エステサロンの開業を考えているものの、「どれくらいの資金が必要なのか」「どうやって資金を集めれば良いのか」がわからないという方はいるのではないでしょうか。
この記事では、エステサロンの開業資金の目安や集め方などについて解説していきます。エステサロンの開業を目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の内容
エステサロンの開業スタイルは3種類
エステサロンの開業には、大きく以下3つのスタイルがあります。
- 自宅サロン
- マンションサロン
- テナントサロン
ここでは、これらがどういった開業スタイルなのかについて解説していきます。
自宅サロン
自宅サロンとは、自宅の一部をサロンスペースとして提供するスタイルのことです。
このスタイルには、サロン用に他の物件を借りる必要がないことや通勤にかかる労力を省けるといったメリットがあります。他のスタイルに比べて開業の手間が少なく、初心者でも始めやすいのが特徴です。
ただし、自宅が賃貸物件の場合、エステサロンとして利用しても良いのかを事前に確認しておきましょう。
また、家族と一緒に暮らしている場合には、家族のライフスタイルに気を配る必要もあります。
サロン施設としてスペースを提供することは、多くの人に自宅を公開することになるため、セキュリティには十分注意しましょう。
マンションサロン
マンションサロンとは、自宅とは別にマンションを借りてサロンスペースとする開業スタイルです。
自宅サロンとは異なり、自分の好きな立地に開業できたり、より施術をしやすい環境にできるなどのメリットがあります。また自宅を公開することがないため、セキュリティ面でも安心です。
しかしマンションを借りるための費用や賃貸料、内装工事費など必要な資金が高額になることもあるので、注意が必要です。
テナントサロン
テナントサロンとは、商業ビルなどの空きテナントを借りてエステサロンとする開業スタイルです。
他のスタイルに比べて、商業ビルだと集客がしやすく、経営面での自由度が高いのが特徴です。
またテナント物件の中には、以前の内装がそのまま残されている居抜き物件があり、その場合は内装工事費を抑えられます。
ただし、何もないテナント物件で1から準備をするとかなりの資金と時間が必要となり、店舗の大きさによっては従業員を雇う必要もあるでしょう。
エステの開業スタイルごとに必要な資金
ここでは、3つの開業スタイルごとにそれぞれどれくらいの資金が必要なのかについて解説していきます。
自宅サロンの開業資金は20〜30万円程度
自宅をエステサロンとして提供する場合、自宅をそのままサロンとして利用できるので、必要な開業資金は20〜30万円程度でしょう。
ただし、新居に引っ越してサロンを始めるという場合は、引っ越しの費用などが上乗せされるため総額で100万円程度が必要になります。
内装や導入する機器によっては、さらに資金が必要となる場合もあるでしょう。
マンションサロンの開業資金は150〜200万円程度
マンションサロンの開業資金の目安は、150〜200万円程度です。
マンションを新たに借りる費用や内装工事にかかる費用など、自宅サロンの場合は削減できる費用がかかるため高額になっています。
またマンションの立地や間取りなど物件にこだわると、家賃が高額になっていくため、多めに資金を調達しておくと安心でしょう。
テナントサロンの開業資金は300〜600万円程度
テナントサロンの開業資金は、300〜600万円程度が目安です。
テナントサロンを開業する際には、テナントを借りるための賃料や保証料といった初期費用が多く必要となります。
例えば、1ヶ月の賃料が25万円のテナントの場合、保証料として必要な賃料6ヶ月分だけで150万円の初期費用が必要です。
もし、居抜き物件ではないテナントを選んだ場合、1から内装工事をする必要があり、その上で機器や家具類の費用を用意しなければなりません。
なお、サロンの規模が大きいと、従業員を雇う必要があることも想定しておいてください。
エステサロンの開業資金|その他費用
エステサロンを開業する上で、賃料や保証料以外にも、大きく分けて以下3つの費用が必要です。
- 内装工事の費用
- 備品や消耗品を揃える費用
- エステ機器の導入費用
以降でそれぞれに必要な費用の目安などについて解説していきます。
内装工事の費用
エステサロンを開業する際の内装工事の費用は、工事の規模や内容によって差が生じますが、10〜200万程度が目安です。
エステサロンの内装工事では、主に以下のような内容の工事を行います。
- 壁
- 床
- エアコン
- 照明
- 電気
- 水道
- トイレ
- カーテンレール
内装工事の費用は、工事に力を入れるほど高額になっていきます。そのため、本来希望している工事を全て行うと、どんどん費用がかさんでしまいます。
自身の予算を考慮して、事前に工事して欲しい箇所の優先順位を決めておくと想定以上に資金が必要になることはないでしょう。
