広場の意味、パニック障害との関係
広場恐怖とは、文字通りでは〈広場が異常に怖い病気〉ですが、ヨーロッパの都市環境を前提にしているため、日本ではピンとこない病名です。「広場」とはだだっ広い場所というだけではなく、ヨーロッパの街では市民がたくさん集り売り買いや議論をする公共の場所でもあります、物理的にだけでなく他者の視線からの逃げ場がないというのが広場ということです。現代では、逃げ場がない場所として乗り物、映画館、繁華街などが恐怖の対象となります。原点は“広い場所”でしたが今は逆に“狭い場所”が多くなっているわけです。この疾患は大変多くの方が悩んでおられます。不安が高じるとパニック発作がしばしば起きること、また10年程前までアメリカの診断分類では広場恐怖をパニック障害の一亜型として分類していたため、多くの方が“パニック障害”という病名で呼んでいますが、広場恐怖とパニック障害は重なるところはあっても別のものと言えます。
- 国立駅前やすらいクリニック
- 安來 大輔 院長
- 国立市/東/国立駅
- ●精神科 ●心療内科