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クックチルシステムとは?おすすめ業者やメリット・デメリットも解説!

みなさんは従来の厨房現場にあった課題を解決する新しい調理法「クックチルシステム」を知っていますか?

本記事では、クックチルシステムのおすすめの業者や導入するメリット・デメリットなどについて解説していきます。

クックチルシステムの導入を検討される際に、ぜひ参考にしてみてください。

クックチルシステムとは?

クックチルシステムとは、加熱調理した食材を急速冷却し、0〜3℃の低温のチルド状態で保存した料理を食事のタイミングに合わせて再加熱して提供する新しい調理システムの1つです。

急速冷却しチルド状態で保存することで、細菌が繁殖しない温度を保ち、高い保存性を実現しています。実際に食事する際には、加熱し盛り付けるだけという少ない作業工程での提供が可能です。

クックサーブとの違い

クックサーブとは、従来の調理法のことを指しており、加熱調理した食材をそのまま盛り付け提供することです。

クックサーブは1から調理し提供するため、クックチルよりも提供までの時間が長くなってしまいます。また低温によって細菌の繁殖を抑えているクックチルとは違い、クックサーブは保存期間が短いという弱点があります。

その他にも、クックチルと比べ、「食品ロスが出やすい」「料理人の腕で味が変わる」などといった違いがあります。

ニュークックチルとの違い

ニュークックチルは、急速冷凍しチルド状態にしたところで盛り付けて保存し、食事の際に再加熱だけ行いそのまま提供できる新しい調理システムです。

クックチルと違い、盛り付けされた状態で保存されているため再加熱から提供までの時間が格段に短く、作業工程がより効率化されています。

従来の厨房現場の問題点

従来の厨房現場では、クックサーブによる食事の提供が行われており、いくつかの問題点があります。以下が挙げられる問題点です。

  • 加熱調理から提供まで一気に行うため、時間がかかるなど調理の負担が大きい
  • 大量に調理をするため、多くの料理人が必要で人件費がかかる
  • 料理人の腕によって味にばらつきが出てしまう
  • 加熱後、2時間以内に食さなければならない

これらの問題点は、その場で調理し提供するからこそ生じるものです。そこで新しい調理システムを導入することで、これらの問題点を解決することに繋がります

クックチルシステムの導入した場合のメリット

クックチルシステムを導入するメリットは主に以下4点です。

  1. 安全性が高い
  2. 調理などの作業効率が上がる
  3. コストの削減に繋がる
  4. 安定して高い品質を保てる

詳しく紹介します。

安全性が高い

クックチルシステムは、食材を加熱調理した後、急速冷却しチルド保存することで細菌が繁殖しにくい状態に保っています。

また保存期間は製造日から5日ほどであり、温度管理時間管理を正しく行うことによって高い安全性を担保することが可能です。

安全性は、食事において最も気を付けるべきポイントと言っても過言ではないので、質の管理がされている点は嬉しいポイントです。

調理などの作業効率が上がる

クックチルシステムで保存された料理は、提供する際の作業が再加熱し盛り付けるだけであるため、作業工程が単純で短くなっています。

それにより、実際の厨房現場でのオペレーションも単純になり、作業効率が大幅に上がります

経営にとっても、従業員にとっても魅力と言えるでしょう。

コストの削減に繋がる

クックチルシステムによる調理は作業工程が短い分、これまでの調理に必要だった人数を大幅に減らせるため、労働力や人件費などのコストを削減できます。

また保存期間が5日程なので、5日間の食事数を計算し、その分だけ確保しておくことで食品のロスを最小限に抑えることが可能です。

安定して高い品質を保てる

従来のクックサーブでは、料理人の技量によって味に差が出てしまっていました。しかしクックチルシステムによる調理では、再加熱して提供するだけでレシピがマニュアル化しているので、そのような心配はありません。

また急速冷却しチルド保存することで細菌の繁殖を抑えるとともに、食材に含まれる栄養素も保つことができるため、高い品質が実現されています。

クックチルシステムを導入した場合のデメリット

ここではクックチルシステムを導入するデメリットを解説していきます。

食品を保管するスペースが必要になる

クックチルシステムを導入するには、食材の加熱に必要なスチコンや急速冷却に必要なブラストチラーといった機器を設置する必要があります。

実際に導入するには、これらの機器を置くスペースの確保が必要です。また機器を設置せず食品を取り寄せる場合でも、大量の食品を保管するスペースが必要となってしまいます。

