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超音波診断装置の主要メーカー8選を徹底比較!選び方も紹介

近年、医療の分野では技術革新が進み、その中でも超音波診断装置は画像診断の重要なツールとして広く使用されています。

超音波検査は音波を使うため非侵襲的であり、患者さんの安全性に配慮しながら病変の位置や内部の状況を詳細に診断できるため、その需要はますます高まっています。

超音波診断装置の主要メーカーは多数存在し、各社がさまざまな機能や特長を提供しています。

そこで本記事では、超音波診断装置の主要メーカー8選を比較して紹介します。選び方も紹介しているので、超音波診断装置の導入を考えている医療関係者の方は、ぜひ参考にしてください。

この記事を監修した医師
見立 英史 国立・私立大学や開業医勤務を経て私立大学病院に勤務。一般歯科診療から全身麻酔手術症例までを行っています。日本口腔外科学会指導医・専門医、日本口腔科学会指導医。専門分野は口腔粘膜疾患。  

超音波診断装置メーカー主要8社を比較

聴診器の画像

では早速、超音波診断装置の主要メーカー8社を紹介します。

  1. キヤノンメディカルシステムズ株式会社
  2. オリンパス株式会社
  3. 富士フイルムヘルスケア株式会社
  4. コニカミノルタ株式会社
  5. GEヘルスケア・ジャパン株式会社
  6. シーメンス株式会社
  7. フクダ電子株式会社
  8. フィリップス

キヤノンメディカルシステムズ株式会社

キヤノンメディカルシステムズの画像

出典:キヤノンメディカルシステムズ

売上高 4,804億円(2021年12月期)
※キヤノングループのメディカル事業全体の売上高
従業員数 11,052名(2021年12月時点/グループ連結)
本社所在地 栃木県大田原市下石上1385番地
資本金 207億円
その他の取り扱い医療機器 心臓領域血管撮影装置/脳血管領域血管撮影装置
循環器・一般血管領域血管撮影装置
ハイブリッドアプローチ血管撮影装置
CT/MRI/一般 X 線撮影システム など

キヤノンメディカルシステムズの超音波診断装置は、コンパクトタイプのプローブコネクタを採用し、ハイエンドかつコンパクトなデザインを実現しています。

この設計は、院内での移動のしやすさを想定しており、操作パネルには上下昇降機構や左右スウィング機能が採用されています。

また、バッテリー搭載も可能で、20分、2時間、4時間の設定が可能です。

製品 特徴
Aplio i-series / Prism Edition 革新的な機能と超高画質。
先進アプリケーションの提供。
高度なテクノロジーによる精密な検査対応。
Aplio a-series ハイエンド超音波シリーズ。
洗練された操作感とAdvanced Technologyの搭載。診断精度。
Aplio flex & Aplio go 病気の発見に焦点を当てた設計。
使いやすい操作性。
診断しやすい性能とスキャンしやすいプローブ。
Viamo c100 軽量かつコンパクトな設計。
バッテリー駆動最長2時間の実現。
診察室やベッドサイド、往診など様々なシーンに適した検査環境の提案。
Viamo sv7 軽量かつコンパクトなタブレットタイプ。
高画質な臨床画像の提供。
携帯性に優れ、臨床のあらゆる状況に対応。

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オリンパス株式会社

オリンパスの画像

出典:オリンパス株式会社

売上高 9680億円(23年3月確定分)
従業員数 2,727 名
本社所在地 東京都新宿区西新宿2-3-1 新宿モノリス
資本金 1億2,464万3,000円
その他の取り扱い医療機器 内視鏡/高周波メス/開腹手術用デバイス/

オリンパス株式会社の超音波診断装置は、装置の起動が迅速であるため、素早く検査を開始できます。時間効率が向上することは、患者さんの待ち時間も削減でき、快適な医療サービスにつながります。

また、オリンパス株式会社の「EU-ME1」とアロカ株式会社製の超音波診断装置との組み合わせにより、画像表示範囲が拡大します。高画質な超音波Bモード画像や高感度なドプラー機能が追加できます。

特にカラーフローモードでは、血流の有無だけでなく、血流の方向も色分けして表示され、血管とリンパ節の識別が可能になります。

製品 特徴
EU-ME3 先端に超音波振動子がついた内視鏡(超音波内視鏡)と接続して超音波を送受信する装置
膵臓がん・肺がんの精密検査や胃がん・食道がんの深達度診断などに使用
コンパクトサイズでありながら、高精細な画質を実現
世界最小・最軽量のコンパクトな本体で、片手で持ち運びが可能。
携帯性が向上し、様々な診断場面で利用できます。

