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読影医とは?遠隔読影サービスのおすすめ7選もわかりやすく紹介

近年、医療現場では読影医の人手不足が深刻な課題となっています。これに対処する一つの有望な解決策が「遠隔読影サービス」です。

 

遠隔読影サービスは、病院に読影医が在籍していなくても専門的な読影が迅速にできる一方で画像診断管理加算が算定できないというデメリットも存在します。

 

この記事では、遠隔読影についてや、報酬診療加算の算定に左右されない導入方法も解説します。

 

おすすめの遠隔読影サービス7選も紹介するので、遠隔読影の導入を迷っている方は参考にしてください。

読影とは?読影医とは読影をする医師のこと

受付業務 課題

読影(どくえい)とは、医学画像を診断する医療行為です。

 

主にエックス線や心電図、内視鏡などで得られる検査画像を、医師が解釈し、診断結果を導き出すことを指します。読影医とは読影をする医師のことです。

 

読影医は、患者の診療において非常に重要な役割を果たします。画像から患者の病態や異常を把握し、他の医療プロフェッショナルや患者自身に対して診断結果を提供します。

 

読影は主に放射線科で行われ、放射線技師が取得した画像を読影医が診断します。

 

読影医が画像を読み解くことで、患者の状態や病気の進行具合などを把握し、治療方針を立てる上での重要な情報源となります。医療の進歩とともに、デジタル技術の導入により画像の解析が効率的に行えるようになり、読影医の仕事もさらに精緻化しているのが現状です。

画像診断とは?

診断

画像診断は、医学的な画像を利用して患者の病状や疾患を診断する手法の総称です。

 

この手法は、症状が現れていない段階からがんや異常の早期発見、病状の詳細な把握に役立っています。

 

主な画像検査には、超音波検査、X線検査、CT(コンピュータ断層撮影)、MRI(磁気共鳴画像法)、PET(陽電子放射断層撮影法)などがあります。

遠隔読影とは?

医療DX

遠隔読影とは、病院やクリニックで撮影された医療画像(CTやMR画像など)を、ネットワークを介して遠隔地にいる専門の読影医に送信し、遠隔から画像診断を行う仕組みです。

 

読影医は遠隔から画像を閲覧し、診断結果を報告書にまとめて返送します。これにより、地理的な距離を克服し、専門的な医師の知識を広範に活用できます。

遠隔読影のメリット5つ

メリット

遠隔読影を導入するメリットを5つ解説します。

  1. 読影医の人手不足を解消できる
  2. 適切な診断ができる
  3. 診療時間を短縮できる
  4. 病院機能評価を活用できる
  5. 検査装置の稼働率を向上できる

読影医の人手不足を解消できる

遠隔読影を導入すると、読影医の不足を解消し、地域差や医療格差を軽減できます。

 

遠隔読影を利用することで、物理的な距離を超えて複数の医療機関や施設で活動する読影医のリソースの有効活用が可能です。

 

遠隔読影ではPACSや専用ソフトを用いて画像をリアルタイムで閲覧・解析するため、業務の効率化とスピード感のある検査結果の報告が実現できます。

適切な診断ができる

専門知識の補完と早期診断の促進により、正確な診断ができることもメリットです。

 

地方の医療機関では、特定の専門医が不足していることがあります。例えば、がんの診断においては腫瘍専門の読影医が必要です。遠隔読影を利用することで、専門外の医師も専門的な知識を持つ読影医と連携し、難解な症例に対応できるでしょう。

 

遠隔読影は通信技術を駆使して画像を迅速に送受信できます。これにより、地域医療機関でも急患や緊急な症例に対して、遠方の専門家から迅速なアドバイスを受けて早期診断を促進できます。

診療時間を短縮できる

遠隔読影では、画像データと同時に診断レポートが取得できるため、医師は画像の確認に費やす時間を削減し、迅速に患者への対応に取り掛かれます。

 

遠隔読影サービスにおいては、異常初見や緊急性の高いケースについて、読影医からフレキシブルに素早い通知が得られます。そのため、医師は迅速に必要な対応を判断しやすくなり、患者への適切なケアを提供できます。

病院機能評価を活用できる

病院機能評価とは、公益財団法人日本医療機能評価機構が日本の病院を対象に病院組織全体の運営管理や医療サービスを評価する仕組みです。画像診断(放射線)が24部門の中で一環として評価されます。

 

そのなかで、遠隔読影が特に評価の対象となり、積極的に取り入れられることで病院の総合的な評価が向上します。

 

特定の基準をクリアして認定病院となると、それが患者や地域社会にとっての信頼性を高めます。遠隔読影の導入がこの一環として評価されることで、病院の認定状態が向上し、患者への高品質な医療サービス提供が強調されます。

検査装置の稼働率を向上できる

遠隔読影を導入することで、従来は限定的だった検査領域を拡大できます。

 

