病院に自動精算機を取り入れることで、会計業務の負担軽減や患者の待ち時間短縮など、さまざまなメリットがあります。
一方、導入後に発生しやすいトラブルがあるのも事実です。この記事では、自動精算機を利用する際に注意しておくべきトラブルやその予防策を紹介します。
緊急の際にもスムーズに対処できるように、起こりうるトラブルの内容を把握しておき、患者の満足度向上に努めましょう。
この記事の内容
自動精算機のクリニック導入時によくあるトラブル8選
スタッフの業務負担や患者の会計待ち時間を減らしたりなど、さまざまな利点がある自動精算機。多くのメリットがある一方、導入時には注意しておきたいトラブルもいくつかあります。
ここから、自動精算機のクリニック導入時によくあるトラブルについて見ていきましょう。
- 操作方法がわからない患者への対応に時間がかかる
- 機器の不具合やシステム障害を起こす
- 診察券に投入口にお札を入れてしまう
- 両替の対応が必要になる
- 釣銭に不足が出る
- 患者がお釣りを取り忘れる
- 患者の払い忘れが発生する
- ロール紙の取り替えが必要になる
操作方法がわからない患者への対応に時間がかかる
患者の中には、自動精算機に慣れていない方も少なくありません。操作方法がわからずに手間取ってしまう可能性があります。
そのため、有人窓口の精算よりも時間がかかってしまい、スタッフ側としても操作方法を教える手間が発生するため、かえって業務効率が悪くなることもあります。
機器の不具合やシステム障害を起こす
精密機器である自動精算機は、使用中に不具合が起こる可能性もあり、その対応に時間を取られるケースもあります。
不具合の内容は、硬貨や紙幣が詰まったり、通信エラーを起こしたりなどさまざまです。
小さなトラブルであればすぐに解決できますが、重大なシステム障害になるとメーカー担当者でないと対処できない場合もあります。
診察券に投入口にお札を入れてしまう
自動精算機を使用中、誤って患者が診察券の投入口に紙幣を入れてしまうトラブルもあります。
このトラブルが発生するのは、自動精算機にはいくつか投入口があり、どこにお札を入れるべきか分かりにくいからです。
診察券の投入口に紙幣や硬貨を入れて詰まってしまうと、機器を分解して取り出さないといけないため、メーカー担当者や専門業者を呼ぶしかありません。
両替の対応が必要になる
自動精算機の中に現金が不足すると、両替を行う必要が出てきます。
もし、クリニックに両替金が準備できていない場合は、両替のために銀行まで行く必要があり、時間や手間がかかってしまいます。
さらに、銀行で両替を行う場合は手数料が発生したり、銀行の休業日には両替自体できなかったりするので注意が必要です。
釣銭に不足が出る
自動精算機の中に現金の種類が揃っていないと、釣銭切れになることがあります。
釣銭が出なくなる前に、紙幣や硬貨の補充を行わなければなりません。その作業に時間を取られてしまうこともあるでしょう。
補充に時間を要してしまうと患者を待たせることになり、クレームにつながるかもしれません。
患者がお釣りを取り忘れる
自動精算機を使用後、患者がお釣りを取り忘れるトラブルも発生しやすいです。
患者がお釣りを取り忘れて帰宅してしまうと、スタッフが患者に連絡をする必要があります。
釣り銭を取り忘れた際にアラートが鳴る機能がついた自動精算機であれば、スタッフが介入せずに患者自身で取り忘れに気づけるでしょう。
患者の払い忘れが発生する
自動精算機の導入後は、精算作業を患者に任せるため、会計を忘れてしまったり故意に未払いをしたりなどのトラブルもあります。
未払いが判明した場合はただちに患者へ連絡をとり、再来院して支払ってもらうようにしましょう。
ロール紙の取り替えが必要になる
自動精算機にはプリンターとロール紙が内蔵されていて、領収書や明細書を発行できます。ロール紙がなくなったり詰まったりした際には迅速な取り替えが必要です。
なお、ロール紙の交換はメーカー担当者や専門業者に依頼しなくても、スタッフだけで対応できるケースがほとんどです。
自動精算機のクリニック導入時に起こるトラブルの予防策
自動精算機を運用中は、どうしてもトラブルは発生してしまうものです。そのため、以下の予防策を日頃から講じておくことが大切です。
- 操作が明瞭な自動精算機を選択する
- クリニックに適した自動精算機を選択する
- サポートが充実したシステムを選ぶ
- トラブル発生時のオペレーション体制を整えておく
- 自動精算機を複数台設置しておく
- 硬貨や紙幣の残量チェックを徹底する
- 定期的に機器のメンテナンスをする
- 防犯カメラを設置する
