運営:東京ドクターズ

開業のための
Web集患戦略

開業医のための経営支援メディア
『ウェブドクター』

コメディカルスタッフとは?パラメディカルとの違いや職種も紹介

医療現場や医療従事者向けの求人で目にする機会がある、コメディカルスタッフ。

なんとなく目にしたり耳にしたりしたことがあっても、「コメディカルスタッフって何だろう…?」と思う方も多いのではないでしょうか?

そこで本記事では、コメディカルスタッフの意味や必要性について解説していきます。パラメディカルとの違いや、コメディカルスタッフの医療職種についても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

コメディカルスタッフとは医師以外に関わる医療従事者の総称

3人の医師や看護師のシルエット

コメディカルスタッフとは、医師以外の医療従事者の総称です。

コメディカルは和製英語であり、英語で表記すると「co(協同) medical(医学・医療)」となります。

該当する職種については、後述しますが、医師と協力しながらチーム医療に携わるのがコメディカルスタッフです。

コメディカルとパラメディカルの違い

5人の医師や看護師が並び微笑んでいる

コメディカルスタッフとパラメディカルの違いは、国による呼び名です。パラメディカルは英語圏で、コメディカルは日本独自の呼び名です。

どちらも、チーム医療推進のために使われる言葉ですが、パラメディカルは医師と医療従事者の上下関係をイメージさせるとして、日本では独自のコメディカルが使われるようになりました。

しかし、コメディカルはコメディを連想する可能性があることから、近年日本ではコメディカルからメディカルスタッフへと、呼び名がシフトする傾向が見られます

コメディカルスタッフの必要性

2人の白衣の医師と1人の手術着の医師が相談している

それでは、コメディカルスタッフの必要性について解説していきます。

  1. 専門性を発揮できる
  2. 患者の変化に応じた医療を提供できる
  3. チーム医療での立場を均等化できる

専門性を発揮できる

コメディカルスタッフの職種は多岐にわたりますが、それぞれが専門性を発揮できるのが特徴です。

質の高いチーム医療の実現には、他職種間でのスムーズな連携が必要不可欠です。

それぞれの分野で専門的な知識を持っていても、専門性の範囲外で対応できなければ、質の高いチーム医療の実現はかないません。

そこで、コメディカルスタッフを採用すれば、それぞれに専門性を発揮できます。

さらに、各分野が情報を共有し業務を分担することで、患者に最適な医療を提供できるでしょう。

患者の変化に応じた医療を提供できる

コメディカルスタッフは、患者の変化に応じて、臨機応変な医療を提供できます。

患者に直接関わるコメディカルスタッフは、医師では気づけない変化にも素早く気づき対応できるのが利点です。

他の職種でも、患者の変化に気づいたとき、素早く連携を取り適切な対応ができるのもコメディカルが必要とされる理由といえるでしょう。

チーム医療での立場を均等化できる

コメディカルスタッフの導入により、チーム医療での立場を均一化できます

チーム医療では、医師が中心となるため、医師以外の医療従事者は主体性を発揮しづらい課題がありました。

そこでコメディカルスタッフを導入すれば、それぞれの立場を均等化し、専門性を発揮できるのでチーム医療質も向上します

治療・リハビリに関わるコメディカルスタッフの主な職種

患者がリハビリしている

それでは、治療・リハビリに関わるコメディカルスタッフの主な職種を紹介します。

  1. 理学療法士
  2. 作業療法士
  3. 視能訓練士
  4. はり師・きゅう師
  5. 柔道整復師

理学療法士

理学療法士は、病気や怪我により身体に障害を抱える、または障害の発生が予測される人に、立ったり座ったり、歩いたりする日常生活での基本動作や改善・予防を目的としたリハビリを行います

理学療法士の職場は、医療機関以外にも介護施設やスポーツ現場、産業分野など。チーム医療では、医師や看護師と連携しながら患者をサポートします。

年収目安は、430.7万円です。

参照:厚生労働省・職業情報提供サイトjobtag|理学療法士(PT)

作業療法士

作業療法士は、食事や入浴などの自力での日常生活が困難になった人に対して、心身のリハビリテーションを行う仕事です。

チーム医療では、医師と連携しながら患者の状態に合ったサポートを行いますが、精神疾患や認知症患者のサポートにも携わります

作業療法士の年収目安は、430.7万円です。

参照:厚生労働省・職業情報提供サイトjobtag|作業療法士(OT)