専門的な読影医の遠隔協力により、より多岐にわたる検査が可能となり、使用していなかった検査装置を活用する幅が広がるでしょう。

遠隔読影のデメリット2つ

デメリット

以降では、2つのデメリットを紹介します。

  1. ランニングコストがかかる
  2. 画像診断管理加算を算定できない

ランニングコストがかかる

遠隔読影サービスを提供している事業会社ごとに基本料金が異なります。これに加えて、読影料金が発生するため、月々のランニングコストが変動します。

 

遠隔読影の場合、読影医に対する料金が発生します。検査の種類や難易度によっても読影料金は変動し、予測が難しいので注意が必要です。

画像診断管理加算を算定できない

遠隔読影を利用すると、画像診断管理加算は算定できないです。

 

その一方で、検診の読影だけを遠隔読影に依頼すれば、報酬診療加算の算定は関係ありません。検診の利用方法を見直し、柔軟に運用しましょう。

遠隔読影サービスの選び方

病院のホームページ運用は代行会社への依頼がおすすめ

遠隔読影サービスの選び方を3つの視点から紹介します。

  1. 品質の高さで選ぶ
  2. サービスの提供方式で選ぶ
  3. サポートの充実度で選ぶ

品質の高さで選ぶ

読影医の専門性や経験が豊富かどうかを確認するため、資格や実績、専門領域などをチェックします。

 

複数の読影医が在籍しているサービスは、異なる専門性を持つ医師が揃っている可能性があるので、さまざまな疾患や症例に対応できるでしょう。

 

複数人体制であれば、繁忙時や緊急時にも対応しやすくなります。読影のスケジュール調整が柔軟かどうかも大切なポイントです。

サービスの提供方式で選ぶ

遠隔読影サービスの提供方式は、ネットワーク構築やアクセスのしやすさに影響を与えます。

 

IP-VPN(専用線)を用いる物理的なネットワーク回線は、物理的な専用線を使用することでネットワークの安定性が向上します。データのセキュリティやプライバシーの確保もできるので特に機密性が高い医療情報のやり取りに適しています。

 

インターネット回線を利用したクラウド型のサービスは、柔軟性と初期導入費用の削減や導入の手軽さが特長です。

 

クラウド型は必要に応じてリソースを拡張できるため、検査数の増加や新たな拠点への展開が容易です。

サポートの充実度で選ぶ

遠隔読影サービスを選ぶ際には、技術的なトラブルが発生した際に頼りになるサポートが大切です。

 

遠隔読影は医療関連のサービスであるため、緊急性や急を要する状況に理解があり、それに応じた優先的かつ迅速な対応が必要です。

 

トラブル発生時に利用可能な連絡手段が複数存在し、電話やメール、チャットなどさまざまな方法でサポートが得られるとスムーズに運用できるでしょう。

遠隔読影サービスのおすすめ7選

PCを触る医師の画像

それでは、遠隔読影サービスのおすすめを7つ紹介します。

  1. Tele-RAD(ドクターネット)
  2. ホスピネット(セコム医療システム)
  3. 遠隔画像診断サービス(エムネス)
  4. 遠隔画像診断支援サービス(ネットホスピタル)
  5. 遠隔読影サービス(イー・メディカルソリューションズ)
  6. 健診遠隔画像読影サービス(イリモトメディカル)
  7. 遠隔画像診断サービス(インテリジェントヘルスケア)

Tele-RAD(ドクターネット)

Tele-RAD(ドクターネット)

出典:株式会社ドクターネット

提供会社 株式会社ドクターネット
対応可能な時間 月曜日~土曜日 9時〜18時
オプション 至急サービス
24/365サービス
朝一サービス
公式サイト https://dr-net.co.jp/service/telerad/

Tele-RADは、国内最大級の放射線診断専門医プラットフォームを保有していて安定したサービス提供が可能な遠隔読影サービスです。

 

朝イチでの緊急対応や2時間以内の至急サービス、休祝日や夜間にも対応しており、臨機応変な読影スケジュールを可能にします。

 

常時オペレーターが20名以上在籍し、不明点や納期対応に関する迅速なサポートで安心して運用できます。

 

特殊モダリティや検診にも対応するなど、多岐にわたる読影が可能であり、ニーズに柔軟に対応します。

ホスピネット(セコム医療システム)

セコム医療システム株式会社

出典:セコム医療システム株式会社

提供会社 セコム医療システム株式会社
対応可能な時間 月曜日~土曜日 9時~18時
オプション レポート配信サービス
撮影サポート
テレカンファレンス
公式サイト https://medical.secom.co.jp/it/hospinet/

ホスピネットは、セコムグループが提供する遠隔画像診断システムです。

 

読影医との対話が可能なシステムを導入しており、クエリや要望を直接伝えられる機能が特長です。

 

セキュリティ会社のセコムならではのデータの確実な保管とバックアップ耐性で、情報のセキュリティを確保します。

 

緊急な読影やダブルチェックにも柔軟に対応できるサポート体制が整っています。

遠隔画像診断サービス(エムネス)

