これからクリニックの開業を考えているドクターの中には「失敗したくないけど、どのような対策をしておけば良いのかわからない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、クリニック開業後に陥り易い後悔や失敗のケースと成功の秘訣を紹介します。
実際にどのような失敗ケースがあるのかを把握し、しっかりと情報収集することで後悔するリスクを回避することは可能です。
クリニック開業後に納得のいく経営を実現するためにも、ぜひお役立てください。
この記事の内容
クリニック開業で後悔・失敗した9つのケース
クリニックの開業後に実際に陥った後悔・失敗したケースを、下記9つ紹介します。
- 開業した立地で患者の集まりが悪かった
- 開業までのスケジュール管理ができていなかった
- こだわって投資した設備が使いづらかった
- 資金管理がうまくいかなかった
- 経営の知識が乏しかった
- 正しい集患対策を実施できていなかった
- 業務の運用がうまく進行できなかった
- スタッフがまとまっていなかった
- 患者とのコミュニケーションが不足していた
ケース1.開業した立地で患者の集まりが悪かった
クリニックを開業する上で、「場所選び」はとても大切です。
いくら素晴らしい技術や診療を行うクリニックであっても、患者がクリニックを選ぶ基準として交通が不便な立地であれば選ばれにくいです。
立地を選定ミスすると取り返しがつかないので、細心の注意を払う必要があります。
ケース2.開業までのスケジュール管理ができていなかった
各分野の専門家に相談して、開業までに必要な事項とその作業日程を記載した工程表を作成しながら進めることをおすすめします。
内装工事などの遅れにより開業までの工程が先送りになってしまうと、機器・備品の搬入が遅れや開業の告知が進められず集客に影響する可能性があります。
開業の直前まで準備に追われることがないように、計画的なスケジュール管理を十分に行いましょう。
ケース3.こだわって投資した設備が使いづらかった
内装にこだわったものの「待合室の広さをもっと広くしておけば良かった」「高額な医療機器を導入したが使い勝手が悪い」など設備に関する後悔が多いです。
設備の使いやすさは、スタッフの仕事の効率化やストレス軽減と患者の満足度につながります。
開業前のシミュレーションや設計を行う際は、実際に使いやすいかスタッフや患者目線でしっかりと検討しましょう。
ケース4.資金管理がうまくいかなかった
開業前に資金計画を立てておくことが大切です。
クリニックの開業で失敗しやすい要因として、医療機器の導入や内装のコストなどの開業費用の高さが挙げられます。
大きな初期投資がすぐに回収できるとは限らないため、初期費用の管理と適切な資金計画が重要です。
また、ビジネスを軌道に乗せるための「継続的な投資」も必要になり、開業当初は赤字になることは想定内です。
利益が上がらなくても宣伝や設備への投資が求められますので、運転資金を準備できていないと金銭的に苦難に陥り経営が難しくなるでしょう。
目安として、運転資金は最低でも6ヶ月分は用意しておく必要があります。
ケース5.経営の知識が乏しかった
開業医は、医師であると同時に経営者でもありますので、最低限の経営スキルが必要になります。
あらかじめ経営知識を深めておくことが大切です。
クリニック経営を成功させるために役立つ、以下の資格もあります。
- 医療経営士
- 医業経営コンサルタント
- 病院経営管理士
各種専門医の資格があると自院の専門性をアピールできますので、資格習得を視野に入れるのもいいでしょう。
ケース6.正しい集患対策を実施できていなかった
集患対策は、クリニック経営において必須です。
新規の患者を集めてリピーターになってもらうことが売上向上につながります。
開業前の集患対策としては、ホームページやブログ、SNSを活用した情報発信が大切です。
ただし、クリニックのコンセプトが曖昧で、自院が提供するサービスが患者ニーズを満たせないと集患につながりません。
自院が提供するサービスの内容とコンセプトを明確化し、正しい集患対策を行いましょう。
ケース7.業務の運用がうまく進行できなかった
開業前に、1日の流れや役割分担など「マニュアル化」しておくことが大切です。
いざ開業してみるとマニュアルの運用方法が上手くいかずに、患者の待ち時間が発生してしまったという問題は意外と起こり得ます。
日頃の運用については、一度決めたもので固定化せず、現場のスタッフの意見を聞きながらマニュアルを見直す柔軟性が必要です。
ケース8.スタッフがまとまっていなかった
スタッフの定着率に大きな影響を与えているのが職場環境です。
定着率が悪いと、採用や育成に時間と労力がかかり、悪循環に陥りかねません。
働く環境が整っているかはとても大切なので、十分に休憩するスペースがあるかなどクリニック設計時に視野に入れながら検討しましょう。
また、スタッフの不満や人間関係のトラブルを改善するために、定期的に面談の時間を設けるなど風通しのいい環境を目指しましょう。
ケース9.患者とのコミュニケーションが不足していた
Googleの口コミなどに悪評を書かれてしまうケースの大きな要因は、患者とのコミュニケーション不足です。
患者の話を聞かずに、一方的に診察を終わらせてしまうケースです。
患者一人ひとりに対して、適切な診察することを心がけることが必要です。
電子カルテなどのツールを活用し作業を時短することで、作業の効率化を図ることもポイントです。
クリニック開業で後悔・失敗しないための対策
それではクリニック開業で後悔・失敗しないための対策について5つ紹介していきます。