クックチルには不向きなメニューがある

クックチルシステムは、急速冷却の後に再加熱して提供するという性質上、この調理法に向かないメニューがいくつかあります。一般的に、焼き物や揚げ物、炒め物との相性が悪く、品質を最大限引き出すことが難しいと言われています。

また、クックチルシステムは作業の効率化や高い安全性の実現には長けていますが、クックサーブに比べると複雑な味の表現が困難です。そのため、クックチルに向いた料理に献立が偏ってしまい、食事にマンネリ化が生じるという懸念点があります。

クックチルシステム導入の価格相場

クックチルシステムを導入する際、急速冷却を行うためのブラストチラーを購入する必要があります。この機器は特殊なものであり、小型の機器でも100万円以上、大型だと500万円以上するなど他の厨房機器と比べると高額です。

中古で購入する場合だと、1/2〜1/3程度の価格で購入が可能です。しかし中古品は機器の状態が様々で、メンテナンスに費用がかかることが多々あるので注意が必要です。保証期間や使用具合など、細かいところまで確認してから購入することが重要です。

また特殊な機器を購入せずにクックチルシステムを導入する場合は、1食ごとの価格で購入することになります。朝食か昼食・夕食で価格が分かれていることが多く、朝食は1食約200円、昼食・夕食は1食約300円が相場です。業者によって価格は異なりますので、問い合わせて確認した方がよいでしょう。

クックチルシステム導入業者の選び方

クックチルシステム導入業者を選ぶ際に重要なポイントは、主に以下3点です。

  1. 導入形態を決める
  2. セントラルキッチンの場合|メニューの質で選ぶ
  3. 現地調理の場合|必要な調理機器や導入費用などトータルコストで選ぶ

以下で詳しく説明します。

導入形態を決める

クックチルシステムの導入業者を選ぶ際、まずはセントラルキッチンなのか、現地調理方式なのかを決める必要があります。

セントラルキッチンとは、工場などで大量調理された食品を納品してもらうという方式です。再加熱して提供するだけなため、基本的な厨房設備があれば導入できます。

それに対し、現地調理方式とは自分の施設にクックチルシステムに必要な機器を設置し導入する方式です。自分で調理してチルド保存するため、献立の自由度が高く食事のバリエーションが広がります。

それぞれの方式を導入する際には、見るべきポイントが大きく異なります。

セントラルキッチンの場合|メニューの質で選ぶ

セントラルキッチン方式では、メニューの質にフォーカスして選ぶとよいでしょう。

調理された食品を納品してもらう形のため、既存の厨房設備によらず一定質以上の食事を期待できます。

そのため、メニューが幅広い・美味しいと言われている・栄養バランスが取れているなどといったメニューの質で選ぶのがおすすめです。

現地調理の場合|必要な調理機器や導入費用などトータルコストで選ぶ

現地調理を行う場合は、ブラストチラーなどの特殊な調理機器が必要となり、導入費用がかさんでしまいます。また食材の加熱からチルド保存までの過程を調理する人の人件費など、様々な費用を踏まえたトータルコストで選ぶとよいでしょう。

あらかじめ予算を決めてから導入を検討するのが重要です。

この方式で導入すれば、自分たちで始めから調理できるため、料理のバリエーションを増やしたり質を高めたり献立の自由度が高いというメリットがあります。

クックチル導入業者おすすめ5選

ここではおすすめのクックチル導入業者を5つ紹介していきます。

株式会社ナリコマエンタープライズ すこやか

出典:株式会社ナリコマエンタープライズ

対応地域 全国(北海道、沖縄を除く)
料金 要問い合わせ
試食

ナリコマグループの「すこやか」は、365日日替わりの献立を提供しているクックチル食です。和食や洋食はもちろん、様々な地域の郷土料理行事食などもご用意していて、一年中飽きのこない食事を楽しめるでしょう。

また食事をする方の身体機能によって「普通食・ソフト食・ミキサー食・ゼリー食」の4つの食形態を提供しています。4形態すべて同じ献立になっているので、いつまでも変わらない味で食事を楽しんでいただけます。

