電子カルテにはどんな種類があるのかご存知ですか?
大きく分けると2つの種類があります。
それぞれの種類にはメリット・デメリットがあるため、どちらも理解することが大切です。
そこで、本記事では電子カルテにはどんな種類があるのか、またそれらのメリット・デメリットを解説します。
ぜひ最後までチェックしてみてください。
この記事の内容
電子カルテには2種類ある
電子カルテには大きく分けて以下の2種類があります。
- オンプレミス型電子カルテ
- クラウド型電子カルテ
オンプレミス型電子カルテとは、設備を院内で保有し、ローカルネットワークにて接続する電子カルテのことです。
一方、クラウド型電子カルテとは、事業者の持つサーバーにデータをアップして管理する電子カルテのことです。
それぞれの電子カルテにどんな特徴があるのか、またメリット・デメリットについて詳しく解説するので、確認してみましょう。
2種類の電子カルテの特徴は?
オンプレミス型とクラウド型の特徴は、それぞれ以下の通りです。
オンプレミス型 | クラウド型 |
---|---|
サーバー・ネットワークを自前で用意する | サーバー・ネットワークは用意されている |
システムの更新等は自身で行う | システムの更新等は自動でやってくれる |
オンプレミス型電子カルテの特徴
オンプレミス型電子カルテは、院内にサーバーやネットワークなどを設置するため、その用意を自前でする必要があります。
そのため、費用は高額になり、システムの更新等も自身で行わなければなりませんが、その分自由度が高まります。
クラウド型電子カルテの特徴
一方、クラウド型電子カルテは、外部のサーバーにデータをアップロードするため、サーバーやネットワークの用意、システムの更新等は自分で行う必要がありません。
その代わり、費用は安く済みますが、自由度が低下します。
2種類の電子カルテのメリットは?
ここでは、2種類の電子カルテのメリットを解説します。
それぞれのメリットは以下の通りです。
オンプレミス型 | クラウド型 |
---|---|
カスタマイズしやすい | コストがかからない |
ウイルス感染・個人情報の漏洩がしにくい | 端末・場所の制限がない |
高性能で反応が早い | バックアップできる |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
オンプレミス型電子カルテのメリット
まず、オンプレミス型電子カルテのメリットは、以下の3つです。
- カスタマイズしやすい
- ウイルス感染・個人情報の漏洩がしにくい
- 高性能で反応が早い
1つずつ確認していきましょう。
カスタマイズしやすい
1つ目はカスタマイズしやすいことです。
オンプレミス型では、誰かに管理を依頼するのではなく、自身で全ての管理を行います。
そのため、どの機能を搭載するかを自由に決められるなど、カスタマイズがしやすくなっています。
自分の思い通りの電子カルテを使いたい方は、オンプレミス型電子カルテがおすすめです。
ウイルス感染・個人情報の漏洩がしにくい
2つ目はウイルス感染・個人情報の漏洩がしにくいことです。
電子カルテのデータをオープンなネットワークにアップするわけではなく、院内のローカルネットワークにのみ接続します。
そのため、ウイルス感染や個人情報の漏洩がしにくくなっており、セキュリティは万全だといえるでしょう。
しかし、ネットワークの面においてセキュリティが万全でも、内部での不正により個人情報が持ち出されることがあるため、細心の注意を払うことが大切です。
高性能で反応が早い
3つ目は高性能で反応が早いことです。
オンプレミス型はアプリをダウンロードした上で使用するため、ブラウザで作業するクラウド型よりも多くの機能が使えます。
また、情報を読み取る際、クラウド型ではサーバーにアップロードしたデータを呼び戻さなければならないのに対し、オンプレミス型では手元にあるデータを引き出すだけで済みます。
そのため、表示するまでの時間が一般的にはオンプレミス型のほうが早くなります。
表示が早ければストレスを感じづらく、安定的な医院運営ができるようになるでしょう。
クラウド型電子カルテのメリット
クラウド型電子カルテのメリットは、以下の3つです。
- コストがかからない
- 端末・場所の制限がない
- バックアップできる
1つずつ確認していきましょう。
コストがかからない
1つ目はコストがかからないことです。
先ほども説明した通り、オンプレミス型は院内にサーバーを設置する必要があるので、多額の初期費用がかかります。
一方、クラウド型では外部のサーバーを利用するだけなので、オンプレミス型よりも初期費用が安価に導入できます。
また、月額料金も1万円〜5万円ほどのことが多いため、あまり大きな負担にはなりにくいでしょう。
端末・場所の制限がない
2つ目は端末・場所の制限がないことです。
在宅医療や学会など外部にいる時にカルテの内容を確認したいことがあるでしょう。
その際に、オンプレミス型だと院内でしか閲覧できないため、不便だといえるでしょう。
しかし、クラウド型では、サーバーに接続できればどんな端末でもどんな場所でも利用できます。
バックアップできる
3つ目はバックアップできることです。
万が一、院内で火災の発生や地震による建物の倒壊が起きると、オンプレミス型ではデータが全て消失してしまう可能性があります。
しかし、クラウド型では院内ではなく、外部のサーバーにデータが保存されているため、データが消失する可能性が少なくなります。
そのため、災害対策としてクラウド型電子カルテを導入することも検討すると良いでしょう。
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2種類の電子カルテのデメリットは?