視能訓練士

視能訓練士は、眼の機能に関する検査を行うスペシャリストです。

検査以外にも、弱視や斜頸の矯正や、眼の機能が低下し生活に支障をきたす人のケアなども行います。

検査結果は診断や治療につながることから、チーム医療における視能訓練士の役割は重要といえるでしょう。

視能訓練士の年収目安は、430.7万円です。

参照:厚生労働省・職業情報提供サイトjobtag|視能訓練士

はり師・きゅう師

はり師は鍼を、きゅう師はもぐさを燃やす熱を用いて身体のツボを刺激し、人が持つ自然治癒力を活性化させ治療にあたります

いずれも東洋医学に基づき治療を行うのが特徴。はり・きゅうは、副作用がほとんどないため、チーム医療の一環として多くの医療現場で取り入れられています

はり師・きゅう師の年収目安は、443.3万円です。

参照:厚生労働省・職業情報提供サイトjobtag|はり師・きゅう師

柔道整復師

柔道整復師は、外傷性による骨折や脱臼、打撲などの損傷を、非観血的療法によって人が持つ治癒力を活性化させ治療にあたります

柔道整復師は、医師ではないためチーム医療では、医師と連携を取りながら患者をサポートします。

柔道整復師の年収目安は443.3万円です。

参照:厚生労働省・職業情報提供サイトjobtag|柔道整復師

検査に関わるコメディカルスタッフの主な職種

CT撮影室で患者と話をsする医師

次に、検査に関わるコメディカルスタッフの主な職種を見ていきましょう。

  1. 臨床検査技師
  2. 臨床工学技師
  3. 診療放射線技師

臨床検査技師

臨床検査技師は、血液検査や尿検査などさまざまな検査を行い、検査結果やデータを医師に伝える仕事です。

検査内容は、検体検査や生理学的検査など多岐にわたりますが、医師が正確な診断を下すためにも必要なものとなります。

臨床検査技師の年収目安は508万円です。

参照:厚生労働省・職業情報提供サイトjobtag|臨床検査技師

臨床工学技師

臨床工学技師は、人工透析機や人工呼吸器など、生命維持装置を操作し患者の命を守る医療機器のスペシャリストです。

機械を扱うだけでなく、医療機器の点検や安全管理も行います。

チーム医療における臨床工学技師の役割は、正確な検査結果を迅速に提供すること。医療において重要な役割を担います。

臨床工学技師の年収目安は443.3万円です。

参照:厚生労働省・職業情報提供サイトjobtag|臨床工学技師

診療放射線技師

診療放射線技師は、レントゲン・CT・MIRなどの放射線検査や、超音波検査を行います

コメディカルスタッフの中では、唯一医師以外に放射線の照射が認められている専門職です。

チーム医療においては、医師の診断に必要な情報を提供する役目があります。

診療放射線技師の年収目安は、543.7万円です。

参照:厚生労働省・職業情報提供サイトjobtag|診療放射線技師

ケアに関わるコメディカルスタッフの主な職種

ケアに関わるコメディカルスタッフの主な職種を紹介します。

  1. 保健師
  2. 助産師
  3. 介護福祉士
  4. 社会福祉士
  5. 臨床心理士
  6. 言語聴覚士

看護師

看護師は、医師の診察や診療のサポート以外にも、患者と直接関わるなど幅広い業務をこなします

チーム医療では、医師や他職のスタッフと連携を取りながら、患者をサポートするキーパーソン的な役割を担います。

看護師の年収目安は508.1万円です。

参照:厚生労働省・職業情報提供サイトjobtag|看護師

保健師

保健師は、地域住民の健康管理やサポートを行う仕事です。

乳児から高齢者まで、幅広い年齢層の人と関わり、個人だけでなく地域全体の課題に取り組むことも。チーム医療では、患者やその家族に寄り添いながら身近でサポートします。

保健師の年収目安は481.3万円です。

参照:厚生労働省・職業情報提供サイトjobtag|保健師

助産師

助産師は、出産に立会い、分娩介助や産後のケアを行います

チーム医療では、医師や看護師と連携を取りながら、妊婦のケアや新生児のお世話まで、患者さんの身近でサポートするのも役目です。

助産師の年収目安は584.2万円です。

参照:厚生労働省・職業情報提供サイトjobtag|助産師

介護福祉士

介護福祉士は、介護のエキスパートとして、患者の介護や家族の介護相談まで幅広く対応します。

チーム医療では、他職のスタッフと連携しながら、患者が快適な生活を送れるようサポートする役目を担います。

介護福祉士の年収目安は、362.9万円です。

参照:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」(企業規模計10人以上)