アレルギーの食べ物がある場合は、それらを除いた別の献立への変更にも対応しています。

公式サイトを見る

株式会社第一食品 完全院外調理システム

出典:株式会社第一食品

対応地域 要問い合わせ
料金 要問い合わせ
試食 要問い合わせ

セントラルキッチン方式でのクックチル食品の生産と保存・再加熱・保温などを1台で行える再加熱カートを合わせて、一連の調理を行います。

それにより厨房や食品の保管するスペースが不要で、施設内の限りあるスペースを有効活用できます。

保存時は、キャビネットで温度と時間を確実に管理し安心安全な食事を提供します。

公式サイトを見る

名鉄協商株式会社 おたっしゃごぜん

出典:おたっしゃごぜん

対応地域 全国
料金 ・おたっしゃフリーズ

18~29名の場合

朝食:1食210円(税抜)

昼食・夕食:1食320円(税抜)

30名~の場合

朝食:1食190円(税抜)

昼食・夕食:1食300円(税抜)

・おたっしゃチルド

朝食:1食225円(税抜)

昼食・夕食:1食310円(税抜)

・おたっしゃクック

朝食:1食190円(税抜)

昼食・夕食:1食335円(税抜)

試食

おたっしゃごぜんでは、お客様の様々なニーズに合わせて3つのタイプ(フリーズ・チルド・クック)のクックチル食品を提供しています。

またそれ以外にも幅広いサービスを提供できるため、試食や商談、支払先など今までバラバラだった取引先を一本化できます。

食事以外にも備品などの注文も承っており、施設に必要なサポートを幅広く行えるのも強みのひとつです。

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株式会社丸中食品 丸中食品のクックチル

出典:株式会社丸中食品

対応地域 要問い合わせ
料金 1日3食750円
試食

丸中食品のクックチルは、10年以上の実績がある真空調理法で旨味を逃がさない食品を提供しています。また真空調理は、温度管理が容易で少ない人手で調理が可能なため、人件費の削減などのコストダウンにも繋がります。

独自に開発した介護食「ケアミート・ケアフィッシュ」を使用したクックチル食品は、常食と変わらず高齢者の方にも楽しんでいただけるチルド食品です。歯茎で潰せるほどの柔らかさで安心安全な食事を提供できます。冷凍保存も可能で、簡単に在庫管理できるのも特徴の1つです。

公式サイトを見る

株式会社ケアフードサービス クックチル

出典:株式会社ケアフードサービス

対応地域 要問い合わせ
料金 要問い合わせ
試食 要問い合わせ

ケアフードサービスでは厨房内の限られたスペースを利用し、最小限の機器を設置することでクックチルシステムを導入できます。それにより導入時の初期コストを抑えることにも繋がるでしょう。

またセントラルキッチン方式ではないため、施設ごとのニーズに合わせてバリエーション豊かな料理を調理可能です。常食からソフト食までバランスの良さだけでなく、品質の高い食事を提供しています。

公式サイトを見る

クックチルシステムに関するよくある質問

クックチルシステムに関してのよくある質問とその回答について紹介していきます。

Q.クックチルとレトルトの違いってなんですか?

クックチルは、加熱した食材を急速冷却しチルド保存する調理システムです。一方で、レトルトは食材を光と空気を通さない容器に入れ、加圧加熱殺菌を行った食品のことを指します。

Q.クックチルは味付けが必要ですか?

クックチルの食品はあらかじめ味付けがされた状態で、急速冷凍しチルド保存されています。なので味付けは基本的に不要です。お好みに合わせて調味料を足すと良いでしょう。

Q.クックチルに向かない食材はなんですか?

揚げ物や炒め物、焼き物など一部のメニューがクックチルに不向きです。

まとめ:クックチルシステムで作業効率を上げながら安全な食事を提供しよう!

ここまでクックチルシステムのメリット・デメリット、業者の選び方など幅広く解説してきました。

この調理システムの最大のメリットは、現場の作業を効率化しながら、安全で質の高い食事を提供できることです。

このようなメリットを活かして、給食や病院食など大量に食事を提供している施設への導入を検討してみてはいかがでしょうか。