ここでは、2種類の電子カルテのデメリットを解説します。
それぞれのデメリットは以下の通りです。
オンプレミス型 | クラウド型 |
---|---|
費用が高額 | インターネットの接続が不可欠 |
バックアップが難しい | 月額費用がかかかる |
メンテナンスに手間がかかる | カスタマイズが不自由な場合がある |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
オンプレミス型電子カルテのデメリット
オンプレミス型電子カルテのデメリットは、以下の3つです。
- 費用が高額
- バックアップが難しい
- メンテナンスに手間がかかる
1つずつ確認していきましょう。
費用が高額
1つ目は費用が高額なことです。
一般的に、オンプレミス型電子カルテはクラウド型電子カルテよりも導入費用等が高額になります。
場合によっては、数百万円の費用が必要になることもあり、大きな支出となるでしょう。
医院の運営が厳しい場合や費用に見合った効果が期待できない場合は、安価なクラウド型電子カルテのほうが適している可能性が高いといえます。
バックアップが難しい
2つ目はバックアップが難しいことです。
万が一、病院で火災が発生したり地震で建物が倒壊したりしたときは、電子カルテのシステムが使えなくなってしまう可能性があります。
オンプレミス型電子カルテでは、すべてが院内に設置されているため、場合によってはデータをすべて紛失することになってしまうのです。
そのため、定期的にバックアップをとり、万が一の場合があっても復元できるように準備しなければいけません。
メンテナンスに手間がかかる
3つ目は、メンテナンスに手間がかかることです。
クラウド型電子カルテでは、サーバー保有事業者がメンテナンスをしてくれますが、オンプレミス型電子カルテでは自らメンテナンスをやらなければなりません。
アップデートや更新作業も自らやる必要があるため、時間や手間が多くかかることを理解しておきましょう。
クラウド型電子カルテのデメリット
クラウド型電子カルテのデメリットは、以下の3つです。
- インターネット接続が不可欠
- 月額費用がかかる
- カスタマイズが不自由な場合がある
1つずつ確認していきましょう。
インターネット接続が不可欠
1つ目はインターネット接続が不可欠なことです。
クラウド型ではインターネットの接続がなければデータの閲覧ができません。
また、データの閲覧を安定的に行うためには強固な回線が必要になる可能性もあります。
強固な回線を契約するためには高額な費用がかかることも考えられるので、注意してください。
月額費用がかかる
2つ目は月額費用がかかることです。
クラウド型の導入費用は安価に済む場合が多くありますが、クラウド型では月額費用も必要です。
長い間使うと、オンプレミス型の高額な導入費用をクラウド型の月額費用が上回る可能性もあります。
オンプレミス型では自由度が高いことやメンテナンス・システムの更新に手間がかかることを踏まえて、トータルの費用を見比べると良いでしょう。
カスタマイズが不自由な場合がある
3つ目はカスタマイズが不自由な場合があることです。
オンプレミス型電子カルテでは自由にカスタマイズできますが、クラウド型電子カルテの自由度は高くありません。
そのため、製品の仕様に合わせてカルテの使い方を変えなければいけない場合も出てきます。
カルテの使い方にこだわりがある場合は、クラウド型電子カルテよりもオンプレミス型電子カルテのほうが適している可能性があるので、あわせて検討してみましょう。
まとめ
今回は、電子カルテの種類について解説しました。
オンプレミス型とクラウド型があり、それぞれのメリット・デメリットがあります。
費用面やメンテナンス面が大きく異なるため、それぞれの医院の状況を判断した上でどちらを使うか検討してみてください。