クリニックの新規開業に伴う、地域住民への周知にはチラシが有効です。
「どのようにチラシを作ればいいかわからない……」
「チラシを作るにも医療法広告規制に触れないか不安……」
このような悩みを持つ方は多いでしょう。
そこで、本記事ではクリニックの宣伝効果をあげるためのチラシ作りのポイントや注意点について紹介していきます。配布方法も含めて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事の内容
クリニック開業のチラシ配布で期待できる効果
それでは、クリニック開業のチラシ配布で期待できる効果について解説します。
- 特定エリアにターゲティングできる
- 見た後も残存する可能性がある
- 視覚的な訴求効果が期待できる
特定エリアにターゲティングできる
クリニック開業に伴いチラシを配布すれば、特定エリアにターゲティングできます。
ただし、チラシを配布する商圏の把握は欠かせません。アプローチしたいターゲットにチラシを配布できるよう、エリアを確認しておきましょう。
クリニックの宣伝には、Web広告といった選択肢もありますが、チラシ配布の方がコストをおさえられます。
見た後も残存する可能性がある
チラシ配布による宣伝は、見た後も残存する可能性があります。
Web広告や交通広告による宣伝では、広告を見た後もイメージが残り続ける可能性は低いでしょう。
しかし、チラシは保管できます。チラシを家族間や施設内で回覧されれば、1枚で複数人にアプローチでるでしょう。
視覚的な訴求効果が期待できる
チラシは、視覚的な訴求効果が期待できます。
そもそもチラシは、ターゲットにアプローチしたい内容を視覚的に訴求するものです。
ただし、チラシに掲載できる情報は限られるため、オープンする日時や問い合わせ先の記載は、見やすくわかりやすいレイアウトを意識しましょう。
クリニックのチラシ作成には医療法広告規制に要注意
クリニックのWebサイトに広告を掲載する場合は、医療法広告規制に注意してください。
2018年6月より医療法改正に伴い、医療機関のWebサイトもチラシ(広告)として扱われる恐れがあります。
医療法広告規制に違反しないためには、6つの禁止事項についてしっかりと確認してください。
- 治療効果を謳う目的で患者さんの体験談を掲載する
- 詳細な説明なしにビフォーアフターの写真を掲載する
- 他院と比較し自院が優れているとアピールする
- 拡大広告を掲載する
- 虚偽広告を掲載する
- 根拠のない効果や効能を表示する
医療法広告規制に違反すると、チラシの中止や是正を命じられます。従わなかった場合は、6ヶ月以下の懲役または、30万円以下の罰金刑が課せられます。
参照:厚生労働省|医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書(第2版)
チラシの内容が悪質と判断されれば、最悪クリニックの開設許可を取り消されかねません。
クリニックのWebサイトに広告を掲載する際は、医療法広告規制に違反しないよう注意しましょう。
クリニックのチラシに使用できるもの
次に、クリニックのチラシに使用できるものを紹介していきます。
- 従業員が写っている写真
- クリニックに据え置きの医療機器の写真
従業員が写っている写真
まず、従業員が写る写真を使用できます。
クリニックのチラシに従業員が写っている写真を掲載する場合は、必ず本人の許可を取ってください。
自身が撮影した写真をWebサイトに掲載しても、撮影者の著作権侵害には該当しません。
しかし、従業員が写っている写真を本人の許可なく掲載した場合は、被写体の権利侵害に当たる可能性があります。事前に従業員の許可を得たうえで掲載しましょう。
クリニックに据え置きの医療機器の写真
クリニックに据え置きの医療機器の写真を掲載する場合は、条件があるので事前に確認しましょう。
クリニックに据え置きの医療機器であっても、未承認医療機器の販売・授与などに該当する広告だった場合は薬機法違反に抵触する可能性があります。
薬機法に抵触すると行政指導が入るため、業務停止処分を受ければ業務に影響しかねません。2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科せられる恐れもあります。
参照:医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書 (第2版)
クリニックに据え置きの医療機器の写真を掲載する場合は、薬機法に抵触しないか確認してください。
開業クリニックにおけるチラシ作成のポイント
続いて、開業クリニックにおけるチラシ作成のポイントを3つ紹介します。
- ゴールを明確化する
- 幅広い観点で検証・改善を繰り返す
- 配布のタイミングを見極める
ゴールを明確化する
開業クリニックがチラシを作成する場合は、ゴールを明確化しましょう。
ゴールを明確化しないままチラシを作成しても、見やすいチラシは作れません。わかりにくいチラシでは、受け取った人は興味を惹かれないでしょう。
ゴールを明確化しておけば、チラシを受け取った人の記憶に残る広告を作成でき、集客につなげられます。
幅広い観点で検証・改善を繰り返す
クリニックのチラシは、幅広い観点で検証と改善を繰り返すことも大切です。
チラシを配布しても思うような効果が得られない場合は、ターゲットを広げるかデザインを変えるなどの改善を取り入れてみてください。
検証と改善を繰り返せば、反響が良いターゲットやデザインを把握できます。
また、検証や改善を繰り返すことで、イベントやキャンペーンがあった場合も効果的なチラシを作成できるでしょう。
配布のタイミングを見極める
クリニックのチラシは、配布のタイミングを見極めることも大切です。
チラシを配布する商圏を把握していても、配布する時間がとれないこともあるでしょう。
もし配布が難しい場合は、郵便局や周辺の店舗など多くの人が利用する場所にチラシを置いてもらうのも有効です。
チラシを配る際は、ファミリーや年配の方などなど、ターゲットに合わせて見極めてください。
開業クリニックのチラシ配布方法
では最後に、開業クリニックのチラシ配布方法を紹介します。
- ポスティング
- 街頭での配布
- 新聞折り込み
ポスティング
ポスティングは、クリニック周辺の住居を1件ずつ回り、ポストに直接チラシを配る方法です。
ポスティングは、アプローチしたい地域を選べるうえ、受け取り側の目に入りやすいといったメリットがあります。
自院のリソース不足で配布が難しい場合は、配布業者に依頼するのも選択肢のひとつです。
街頭での配布
街頭での配布は、人通りの多い場所でアピールできます。
街頭での配布は、チラシにサンプルやポケットティッシュなどをセットにしなければ、中々受け取ってはもらえません。
また、街頭で配布する場合は、事前に警察からの許可を取得しましょう。
新聞折り込み
クリニックのチラシは、新聞の折り込み広告も活用できます。
特に、シニア層やファミリー層へのアプローチに有効です。
新聞と一緒に配達してもらえるので、配る手間が省けるでしょう。
ただし、新聞社の審査に通過しないと配布できません。デザインやレイアウト、配布部数などは、予め利用したい新聞社に確認してください。
まとめ:クリニックの告知にはチラシを有効活用しよう
クリニックのチラシでは、医療法広告規制に関する注意が必要ですが、告知にはチラシが有効です。
自院でチラシを作成する場合は無料のテンプレートを活用できます。自院での作成が難しい場合は、外注を検討しましょう。
チラシにもさまざまな種類やアプローチ方法がありますので、自院に合う最適な方法を見極めてください。