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富士フイルムヘルスケア株式会社

富士フィルムの画像

出典:富士フイルムヘルスケア株式会社

売上高 5,041億円(2019年度)
従業員数 1,521名
本社所在地 東京都港区赤坂9丁目7-3
資本金 5,000万円
CT/MRI/ X線診断システム/CT/ヘルスケアIT

富士フイルムヘルスケアは、幅広い医療現場でスムーズな超音波画像診断を実現するために、さまざまな製品を提供しています。

特に、ARIETTAブランドの超音波診断装置は、病院や在宅医療などで高い評価を受けています。

2018年には、内科や産婦人科領域の診断をサポートする「FUTUS」も発売されました。健康促進に貢献しています。

また、AI技術を活用したノイズ除去技術を搭載し、高画質な超音波画像を提供する「ARIETTA 850 DeepInsight」と「ARIETTA 650 DeepInsight」が新たに発売されました。

製品 特徴
ARIETTA 850 DeepInsight AI技術を活用したノイズ除去技術により高画質化を実現。
診断から治療まで幅広くサポートするアプリケーションを搭載したプレミアムモデル。
ARIETTA 650 DeepInsight ARIETTAシリーズの中でも最高水準の画像処理技術を搭載。
ARIETTA 65 軽量でコンパクトな設計でありながら、高い画像品質を実現。
ARIETTA 60 操作性に優れ、幅広い診断に対応。
ARIETTA Prologue 簡単な操作でありながら、高い画像品質を実現。

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コニカミノルタ株式会社

コニカミノルタの画像

出典:コニカミノルタ株式会社

売上高 9,114億円(連結売上高)
従業員数 単体 4,545名(2022年3月現在)
連結 39,121名(2022年3月現在)
本社所在地 東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー
資本金 37,519百万円
その他の取り扱い医療機器 画像診断装置など

コニカミノルタの超音波診断装置は、 高感度広帯域プローブ(L18-4)の使用により、高分解能を実現しています。

T2HI®(Triad Tissue Harmonic Imaging)技術の導入により、高い分解能と深部までのペネトレーションを同時に実現し、高画質での診断が可能です。

また、Dual Sonic®技術により、浅部領域の音響ノイズが低減され、高分解能が達成されます。送受信効率の最大化により、深部の描出性能も向上します。

さらに、iXRET®という超解像技術を使用して、画像の解像度が向上し、微細な構造や病変の詳細な観察が可能となります。

製品 特徴
SONIMAGE HS2 シンプルな操作性と高画質
外来、検査室、処置室で使用可能
医療のつながりをサポート
SONIMAGE HS2 PRO シンプルな設計で使いやすさを提供
SONIMAGE MX1 α コンパクトボディでセクタプローブに対応
追加の診断機能
SONIMAGE MX1 画質・性能を保ちつつポータビリティに注力
SNiBLE2 SONIMAGE HS2の整形外科向けバージョン
SNiBLE yb PREMIUM コンパクトで高画質
診療の可能性を拡げる1台
SNiBLE yb 画質・性能を保ちつつポータビリティに注力
SONOVISTA GX30 女性診療用の新スタンダードエコー
コンパクトとユーザビリティに焦点をあてている

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GEヘルスケア・ジャパン株式会社

GEヘルスケアの画像

出典:GEヘルスケア・ジャパン株式会社

売上高 1,300億円(2021年12月期)
従業員数 約1,700名
本社所在地 東京都日野市旭が丘4-7-127
資本金 60億円
その他の取り扱い医療機器 画像診断装置/CT/MRI/麻酔器/心電図関連製品/患者モニタリングシステム など

GEヘルスケア・ジャパン株式会社の超音波診断装置は、診断しやすい画質が特徴であり、高い解像度と明瞭な画像が得られ、医師が迅速で正確な診断を行えます。

また、シンプルで直感的な操作性があり、必要最小限の手順で装置を操作できます。サポートも充実していて長期にわたって安定した使用が可能です。

Versanaシリーズは開業医向けのブランドであり、診断しやすい画質や必要最小限の操作性が特徴です。

製品 対象領域 特徴
LOGIQシリーズ 多目的汎用 多目的で汎用的な使用に適したシリーズ。
Vividシリーズ 循環器領域 主に循環器領域を対象としたシリーズ。
Volusonシリーズ Women’s Healthcare領域 Women’s Healthcare領域を中心に対応するシリーズ。
Venueシリーズ Point of Care向け Point of Care(診察室外の診療)向けの新ブランド。
Vscan ポケットサイズ コンパクトなポケットサイズの超音波診断装置。

