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医療経営士とは?メリットや資格の取得方法、試験の概要を解説

「医療経営士ってどんな仕事なの?」

「医療経営士になるためには、どうすればよいの?」

このような疑問を抱えている方がいるのではないでしょうか。

今後の医療業界において医療経営士は重要な役割を果たすようになることが考えられます。

そこで、この記事では医療経営士とは何か、医療経営士になるメリットや医療経営士になる方法を解説します。

また、医療経営士になるために必要な試験の概要もお伝えしているので、ぜひ最後までお読みください。

医療経営士とは?

そもそも、医療経営士とはどのような資格なのでしょうか?

医療経営士が必要とされる理由と併せて、確認してみましょう。

医療経営士とは医療機関運営のプロ

医療経営士とは、医療機関のマネジメントにおけるプロフェッショナルです。

試験に合格し、知識や能力が適正であると判断された方のみ名乗れる、民間の資格です。

「経営不在」と言われることもある医療業界において、重要な役割を果たすとされています。

経営はどの医療機関においても必須のスキルであるため、ほとんどの医療機関から重宝されるでしょう。

一方、医療経営士は国家資格ではないので、医療経営士の資格を持っていないと医療機関の経営に携われない、ということはありません。

あくまでも「医療経営士」という名称を名乗ることができないだけなので、その点は注意してください。

医療経営士の必要性

では、なぜ医療経営士が必要なのでしょうか?

先ほども少し触れましたが、医療業界は「経営不在」と言われることも多く、お金の問題に積極的に関与する人がごく少数でした。

長年、医療を行う目的はお金のためではなく、人のために尽くすことにあるとされてきたため、経営に真正面から向き合わないことが一般的だったのです。

しかし、少子高齢化により、医療機関は経営と向き合わなければ生き残れない状況になっています。

少子高齢化により人口が減少することは目に見えており、1つの医療機関あたりの患者数は減ることはあっても増えることは考えにくいと言えます。

また、若者が高齢者の医療費を負担するのが厳しくなってきたことを背景に、国は医療費の引き下げを検討しているのです。

医療費が引き下げられると、当然ながら医療機関の報酬は減ってしまいます。

こうした背景から、医療機関の経営を維持するためにも医療経営士の存在が必要とされているのです。

医療経営士になるメリットは?

医療経営士になるメリットは、大きく分けて2つあります。

  • 医療機関の経営に携われる
  • 医療経営の観点から今の仕事に取り組める

1つずつ確認していきましょう。

医療機関の経営に携われる

1つ目は、医療機関の経営に携われることです。

医療機関における経営のプロになる試験ですので、当然ながら医療機関の経営に関わることができます

院長と協力しながら医療機関の経営改善に向けて、試験勉強で得た知識と現場で得た知識を組み合わせながら、最適な施策を提案・実施していきます。

医療経営の観点から今の仕事に取り組める

2つ目は、医療経営の観点から今の仕事に取り組めることです。

医療経営士になったからと言って、必ず医療機関の経営に携わることになるかと言われれば、そうではありません。

むしろ医療機関の経営には直接関わらない方のほうが多いのではないでしょうか。

しかし、医療機関の経営に精通していることにより、今取り組んでいる仕事にも好影響を及ぼすのです。

例えば、医療機関の一般事務員が医療経営を理解していれば、院長や経営者に一目置かれる存在になることがあるでしょう。

一目置かれると、院長や経営者から話しかけて来てくれることもあり、つながりが強まることも十分に考えられます。

他にも、製薬会社や医療機器メーカーに勤めている方が医療経営を理解していれば、医療機関へ適切な提案ができるようになり、他のメーカーとの差別化が図れるでしょう。

医療経営士になるためには?

医療経営士になるためには、どのような手順が必要なのでしょうか?

受けなければいけない試験や登録の方法を1つずつ解説します。

認定試験受験・合格

まず、「医療経営士3級」資格認定試験を受験し、合格する必要があります。医療経営士の認定試験には3級・2級・1級がありますが、3級に合格すれば医療経営士を名乗る条件をクリアできます。

試験に無事合格すると、「医療経営士3級」資格認定試験合格者として、一般社団法人日本医療経営実践協会の名簿に載ります。

登録・申請

しかし、試験に合格し、合格者として名簿に載っただけでは医療経営士にはなれません。あくまでも、合格したことを証明するものであって、それ以上の効力を発揮しないからです。

そこで、会員になるために登録料や年会費を納入し、書類を提出します。

書類の審査に通れば、一般社団法人日本医療経営実践協会から認定証が交付され、医療経営士を名乗ることが許されることになるのです。

医療経営士資格認定試験の概要

ここでは、医療経営士になるための試験である「医療経営士資格認定試験」について見ていきましょう。

医療経営士になるには、3級の試験に合格すればよいので、ここでは3級に関する情報のみを解説します。

試験日や試験内容など、試験に必要な情報を解説するので、ぜひ覚えておきましょう。

試験日

2022年度における試験日は、以下の通りです。

  • 第1回:2022年6月12日(日)※終了
  • 第2回:2022年10月16日(日)
  • 第3回:2023年2月26日(日)

毎年、3回ずつ開催されているので、ご自身の予定や勉強の進捗度に合わせて日程を選びましょう。

試験内容

「医療経営士3級」資格認定試験の出題科目は、以下の通りとされています。

  1. 医療経営史
  2. 日本の医療政策と地域医療システム
  3. 日本の医療関連法規
  4. 病院の仕組み/各種団体、学会の成り立ち
  5. 診療科目の歴史と医療技術の進歩
  6. 日本の医療関連サービス
  7. 患者と医療サービス
  8. 医療倫理と臨床倫理
  9. 医療に関する最近の動向/時事

引用:http://www.jmmpa.jp/examination/cat4/

試験時間は80分、五肢択一式で計50問出題されます。

合格率

「医療経営士3級」資格認定試験の合格率は40%前後で推移しています。

合格基準は総得点の6割程度とされているため、余裕を持って7割を目標に勉強するとよいでしょう。

まとめ

今回は、医療経営士について解説しました。

昔からの慣習で、経営に詳しくない院長が多くいます。

そのため、医療機関の経営に関する専門家として、経営面から院長を支える役割が期待されています。

売上が上がりにくくなっている時代において、医療経営士の役割は今後、どんどん増すことになるでしょう。