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歯科用コントラとは?選び方やタービンとの違い・人気メーカーも紹介

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歯科医の開業で欠かせないのがコントラです。コントラは、用途や特徴がさまざまあり、選び方が難しい医療器具の一つ。

 

技術に直結する設備のため、こだわって選ぶ必要があります。

 

そこでこの記事では、歯科医院で必須のコントラについて、種類や選び方を詳しく解説します。おすすめのメーカー4社も紹介しているので、歯科コントラを比較検討している方は、ぜひ最後までお読みください。

歯科用コントラとは?

歯科治療を受ける人

コントラとは、歯を削ったり研磨したりする際に歯科医師が使用する特殊な形状の器具です。正式名称をコントラアングルといいます。

 

そもそもコントラ(Handpiece)は、回転運動により機械的な動力を使用して歯科手術や治療を進める医療機器のことを言います。

 

コントラアングルは、ヘッドが曲がっており、歯にアクセスしやすくなっているのが特徴です。

歯科用コントラとタービンの違い

歯科治療

続いて、歯科コントラとタービンの違いを紹介します。

 

コントラとタービンにおける大きな違いは、回転の仕方です。

 

歯科コントラは、マイクロモーター(歯科用電気エンジン)によって動くのに対し、タービンは圧縮空気で回転します。

 

また、コントラの回転数は1分間あたり100〜40,000回とタービンよりも遅くなります。

 

コントラは低回転でも十分なトルクが得られるため、慎重な処置を必要とする歯髄付近の感染象牙質除去にも適しているでしょう。

歯科用コントラの価格

歯医者さん

歯科コントラは、安いものだと7〜20万円以下の価格帯が相場です。価格は、メーカーや性能によって異なります。

 

コントラはまとめて仕入れることも多いので、価格交渉できる場合もあるでしょう。

歯科用コントラの選び方

歯医者さん

では、クリニックに合った歯科コントラの選び方を4つ紹介します。

  1. 動力源で選ぶ
  2. 用途で選ぶ
  3. ボディ材質で選ぶ
  4. ライトの有無で選ぶ

動力源で選ぶ

歯科コントラの中には、電気モーターによって駆動されるものがあります。電気モーターの使用で、より安定かつ一定のトルクを得られ、細かい作業や感染象牙質の取り扱いにも有効です。

 

また、電気モーターを搭載したコントラは通常、速度の調整が容易であり、歯科医師が治療に適した回転数を選択できます。

 

一方で、アモーターによって駆動される歯科コントラも存在します。これらは圧縮空気を動力源として使用し、軽量で取り扱いが簡単です。

 

ただし、エアモーターは一般的に回転速度を変更するのが難しく、高速での操作が特徴です。エアモーターを使用するコントラは、主に一般的な歯牙質の削除や初期段階の治療に向いています。

 

電気モーター搭載のコントラは、慎重で精密な処置に適していますが、その分価格も高くなりやすいです。エアモーター搭載のコントラは比較的コストが低く、一般的な処置に対応します。

用途で選ぶ

歯科コントラを選ぶ際に用途で選ぶことも大切です。

 

一般的な歯牙質の削除には、高速回転できるコントラが適しています。

 

回転速度が速く、効率的な削り取りが可能なコントラを選ぶといいでしょう。エアモーター搭載のコントラが一般的です。

 

感染象牙質や歯髄周辺の治療では、低回転で高いトルクを発揮するコントラが有用です。

 

低回転でも安定したトルクを提供できる電気モーター搭載のコントラが適しています。慎重で精密な処置が可能になります。

また、仕上げの研磨や根管形成には、中速から低速のコントラが使いやすいです。

 

回転速度がコントロールしやすく、精密な作業ができるコントラを選びましょう。電気モーター搭載のコントラが選択肢になります。

 

患者の快適性を重視する場合、振動や騒音が少ないコントラが望ましいです。

 

振動や騒音が少なく、滑らかなコントラだと患者が治療中にリラックスしやすくなります。

ボディ材質で選ぶ

歯科コントラのボディ材質は、患者の快適性や医療環境に影響を与えます。

 

ステンレススチール製のボディは広く使用されており、丈夫で耐久性があることが特徴です。そのため多くの一般的な処置に適しています。中でも高い強度と耐久性が求められる場合に、ステンレス素材が選ばれます。

 

軽量で取り扱いが容易なアルミニウムボディは、振動や騒音を軽減する特徴あります。

 

特に患者の快適性が重視される場合や、手の疲労を軽減したい場合に選ばれます。ただし、アルミニウムは他の材質と比べてやや柔らかいため、特に高いトルクが求められる処置には不向きです。

 

チタンは軽量でかつ強度が高いため、丈夫でありながらも軽快な操作が可能です。

 