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シーメンス株式会社

シーメンスの画像

出典:シーメンス株式会社

売上高 779億1300万円
従業員数 非公開
本社所在地 東京都品川区大崎1丁目11番1号ゲートシティ大崎ウエストタワー
資本金 非公開
その他の取り扱い医療機器 CT/MRI/X 線透視撮影装置・泌尿器専用透視装置/
マンモグラフィー/血管撮影装置 など

シーメンス株式会社の超音波診断装置は、ジェスチャー検出型トランスデューサの採用により、手を伸ばすことなくトランスデューサの切り替えが可能となり、深部用トランスデューサを使用して最大40センチの深部到達が実現します。

この超音波画像診断装置は肝硬度を計測する機能も備えており、さらに保険収載にも対応しています。

製品 特徴
ACUSON Redwood 高画質な画像 複数の臨床部門で使用可能
軽量デザイン
ACUSON Juniper 毎日の検査に寄り添う信頼のパートナー
コンパクトでパワフル
ACUSON NX3 series 誰にでも使いやすい装置
Siemens Healthineers のアプリケーション技術を集約
ACUSON NX2 様々な状況にバランスよくフィット
シンプルでコンパクト
ACUSON P500 ポイント オブ ケアをサポート
ポータブル型
ACUSON SC2000 PRIME 2Dおよび3Dの経胸壁エコー、経食道および血管内エコーに対応
心臓血管イメージングに幅広い対応

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フクダ電子株式会社

フクダ電子の画像

出典:フクダ電子株式会社

売上高 1,346億4,800万円(フクダグループ実績)
従業員数 3,382名(フクダグループ全体)
本社所在地 東京都文京区本郷3-39-4
資本金 46億2,160万円
その他の取り扱い医療機器 医用電子機器の開発・製造・販売および輸出入

フクダ電子株式会社の超音波診断装置は、小型で軽量なコンパクトな設計を採用し、高性能デジタルビームフォーマーとアプリケーション設定、表示深度に合わせて自動的に最適な周波数を選択するAFAやiCFMによるカラードプラ技術を組み合わせています。

その結果、高精細で信頼性の高い画質を実現しています。

製品 特徴
Versana Premier R2 腹部から心臓・血管まで広範な検査をサポート
高い機能性と画質
多岐にわたる臨床ニーズに対応
Versana Balance/R2 軽量でスペースを取らないコンパクトデザイン
同時4音線受信でノイズ低減と高画質実現
効率的な診断支援
Versana Active 多岐にわたる専門領域と診療シーンにアクティブに対応
柔軟性と多様性に優れ 幅広い検査に利用可能
Vivid S60N 全視野・全深度フルフォーカスの革新技術搭載
高画質と先進的な機能
精密な心臓・血管診断に貢献
Vivid T9 Vivid最上位機種の性能・機能をコンパクトボディに凝縮
先進の技術と使いやすさの両立
高度な診断を可能に
Lumify 心臓・腹部・表在に対応した携帯型
エコーコンパクトで持ち運びが容易
高品質な画像と迅速な診断支援

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フィリップス

フィリップスの画像

出典:フィリップス

売上高 非公開
従業員数 2,205名(2021年1月1日現在)
本社所在地 東京都港区港南2-13-37 フィリップスビル
資本金 30億円
その他の取り扱い医療機器 一般X線撮影装置
分子イメージング装置
生体情報モニタ
生体情報モニタの消耗品およびアクセサリ
病理診断科

フィリップスの超音波診断装置は、BlueSealマグネットを搭載しており、従来では約1500L必要であったヘリウムを、わずか7Lで超電導状態を維持できるという特徴があります。

高解像度で鮮明な診断画像も可能です。

フィリップスの超音波診断装置は、さまざまな臨床用途に適しています。脳、脊椎、骨格、心臓、血管、およびその他の領域で診断に使用できます。

製品 特徴
Ingenia Ambition 1.5T密閉型マグネット BlueSeal搭載。
ヘリウム依存せず、安定した運用。
高品質な診断画像を提供。
Ingenia Elition 3.0T 最大60%の高空間分解能。
Diffusionイメージングが最大30%高速化。
MR 5300 高い静磁場均一性と安定性。
傾斜磁場直線性が1.4%(50cmDSV時)。
最大FOV55cmで歪みのない高精度MR検査。
Ingenia Prodiva 1.5T CS/1.5T CX ワイドボア:開口径が70cmで広く、患者さんの圧迫感が少なく、開放的な環境。
狭い場所が苦手な患者さんや小児、体格の大きな患者さんに適しています。

