動釣銭機は人の目が届きにくいため、万引きが発生しやすい点に注意しなければなりません。
単純な払い忘れであれば、後日回収できるケースもありますが、故意に支払わず万引きをした場合は回収は困難です。
セルフ会計では明確な証拠を提示するのが難しいケースも多いため、自動釣銭機周辺には防犯カメラを設置しておくのが望ましいでしょう。
お客様同士でトラブルが発生してしまう
自動釣銭機の操作が遅い顧客がいると、後ろに並んでいる顧客が「待ち時間が延びた」と腹を立てて、順番待ちのトラブルになる場合もあります。
顧客同士で言い争いに発展してしまうと、周囲のお客様にも恐怖を与えるため、このようなトラブルは避けたいところです。
お客様同士のトラブルを防ぐ方法は、操作サポート担当スタッフの強化が有効といえます。
自動釣銭機でよくあるトラブルの解決策
上記のような自動釣銭機のトラブルを完全に防ぐのは困難ですが、適切な対策を講じることで発生頻度を下げることは可能です。
ここからは、自動釣銭機で起こるトラブル発生を抑止するための具体的な対策を7つ紹介します。
- トラブル発生時のオペレーションを整備する
- 定期的に機器をメンテナンスする
- 複数台の自動精算機を設置する
- 日々のレジ締め作業を徹底する
- 残置処理(残置回収)機能を使いこなす
- 画面操作がわかりやすい自動精算機を選ぶ
- サポートが手厚い提供会社を選ぶ
トラブル発生時のオペレーションを整備する
自動釣銭機に関するトラブルが発生しても、オペレーション体制が整備されていればスムーズに対応できます。
自動釣銭機にエラーが発生したり、使い方がわからない顧客が手間取っていたりしたときに、迅速に対応できる体制を整えておきましょう。
自動釣銭機を導入した直後は誰しも操作に慣れていないため、一時的に対応人数を増やす工夫も必要です。
また、起こりやすいトラブルの解決方法を記載した対応マニュアルを、スタッフ全員に共有しておくのもいいでしょう。
定期的に機器をメンテナンスする
自動釣銭機の中に硬貨や紙幣が詰まらないよう、定期的に機器をメンテナンスして、投入口や排出口の清潔をキープしておきましょう。
自動釣銭機の清掃係を決めたり、一定の頻度でメーカーへ点検を依頼したりすると万全に備えられます。
複数台の自動釣銭機を設置する
複数台の自動釣銭機を設置できれば、トラブルが発生したときでも別の機器に案内できるため安心です。
リースやレンタル契約を活用するとコストを抑えられる可能性があり、複数台の自動釣銭機を導入しやすくなります。
日々のレジ締め作業を徹底する
日々のレジ締め作業時には、釣り銭の残量確認を徹底するようにしましょう。
レジ締め作業の際に、硬貨や紙幣の残量をチェックして調整しておけば、営業中の釣銭不足を防止できます。
また、同時に機器に不具合がないかを確認しておくのも大切です。事前に問題点を把握して、機器のダウンタイムを最小限に抑えましょう。
残置処理(残置回収)機能を使いこなす
自動釣銭機には、残置処理(残置回収)という機能があります。
残置処理とは、当日の売上金と翌日の釣銭準備を簡単に仕分ける機能です。残置処理機能を使いこなせば、釣銭準備金を用意する手間がなくなります。
日々のレジ締め業務で売上金と釣銭準備金の仕分け作業も不要になり、営業終了後の作業を楽にできるのもメリットです。
画面操作がわかりやすい自動精算機を選ぶ
自動釣銭機は、モデルによって会計までの操作方法は異なります。
自動釣銭機に慣れていない顧客でもスムーズにセルフレジを活用してもらえるよう、直感的に操作できるモデルを選択するのが重要です。
操作がわかりやすい自動精算機を選ぶと、自動釣銭機に慣れていない顧客でも会計がスムーズに済み、スタッフのフォロー業務を軽減できます。
サポートが手厚い提供会社を選ぶ
自動釣銭機のサポート内容は、提供会社によってさまざまです。サポートが手厚い業者を選ぶと、自動釣銭機を安心して活用できます。
価格の安さだけで自動釣銭機を選んでしまうと、サポート面が充実しておらず、かえってスタッフの負担が増えてしまう恐れもあるので注意が必要です。
導入前のレクチャーだけではなく、運用中もサポートしてくれたり、トラブル発生時に迅速に対応してくれる会社を選びましょう。
まとめ:自動釣銭機のトラブルに対応できる環境を整えよう
業務効率化や顧客の待ち時間短縮など、自動釣銭機には取り入れるメリットも大きいです。
自動釣銭機の運用中にトラブルが発生する可能性もありますが、事前に対策を講じておけば、大事に至るのを防止できます。
自動釣銭機を導入する際は、本記事を参考にして、トラブルに対応できる環境を整えておきましょう。