特に手の疲労を最小限に抑えつつ、高い強度が求められる場合や、感染対策が必要な環境での使用に適しています。

 

プラスチックやコンポジットは軽量で取り扱いが容易であり、振動や騒音の軽減が期待できます。一部の部品やグリップにプラスチックが使用されていることがあります。

 

主に患者の快適性や軽快な操作が必要な場合に選ばれますが、一部の高トルクを要する処置には向いていません。

ライトの有無で選ぶ

一部の歯科コントラには、先端に組み込まれたLEDライトが搭載されているものがあります。治療対象の歯に集中した明るい照明があてられます。

 

ライトがあることで、歯科医師は治療箇所をより明確に見ることができ、細かい作業や光の届きにくい臼歯部の治療において特に有用です。

 

一部の歯科コントラには、LEDライトの明るさを調整できるものもあります。照明の明るさを調整できることで眼の疲労を軽減し、人的ミスの防止につながります。

 

デメリットとしてはライトがバッテリー駆動の場合、バッテリーの寿命がライトの起動によって削られます。ライトを使用した場合のバッテリー寿命を確認するといいでしょう。

 

また、ライトが搭載された歯科コントラは通常、無いモデルより価格が高いので開業コストの増加につながります。

歯科用コントラの人気メーカー4選

歯科治療

歯科コントラの人気メーカーを4社紹介します。

  1. ナカニシ
  2. Kavo
  3. モリタ
  4. W&H

ナカニシ

ナカニシ

出典:株式会社ナカニシ

ナカニシの歯科コントラは、チタン製ボディを採用しています。

 

コントラの軽量化と高強度化により、手に負担の少ない治療と高い耐久性を実現。チタン素材の高い生体適合性により、金属アレルギーの心配がありません。

 

また、ブラスト処理と独自のDURAGRIPコーティングにより、傷が付きにくく耐久性が向上しています。表面凹凸により滑りにくく、快適なグリップ感が実現します。

 

内部には直径0.3 mmのメッシュの水フィルターが内蔵されているため、水経路への異物混入をシャットアウトし、水詰まりのトラブルを低減できるでしょう。

 

発熱防止機構により、ヘッドキャップが押されても発熱を低減することで患者の安全に配慮しています。

Kavo

kavo

出典:カボ プランメカ ジャパン株式会社

Kavoは、ドイツの医療機器メーカーで、コントラも数多く取り扱っています。

 

マスターシリーズとエキスパートシリーズがあり、約1秒でバーの回転を停止、サックバック0.000001bar以下、57dBの静粛性を実現など、高性能な機能を備えたコントラのラインナップが特徴です。

 

トリプルギアテクノロジーを採用しており、低振動・低騒音と高いトルク伝達で総合力に優れた5倍速コントラアングルとなっています。また、ミニヘッド5倍速コントラアングルも取り扱っています。

モリタ

モリタ

出典:株式会社モリタ

 

モリタのツインパワータービンはツインパワーテクノロジーが生み出すトルクでねばり強く、鋭い切れ味が特徴です。3個以上の給気ノズル穴から噴出したエアーが、2つのインペラーを制御し、高いトルクと適正回転速度を提供します。

 

給気停止時の切削粉や汚物の吸い込みを防止機能は、患者への感染予防に有効です。

 

また、タービンの慣性での回転によるサックバック発生をゼロに抑える仕組みが採用されています。

 

静穏性に関しては、先進の流体力学と超精密加工技術により、患者が不快と感じる6,000〜7,000Hzの騒音を大幅に低減しています。

W&H

W&H

出典:W&Hグループ

W&Hの新しい高速コントラアングルコントラ、Syneaシリーズは、ジルコニアなどの高強度セラミック材料の加工と除去に特に設計されています。

 

頑丈な設計や追加トルク、安定した研磨速度を提供し、クラウンやブリッジの除去、ジルコニアなどのセラミック材料など精巧な作業に向いているコントラです。

 

ゼロサックバック機構が加工時の粉塵吸引を効果的に防ぎます。

 

さらに、チャッキング力が20%向上し、高い強度材料の効率的な処理を可能にしています。

 

プッシュボタンデザインがバーの交換を簡素化し、人間工学に基づいたヘッドデザインが特徴です。操作がシンプルで扱いやすい歯科コントラです。

まとめ:歯科用コントラやタービンは用途や性質に合わせて選ぼう

歯科用のコントラは、一つのメーカーから多数のスペックでリリースされています。

 

適切なコントラを選ぶためには、「治療方針への適合性」「メンテナンスのしやすさ」「ボディ材質」などを比較して検討しましょう。

 

また滅菌処理は必須のため、衛生管理のしやすさも重視すると管理コストの削減につながります。

 

歯科コントラは、歯科医の技術に直接的にかかわるパーツです。価格で妥協せず、自分に合ったものを取り入れてください。