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超音波診断装置メーカーの選び方

白い病室の画像

超音波診断装置を導入するにあたって、メーカーの選び方には4つのポイントがあります。それぞれ解説していきます。

  1. 価格で選ぶ
  2. 性能・機能で選ぶ
  3. 操作性で選ぶ
  4. サポート面で選ぶ

価格で選ぶ

超音波診断装置は様々な機能や性能を備えており、そのため価格にも大きな幅があります。

診療所や病院のニーズに合わせて、必要な機能や性能を確定してから予算と比較して選びましょう。

本体の価格はもちろん、維持費用やアフターサポート、修理、アップデートのコストも考慮しておく必要があります。総所有コストを考慮することで、予算の削減と長期的な利益を両立させた導入が可能となります。

性能・機能で選ぶ

超音波診断装置は、様々な機能やモードを備えており、それぞれ異なる診断ニーズに対応できるように設計されています。

どういった用途で使用するかを明確にし、必要な希望をピックアップしてから選んでください。

超音波診断装置に搭載されている主な機能は、以下の通りです。

機能 特徴
カラードプラ法 血流情報をカラーで表示
血流速度や方向の評価
血管や臓器の状態評価
血管外科、心臓血管外科、産婦人科などで必要
3D/4D画像表示 立体的な構造をリアルタイムに表示
手術計画や胎児の評価に役立つ
ドプラ超音波 血流速度と方向の評価に重要
心臓、大動脈、脳の血流評価
異なる種類のドップラーモードが含まれているか確認
高解像度設定 画像の高解像度
微細な構造や病変を観察
可能で的確な診療をサポート
多機能性 さまざまな臓器や領域で使用可能
専門分野向けモードやプローブを搭載
複数の診断ニーズに対応

「多機能性」は複数の診療内容に対応できるので1台で複数の科で共有できます。

また、性能には「運びやすさ」も含まれます。最近はエコープローブとタブレットとをWi-Fiで接続し、往診先に持ち運べて簡便に操作できる商品もあります。

操作性で選ぶ

操作性も超音波診断装置の選択において大切です。

操作が簡単でユーザーフレンドリーな製品を選ぶと、下記のメリットがあります。

まず、新規導入の際のトレーニングコストが軽減できます。診療所や病院でのスタッフの負担を軽減し、迅速な運用を可能にします。

検査の時間を短縮し、患者さんの待ち時間を減少させます。

また、スムーズな操作は患者さんのストレスを軽減し、検査時の快適性が向上します。特に小児患者さんや高齢者にとってはスムーズに検査が進むことは大きなメリットです。

複雑な操作手順や不明瞭な超音波診断装置は、誤診のリスクを高める可能性があります。

簡単な操作で正確に診断でき、誤診のリスクを低減します。正確な診断は患者さんの健康と信頼性に関わるため最重要視したいポイントです。

サポート面で選ぶ

メーカーのサポートやアフターサービスが信頼できるかどうか、装置の保守や修理に関するサポートが適切かどうかも確認が必要です。

使用する過程で問題や疑問が生じた時、ソフトウェアやハードウェアのアップデートが必要な時や保守と定期メンテナンスでサポートが必要な場面はいくつかあります。

信頼性のあるメーカーが提供する適切なサポートとアフターサービスが、装置の長寿命と正確な診断に欠かせないポイントとなります。

超音波診断装置の価格相場

検査の画像

超音波診断装置の価格相場は、さまざまな要因によって幅広く変動します。

新品の超音波診断装置の価格は、一般的に200万円から1,000万円以上に及びます。価格は装置の機能や性能、画像品質、機能の多様性に大きく影響されます。高性能な装置ほど高価です。公開価格がないため、具体的な価格はメーカーに問い合わせが必要です。

ポータブルな超音波診断装置は、通常のスタンドアロンユニットよりも価格が安いことがあります。ポータブル装置は、特定の診療場所への移動や運用が容易で、コストを抑えたい場合に適しています。

費用を抑えたい場合、中古の超音波診断装置という手段もあります。注意点として、中古装置の状態や保証について詳細に調査し、信頼性を確保する必要があります。

超音波診断装置の価格には、本体価格だけでなく、アクセサリー、部品の交換、アフターサービスなどの追加コストも含まれます。これらの追加コストを考慮し、長期的な運用コストを評価することが大切です。

結論としては新品を購入する場合、ポータブルでシンプルな機能であれば80万円〜、高画質・最新機器になると1,000万円程度が目安になるでしょう。

まとめ:超音波診断装置はメーカーの特徴をおさえてニーズに合った機器を比較検討しよう

超音波診断装置の選定において、最新の技術や機能は魅力的かもしれませんが、機能だけでなく価格や診断対象、業態に合った装置を選ぶことが非常に大切です。

超音波診断装置は急速に進化し、新しい技術が次々に導入されているため、最新の技術もすぐに古くなってしまいます。

診断対象に必要な機能を厳選して、相見積もりを取って比較検討してください。