ここから、自動精算機トラブルの予防策について解説します。
操作が明瞭な自動精算機を選択する
自動精算機の操作がわかりにくく患者が会計で困るトラブルを回避するために、操作性に優れたモデルを選ぶようにしましょう。
シンプルでわかりやすい操作画面の自動精算機を導入すれば、スタッフの業務負担の軽減につながります。
自動精算機の種類によって会計の操作方法は異なりますが、できるだけ少ない手順のモデルを選ぶとスムーズな会計が叶えられるでしょう。
クリニックに適した自動精算機を選択する
自動精算機は、機器によって備えている機能はさまざまです。大規模な大学病院や小規模のクリニックなど、医療機関によって適した自動精算機は異なります。
そのため、「自院がどのような目的で自動精算機を取り入れるか」「どのような負担を軽減したいか」などの視点で選ぶことが重要です。
サポートが充実したシステムを選ぶ
自動精算機のサポート内容は、販売会社やメーカーにより大きく異なります。
価格の手頃さだけで自動精算機を選択すると、サポート面が充実しておらず、スタッフの負担が増加する恐れもあります。
導入時の立会いやレクチャーだけなく、運用中のトラブル発生時にも迅速に対応してくれるか確認して選びましょう。
トラブル発生時のオペレーション体制を整えておく
自動精算機に関するトラブルが発生したときにも、オペレーション体制が整っていればスムーズな対応ができます。
自動精算機にエラーが発生したり、患者が使い方がわからずに困っていたりした際に、迅速に対応できる体制を整えておきましょう。
例えば、サポート業務担当をあらかじめ定めておけば、使い慣れていない患者からのクレームを予防できるでしょう。
起こりやすいトラブルを想定し、スタッフ全員に対応マニュアルを共有しておくのもおすすめです。
自動精算機を複数台設置しておく
複数台の自動精算機を用意しておけば、トラブルが発生したときも安心です。
ただし、自動精算機を取り入れる際には、初期費用や運用コストが発生します。
リースやレンタル契約を活用するとコストを抑えられる可能性があるので、複数台の自動精算機をクリニックに導入しやすくなります。
硬貨や紙幣の残量チェックを徹底する
日々のレジ締め作業時や空いた時間に、釣り銭の残量を必ず確認するようにしましょう。
残量の把握を徹底していれば、補充が必要になるタイミングを見極めることができ、釣り銭が切れる前に対応できるようになります。
定期的に機器のメンテナンスをする
自動精算機の中に硬貨や紙幣が詰まらないよう、定期的に機器を清掃して、投入口や排出口の清潔をキープさせましょう。
自動精算機のメンテナンス係を決めたり、一定の頻度でメーカーへ点検を依頼したりするとこまめに対応できます。
防犯カメラを設置する
自動精算機に防犯カメラを設置すると、釣銭の取り忘れや未払いなどのトラブルを解決するのに役立ちます。
設置位置が近いと患者の目に入りやすいため、万引きや不正行為の抑止力も期待できます。
自動精算機の導入はメリットが大きい
自動精算機の導入後はトラブルが発生することもありますが、メリットも大きいです。
病院に自動精算機を導入する主なメリットとして、以下の3点が挙げられます。
- 会計業務を効率化できる
- 患者の待ち時間を大幅に短縮できる
- 院内感染のリスクを低減できる
会計業務を効率化できる
自動精算機を取り入れると、患者自身で精算を行ってくれるため、スタッフの会計業務を効率化できます。
また、レセコンや電子カルテと連携することで、誰が、いつ、いくら請求したといった情報を残せるため、会計担当者が記録する必要がなく、業務効率化が図れるのもメリットです。
患者の待ち時間を大幅に短縮できる
会計スタッフが個別に精算を行っている場合、患者は長時間待たされるケースが多いです。
従来の料金支払いを自動精算機に任せることで、会計手続きがスムーズになり、患者の待ち時間短縮が叶います。
待ち時間が短縮された場合、それだけで患者の満足度は向上し、その結果クリニックへの評価を高められるでしょう。
院内感染のリスクを軽減できる
自動精算機は、金銭授受や領収書の受け取りなどを患者だけで行います。
そのため、スタッフと患者の接触機会を最小化でき、院内感染リスクを軽減できるのもメリットです。
まとめ:自動精算機のトラブルを予防して業務効率化を図ろう
自動精算機を病院に取り入れると、トラブルが発生する可能性もあります。とはいえ、多くのトラブルは事前に対策を講じることで、大事に至るのを防ぐことも可能です。
業務効率化や患者の待ち時間短縮など、自動精算機には取り入れるメリットも大きいです。ぜひクリニックへの導入を検討してみてはいかがでしょうか。