クリニック経営は大きく成功する場合もあれば、大きく失敗する場合もあり、リスクを伴います。
しかし、失敗する原因や成功するポイントを理解していれば、大きく失敗する可能性は減ると思いませんか?
本記事ではクリニック経営の現状を解説した後、クリニック経営が失敗する理由と成功するためのポイントを解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、クリニック経営のヒントを持ち帰ってください。
この記事の内容
クリニック経営の現状
まずは、クリニック経営を取り巻く現状からお伝えします。
大きな病院は経営が厳しいため、統廃合が進められ、数がどんどん減っています。
その一方で、小さなクリニックはどんどん数を増やし、この20年で10%以上も増加し、2020年には10万軒を突破しました。
2040年には12万5000軒、2060年には15万軒を突破するとの予想もあり、今後も競争が激化することは間違いありません。
人口減少が予想される日本において、クリニックの数が増えると、当然ながら1つのクリニックあたりの売上高は下がります。
こうした状況の中で、生き残らなければならないため、経営環境は今後、一層厳しさを増すでしょう。
クリニック経営で失敗する原因3選
クリニック経営の失敗には、必ず原因があります。
主な原因として、以下の3つが挙げられます。
- 集患ができない
- リピート率が低い
- 従来のやり方にこだわる
経営が失敗する原因を理解することで、失敗する確率を減らせるので、きちんと理解しましょう。
集患できない
1つ目は、集患ができないことです。
宣伝活動に力を入れていなかったり、力を入れていても戦略が間違っていたりすると、集患数が増えません。
来てもらう患者さんの数が増えないことには、売上が上がらず、経営が改善しません。
そのため、集患ができないことが経営が失敗する原因の1つに挙げられるでしょう。
リピート率が低い
2つ目は、リピート率が低いことです。
いくら多くの集患ができても、リピートしてもらえなければ、安定的な集患にはつながりません。
安定的に集患ができないと、経営状況は不安定になってしまうため、失敗の原因の1つに挙げられます。
従来のやり方にこだわる
3つ目は、従来のやり方にこだわることです。
クリニック経営に関しては、時代に合わせて知識やノウハウがどんどん新しくなっていきます。
しかし、「私はこの方法でうまくいったのだ」と、従来のやり方にこだわる方も少なくありません。
その結果、時代に取り残されて、だんだんと求心力を失い、経営が悪化してしまいます。
従来のやり方にこだわるのではなく、柔軟な考え方が求められるでしょう。
クリニック経営で成功させるためのポイント5選
クリニック経営で成功させるためのポイントは、以下の5つです。
- 経営理念を明確にする
- 集患対策をする
- 患者さんの信頼を得る
- 無駄を削る
- スタッフの継続率を上げる
1つずつ解説します。
経営理念を明確にする
1つ目は、経営理念を明確にすることです。
クリニックの方向性や目的を示す経営理念を明確にすることにより、それがクリニック全体の道標として機能し、行き詰まった場合にも真正面から問題に対処できるようになります。
経営理念が妥協して決められたものだったり、曖昧なものだったりすると、そこに想いが乗っていないので、スタッフに周知されにくく道標としての機能を失います。
そのため、納得するまで考え抜いて、誇れる経営理念を作成しましょう。
集患対策をする
2つ目は、集患対策をすることです。
集患対策で取りうる方法は、主に以下の2つがあります。
- 口コミ
- SEO対策
1つずつ解説します。
口コミ
まずは口コミです。
特に、地域密着型のクリニックでは、口コミでどれだけ多くの方に評価してもらえるかが大きな要素を占めます。
しかし、口コミを増やすためにクリニック側ができることは、実はあまり多くありません。
口コミを強制する方法も考えられますが、それでは良質な口コミが集まらず、逆効果になってしまうだけでなく、多くの口コミサイトではポリシー違反に該当してしまいます。
そのため、地道に患者さんの信頼を獲得し続け、自発的に口コミを広げてもらうことを待つしかありません。
SEO対策
続いて、SEO対策です。
SEO対策とは、Googleなどで「〇〇市 内科」などと検索し、自身のクリニックがなるべく早めに表示されることを狙うことです。
検索した結果、なるべく早めに表示されれば、検索した方の多くが目にすることになり、自身のクリニックを選択肢として入れてもらいやすくなります。
SEO対策をするには、検索が予想されるキーワードに向けて、良質なコンテンツを投下し続けることが大切です。
患者さんの役に立つだけでなく、Googleなどから「質の高いサイトだ」と判断されるようにならなければなりません。
こちらも地道な戦略ですが、とても大きな効果を生む可能性が高いので、積極的に取り組みましょう。
患者さんの信頼を得る
3つ目は、患者さんの信頼を得ることです。
先ほども、「口コミ」の部分で触れましたが、患者さんの信頼を得ることはとても大切です。
口コミを広げてもらうことにも有効ですが、その患者さん自身がリピートしてもらうためにも信頼を得ることは有効的な手段だといえます。
新規の患者さんを集患するよりも、既存の患者さんにリピートしてもらう方が難易度は下がるため、クリニックの経営を安定させるには、リピートしてもらう患者さんを増やすことが大事になるのです。
特に以下の点に意識すると、患者さんの信頼を得やすくなるでしょう。
- スタッフの対応が丁寧
- 待ち時間を減らす(オンライン予約の導入)
- 患者さんと話すときは「目」を見る
- 会計システム・オンライン決済を導入し、負担を減らす
経費の無駄を削る
4つ目は、経費の無駄を削ることです。
経費の面では無駄な部分が多いことが考えられます。
経費が必要以上にかかっていると、利益が減ってしまいクリニックの経営が悪化してしまいます。
そのため、無駄な経費を削り、スリム化していくことが大切です。
特に、人件費・一般経費・広告費には無駄が発生しやすくなります。
- 人件費:採用コストやスタッフの管理費が高くなる傾向にある
- 一般経費:設備の管理費が高くなる傾向にある
- 広告費:効果のない施策に広告費を突っ込んでも意味がない
どの程度、経費がかかっているのかを計算し、可能な限り無駄を省きましょう。
なお、人件費に関しては、スタッフの給料を下げることは得策ではないため、よほど必要ではない限り、給料は維持するか、むしろ上げることをおすすめします。
スタッフの継続率を上げる
5つ目は、スタッフの継続率を上げることです。
「サービスプロフィットチェーン」という考え方では、患者さんが満足するためには、スタッフが満足していることが重要とされています。
スタッフが満足して働くことで、提供するサービスの質が上がるため、結果として患者さんの満足度も高まるからです。
スタッフに定期的にヒアリングしたり、予約システム・オンライン決済など、スタッフの手間が省ける施策を導入したりすることが考えられます。
まとめ
今回は、クリニック経営を成功させる方法について解説しました。
クリニック経営が置かれている現状とクリニック経営が失敗する理由は必ず理解しておく必要があります。
その上で、今回紹介した成功するポイントを取り入れれば、経営を軌道に乗せることができるようになるでしょう。
ぜひ今回の内容を参考に、クリニック経営を成功させましょう。