株式会社エムネス

出典:株式会社エムネス

提供会社 株式会社エムネス
対応可能な時間 月曜日~金曜日 9時~18時
オプション 読影レポート提出
レポート内容問合せ対応
至急オプション
公式サイト https://mnes.life/

エムネスの遠隔画像診断サービスは、オンライン型のシステムで、シンプルな構成であれば最短3日で運用スタートできます。

 

クラウドシステムLOOKRECを使用しており、直感的でシンプルな操作が特長です。マニュアル完備で使いやすさが評価されています。

 

営業時間内であれば読影センターが電話受付を行い、必要に応じて読影医が直接対応することも可能なため、タイムリーかつ専門性の高い対応が期待できるでしょう。

遠隔画像診断支援サービス(ネットホスピタル)

株式会社ネットホスピタル

出典:株式会社ネットホスピタル

提供会社 株式会社ネットホスピタル
平日9時~17時
オプション 緊急読影
特殊機器や検査への対応
コンサルテーションサービス
公式サイト https://www.nethospital.co.jp/service/

ネットホスピタルは、状況に応じて2つのコースを選択できる遠隔読影サービスです。

 

遠隔読影支援システムは、毎月の依頼がある場合や、長期にわたって利用する際に適しています。標準タイプとして、専用端末の設置が行われ、院内のシステムとの連携が可能です。

 

ワンタイム読影サービスは、依頼がある月とない月がある場合や、放射線科医の休暇の時のみ利用したい場合に適しています。基本料金が不要で、必要な時だけサービスを利用できることがメリットです。

 

読影結果は、最短で翌営業日に届くのでスピーディな診断結果が求められる現場に適しています。

遠隔読影サービス(イー・メディカルソリューションズ)

株式会社イーメディカル東京

出典:株式会社イーメディカル東京

提供会社 株式会社イーメディカル東京
対応可能な時間 平日9時~18時
オプション 緊急読影
多様なモダリティへの対応
選べる読影システム
公式サイト https://www.emedicaltokyo.co.jp/business/teleradiology/index.html

イー・メディカルソリューションズは、VPNを利用する常時接続タイプと、画像診断装置の画像をDVD、CD-R、USB等の記憶媒体に記録して送付するタイプから選べます。

 

迅速な検査結果や、院内ネットワークとの連携を求めるならVPNタイプが適しています。

 

読影件数が少なく、月々の利用料金を抑えたい場合はピジョンネットタイプがおすすめです。

 

イー・メディカルソリューションズ医療機関やクリニックのニーズや要件に合わせて、最適な遠隔画像診断システムを導入できる遠隔読影システムです。

健診遠隔画像読影サービス(イリモトメディカル)

株式会社イリモトメディカル

出典:株式会社イリモトメディカル

提供会社 株式会社イリモトメディカル
対応可能な時間 要問い合わせ
オプション 緊急読影
精度管理された読影
公式サイト https://irimotomedical.co.jp/

株式会社イリモトメディカルは、健診の遠隔画像読影サービスを提供しています。

 

「胃部造影」「胸部単純写真」「マンモグラフィ」「肺がん検診CT」「脳ドックMRI」の読影に対応。放射線診断専門医がセンターに常駐し、高精度かつ安定した継続性のある健診読影を行える点が特長です。

 

依頼画像や結果はセキュリティに配慮したインターネット暗号化通信で送受信され、USBメモリ・CD・DVDなどの各種メディアでの送付も可能。導入前に無料テスト診断でサービスの品質を確認できるので不安なく活用できるでしょう。

遠隔画像診断サービス(インテリジェントヘルスケア)

インテリジェントヘルスケア株式会社

出典:インテリジェントヘルスケア株式会社

提供会社 インテリジェントヘルスケア株式会社
対応可能な時間
オプション 24時間受付
公式サイト https://nursing.nursing-hc.co.jp/business/remote/index.html

インテリジェントヘルスケアの遠隔読影サービスは、病院やクリニックだけでなく、検診センターや出張検診など幅広い医療機関で利用されています。

 

CTやPET-CT、MRI、マンモグラフィーなど、幅広い検査読影に対応しており、多様な診療科目で利用できるのが特徴です。

 

VPNを使用して高いセキュリティで守られた通信を採用し、読影レポートの翌日中の回答によりスピーディーな検診が実現します。

 

初期費用の一部と初年度の月額基本料が無料で導入できるため、コストを抑えたい医療機関での導入も可能です。

まとめ:遠隔読影サービスで読影医の人手不足を解消しよう

カルテの画像

遠隔読影サービスを利用すれば、物理的な制約を超えて地域や時間を問わず専門的な読影作業を行えます。

 

場所にとらわれないため読影医のワークライフバランスが向上し、専門家の定着にもつながるでしょう。専門医の診断を迅速に受け取れると、患者の安心感も高まります。

 

遠隔読影サービスを利用して、読影医の人手不足を解消して医療の質の向上を目指しましょう。