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【2022年】電子カルテ市場のシェアランキング10選!クラウド型への普及が進む

「人気のある電子カルテは何か?」

「電子カルテ市場のシェアランキングを知りたい」

このようなお考えをお持ちではないでしょうか。

そこで、今回はエムスリー株式会社によって実施された「クリニック向け電子カルテ実態調査」を使って、電子カルテ市場のシェアランキングを解説します。

ぜひ参考にしてみてください。

クリニック向け電子カルテ実態調査の概要

今回は、エムスリー株式会社によって実施された「クリニック向け電子カルテ実態調査」のデータをもとにランキングを解説します。

「クリニック向け電子カルテ実態調査」は、診療所勤務の開業医を対象に2009年から毎年実施されています。

2022年版の調査は、2021年12月3日~12月24日の期間で行われ、購入された電子カルテがシェア数をもとにランキング化されています。

「クリニック向け電子カルテ実態調査」の集計結果

2022年版の「クリニック向け電子カルテ実態調査」で、シェア数上位10位までの電子カルテは、以下の表の通りです。

名称 シェア数 オンプレミス型/クラウド型 レセコン
1位 エムスリーデジカル(M3 Digikar) 22.3% クラウド型 レセコン一体型/ORCA連動型
2位 PHC(Medicom-HRV) 20.2% オンプレミス型 レセコン一体型
3位 ビー·エム·エル(Qualis/Medical Station Clinic) 7.8% オンプレミス型 レセコン一体型
4位 ユヤマ(Brain Box/Brain Box Cloud) 4.6% オンプレミス型・クラウド型 レセコン一体型
5位 富士通Japan(HOPE LifeMark-SX/HOPE LifeMark-SX Cloud) 3.9% オンプレミス型・クラウド型 レセコン一体型
6位 ダイナミクス(Dynamics) 2.8% オンプレミス型 レセコン一体型
7位 ラボテック(SUPER Clinic) 2.5% オンプレミス型 レセコン一体型
7位 NTTエレクトロニクステクノ(movacal.net) 2.5% クラウド型 レセコン一体型
7位 メドレー(CLINICS) 2.5% クラウド型 レセコン一体型
10位 キヤノンメディカルシステムズ(TOSMEC Aventyシリーズ) 2.1% オンプレミス型 レセコン一体型

以下で、それぞれの電子カルテについての特徴を見ていきましょう。

1位 エムスリーデジカル(M3 Digikar)

項目 内容
特徴 AI自動学習機能でカルテ入力時間を80%削減
主な機能 M3 DigiKar モバイル
検査結果ビューアー
適応症の自動学習(AI)
iPad手書きカルテアプリ
処置行為自動学習(AI)
処方監査オプション
初期費用 無料
月額費用 税抜9,800円〜
運営会社 エムスリーデジカル株式会社

1位は、エムスリーデジカル(M3 Digikar)です。

前回から変わらず1位であり、価格が安いことやシンプルで使いやすいことが人気の理由です。

また、電子カルテの中では珍しく、Mac、iPad、iPhoneなどのApple製品でも使えるので、Appleユーザーに多く使われているでしょう。

さらに、クラウド型電子カルテは基本的に自由度が低いとされていますが、エムスリーデジカルは自由度が高い点も人気を集めている理由だといえます。

2位 PHC(Medicom-HRV)

項目 内容
特徴 40年以上の実績を誇るシェアNo.1カルテ((株)矢野経済研究所調べ 2021年9月)
主な機能 リアルタイムチェック
病名予測と自動置換・照合
算定アシスト標準搭載
時系列・分割表示
複数条件・テキスト検索
初期費用 要問い合わせ
月額費用 要問い合わせ
運営会社 PHCホールディングス株式会社

2位は、PHC(Medicom-HRV)です。

11年連続1位でしたが、順位を落とし2位となっています。

これには、クラウド型電子カルテが普及していることが影響していると考察できます。

しかし、アフターサービスの良さや他のシステムと連携しやすいことから、依然として厚い支持を受けています。

3位 ビー·エム·エル(Qualis/Medical Station Clinic)

項目 内容
特徴 多機能なのに直感的な使い心地
主な機能 診療アラーム
付箋機能
会計
受付一覧
音声入力
処方チェック
予約機能
初期費用 要問い合わせ
月額費用 要問い合わせ
運営会社 株式会社ビー・エム・エル

3位は、ビー·エム·エル(Qualis/Medical Station Clinic)です。

検査結果との連動性やサポートの充実度が評価され、3位にランクインしています。

また、価格が安く導入のハードルが低いこともシェア率の高さに影響を及ぼしているといえるでしょう。

4位 ユヤマ(Brain Box/Brain Box Cloud)

項目 内容
特徴 リアルタイム処方チェックを実現
主な機能 AI学習による提案や予測
豊富な医薬品データベース
クロルプロマジン換算機能
文書作成支援機能
過去カルテ・SOAPソート表示
複数患者カルテの切替表示
初期費用 要問い合わせ
月額費用 要問い合わせ
運営会社 株式会社 湯山製作所