社会福祉士

社会福祉士は、障害や加齢により日常生活を送るのが困難になった患者をサポートします。

患者やその家族からの相談に乗り、利用できる公的支援や福祉サービスなどの紹介も求められるでしょう。

チーム医療では、患者の置かれている自供を客観的に判断し、医療機関や施設などに働きかけ患者をサポートします。

社会福祉士の年収目安は334万円です。

参照:国税庁|国税庁の令和3年分「民間給与実態統計調査結果」

臨床心理士

臨床心理士は、心理学の知識を持ち患者の精神面をケアします。

身体面の治療やケアは医師や看護師、その他の職種のスタッフが対応しますが、精神面のケアには専門知識が欠かせません。

チーム医療における臨床心理士の役割は、患者の心をケアするだけでなく、患者とその家族の不安を軽減することも含まれます。

臨床心理士の年収目安は、443.3万円です。

参照:厚生労働省・職業情報提供サイトjobtag|カウンセラー※(医療福祉分野)

※患者さんの相談に応じる職業全般を指す

言語聴覚士

言語聴覚士は、言語や嚥下機能の専門家として、発生や発音練習や嚥下訓練の指導やケアを行います。

チーム医療では、理化学療法士や作業療法士と連携を取りながら、患者のリハビリをサポートします。

言語聴覚士の平均年収は、430.7万円です。

参照:厚生労働省・職業情報提供サイトjobtag|言語聴覚士

その他のコメディカルスタッフの主な職種

薬剤師が患者に薬の説明をしている

では最後に、その他のコメディカルスタッフの主な職種を紹介します。

  1. 薬剤師
  2. 医療事務
  3. 義肢装具士
  4. 栄養士
  5. 管理栄養士

薬剤師

薬剤師は、薬学の知識をもつ専門家として、処方箋に基づき薬の調剤や服薬指導を行います

チーム医療では、医師や看護師と連携を取りつつ、患者の薬管理やチェックも行いながら、薬物療法における医師の負担を軽減するのも重要な役目です。

薬剤師の年収目安は、583.4万円です。

参照:厚生労働省・職業情報提供サイトjobtag|薬剤師

医療事務

医療事務は病院の受付や医療費の精算業務、カルテの管理などが主な仕事です。

チーム医療では、情報収集やデータ分析などを行い、チームをサポートしたり活性化したりしながら一体感を持たせるのも役目です。

医療事務の年収目安は、437.4万円です。

参照:厚生労働省・職業情報提供サイトjobtag|医療事務

義肢装具士

義肢装具士は、人間工学の知識を元に手足を失った患者に義肢を提供したり、身体を動かすための補助装具を提供したりする仕事です。

義肢や補助装具は、患者の状態やライフスタイルに合わせて作成しなくてはなりません。

チーム医療では医師や看護師、リハビリに携わるスタッフと連携を取りながら患者をサポートします。

義肢装具士の年収目安は、443.3万円です。

参照:厚生労働省・職業情報提供サイトjobtag|義肢装具士

栄養士

栄養士は、食事面から患者をサポートします。

チーム医療では、食に関する専門知識を元に、患者の栄養管理や食事の改善指導まで幅広くサポートします。病院食では患者に合わせた調理指導や、栄養士自らが調理をするケースもあるでしょう。

栄養士の年収目安は、379.1万円です。

参照:厚生労働省・職業情報提供サイトjobtag|栄養士

管理栄養士

管理栄養士は、栄養士よりもさらに専門性の高い高度な知識や技術を持ちます

患者の健康状態に合わせて栄養指導をしたり、栄養士の指導をしたりすることも。チーム医療では、患者の栄養管理の他、栄養状態や病状の改善を目指したサポートも行います。

管理栄養士の平均年収は、367万5,600円です。

参照:e-Stat_令和3年賃金構造基本統計調査

まとめ:コメディカルスタッフとは医師と共に医療に従事する人材のこと

3人の白衣姿の医師の後ろで、手術をしている

コメディカルスタッフは、医師と共に医療に従事する人材であり、チーム医療の推進になくてはならないものです

本記事で紹介した以外にも職種はありますが、いずれもチーム医療を支える重要な役目を持っています。

コメディカルスタッフが医療領域に占める重要性を理解し、連携を取りながら業務を進めましょう。