- 診療圏調査を実施する
- 患者やスタッフとの信頼関係を構築する
- 経営戦略を固める
- Web施策を中心とした集患対策を実施する
- 業務に関するシミュレーションを徹底する
①診療圏調査を実施する
開業地を選定する際は、以下5つのポイントを踏まえて診療圏調査の実施を行いましょう。
- 立地
- 発展性
- 人口
- 競合数
- 競合確認
クリニックの特性やターゲット層が地域住民のニーズに合っているのか、周囲のクリニック情報を事前に調査し、どのくらいの患者数が見込まれるのかを把握する必要があります。
今後エリア開発などの予定があるのか、見込みの集患数や人の流れが変動する場合もあるため、あらかじめ役所に問い合わせするのもいいでしょう。
②患者やスタッフとの信頼関係を構築する
患者がクリニックを選ぶ基準として、院内の雰囲気も関係があります。
受付スタッフや看護師をはじめ、スタッフ同士が作り出す雰囲気が患者に伝わります。
スタッフが明るく丁寧な話し方で対応することで、患者も気持ちよく過ごせる上に、リピート率の向上にもつながります。
また、診察時は患者の話に耳を傾け、真摯に向き合うことで患者との信頼関係は構築されます。
スタッフの協力が、クリニック経営の継続につながることを忘れないでください。
③経営戦略を固める
経営戦略で大切なことは「市場・顧客分析」「競合分析」「自院分析」の3C分析を行うことです。
3つのCとは、「Company(自院)」「Customer(市場、顧客)」「Competitor(競合)」の頭文字を指します。自院と競合に加えて市場や顧客を分析することで客観的に分析し、的確な戦略を練ることができます。
自院の強みや弱み、競合と差別化することで、何をアピールポイントにしていくのかを見極めましょう。
④Web施策を中心とした集患対策を実施する
Web施策は集患対策として重要な要因の一つです。効果的なWeb対策は、下記の4つです。
1.SEO(通常検索結果)対策をおこなう
SEOとは、「Search Engine Optimization」の頭文字を並べたもので、「検索エンジン最適化」の略です。
主にGoogleなどの検索エンジンで検索した際に、自分のサイトやHPが上位表示されるような対策です。
クリニックのHPが上位に表示されることで、集患につながるのでSEO対策は重要になってきます。
2.MEO(地図情報)対策をおこなう
MEOとは、「Map Engine Optimization」の頭文字を並べたもので、「マップ検索エンジン最適化」の略です。
Googleマップに登録したクリニックの検索順位を上位に表示させる施策のことです。
MEO対策で成果が得られると、狙った地域のキーワード(皮膚科 新宿など)でGoogleマップの検索順位を上げられます。
さらに、Google検索の検索結果でも、自社のクリニック情報が上位に表示される可能性があります。
また、MEO対策には下記のメリットがあります。
- 比較的費用が安く短期間で上位表示が期待できる
- 競合が少ない
- 効率的に見込み客への認知拡大、集客促進を実現できる
地域住民をターゲットとしているなら、MEO対策を取り入れてください。
3.リスティング広告(検索連動型広告)対策をおこなう
リスティング広告とは、「Google広告」や「Yahoo!広告」のことでユーザーが検索したキーワードに応じて検索結果画面に掲載されるテキスト広告のことです。
自院のホームページへの集客はもちろん、新規の患者を獲得するためにも有効な方法です。
また、リスティング広告は特定の地域に絞ったターゲティングが可能なので、クリニックでの集患対策に効果的です。
4.SNS運用をおこなう
SNSの運用は、コストがかからず大きな拡散が狙える点が魅力の集患施策です。
患者に対してリアルタイムな情報を提供できます。
またSNS運用で先生自身をブランディングすることで、他院との差別化となり集患にもつながりクリニックの認知度向上が期待できます。
⑤業務に関するシミュレーションを徹底する
クリニックの開業1ヶ月前より、しっかりと研修期間を設けましょう。
スタッフは、クリニック運営を支える重要な仲間です。
クリニック内の業務を円滑に回すために、スタッフには研修時に院長やクリニックの理念を理解してもらう必要があります。
また、電子カルテをはじめとしたシステムの操作方法や知識なども習得する必要があります。
研修の段階で共有できると、開業後にトラブルが起きる可能性をグッと下げられます。
クリニック開業後のWebマーケティングなら東京ドクターズ
クリニック開業で後悔・失敗しないための対策として、集患対策は欠かせません。
また集患対策の中でも、Web施策は最も効果的です。
Web施策は正しい知識やノウハウが必要ですので、専門の業者に外注することも一つの選択肢です。
東京ドクターズでは、医療に特化したSEO対策のサポートを行っております。
自院のWeb施策に悩んでいる方は、集患サービスが充実している東京ドクターズの活用をおすすめします。
オンラインでの無料相談も行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ:クリニック開業で後悔・失敗しないために入念な準備をしよう
今回は、クリニック開業で後悔・失敗するケース9選と成功方法について解説いたしました。
クリニックを運営していく上で、失敗や後悔を完全に防ぐことはできません。
しかし、念入りな情報収集をすることで失敗や後悔するリスクを最小限に減らすことは可能です。
この記事を参考に、納得のいくクリニック経営を実現させましょう。