4位は、ユヤマ(Brain Box/Brain Box Cloud)です。

画面がシンプルで操作しやすい上、カスタマイズしやすいため、使いやすい電子カルテとして人気を集めています。

また、営業担当が技術に強いことから、細かい技術的な話も問題なくできます。

5位 富士通Japan(HOPE LifeMark-SX/HOPE LifeMark-SX Cloud)

項目 内容
特徴 導入しやすく柔軟な対応が可能
主な機能 安心安全なシステム構成
フェイルオーバー機能の搭載
24時間365日監視・対応
回線トラブル時も業務継続可能
充実した教育コンテンツ
参考マスタの提供
初期費用 要問い合わせ
月額費用 要問い合わせ
運営会社 富士通株式会社

5位は、富士通Japan(HOPE LifeMark-SX/HOPE LifeMark-SX Cloud)です。

セキュリティ面が評価されたほか、無駄な機能がなく見やすい画面だとして、多くの方から支持されています。

他の医療機器とも連携ができる点から、効率的に業務が進められるようになるでしょう。

6位 ダイナミクス(Dynamics)

項目 内容
特徴 医師が現場目線で開発した電子カルテ
主な機能 処方チェック機能
血圧、検尿、血液検査の時系列グラフ表示
薬歴表示
受付機能
患者検索機能
病歴などの患者情報の記録
備忘録、サマリー記録
画像ファイリング機能
初期費用 352,000円(税込) ※初年度合計
月額費用 11,000円(税込)
運営会社 株式会社ダイナミクス

6位は、ダイナミクス(Dynamics)です。

ダイナミクスの利点は、ランニングコストが安いことです。

また、ランニングコストが安く、自分でメンテナンスやカスタマイズかできることで、理想の電子カルテが作りやすくなっています。

7位 ラボテック(SUPER Clinic)

項目 内容
特徴 読んでいても目が疲れにくい
主な機能 お薬事典
処方チェック
病名ナビ(チェック)
保険・自費カルテ切替
レセプトチェック・作成
初期費用 要問い合わせ
月額費用 要問い合わせ
運営会社 株式会社ラボテック

7位は、ラボテック(SUPER Clinic)です。

ラボテックは、レイアウトがとても見やすいため、文字を読んでいても目が疲れにくいと評判の電子カルテです。

また、動作が速く操作していてストレスがない点も評価されているポイントでしょう。

8位 NTTエレクトロニクステクノ(movacal.net)

項目 内容
特徴 訪問診療に特化
主な機能 カルテ入力支援機能
グループウェア機能
医事文書作成・管理機能
スケジュール機能
地図表示機能
レセコン連携
他職種との情報共有機能
初期費用 220,000円(税込)
月額費用 55,000円(税込)〜
運営会社 NTTエレクトロニクステクノ株式会社

同じく7位は、NTTエレクトロニクステクノ(movacal.net)です。

訪問診療に特化している電子カルテであり、どこでも使用できるのが利点です。

また、直感的で使いやすい設計になっているため、電子カルテを導入したばかりの方にも利用しやすいようになっています。

9位 メドレー(CLINICS)

項目 内容
特徴 予約・問診・診察・会計を一元管理
主な機能 受付管理
患者登録
テンプレート・セット登録
ファイル管理
適応症・投与量チェック
会計
初期費用 有料(要問い合わせ)
月額費用 税込40,000円〜
運営会社 株式会社メドレー

同じく7位は、メドレー(CLINICS)です。

クラウド型電子カルテであることから、コストパフォーマンスが良く人気を集めています。

レセプトが作成しやすく、連携機器が豊富なこともCLINICSの利点だと言えます。

10位 キヤノンメディカルシステムズ(TOSMEC Aventyシリーズ)

項目 内容
特徴 周辺機器とのシームレスな連携
主な機能 画像ビュワー
ファイリングリスト連携
経過型カルテ
ペン入力カルテ
タブレット端末での往診
初期費用 要問い合わせ
月額費用 要問い合わせ
運営会社 エムスリーソリューションズ株式会社

10位は、キヤノンメディカルシステムズ(TOSMEC Aventyシリーズ)です。

レセコンからの移行が楽だとして選択される方が多くいます。

データの移行に戸惑ってしまうと、スムーズに導入できなくなる可能性もあるため、移行が楽な点も非常に重要です。

まとめ

今回のランキングを通して、クラウド型電子カルテの普及が進んでいることがわかりました。

単独1位がクラウド型のエムスリーデジカルであることが、その象徴だと言えます。

クラウド型電子カルテではネット上で情報共有できるため、訪問診療や学会など場所にとらわれずカルテを見られることが普及が進んでいる1番の要因でしょう。

また、クラウド型電子カルテでシェアを伸ばしていくためには、導入のしやすさと費用の安さが鍵です。

今までは、相性が合わずオンプレミス型電子カルテ製品を使っていた層も、クラウド型電子カルテの機能改善に伴い、移行が始まっています。

より機能改善が続いていくと見られるため、今後はより一層クラウド型電子カルテが普及することになるでしょう。