また、業者によってもかかる費用にばらつきがあるため、3〜4社ほどの複数業者で見積もりしてから依頼することが重要です。
備品や消耗品を揃える費用
エステサロンを開業するためには、さまざまな備品や消耗品を用意する必要があります。そのために必要な費用は、数十万円程度が目安です。
必要となる主な備品や消耗品は、以下の通りです。
- 施術用ベッド
- イス
- ワゴン
- タオル
- スリッパ
- 使い捨て下着
- 使い捨てシーツ
- シートマスク
- マッサージクリーム
- マッサージオイル
これらの備品や消耗品一つひとつは、さほど高額なものではありません。しかし、全てを用意するとなるとまとまった資金が必要となります。
そのため、開業して間もない時期は、必要最低限のものを用意しておいて状況に応じて随時買い足していくと無駄が生まれません。
エステ機器の導入費用
エステサロンでは、施術をするためにさまざまなエステ機器を導入する必要があります。
エステ機器は種類が豊富で、メーカーによって機能もさまざまです。主なエステ機器の種類と必要な費用の目安は、以下の通りです。
痩身機器 | 120~500万円 |
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美顔器 | 10~40万円 |
脱毛機器 | 300~550万円 |
開業した直後の時期は、どの程度の集客が望めるのか予想しづらく売上も不安定なケースが多いでしょう。初めはレンタルのエステ機器の導入を検討してみてください。
エステサロンにかかる開業資金の資金調達方法
エステサロンにかかる開業資金を調達する方法は、以下の5つです。
- 貯蓄を利用する
- クラウドファンディングを実施する
- 家族などから借り入れをする
- 金融機関からの融資を受ける
- 補助金や助成金を利用する
貯蓄を利用する
自分自身の貯蓄から開業資金を調達するという方法です。借金することなく始められるため、負債を抱えることなく開業できます。
ただし、必要な費用が高額になるほど貯蓄だけでまかなうのは容易ではありません。
そのため、この方法を利用する場合は、他の方法と併用するのがおすすめです。
クラウドファンディングを実施する
開業資金を調達する方法として、クラウドファンディングを実施するという方法もあります。
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて応援してくれる人たちから支援としてお金を寄付してもらうという方法です。エステサロンの開業プロジェクトとしてクラウドファンディングを募れば、目標資金を集められる可能性があります。
事前に設定した目標金額まで、支援してもらえれば費用が手に入ります。
この方法は、エステサロンの宣伝と資金調達を同時に行えるため、開業するところまで行ければ集客効果も見込めるでしょう。
家族などから借り入れする
家族や友人など、応援してくれる周りの人から借り入れする方法もあります。
相手が身の回りにいる理解者であるため、借りるハードルは低いでしょう。
ただし、「返済が遅れてしまう」「返さないでいる」と今後の信頼関係にも関わってくるので、注意しなければなりません。
金融機関からの融資を受ける
金融機関からの融資を受けるのも1つの方法です。
金融機関からの融資は、金利が低い傾向にある上、支店も多く利便性が高いです。
また、厳しい審査がある反面、対外的な信頼や信用につながります。
さらに、融資相談や経営のアドバイスを受けられるのも、大きなメリットになるでしょう。
ただし返済の際には元金と合わせて利子の返済も必要となるため、ある程度のリスクがあることを理解した上で利用してください。
補助金や助成金を利用する
補助金や助成金を利用して資金調達する方法もあります。
行政や自治体から受けられる補助金や助成金は、融資と違い返済する必要がないという大きな利点があります。しかし支払われるのは後からになるため、事前に開業資金の調達が必要です。
補助金や助成金を受け取るには、決められた要件を満たしておく必要があるため開業の準備段階で調べておきましょう。
利用できる主な補助金や助成金は、以下の通りです。
- キャリアアップ助成金
- 人材開発支援助成金
- 地域雇用開発助成金
- 両立支援等助成金
- 小規模事業者持続化補助金
- 創業支援等事業者補助成金
利用できる補助金や助成金があれば、積極的に活用していきましょう。
まとめ:エステサロンの開業資金を知って資金調達しよう
エステサロンを開業する際には、理想とする開業スタイルにおける必要な資金を把握しておくことが大切です。資金を把握できたら、その金額や状況に応じて調達方法を検討しましょう。
エステサロンの開業には、入念な事前準備が欠かせません。
エステサロンの開業を考えている方は、この記事を参考に準備を進めてください。